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VL1200 【74ci フラットヘッド 1930~36年】

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VL1200 【74ci フラットヘッド 1930~36年】毎週更新の買取査定相場

VL1200 【74ci フラットヘッド 1930~36年】 買取査定に役立つ車両解説

【車両解説】VL1200 【74ci フラットヘッド 1930~36年】
VL1200 【74ci フラットヘッド 1930~36年】

1930年から1936年にかけて生産されたハーレーダビッドソン VL1200 74ciフラットヘッドは、単なるヴィンテージバイクという言葉では語り尽くせない、特別な価値を持つ一台です。その本質は、世界大恐慌という未曾有の経済危機を乗り越え、絶え間ない改良を重ねて成熟した技術の物語にあります。革新的なOHVエンジン「ナックルヘッド」が登場する直前の、サイドバルブ式ビッグツインエンジンの最終到達点であり、日本では伝説的なオートバイ「陸王」の直接の始祖となった歴史的な一台でもあります。その乗り味は、現代のバイクのような滑らかさとは対極にあり、エンジンの鼓動、機械の作動感を全身で感じる、荒々しくも力強いトルクが生み出すダイレクトな体験そのものです。現在の市場におけるこのモデルの価値は、走行性能ではなく、その歴史的重要性、年式ごとの改良点、そして何よりもオリジナルの部品がどれだけ保たれているかによって決まります。業者間オークションの取引データを見ると、その評価は個体の状態によって大きく変動し、良好な状態で約250万円から、希少な高性能モデルや完璧なレストアが施された車両では600万円を超える価格で取引されることもあり、真のコレクターズアイテムとしての地位を確立しています。
※尚、上記の買取相場は2025年時点の情報です。最新相場は上段の自動査定や下段のグラフでご確認して頂けます。

このVLシリーズが誕生した背景には、過酷な時代がありました。1929年半ばに発表された直後、アメリカはウォール街大暴落に端を発する世界恐慌に見舞われます。モーターサイクル市場は壊滅的な打撃を受け、多くのメーカーが倒産へと追い込まれる中、ハーレーダビッドソンは生き残りをかけて開発を続けました。VLは、それまで長年生産されてきたFヘッドVツイン エンジンを搭載したJシリーズの後継機として、全く新しいサイドバルブ式、通称「フラットヘッド」エンジンを搭載して登場しました。このエンジン形式は、吸気バルブがシリンダーヘッド上にあった旧来のIOE(インレット・オーバー・エキゾースト)方式に比べ、構造がシンプルで静粛性に優れ、製造コストも抑えられるという利点がありました。また、シリンダーヘッドが取り外し可能になったことで、オーナー自身がエンジンの煤(すす)を取り除く「デカーボナイズ」といったメンテナンスを行いやすくなったのです。そして、日本のバイク史においてこのモデルが持つ特別な意味は、1930年代半ばに日本の製薬会社であった三共がハーレーダビッドソン社からVLシリーズの製造ライセンス、設計図、そして生産機械一式を取得したことにあります。これが後に社名を三共内燃機、そして陸王内燃機へと変更し、純国産ハーレー「陸王」を生み出す礎となりました。つまり、VL1200は日本の公道を走った名車「陸王」の原型そのものであり、日本のモーターサイクル史の一部を形成する重要な存在なのです。

しかし、そのデビューは決して順風満帆ではありませんでした。1930年に登場した初期型VLは、多くの技術的な問題を抱えていたのです。旧Jシリーズに対して15%から20%の出力向上を謳っていましたが、実際にはその性能に達しておらず、クラッチの設計不良、潤滑系統の不備、そして頻繁に破損するバルブスプリングなど、トラブルが続出しました。事態を重く見たハーレーダビッドソンは、市場に出回った車両を回収するという異例の対応を取り、大規模な再設計に着手します。この結果、より重く大きなフライホイールを収めるためにクランクケースが大型化され、それに伴いフレームにも変更が加えられました。この改良によってようやくVLは本来の性能を発揮するに至ります。こうした初期の苦難にもかかわらず、1930年モデルには、弾丸のような形状のツインヘッドライトや円筒形のツールボックスといった、この年式だけの特徴があり、コレクターの間ではその希少性が高く評価されています。続く1931年から1932年にかけて、ハーレーはVLの信頼性を着実に向上させていきます。1931年には、ツールボックスが楕円形に変更され、ディスク型のクラクションが装備されました。また、排気効率の悪かった二重構造のマフラーは、よりシンプルなシングルマフラーへと改められ、フロントフォークには乗り心地を調整するための「ライドコントロール」と呼ばれるダンパー調整ノブが追加されました。1932年には、フロントフォークとトランスミッションの強度が向上し、特にエンジンの冷却性能を高めるためにシリンダーの冷却フィンが再設計され、耐久性が大幅に改善されています。1933年はVLシリーズにとって大きな転換点となりました。この年、高性能版である「VLD」モデルが登場します。VLDは、軽量なマグネシウム合金製のピストン(後にアルミニウム合金へ変更)、専用設計のシリンダーヘッド、そして燃料をより効率的にエンジンへ送り込む「Y字型」のインテークマニフォールドを採用しました。これにより圧縮比は5.0:1まで高められ、最高出力は36馬力に達し、VLはついに真の高性能マシンへと進化を遂げたのです。外観も、それまでのオリーブグリーン単色から、アールデコ調の華やかなイーグルをあしらったタンクグラフィックや、鮮やかなツートンカラーが選べるようになり、その魅力を一層高めました。1934年には、より長く排気効率の良いマフラーや、後輪を深く覆うスカート付きのフェンダーが採用されるなど、さらなる熟成が進みます。そして1936年、フラットヘッド時代の最後を飾る最強のモデル「VLH」が登場します。エンジン排気量を80キュービックインチ(約1300cc)へと拡大し、圧縮比を5.5:1に高めたVLHは、約34馬力を発生させ、最高速度は時速90マイル(約145km/h)に達しました。数値だけを見るとVLDより馬力が落ちたように感じられるかもしれませんが、これは当時の資料による表記の揺れであり、38馬力であったとする記録も存在します 。しかし、VLHが「最強」と称される真の理由は、その排気量拡大にあります。より大きなエンジンは、最高出力の数値以上に、発進時や加速時に力強さを生み出す「トルク」を大幅に向上させました。この圧倒的なトルクこそが、VLHをシリーズの頂点に君臨させる原動力だったのです。この1936年を最後に、ハーレーダビッドソンの主役は次世代のOHVエンジン「ナックルヘッド」へと移り、VLシリーズはその7年間の歴史に幕を閉じます。このため、1936年式のVL、特にVLHは、一つの時代の技術が最高点に達した瞬間を切り取った「生きた化石」とも言える存在であり、コレクター市場で極めて高い評価を受けています。

1930年代の市場において、VLシリーズの最大のライバルは、もう一つのアメリカンブランド、インディアン社の「チーフ」でした。チーフもまた、VLと同じく大排気量のサイドバルブVツインエンジンを搭載し、その優雅なスタイリングと性能でハーレーと熾烈な販売競争を繰り広げました。当時の新車価格は、1930年のVLが$340(約5万円)であったのに対し、チーフも同等の価格帯で販売されており、両者はまさに好敵手でした。レーストラックでの競争も激しく、両社の威信をかけた戦いが繰り広げられましたが、大恐慌下の厳しい市場では、インディアン・チーフが販売台数でハーレーを上回る年もあったと言われています。

この時代の車両を維持する上で、現代のバイクとは全く異なるいくつかの特性を理解しておく必要があります。最も重要なのが、「トータルロス」と呼ばれる潤滑方式です。これはエンジンオイルを循環させずに消費していくシステムで、走行中は常にオイル量を気にかけ、定期的に補給する必要があります。そのため、エンジン周りにはオイルが滲みやすく、それがこの時代のバイクの「味」ともなっています。また、ブレーキは前後ともに現代のディスクブレーキとは比較にならないほど制動力が低い機械式のドラムブレーキです。車間距離を十分に取り、予測しながら運転する技術が求められます。特に初期の1930年モデルは、前述の通り多くの弱点を抱えていたため、エンジンケースやフレームに当時の修理痕やクラックがないか、専門家による入念なチェックが不可欠です。「フラットヘッド 弱点」として知られるこれらの特性は、手間のかかる部分ではありますが、同時にこのバイクならではの個性と奥深さを生み出しているのです。

VL1200の買取相場は、その歴史的背景を色濃く反映しています。国内のヴィンテージ市場では、状態の良い個体で260万円程度の価格が見られますが、より詳細な価値を把握するには世界的なオークションデータが参考になります。例えば、初期のトラブルを抱えた1930年式VLでも、レストア状態によって$40,000(約600万円)と大きな価格差があります。改良が進んだ1932年式では$42,900(約640万円)、そして高性能版である1934年式VLDに至っては$44,000(約660万円)で取引されており、その希少性と完成度の高さが評価されています。これらのデータから、「VL1200 買取相場」は、単一の基準で測れるものではなく、年式による技術的な進化(V、VL、VLD、VLHの順に価値が上がる傾向)、そして何よりも車両のコンディションとオリジナルパーツの維持状態が価格を決定づける最大の要因であることが明確に示されています。

ハーレーダビッドソン VL1200は、大恐慌という逆境の中から生まれ、絶え間ない改良の末に一つの時代の頂点を極めた、物語性豊かなモーターサイクルです。その価値は、機械としての性能以上に、サイドバルブエンジンの鼓動が刻んできた歴史そのものにあります。そして日本では、「陸王 ハーレー」という特別な繋がりを持つこのモデルは、単なる輸入車ではなく、自国のモーターサイクル史のルーツに触れることができる貴重な文化遺産と言えるでしょう。これほど深く複雑な歴史を持つバイクの真価を見極めるには、専門的な知識と経験が不可欠です。あなたの大切なVL1200の売却をお考えなら、その価値を正確に、そして敬意をもって評価できるバイクパッションにぜひご相談ください。

解説記事更新日:2025年10月07日

【スペック・仕様】
車名/型式/年式 Harley-Davidson V, VL, VLD, VLH / 1930-1936年式
発売年月 1929年(1930年モデルとして)
車両サイズ(mm)・重量(kg) 全長 全幅 全高 不明(共通)・1930年式VL:約240kg(装備)/ 1932年式VL:約247kg(装備)/ 1934年式VLD:239kg / 1936年式VLD:約247kg(装備)/ 1936年式VLH 247kg(装備) /その他年式:不明
シート高・最低地上高(mm) 1930年式:約711mm・不明 / その他年式:不明
エンジン機構・最高出力・燃費 空冷4ストロークサイドバルブ(フラットヘッド)45度V型2気筒 1212cc (74ci) & 1293cc (80ci)(共通)・1930年式V 約20.9kW (28hp) @ 4,000rpm / 1930年式VL:約22.4kW (30hp) @ 4,000rpm / 1933年式VLD:約26.8kW (36hp) @ 4,500rpm / 1936年式VLH 約28.3kW (38hp) @ 4,500rpm / その他年式:不明確、不明(共通)・1930年式 35-50mpg (約14.9-
エンジン始動・燃料供給装置・タンク容量 キックスターター式(共通)・Schebler キャブレター(1930-1932年式)/ Linkertキャブレター(1933-1936年式)・約15.1L(共通)
新車販売価格 1930年式VL:$340(約5万円)/ その他年式:不明
ジャンル ビンテージ ハーレープレミアム旧車 絶版車
【ライバル・兄弟車】最新買取相場

実働車|過去10間の買取相場の推移】 VL1200 【74ci フラットヘッド 1930~36年】

【平均買取相場の変動】

対前年比
-
%

【2025年間 vs 2026年】

対3年前比
-
%

【2023年間 vs 2026年】

対10年前比
-
%

【2016年間 vs 2026年】

年間平均
取引台数
0

過去10年間の取引台数÷10

※データ更新:2026年01月16日

【状態別の買取相場】 VL1200 【74ci フラットヘッド 1930~36年】

最高額
平均落札額
最低額
【評価点】
バ
イクイメージ画像 レブ
カウンター 
針
No Data
【万円】

業者間オークションの取引価格(買取業者の転売額=販売業者の仕入れ価格)

2026年1月時点から 10 間遡った数字

【状態別買取額の目安】

8
新車
最高
平均
最低
取引
0.0万円
0.0万円
0.0万円
0台
7
超極上
最高
平均
最低
取引
0.0万円
0.0万円
0.0万円
0台
6
極上
最高
平均
最低
取引
0.0万円
0.0万円
0.0万円
0台
5
良好
最高
平均
最低
取引
0.0万円
0.0万円
0.0万円
0台
4
軽い難
最高
平均
最低
取引
0.0万円
0.0万円
0.0万円
0台
3
難有
最高
平均
最低
取引
260.2万円
260.2万円
260.2万円
1台
2
劣悪
最高
平均
最低
取引
0.0万円
0.0万円
0.0万円
0台
1
事故
不動
最高
平均
最低
取引
0.0万円
0.0万円
0.0万円
0台

※データ更新:2026年01月16日

【走行距離別の買取相場】 VL1200 【74ci フラットヘッド 1930~36年】

最高額
平均落札額
最低額
バ
イクイメージ画像 レブ
カウンター 
針
No Data
【万円】

業者間オークションの取引価格(買取業者の転売額=販売業者の仕入れ価格)

2026年1月時点から 10 間遡った数字

【走行距離別買取額の目安】

不明
メーター改
最高 260.2万円 1台
平均 260.2万円
最低 260.2万円

※データ更新:2026年01月16日

【カラー別の買取相場】 VL1200 【74ci フラットヘッド 1930~36年】

【カラー別 平均買取額の目安】

/ 260.2 万円 1台

※データ更新:2026年01月16日

実働車の取引価格帯】 VL1200 【74ci フラットヘッド 1930~36年】

【取引価格帯と構成比】

最高
260 ~ 261
万円
%
100
構成比
最多
260 ~ 261
万円
%
100
構成比
最低
260 ~ 261
万円
%
100
構成比

※データ更新:2026年01月16日

自動査定の金額】は査定現場での実際の買取額です。
買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の(年間 約20万台の)取引データを忠実に反映し、業者の最低限の儲けと経費を差し引いた競争力の高い実際の買取額を表示 しています。

【グラフ領域の金額】は買取業者の転売額です。
転売額とは買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場での落札金額に当たります。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引されています。
実は買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
そのため、業者間市場での取引額(業者の転売額)から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を割引いた金額が査定現場での実際の買取額になります。
業者間での取引額から割引かれる金額は、単価の低い原付バイクで0.6万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正かつ競争力の高い割引額と言えます。
率にすると概ね2%~10%の(高額車両ほど率が低い)割引率なので、業者間での取引額の90~98%が実際の買取額となると憶えておけば、査定額の妥当性や競争力を判断する材料になることでしょう。

VL1200 【74ci フラットヘッド 1930~36年】 上位20台の取引額 (データ更新:2026年01月16日)

バ
イクイメージ画像 レブ
カウンター 
針
落札額 評価点 車台番号 走行距離 カラー
1 VL1200 【74ci フラットヘッド 1930~36年】 260.4万円 3.2点 1032640 60,927km
No Data

【評価点】8点以上:新車 7点:超極上車 6点:極上車 5点:良好車 4点:多少の使用感 3点:難有 2点:劣悪 1点:事故不動
(※3~4点の評価ながら、値段が跳ねているケースの多くは純正品の無いカスタム車です)

【走行距離】単位はkm

上記は買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札金額のデータ
業者間オークション市場では年間に約20万台の中古バイクが取引されています

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