2016年モデルで型式RG10JのMT-25の買取事例。
走行距離は191kmと少なく車体もきれいでしたが、細部にやや目立つ錆などがあり超極上車未満の査定評価となりました。
以下に細かい査定内容をご紹介させていただきます。
足回り
まずは足回りから査定していきます。
車体に股らがせていただきハンドルとシートに荷重して前後サスペンションの動作をチェックします。
YZF-R25のネイキッド版ストリートファイターであるMT-25は街中での乗車姿勢が取りやすいバーハンドルが装備されていますが、ハンドルポジションは感覚的にはR25とそれ程大きな差異は感じられなせん。
横道に逸れてしまいましたが、前後サスの機能は見た目がきれいな車体から想像できる通り何の問題もなく、オイル漏れや傷錆もありません。
車体がきれいなだけに細かいところですが、フロントブレーキキャリパーのパッドが茶色く錆びています。
再販に当たっては、車体がきれいなだけに交換したいところですがパッドの交換費用は高くはありません。連動して買取価値の減額も大きくはありません。
そのほかホイールやバーハンドルに細かい傷が見られますが、近寄って目を凝らして発見できる程度の傷ということもあり査定価格への影響もほとんどありません。
エンジン
センシティブではなく許容範囲が広く取り扱いやすい発進と低速域の特性を持つMT-25のエンジン。
走行距離が191kmと少なく、「慣らし運転で終わっちゃいました。飛ばす予定もありませんでしたけどね。」とは女性オーナー様のお言葉。
始動は一発、静かな排気音で安定したアイドリング、緩やかな低速域の加速、伸びる中・高速域とエンジン性能は、実走行距離があるという点を除いてはマイナス査定となる要素はありませんでした。
細かいところですが、エンジンカバーに軽い錆、ラジエーターフィンに細かい凹みがあり、このあたりがごく軽くですが査定評価を落とす原因となりました。
外装
艶を保持してきれいな外装です。カバーをかけて保管されていたそうで、買取価値を減額させる日焼けや色褪せは殆ど見られず高評価です。
右センターカウル、タンクの給油口付近、シートカウルに日常の乗り降りで付いたと思われる細かい傷があります。こちらは近寄って発見できる程度の細かい傷です。
またアンダーカウルには線傷があり目につきにくい箇所ですが、買取後の再販に当たっては、下地まで達していないので、より目立たなくするケアを施したいところです。
オーナー様には申し上げにくいところですが、レッドメタリックのカラーリングはシルバーやブラック系といったMT-25人気カラーと比べると、数万円低い買取相場となっています。
このカラーリングが査定価格にどう影響するか判断の難しいところです。
フレーム回り
ここまで」査定した箇所で目立つ外傷もなく、転倒歴を示す兆候は皆無でしたが、念のためハンドルストッパーやフレームの接合部など、大きな衝撃を受けた際に痕跡が残りやすい箇所をチェックして査定します。
凹みや曲がり、皺寄りといったダメージを受けた兆候は皆無で想像通りの状態でした。
ステップやスタンドの接合部などに錆びの出始めが散見されます。この辺りが超極上車と良好車の差になってきますが、査定化価格への影響は非常に少ないです。
総合評価と買取価格
走行距離が少なく綺麗な状態であったMT-25 減点対象は、交換が望ましいブレーキパッドの錆び、要補修のアンダーカウルの線傷。その他目立たないは細かい傷や錆び。
目立つような減点対象はなく、総合的な車両の評価は極上車ではあるものの超極上車には及ばない評価点6。
下段の相場情報で詳しくご案内していますが、
評価点6のMT-25の買取相場は20万円台後半~30万円台前半
赤いカラーリングだとそこから数万円の減額となります。
となると、業界の買取相場は20万円台半ば~30万円強が競争的な価格となります。
走行距離が若い点を考慮して30万円程度が業界の限界買取価格といえるでしょう。
更に査定価格の上積みができないか?
弊社販売店での仕入れ対象となるか否か?折り返しの連絡待ちです。
はたして。弊社販売店の返答は「仕入れOK。32.5万円まで」とのこと。
販売店仕入れの査定価格として32.5万円で買取させていただきました事例です。
お客様のご感想と買取後記
「夫婦でツーリングでも行こうなんて。買ったんですけど、乗ることがほとんどなくて。」と売却の理由を教えてくださった女性オーナー様。
「主人の友人がご利用したことがあるとかで。絶対パッションさんがいいって紹介してくださって」と弊社に査定をご依頼いただいた理由も教えてくださいました。
「ギアなしのスクーターなんかだったら乗ることもあったかもしれませんけど」。弊社販売店でご購入の際には今回の買取をした折扱いとさせていただき、割引させていただくことをお約束させて頂きました。
MT-25はいくらで売れるのか?適正相場
2015年にメーカー希望小売価格52.3万円で売り出されたMT-25。
排ガス規制への対応による仕様変更で2018年モデルから型式がRG10JからRG43Jへと変更になり、希望小売価格も53.4万円に1万円程値上がりしました。
2018年現在の実勢価格は、安いショップでは2018年モデルの新車を38.5万円から購入することができますが、平均的な税込車両価格は45万円となっています。
走行実績のある中古車の平均販売価格は37万円程度となっているMT-25ですが、いったいいくらで売れるのでしょうか?
買取業者の査定価格の指標であり、販売業者の仕入れ値であり、つまり日本の中古バイクの相場を決定している業者間オークション市場の取引データを使用して、MT-25の適切な買取相場をご案内差し上げます。
状態別の買取相場
- ▼状態を表す評価点の目安|MT-25
- 評価点8以上 新車同様
- 評価点7 超極上車
- 評価点6 極上車
- 評価点5 良好車
- 評価点4 若干の難あり
- 評価点4 難あり
- 評価点1 事故車や不動車
MT-25|評価点別の取引相場 |
状態/ 落札価格帯 |
評価点 8以上 |
評価点 6~7 |
評価点 5 |
評価点 3~4 |
評価点 1 |
35~39万円 |
4台 |
2台 |
6台 |
1台 |
0台 |
30~34万円 |
0台 |
6台 |
13台 |
2台 |
0台 |
25~29万円 |
0台 |
0台 |
4台 |
2台 |
0台 |
20~24万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
3台 |
1台 |
15~19万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
0台 |
6台 |
10~14万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
0台 |
4台 |
5~9万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
0台 |
2台 |
(2018年5月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています
平均的な買取額は29万円程度
直近半年間で43台のMT-25(実働車)が取引されています。
上記は、横軸に状態を示す評価点、縦軸に落札された価格帯、値に落札台数を記載した表です。
評価点別に取引数の多かった升目を黒い背景で目立つように色塗りしています。黒い背景の升目を見ると右下がりの傾向があり、評価点と取引額の関係性に傾向があることが読み取れます。
評価点別のトッピクをご紹介すると 評価点8以上の個体が4台取引されていますが、実は4台全てが走行0kmの未使用車で評価点10点の個体です。取引価格は35.2~38.4万円とコンパクトです。
最高額を付けたのは2018年モデル(型式RG43J)の未使用車となっています(因みにRG43Jの取引はこの1台だけとなっています)。
上記のことからフルカスタム車を除くとMT-25の上限取引金額は30万円台後半であることが読み取れます。
評価点6~7の個体は、30万円台前半での取引が多く、大半が走行数百キロの極上車となっていることから、極上車は30万円台前半での落札が想定されます。
評価点5の個体も、30万円台前半での取引が多く、多くが走行数千キロの良好車となっています。極上車と同様に30万円台前半での落札が想定されますが、走行距離が多いと下方に振れる可能性も考慮する必要がりそうです。
評価点6~7の個体は、20万円台での取引が多く、傷や劣化が目立つか、走行距離も多く不調が目立つなど、難点の度合いに応じて20万円台での落札が想定されます。
以上の金額は全て、業者間市場での落札金額です。買取相場の前提となる指標で買取相場とは異なります。
査定現場での買取相場は、市場での取引金額から、買取業者の経費(出品手数料や運送費など)と儲けを差し引く必要があります。
業者の経費+儲け?っていくらなんだ?
業者によって異なりますが、250ccバイクの場合は経費と儲けの合計額が3万円程度であれば、お客様にとって良い取引で競争価格といえるでしょう。
つまり、業者間市場での想定取引額から3万円程度を差し引いた額が、競争力のある買取相場といえます。
ふまえて、MT-25の買取相場を車両の状態別のご案内すると下記のようになります。
- ▼評価点別の買取相場|MT-25
- 新車同様だと、30万円台前半~半ば
- 極上車は、20万円台後半~30万円台前半
- 良好車は、20万円台後半~30万円台前半(距離によって下方余地あり)
- 難あり車両は、10万円台後半~20万円代半ば
販売店での中古MT-25の車両販売価格が平均で45万円程度であることを考えると、買取相場が安いようにも思われるかもしれません。
販売店は、業者間市場を通じて中古車を仕入れます。33万円で落札した車両の正味の仕入れ値は、36万円強(消費税と落札手数料が上乗せされる)となり、販売店の経費と儲けが上乗せされ45万円程度の車両価格で売り出されます。
そのような流通構造を考えると、33万円で取引されそうなMT-25を30万円の査定価格で買取できるのは競争力のあるか価格といえるでしょう。
宣伝めいてしまいますが、弊社パッションは買取販売店です。自社で買取したバイクを(仕入れ需要に応じて)自社販売店で販売できるので、業者間市場を介さず、販売店の仕入れ価格まで買取金額を上げることが可能です。
MT-25のご売却はぜひパッションまで!
事故車の買取額は10万円前後が目安
事故車や不動車を示す評価点1のMT-25は、直近半年間で14台が取引されています。
余談ですが、この数字は多いです。パワーのあるYZF-R25と同一エンジンということを考えれば納得ですが、ネイキッド仕様の見た目から攻めるイメージが連想しにくく事故車の割合に驚きました。
というものパワーのある車両ほど事故車の割合が多い傾向があるためです。
さて、取引価格帯で見ると実に7割強に相当する10台が10万円台で取引されています。
このことから(上記でご案内した、『市場の取引額』-『3万円』=『250ccの競争力のある買取相場』)7~17万円程度が買取相場のボリュームゾーンとなりますが、状態に応じて相場は異なります。
例えば下位の5~6万円台で取引された個体はフレームが歪んでいる全損事故車で、再利用可能なパーツ価値での取引となっています。
対して、10万円台前半で取引されているのは、フォーク歪みやメーター欠損など前面の損傷個所が多いもののフレームは再利用可能な車両が目立ちます。
10万円台後半で取引されているのはフロントフォークの曲がりのみの事故車が多く、フロントフォーク交換後の車両価値で取引されています。
最上位の24.5万円で落札された個体はタンクが極大サイズで凹みガソリン漏れを起こす亀裂が入っている事故車です。
以上のように、事故車でも損傷状況に応じて取引相場に連動する買取相場は異なります。事故車の買取相場をまとめると下記のようになるでしょう。
- ▼事故車の買取相場|MT-25
- 全損事故車は、残存パーツ価値で~5万円
- レストアベースの事故車は、修理工賃と修理後の価値の兼ね合いで5~20万円
以上、状態別の買取相場をご案内差し上げましたが、続いて、カラーリング別の買取相場を見てみましょう。
カラーリング別の買取相場を検証|MT-25
2016(2015年発売)~2018年モデルまでカラーリングの上位パターンはなく、全カラーリングのメーカー希望小売価格が同一のMT-25。
カラーリングによって買取相場に差異はあるのでしょうか?
見てみましょう。
- ▼2016
- レッドメタリック(赤/黒)
- マットシルバー(銀/青)
- ブラックメタリック(黒)
- ▼2017
- ディープパープリッシュブルーメタリック(青/黒)
- シルバー(銀/黒)
- ブラックメタリック(黒)
- ▼2018
- マットグレーメタリック(黒/黄)
- ディープパープリッシュブルーメタリック(青/黒)
- マットブラック(黒)
2018年モデルは1台しか取引データがないため、割愛して2016~2017年モデルのカラーリングの取引相場を比較したのが下記表です
カラーリング別の取引相場|MT-25実働車(2016~17 |
相場/ カラー |
平均落札額 |
最高額 |
取引台数 |
赤タンク |
28.6万円 |
35.2万円 |
1台 |
黒タンク |
32.5万円 |
36.4万円 |
17台 |
銀タンク |
32.6万円 |
36.4万円 |
17台 |
青タンク |
37.4万円 |
37.4万円 |
1台 |
(上記はタンクの色です。2016~2017年モデルです)
(2018年5月時点で、全国の中古バイクが取引される業者間市場の落札データを過去6カ月間遡った数字)
2018年モデルの1台を除いた、2016~2017年モデルの全42台の取引をカラーリング別にまとめたのが上記表です。
色はタンクの色を基準としています。
青系(ディープパープリッシュブルーメタリック)は、まさかの1台。
人気を二分している銀系(マットシルバー/シルバー)と、黒系(ブラックメタリック)の台数が多く、平均取引額も赤系(レッドメタリック)に比べて4万円ほど高く取引されています。
買取相場は、第一に状態ですが、カラーリングによる相場差もございます。
カラーリング別のMT-25の買取相場は、黒系・銀系に軍配が上がりましたが、2018年モデルのマットグレーメタリック(黒/黄)はヤマハの記念モデルの配色で相場が上がりやすいカラーリングですので、今後要注目です。
カラーリングまで分析して査定価格に反映させるのは弊社パッションならでは。
相場の弱い赤系のMT-25を平均相場を大きく上回る査定価格で買取できたのも、弊社パッションの買取販売店の力です。
MT-25の買取査定はパッションにご連絡くださいませ!
最後に、気付かない人も多いかと存じますが、共通仕様車であるMT-25とYZF-R25の買取相場を比較してみましょう。
買取相場を徹底比較 YZF-R25 vs MT-25
モデルチェンジ別の年式モデルと型式 |
車種 |
型式 |
年式 |
新車価格 |
YZF-R25 |
RG10J |
2014~17 |
55.6万円 |
YZF-R25 |
RG43J |
2018~ |
56.7万円 |
YZF-R25 ABS |
RG10J |
2014~17 |
59.9万円 |
YZF-R25 ABS |
RG10J |
2018~ |
61.0万円 |
MT-25 |
RG10J |
2015~17 |
52.3万円 |
MT-25 |
RG43J |
2018~ |
53.4万円 |
(※新車価格は100円単位を切り下げた、各型式の発売初年のメーカー希望小売価格)
2014年に発売されたYZF-R25の翌2015年に発売されたMT-25。
ネイキッド仕様とレーサー仕様で見た目は大きく異なりますが、実はフレーム型式は同じで、フレームやエンジンなど多くの部品は同じです。
基本設計の共通化と、インドネシア工場での製造によってコストダウンが図られ、ヤマハのフラッグシップモデルとしてはメーカー希望小売価格も控えめの設定となっています。
YZF-R25の方が3万円ほど高い設定となっていますが、フルカウルの外装が装備されていることを考えるとその価格差は少ない印象を受けます。
YZF-R25の、MT-25どちらも排ガス規制対応によって2018年から型式がRG43Jに変更されています。
以上、共通仕様となっている両車種のメーカー希望小売価格を比較してみました。
続いて、両車種の買取相場を比較したいと思います。
(参考:
2016年モデルのYZF-R25の買取事例はこちら)
年式別の中古取引相場|MT-25実働車 |
相場/ 年式モデル |
平均落札額 |
最高額 |
取引台数 |
YZF-R25 RG10J |
31.6万円 |
44.2万円 |
173台 |
YZF-R25 RG43J |
40.1万円 |
41.2万円 |
3台 |
YZF-R25 ABS RG10J |
33.4万円 |
39.8万円 |
49台 |
YZF-R25 ABS RG43J |
- |
- |
0台 |
MT-25 RG10J |
32.0万円 |
37.4万円 |
42台 |
MT-25 RG43J |
38.4万円 |
38.4万円 |
1台 |
(2018年5月時点で、全国の中古バイクが取引される業者間市場の落札データを過去6カ月間遡った数字)
2018年1月に発売された型式RG43Jの2018年モデルは、発売から日が経っていないこともあり取引されたほぼすべての個体が走行距離0kmの未使用車となっていました。
それゆえに、RG43Jの金額は、買取上限額の指標と見做すのがよいでしょう。
RG10Jの平均取引額を比較してみると、YZF-R25が31.6万円、YZF-R25 ABSが33.4万円、MT-25が32.0万円。新車価格の違いは反映されていおらず、YZF-R25とMT-25の買取相場に差はないという結論となりました。
意外でしたか?
MT-25のご売却をご検討中のオーナー様にとっては嬉しい結果となったのではないでしょうか?
MT-25の買取査定は、直営販売店を展開する買取販売店の弊社パッションにお任せください!
ご期待以上の査定価格と誠実な対応ででお客様のご期待にお応えしております。
▼参考:MTシリーズの買取事例
(
MT-07の2014年モデルの買取事例)
(
MT-09事故車の買取事例)
MT-25
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近6ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 43台
- 平均価格: 320,786円
- 最高価格: 384,000円
- 最低価格: 208,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 13台
- 平均価格: 147,385円
- 最高価格: 219,000円
- 最低価格: 59,000円
相場情報:2018年5月17日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。