2014年モデルで国内にも導入されて以降、普通自動車MT免許で運転できるハーレーということで注目を集め、新たなファンを獲得しているトライク「FLHTCU TG トライグライド ウルトラ」だが、2017年モデルでパワートレインのリニューアルを含む以下のアップデートを受けて新世代へ進化している。

・Milwaukee Eight 107エンジン採用
・エキゾーストパイプレイアウトの変更
・ツインクールド機構の最適化
・カラーチェンジなど

今回新たに与えられたエンジンの名称はハーレー生誕の地である米国ウィスコンシン州ミルウォーキーに由来する「Milwaukee Eight」と名付けられた。「Eight」は各気筒4バルブでトータル「8バルブ」構造というディテールに基づいている。カムも従来のツインカムからシングル化されている。この全く新しいビッグツインは、1,745ccと1,868ccの2つの排気量で登場。トライクファミリーには、1,745cc仕様のMilwaukee Eight 107が与えられた。
ボア・ストロークが100.0mm×111.1mmで、最大トルクは3,250回転151Nmというスペック。従来モデルは3、750回転で132Nmという出力特性だったので、より低回転側で大きなトルクを発揮する仕様へ変化した。重量は1kg増の560kgで、ヘビー級マシンとなるのでトルクアップによってより軽快なライディングを可能にしている。
トランスミッションは6速リターン式で、引き続き電動モーターで駆動するリバースシステムも搭載。足つき性を心配することなくマシンに跨った状態でバックできるので、限られたスペースでの駐車や旋回も安心だ。
また、ニューエンジンを搭載するにあたってエキゾーストパイプの取り回しが最適化されパッセンジャーの足元から遠い位置を通る配管に変更。ビッグツインの放熱に起因する暑さ問題が改善している。
足回りは、フロントに49mmの大径フロントフォークを装備して16インチのアルミキャストホイールをセット。ブレーキキャリパーは、31.75mmを4つ、25.4mmを2つの6ポットキャリパーを組み合わせたダブルディスク仕様。リアは15インチの2輪構造にディスクブレーキを組合せて31.75mmのシングルピストンキャリパーを装備する。
リアブレーキを足元で操作すると、制動力がフロントにも配分される連動型リンクドブレーキを採用している。
デザイン面では、フロントのバットウィングフェアリングにはベンチレーションダクトがインストールされており導入風の調整も可能。人間工学に基づいて設計されたパッセンジャー用のバックレストとアームレストは快適で安定感のある着座環境を実現。
トップケースと大容量トランクも装備されているので、タンデムでの旅行も難なくこなせるだろう。
なお、2017年モデルでは新トライクマシンが加わって国内トライクファミリーは2モデル構成へラインアップを充実。ニューマシンは「FLRT フリーウィーラー」だ。パワートレインは同じくMilwaukee Eight 107を搭載。トップケースは非搭載でトランクルームもローデザインのスタイリッシュさを優先したデザイン。フロントタイヤは19インチの大径タイプだ。重量は507kgで本モデルより50kg以上も軽い。
ニューエンジンと新メンバーを迎えた「FHLTCU TG トライグライド ウルトラ」の2017年モデルは、ツートンカラーが447万6,600円(税込)で登場。
翌年にはハーレー生誕115周年アニバーサリーモデルを設定し、ディメンジョンに僅かな変更が加えられた。価格は400円の値上げで447.7万円(税込)で展開。この2018年式がMilwaukee Eight 107世代の最終仕様となって、翌2019年モデルでは1,868ccのMilwaukee Eight 114を与えられて次世代へと進化した。

買替や売る際の買取査定は、2017~18年式 FLHTCU TG トライグライド ウルトラの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月15日

ハーレーのトライクで初の国内正規モデルとして2014年に登場した「FLHTCU TG トライグライド ウルトラ」だが、2017年にはパワートレインのリニューアルを受けて新たな世代に進化。マシンの心臓部だけでなく多数のアップデートを受けている。

・Milwaukee Eight 107搭載
・エキゾーストパイプ取り回しレイアウト変更
・水冷システム最適化
・カラーチェンジなど

従来までのツインカム構造のエンジンに代わって、シングルカムにツインインジェクターを採用した8バルブ構造のMilwaukee Eight 107を搭載。ボア・ストロークが100.0mm×111.1mmの排気量1,745ccエンジンで、最大トルクは3,250回転151Nmというスペック。Twin Cam 103エンジンを搭載した前年モデルは3,750回転で132Nmという出力特性だったので、より低回転側で強烈なトルクを発揮する仕様へパワーアップしている。
これだけのモアパワーを与えられていて、車両重量は僅か1kg増の560kgに抑えられているのでトルクの差は歴然だ。
冷却機構は、ロアフェアリング内にラジエターを設置するツインクールド仕様だが、ニューエンジンの採用と同時に最適化も施されており高効率の冷却効果を実現。
また、リア側のエキゾーストパイプのレイアウトが見直され、パッセンジャーの足元から遠ざけられたことで熱問題が改善している。
駆動系統には、引き続き6速リターン式トランスミッションと電動式リバースシステムを搭載しており、駐車時でも安心して操作可能な構造である。
スプリットストリームベントを装備するバッドウィングフェアリングとショートウィンドシールドの組み合わせはスタイリッシュなフォルムを演出しつつ、優れた風防効果でライダーとパッセンジャーに快適なライディングを実現する。
トライクモデルならではの特徴的なリア周りはグラスファイバー製でリアフェンダーはデタッチャブル仕様となっている。
車両サイズは前年モデルから変更はないが、シート高が15mm高くなり735mmとなった。
ニューエンジンを与えられて次世代へと進化した「FLHTCU TG トライグライド ウルトラ」の2017年式は、6カラーの豊富なバリエーションで展開。
「ビビッドブラック」は、前年モデルから13万7,600円高となる438万7,600円(税込)。「スーペリアブルー」は、443万4,100円(税込)で14万4,600円の値上がりとなった。
ツートーンカラーの「ブラックヒルズゴールド×ブラックオーツ」、「ミステリアスレッドサングロ×ベロシティレッドサングロ」、「ビレットシルバー×ビビッドブラック」、「ボンネビルブルー×ファーダムブルー」は、447万6,600円(税込)。こちらは14万7,600円の値上げが実施されっている。
なお2014年以降、本モデルのみで展開されてきた国内トライクだが、2017年モデルでは新たなメンバーも加わっている。それが、「FLRT フリーウィラー」だ。フロントに19インチの大径ホイールを装着して、リアにはボブフェンダーとロースタイルの60Lトランクを装備。実用性よりもスタイリングを優先したニューマシンである。

買替や売る際の買取査定は、2017年 FLHTCU TG トライグライド ウルトラの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月14日

ハーレーダビッドソンというモーターカンパニーにとって、モデルイヤー2018年は激動の年となった。スポーティなライディング性能が特徴だったダイナファミリーがソフテイルファミリーに統合されている。そして、創業から115周年となる記念すべき年ということでアニバーサリーモデルの展開も実施されているのである。
トライクシリーズに関しては前年から2モデル構成となっているが、アニバーサリー仕様は、本モデルのみに設定された。
その特別仕様車も用意された2018年式の「FLHTCU TG トライグライド ウルトラ」は、以下のアップデートを実施。

・115周年アニバーサリーモデル設定
・ディメンジョン変更
・カラーチェンジ

パワートレインは、2017年式で刷新されたニューエンジンMilwaukee Eight 107を搭載。1,745ccのツインクールドビッグツインは、3,250回転で151Nmという最大トルクを発揮する。スペックは前年から変更はないが、重量が4kg増の564kgとなった。
ヘビー級マシンであることや、リアが2輪構造となっていることから走行安定性に優れているので、ツーリングファミリーのウルトラよりは気負いなく操れるだろう。普通自動車MT免許さえあれば運転できるという点も魅力的なポイントだ。
また、最低地上高は従来よりも10mm高くなって125mmとなっている。コーナーで車体をバンクさせることはないトライクなので、それほどの変化は感じられない。
115周年記念モデルは、トリプルピンストライプを配した専用カラーの「レジェンドブルー×ビビッドブラック」を採用し、コンソールやタイマーカバー、エアクリーナーも専用デザイン。シートにはブルーステッチが入り「HDMC」のエンボス加工も施されている。
価格は、448.8万円(税込)に設定された。
通常カラーは、「ビビッドブラック」が438.8万円(税込)で、「ブラックテンペスト」は、443万4,500円(税込)。
ツートーンカラーの「シルバーフォーチュン×スマトラブラウン」、「ツイステッドチェリー×シルバーフォーチュン」、「ウィキッドレッド×ツイステッドチェリー」は、447.7万円(税込)で展開。いずれのカラーリングも前年から400円の値上げが実施されている。
なお、Milwaukee Eight 107エンジンを搭載する「FLHTCU TG トライグライド ウルトラ」は今回の2018年モデルが最終仕様となった。
翌2019年には、1,868㏄のMilwaukee Eight 114を与えられ、さらなるパワーアップを実現した。

買替や売る際の買取査定は、2018年 FLHTCU TG トライグライド ウルトラの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月12日