2021年7月13日アメリカにて、全く新しいスポーツスター「RH1250S スポーツスター」が世界にお披露目された。
スポーツスターのヒストリーは1957年に始まり、当初からミッション一体型のOHV空冷45度Vツインエンジンを搭載してきた。そのスタイリングは、スリム&コンパクトなデザインで特に日本の道路事情ともマッチするということから国内ではビッグツインを凌ぐ人気モデルとなってきた。
しかし、この度デビューした本モデル「スポーツスターS」は、これまでのセオリーを大きく覆す全く別物マシンとなっている。
まず、パワートレインに関しては可変バルブタイミング機構を採用したDOHCヘッドにバック角を60度に設定した水冷エンジンを搭載。新エンジンに与えられたネーミングはRevolution Max 1250Tだ。
ボア・ストロークは105mm×72.3mmのショートストローク構造。排気量は1,252㏄で圧縮比は12.0に設定されている。最大トルクは6,000回転125Nmで、最高出力は本国データで7,500回転121hpとなっている。
ちなみに2021年ラインアップでは継続されている空冷スポーツスターだが、「XL1200X」と「XL1200NS」が搭載するエンジンは1,202㏄で、排気量こそ大きな差はない。ただ、ボア・ストロークは、88.9mm×96.8mmのロングストロークで最大トルクは3,500回転96Nmというスペック。
時を追うごとに基準が厳しくなる環境規制EURO5に空冷Evolutionは対応せず、今回の水冷ニューエンジンへと進化したという経緯だが、そこで与えられた心臓部はハーレー史上最高の高回転型ハイパワーユニットとなった。
冷却方法の水冷化に伴って設置された大型のラジエターは、2017年モデルを最後にラインアップから姿を消した「V-ROD」ファミリーを思い起こさせるディテールだ。
エンジン本体の造形も美しい仕上がりとなっている。コンパクトサイズのクランクケースにチョコレートステンフィニッシュの軽量マグネシウムカバーを組みあわせる。そしてエキゾーストは、フラットトラッカー「XR750」からインスピレーションを受けたアップタイプを装着。
足回りは、フロントにSHOWA製カートリッジタイプの倒立フォークをセット。超ショートなフェンダーにサテンブラックの17インチホイールと160mmのファットタイヤを組合せる。ブレーキはシングルディスクにラジアルマウントのモノブロック4ピストンキャリパーを採用。
リアの足回り構造も特徴的である。往年のスポーツスターシリーズのようなツインショックではなく、SHOWA製のピギーバックモノショックを装着。フェンダーもフロントデザインとマッチした超ショートサイズで16インチ180mm幅のワイドタイヤが大胆に存在感を主張する。
マシンコントロールは豪華な最新電子制御デバイスを採用している。6軸慣性計測ユニットを装備し、コーナリングABS&トラクションコントロールを搭載しており様々な路面状況でも安心して操作が可能。
灯火類はフルLED仕様。ヘッドライトはオーバル形状で現行ファットボブをイメージさせるがベゼルレスのスポーティでスッキリした印象だ。
メーターは丸型の4インチディスプレイでタイヤの空気圧やバッテリー電圧といった車両情報も表示可能。Bluetoothを介して手持ちのスマートフォンと連携することもできる。
高回転型高出力水冷エンジンに最新電子制御機構を組み合わせた新世代「スポーツスター」の誕生となった。

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解説記事更新日：2022年09月22日

2021年のスポーツスターファミリーは、前年からマシンラインアップを大きく縮小して3モデルのみで展開。しかし、「スポーツ」カテゴリとして全く新しいマシンが登場。
それが、本モデル「スポーツスターS」だ。
パワートレインには、同年デビューのアドベンチャーモデル「パン アメリカ1250」と基本設計が同じ水冷VツインユニットRevolution Max1250Tを搭載。DOHCのVVT機構を採用した心臓部となる。ボア・ストロークは、105mm×72.3mmのショートストロークエンジンで、最大トルクは6,000回転125Nmというスペック。圧縮比は12.0に設定されており最高出力は7,500回転で121hpを発揮する。
エンジンが水冷化されたことで設置された冷却機構のラジエーターは、2017年モデルが最終仕様となった「V-ROD」シリーズを彷彿とさせる大型サイズを採用する。
コンパクト形状のクランクケースで9,500回転まで回せるニューエンジンは、空冷Evolutionとは全く特性の異なるユニットである。
ちなみに「パン アメリカ1250」は、同系エンジンながらも圧縮比は13.0と高く、最大トルクも6,750回転で128Nmというハイパワースペック。ただ、車両重量は245kgで本モデルの228kgより重い。
足回りは、フロントに43mmの倒立フォークに17インチホイールをセットし160mmのファットタイヤを装着。リアはスポーツスターとしては異色のスタイルを創り出すピギーバックモノショックに17インチホイールと180mmタイヤを組合せる。
全体的なスタイリングは、アップタイプのマフラーやスリムなソロシート、オーバル形状のLEDヘッドライトといったディテールが、従来のスポーツスターとは大きく異なりスポーティな要素を色濃く強調した仕上がりだ。超ショートなリアフェンダーにテールランプとウィンカーはセットされておらず、車体左側のリアアスクルから延長されるステーを介してマウントするという特徴的な構造。
デビューモデルとなった2021年式は3カラーで展開。「ビビッドブラック」が、185.8万円(税込)。「ストーンウォッシュホワイトパール」、「ミッドナイトクリムゾン」は、188万7,700円(税込)に設定された。

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解説記事更新日：2022年09月18日

空冷スポーツスターファミリーがラインアップから姿を消すことになった2022年だが、日本向けには「XL1200X フォーティエイト」のファイナルエディションが1,300台限定で導入された。瞬く間に予約完売したのは言うまでもない。
なお、水冷エンジンを搭載した新たなカテゴリ「スポーツ」には、ニューカマーが登場。新開発の水冷Revolution Max975Tを搭載する「RH975 ナイトスター」だ。
スリムなタンクにソロシート、リアサスペンションはツインショック仕様でスマートなスタイリングだ。
本モデル「RH1250S スポーツスターS」に関しては、デビュー間もないタイミングということもありカラーチェンジのみ実施されている。
前年同様に3カラーバリエーションが用意された。「ビビッドブラック」は9万100円の値上がりで、194万8,100円(税込)。ニューカラーの「ミネラルグリーンメタリック」と「ホワイトサンドパール」は、197万8,900円(税込)に設定された。こちらは9万1,200円の値上がりとなっている。
パワートレインには、1,252㏄の水冷Revolution Max 1250Tを搭載。最大トルクは、6,000回転125Nm、最高出力が7,500回転121hpというスペックで前年同様。
ちなみに水冷Revolutionといえば、2001年~2017年までラインアップされていた「V-ROD」ファミリーが記憶に新しい。デビュー当時は115馬力というスペックで最大回転数は8,000rpmオーバーという高回転まで気持ちよく吹け上がるDOHCショートストロークユニットを搭載していた。当初は1,131㏄だったが2008年モデルからは1,246ccへ排気量アップ。ハーレー史上最高パワーとも噂されるマシンだった。
そして、最終仕様となった空冷スポーツスター「XL1200X フォーティエイト ファイナル」は、最大トルクが3,400回転96Nmというスペック。
デザイン面ではショート&スリムな前後フェンダーにファットタイヤを収めたボバースタイルが特徴的だ。灯火類はフルLEDで、ヘッドライトはオーバル形状。
4インチのラウンド型TFTモニターメーターは、スマートフォンとBluetooth接続すればナビ代わりにも使用できる。クルーズコントロールも装備しているのでロングツーリングも快適なスポーツマシン。
これらのディテールを踏まえると本モデル「スポーツスターS」が、ハーレー史上最高の高回転型ハイパワーモデルとしてリリースされており、メカニカルとスタイリング共にこれまでのスポーツスターとは一線を画すマシンであるということがお判りいただけるだろう。

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解説記事更新日：2022年09月18日

新生「スポーツ」ファミリーのフラッグシップマシンとして、デビューから3年目を迎えることになった「RH1250S スポーツスターS」は、2023年モデルでカラーチェンジが行われた。
従来の3カラーバリエーションから4カラー構成へラインアップの充実化が図られている。ベーシックカラーの「ビビッドブラック」は、249万4,800円(税込)で、前年から54万6,700円も値上がりとなった。そして継続カラーの「ホワイトサンドパール」と新色の「グレーヘイズ」、「ブライトビリヤードブルー」は、252万7,800円(税込)で、こちらは54万8,900円の値上げ。従来までは200万円(税込)以下で購入できた水冷スポーツスターだが、2023年式では世界情勢の変化もあってかハーレーのラインアップも大幅な値上げとなっている。
なおメカニカル機構に関して大きな変更ポイントは無く、マシンの心臓部には1,252cccの水冷Revolution Max 1250Tエンジンを搭載。最高出力は7,500回転で121馬力、最大トルクは6,000回転で125Nmに達する。ちなみにカナダ仕様は127Nmで、さらに強大なトルクを発揮する凶暴なマシンに仕上げられている。
ハイパワー&ハイトルクの出力を的確にコントロールする足回りは、フロントが43mmの倒立フォークに17インチキャストホイールと160mmタイヤをセットしてラジアルマウントモノブロック4ピストンキャリパー仕様のブレーキで装備を固めている。
コーナリングABSやトラクションコントロール、ドラッグトルクスリップコントロールといった電子制御システムも標準装備することでライダーのマシンコントロールをサポートする。
なお2023年モデルの「スポーツ」ファミリーには、Revolution Max 975Tエンジンを搭載する「ナイトスター」が2タイプ構成で展開されている。アナログディスプレイを採用して往年のスポーツスターをイメージさせる「RH975 ナイトスター」とスピードスクリーンや4インチTFT液晶メーターや電子制御システムの充実化が施された上位グレードの「RH975S ナイトスター スペシャル」の2モデル。
水冷エンジンの搭載によって次世代へとアップデートされた「スポーツ」ファミリーの進化は着実に進んでいる。

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解説記事更新日：2023年05月30日

水冷Vツインエンジンを搭載する「スポーツ」シリーズの第1弾として2021年に登場した本モデル「RH1250S スポーツスターS」だが、今となっては下位排気量クラスに「RH975 ナイトスター」シリーズも展開されてラインアップの充実化が進んでいる。
なおデビューから4年目となった2024年式の本モデルは、カラーチェンジが行われた。日本国内向けに展開されたカラーリングと価格は以下の通り。

・「ビビッドブラック」　202万5,200円(税込)
・新色「ビリヤードグレー」　199万8,800円(税込)
・新色「レッドロック」　203万2,900円(税込)
・新色「シャークスキンブルー」　203万8,400円(税込)

カラーバリエーション数は、前年同様に4タイプが用意された。ダミータンクサイドに配されるグラフィックデザインはデビュー時から変わっていない。なお価格に関しては、ベーシックカラーの「ビビッドブラック」が前年比で46万9,600円も値下がりしている。最もリーズナブルなカラーの「ビリヤードグレー」は、税込で200万円を下回る価格となった。

なおメカニカル面の変更は無く、国内モデルの主要諸元は前年から変わっていない。
個性的なレイアウトのアップタイプデュアルマフラーを装着する心臓部は、1,252ccの水冷Vツイン「Revolution Max 1250T」となる。最高出力は、7,500回転で121馬力を発生する。最大トルクは6,000回転125Nmというスペック。
最低地上高90mmで低く構えた車体の足元は、フロントが17インチの160mm幅、リヤは16インチ180mm幅の肉厚タイヤを履いてボバースタイルに仕上げられている。

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解説記事更新日：2024年03月19日