査定させて頂いたのは2016年モデルのYZF-R25。
ご購入されてから約1年と日が浅く、目立つような難点が殆どなく、査定も短時間で済んだ車両です。
早速査定内容をご紹介いたします。
目立った減点のない良好車
カスタムによる加点を除くと、査定は10点満点の新車を基準にした減点方式で行われます。
減点が多いほど検分する箇所が多くなり査定時間が伸びますが、逆に減点が少ないほど査定時間は短くなります。
今回のYZF-R25の査定時間は5分も要しませんでした。それだけ状態が良かったことの裏返しです。
外装には目立つような傷はなく、劣化の出やすいステップやステム回りの使用感も浅め、メッキや金属部分に目立つような錆びもなし。
走行距離も浅くタイヤの溝は十分に残り、バッテリーなど全ての消耗品も交換の必要はありません。
エンジンについても走行が浅い上に丁寧に乗られていたようで、始動・アイドリング・加速減速・ギアチェンジもスムーズで機能的にも良好。
車両状態は十分に良好であることが分かりますが、2014年に発売開始された現行車で状態の良い中古車が多く流通しているYZF-R25としては、極上車未満でもあります。
以下で細かく減点となった箇所を見ていきましょう。

細かい傷や錆びが減点に
足回りのホイールや、スイングアームに飛び石など日常使用による細かい傷が付いています。
最も錆びが目立ったのはスプロケやチェーン回り。チェーンなどは洗車後の拭き上げが困難な個所で、錆び止めケアを施さないと、雨走行が無くても錆びが浮いてきてしまうのは致し方ないところ。
とはいってもやはり細かい減点となり買取価値を細かく損ねています。
ディスクローターやリアショック、エキパイ、ステム、ステップ周辺などにも、簡単なケアで除去できる程度の錆びの出始めがあります。

タンクをはじめ、センターカウル・メインフレームなどに乗り降りの際に付いたと思われる細かい傷があります。近づいて見ないと分からない傷ですが、こちらも細かい減点となります。
リアフェンダーとスイングアームには遺物と接触したと思われる擦り傷がありますが、目立たない個所でありこちらも細かい減点。
大きく目立つ減点はありませんでしたが、各所に細かい減点があり、極上車としての判定には至りませんでした。
買取後に簡単に除去やケアできる程度の錆びや傷であった点はポジティブに評価させて頂きました。<
カスタムは若干のプラス査定
社外品はデイトナのグリップ(2,000円弱)のみですが。取替えの際に純正品を切り取って廃棄されたそうで欠品しています。 仮に純正グリップがあっても取り外し組付け費用を考えればパーツ価値から言ってもプラス査定とはならなかったでしょう。
プラス査定となったのは、ハンドルマウントステー・USBポート・スマートホンホルダー・ヘルメットロック装着。いずれも高価な品ではありませんが需要は高い取り付けパーツでプラス査定となりました。

総合評価と買取価格
細かい減点が重なり、極上車としての評価には至りませんでした。
それでも買取後に簡単なケアで極上車に引き上げられるポテンシャルを高く評価させて頂きました。
下段で詳詳しくご紹介していますが、
RG10J型の新車が41万円台~売られていることもあって、新車でも買取相場が30万円台後半となってしまうYZF-R25
相場的には30~32万円程度が競争力のある査定金額となるのですが、弊社販売店で売れ筋の車種という事で販売店仕入れ価格として、34万円の査定価格で買取させて頂きました。
お客様のご感想と買取後記
買取後、半日がかりのケアでまさに極上車と呼べる状態となったYZF-R25
写真を撮ってホームページで紹介して、店頭に並べたところ、早速当日にお問合せを頂き販売契約に至りました。
買取してから整備、そして保証付き販売まで、一貫して自社で行える買取直販の買取販売店だから、買取専門店が必要とする中間マージンをお客様のオートバイの買取価格に還元できる可能性がございます。
特に人気車種で状態の良い車両程、販売店仕入れ価格で買取出来る可能性は高まります。
YZF-R25 買取相場
YZF-R25はヤマハ待望の250ccレーサーレプリカタイプのスポーツバイクとして2014年に発売されました。
2018年モデルのメーカー希望小売価格が56.7万円~と、海外生産の利点を生かした廉価な設定という事もあって、
中古市場での流通数では、ライバル車であるCBR250RR(
CBR250RR買取事例一覧)を圧倒し、先行したGSR250(
GSR買取事例一覧)やCBR250R(
CBR250R買取事例一覧)やNinja250(
Ninja250/R買取事例一覧)に急速に迫る勢いを見せています。
2018年6月現在では、新車の実勢価格(店頭での税込本体価格)は41万円台~となっていて、中古車の平均的な本体価格は40万円台前半で販売されています。
販売か価格の傾向は直ぐにわかりますが、YZF-R25はいったいいくらで売れるのでしょうか?
日本の中古バイクの相場を決定している業者間オークション市場の取引データを使用して、適正な買取相場をご案内差し上げます。
先ずは、状態別の買取相場からご紹介しましょう。
状態別の買取相場
- ▼状態を表す評価点の目安|YZF-R25
- 評価点7 新車に近い状態
- 評価点6 とても状態が良く綺麗
- 評価点5 状態が良く綺麗
- 評価点4 軽い難あり
- 評価点3 難有り
- 評価点2 実働車だが劣悪
- 評価点1 事故車や不動車
YZF-R25|評価点別の査定相場比較 |
状態/ 落札価格帯 |
評価点 6以上 |
評価点 5 |
評価点 4 |
評価点 1 |
40~44万円 |
1台 |
0台 |
0台 |
0台 |
35~39万円 |
9台 |
12台 |
2台 |
0台 |
30~34万円 |
2台 |
37台 |
9台 |
0台 |
25~29万円 |
0台 |
6台 |
15台 |
0台 |
20~24万円 |
0台 |
0台 |
5台 |
10台 |
15~19万円 |
0台 |
0台 |
1台 |
11台 |
10~14万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
1台 |
5~9万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
4台 |
0~4万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
6台 |
(2018年6月時点で、業者間市場の落札データを過去3ヶ月間遡った数字)
(ABS装備モデルを含まない数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)

平均的な買取相場は30万円弱。上限は30万円台後半。
過去3か月間で、99台の実働車の取引があったYZF-R25。
最高額の40万円で取引された車両は走行0kmの未登録車です。走行0kmのR25は37.2万円~40万円のレンジで合計3台取引されていています。
新車の税込本体価格が41万円台~で店頭販売されている現状を考えると、新車であっても業者間市場では40万円が上限の取引額といえるでしょう。
評価点に着目して取引額を見ると、 点数が高い車両が高価格帯で取引され、点数が低い車両が低価格帯で取引されている傾向が読み取れる相場となっています。
2018年時点では、2014年に発売されたYZF-R25は高年式車両で状態の良い車両が多く、大半は評価点5以上の車両となっています。
評価点別の取引額を見ると、6点以上の車両は30万円台後半、5点の車両は30万円台前半、4点の車両は20万円台後半、が取引のボリュームゾーンとなっていて、全車両の平均取引額は31.6万円となっています。
上記の価格はそれぞれ、業者間市場での取引価格であって、買取価格や買取相場ではありません。
買取業者がお客様から買取した中古バイクを出品して、売却できた金額が業者間市場での取引価格となっています(販売業者にとっての仕入れ価格でもあります)。
市場での取引価格から買取相場=査定現場での適正な買取価格=を計算するには、買取業者の儲けと経費(運送費用や出品手数料など)を差引く必要があります。
250ccの場合は、経費で1~2万円程度。儲けで1~2万円程度。お客様にとって競争力のある金額は合計で3万円程度と言えます。
経費に関しては、出張査定に10回お伺いして1回しか成約できなければ1台当たりの経費は非常に高くなりますし、大きな広告宣伝費を投下していれば高コスト体質になりますし、 業者によってまちまちとなりますが。弊社パッションのように薄利多売で買取率が非常に高く、口コミやご紹介のお客様が多く広告宣伝を殆ど行っていない場合は低コスト体質で買取価格に還元できる余地が多くございます。
自社の宣伝を絡ましてしまいましたが、適正な買取相場は下記となります。
- ▼評価点別の適正な買取相場|YZF-R25
- 評価点6 30万円台半ば
- 評価点5 30万円近辺
- 評価点4 20万円台半ば
全損事故車の買取相場は数千円~、レストアべーすは10万円~
事故車や不動車を表す評価点1の車両は、過去3か月間に32台の取引があります。2014年発売の車両としてはとても多い数字です。
その理由は32台全てが事故車であることで説明できます。反応が素早くパワーがあるレプリカに良くある傾向です(高年式のクルーザーやアメリカンとなると評価点1の取引は殆どありません)。
最低額の1.9万円で落札されている車両は、バイクの原形は保持していますが、再利用できそうな部品は外装や足回りだけとなっている全損事故車です。
フレームに損傷がある全損事故車は、10万円下での取引が中心でパーツ取りできる価値の総計に準じた取引額となっています。
15万円以上で取引されている事故車は部品交換によって商業的にレストア出来そうな車両が取引されています。
実働車の欄で上述した『市場での取引価格-3万円=適正な買取相場』を当てはめると、下記のようになります。
- ▼事故車の適正な買取相場|YZF-R25
- 全損事故車はパーツ取りの価値で数千円~6万円程度
- 商業的にレストアベースに乗る事故車は10万円台
YZF-R25実働車|走行距離別の相場比較 |
状態/ 落札価格帯 |
~0.1万Km |
~0.5万Km |
~1万Km |
1万Km超 |
40~44万円 |
1台 |
0台 |
0台 |
0台 |
35~39万円 |
4台 |
12台 |
6台 |
1台 |
30~34万円 |
2台 |
16台 |
13台 |
15台 |
25~29万円 |
1台 |
2台 |
5台 |
13台 |
20~24万円 |
0台 |
0台 |
2台 |
3台 |
15~19万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
1台 |
(2018年6月時点で、業者間市場の落札データを過去3ヶ月間遡った数字)
(ABS装備モデルを含まない数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)

評価点と取引額の相関性は高かったのですが、走行距離と取引額の相関性はそこまでは高くないようです。
とはいっても、走行距離が0.5万キロ未満の車両は30万円台に取引が集中し、走行距離が1万キロ超の車両は20万円台後半~30万円台前半に取引が集中している事が読み取れます。
その一方で、30~34万円台で取引されたYZF-R25の走行距離別の取引台数が物語るように、異なった走行距離帯域の車両が同じ比率で同じ価格帯で取引されています。
多少走っていても状態が良ければ査定価格で挽回できる可能性があることが分かります。
ABS有り無しの買取相場
1年遅れの2015年に発売されたYZF-R25 ABS
メーカー希望小売価格では常に4万円程高い設定で販売されてきました。
4万円の差は、買取査定価格にも影響を与えるのでしょうか?
買取相場の前提となる市場の取引相場を比較したのが下記表です。
ABS有無の相場|YZF-R25 |
相場/ 年式モデル |
平均落札額 |
最高額 |
取引台数 |
YZF-R25 |
31.7万円 |
40万円 |
99台 |
YZF-R25 ABS |
32.3万円 |
38.2万円 |
25台 |
(2018年6月時点で、業者間市場の落札データを過去3ヶ月間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
取引数ですが、ABSなしの標準モデルが99台に対してYZF-R25 ABSは25台と約25%で、一般的な比率です。
取引金額では5千円程ABSモデルが高く推移していますが、こちらも一般的な数字です。
新車価格では大きな差があるABSモデルですが、買取時のアドバンテージとして大きなプラス査定にはならないのが実情です。
年式モデル別の買取相場
2018年1月に型式変更を伴うモデルチェンジのあったYZF-R25
年式モデルによって買取相場は異なるのか?買取相場の前提となっている業者間市場の取引データを使用して比較したのが下記表です。
- ▼年式モデルの変遷|YZF-R25
- 海外仕様 フレーム番号MH3RG10
- 2015年 フレ番RG10J-00~
- 2016年 フレ番RG10J-010~
- 2017年 フレ番RG10J-018~
- 2018年 フレ番RG43J-00~
※(年式はモデル年度)
年式別の査定相場|YZF-R25実働車 |
相場/ 年式モデル |
平均落札額 |
最高額 |
取引台数 |
2015年 |
30.2万円 |
37.2万円 |
55台 |
2016年 |
33万円 |
38.6万円 |
31台 |
2017年 |
34.9万円 |
38.8万円 |
8台 |
2018年 |
39.6万円 |
40万円 |
2台 |
海外仕様 (~2017年) |
29.7万円 |
31.2万円 |
3台 |

2018年モデルで、型式がRG10JからRG43Jに変更されましたがフルモデルチェンジではなく、排ガス規制対応へのパワーダウンを伴うマイナーチェンジに留まったことから、 型落ちとなったRG10Jですが相場が急落することもなく買取相場に大変化は発生していません。
年式が新しくなるほど階段的に数万円づつ高く取引されているYZF-R25
期間中の大胆なカラーリング変更や仕様変更もなかったことから、年式モデルによる相場差というよりは、高年式で状態が良いことによって発生している相場差の要因が多いように見受けられます。
したがいまして、高年式であるほど高額査定が期待できる事に間違いはありませんが、良い状態が伴っての注釈がつく相場となっています。
以上、『状態』『走行距離』『ABSの有無』『年式モデル』の4つの項目でYZF-R25の買取相場を見てまいりました。
結論としては、査定価格に与える最大の要素は状態、次いで年式と走行距離、そしてABSの有無の順となっています。
バイクパッションでは常に透明度の高い誠実査定。お客様の愛車の状態の沿った適正以上の買取価格でお客様のご期待にお応えしています!
そんなことでもお気軽にお問い合わせくださいませ。
YZF-R25
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近3ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 99台
- 平均価格: 316,586円
- 最高価格: 400,000円
- 最低価格: 164,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近3ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 33台
- 平均価格: 151,219円
- 最高価格: 234,000円
- 最低価格: 19,000円
相場情報:2018年6月15日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。