PCX160買取査定事例｜使用感強め 2021年モデルのライトカスタム

2010年デビューのPCXから2年遅れて登場したPCX150。
125ccと150ccクラスで最も売れ続けているスクーターとして進化し続けており、2022年現在で既に3回のフルモデルチェンジが実施されています。
買取させて頂いた2021年モデルは、過去最大の仕様変更を受けた4世代目に位置します。

PCX150とPCX160の比較
	PCX150	PCX160
登場年	2018年	2021年
排気量	149cc	156cc
ABS	別グレード	標準装備
最高馬力	11馬力	12馬力
型式	KF30	KF47
希望小売価格(税抜)	34.6万円 (ABS 36.6万円)	37万円

以上のように大幅な変更が実施されされながらメーカー希望小売価格は税抜4千円の値上げに留まっており、値打ち感が高い最新モデルと言えます。
発売から1年強しか経過していない最新KF47型PCX160ですが、中古の買取相場はどうなっているのでしょうか？

未使用の未登録車が相場上位を占める

KF47型として出品された2021年モデルPCX160は、直近12ヶ月間で実動車51台の取引が記録されています。
取引の最高額は38.4万円、最低額は20.4万円、33.7万円が平均となっています。
最新現行モデルの実働車ながら上から下まで18万円のレンジで51台が取引されています。メーカー希望小売価格が37万円(税抜)なので取引額はからりワイドですが、以下の様な傾向があります

• ▼PCX160の取引額と車両状態の傾向
• 35万円超で取引された23台のう12台は走行0kmの未登録の未使用車。
• 30～35万円で取引された23台には、33.4万円で落札された走行距離0kmの未登録車を筆頭に、走行距離数百kmで評価点6～7(極上～超極上)の個体が11台含まれています。
• 20万円台で取引された5台はいずれも、走行距離 数千キロで評価点3～5点(難有～良好)となっています。

オークションの性質上、競りがヒートアップした際に落札が伸びるため例外も散見されますが、傾向を纏めると上記になります。

2021年に高かった買取相場は反落傾向

業者間オークションにおいて、過去1年間に走行距離0kmの未登録車が33.4～38.4万円のレンジで13台落札されていますが、消費税や落札手数料や運送費が加味された店頭での車両販売価格は38～43万円となります。
つまり36万円以上の落札額だと、最終的な店頭販売価格はメーカー希望小売価格40.8万円以上になります。
実質的には新車よりも高い金額で新古車が取引された背景とは？

コロナ禍で新車供給が滞ったことを受けて中古相場が異常高騰した2021年には、PCX160もその恩恵を受け実質的にメーカー希望小売価格を上回る取引が見られました。

しかし新車供給に改善の兆しが見られる2022年現在、PCX160の新車は税込35万円からの車両価格で販売店の店頭に並んでいます。
踏まえると今後は未登録の0kmの車両も30万円台前半での取引に収斂されていき、2023年モデルなどで新型が出た際にはガクッと相場が下落するであろうことは、過去の型落ち(KF12⇒KF18⇒KF30型)モデルの相場下落が物語っています。
もし売却をお考えでしたら早めの売却が吉と言えます。

以上の買取相場を踏まえ、最新2021年モデルとしては相対的に使用感の強かったPCX160の査定内容と買取額についてご紹介させて頂きます。 （※上記の取引額は、買取業者の転売額＝販売業者の仕入れ額に相当するため、買取相場は9掛け相当となります）

1年前に新車購入し、走行距離970kmとそれほど乗り込まれていないPCX160でしたが、中古市場に出回る多くが未使用車や隙の無い極上車で占められるPCX160(現行の最新2021年モデル)としては相対的に使用感が強めでした。
フロントフェンダーに生じた長く下地にまで達した引っかきキズ、使用感の目立つステップボードやスイッチハウジング周り、広範囲に及ぶリアショックの茶サビ、車体左側やグラブバーの擦過傷、 フェンダーの部分変色などがマイナス判定に。

エクステリアや機能部品の外面でマイナスの判定が入りましたが、基幹機能の状態は最新モデル並みに良好です。
対してポジティブ判定となったのはモリワキ製ZERO BP-Xのマフラー。純正マフラーの欠品が惜しまれながら若干のプラス査定に。
以下、今回の現車の各部詳細となります。

フロントフェンダーを走る白く大きめの引っかきキズ。
ご覧の通り、塗装被膜を超えて下地部が露出する深さに達しており、泥除けの機能自体は損なわれてはいないものの、目につく箇所だけに細かいマイナス査定に。

アンダーボーンフレームが主流のスクーターはその構造上、ステップボードが広く、靴裏や爪先などの硬い部分との接触でキズがつきやすい箇所ですが、現車PCX160は特にそれが顕著であり、ご覧のように広範囲に及ぶ擦りキズや汚れで1年落ちとは思えない色濃い使用感が出ています。
ステップ下部のアンダーカウル前方部には細かい擦りキズが見られます。
年式が新しい程、見た目の印象はステップボード周りの印象で大きく違ってくるスクーター。見た目の印象を損ねていたため買取価値を若干下げていました。

シート後方に備え付けられているグラブバー周りには、目の粗い荷掛けロープに拠るものと思わしき擦過傷が目立った状態。カラーリングが黒だけに、この擦りキズはかなり目立ち、ご覧のように照明を乱反射する状態となっていました。
ナンバープレート装着で日が当たらない箇所にも係らずリアフェンダーに変色が。機能面での問題はないものの、高年式車だけに却って目を惹くため、若干ながらこちらもマイナス判定に。

ライトカスタムが施されていたPCX160。そのカスタム内容はモリワキ製ZERO BP-X。高価で人気の高いパーツだけに、当然プラス評価の対象とさせて頂いたものの、純正マフラー欠品によるマイナスとの相殺の結果、微妙なプラスに終わってしまったのが非常に残念。

上記評価が主なまとめとなりますが
発売から1年超しか経過していない最新2021年モデルとしては相対的に強い使用感が出ていたPCX160。
総合的な評価点は5.3点(良好と極上の中間)に。

上段で触れた買取相場に照らすと、業者間オークションでは35万円以上の落札は走行0kmの未登録車で占められており、相場は下落傾向です。 踏まえると、落札額(販売業者の仕入れ額＝買取業者の転売額相当)は30万円前後想定です。
出品手数料や運送費などの経費を差し引いて儲けを出すには27万円程度が買取業者としてはギリギリの査定額になるところです。

ライトカスタムを評価し販売店仕入れ額で買取

弊社が提示させて頂きました査定額は31.8万円。
『屋外に置きっ放しで一度も洗車していないんで、そこまで高く売れるとは思わなかった』とのオーナー様のお言葉を受けて買取成約となりました。

相場的には赤字確定の査定額を提示できた理由は、業者間オークションでの転売額ではなく、弊社販売店の仕入れ価格をベースにできた点にあります。
モリワキ製マフラーを入れたライトカスタムが差別化要因となり販売店仕入れに繋がりました。新社会人や学生の方の通学用の足として需要が高まる4月であった点もタイミングが良かったと言えます。
単店舗としては日本一中古バイクを販売している弊社販売店で売れ筋の125～160ccスクーターは、販売店仕入れとして一段高い査定額での買取に繋がる確率が高いと言えます。