第4世代となるホンダの主力スクーター「スマート Dio」をベースにスポーティーな要素をさらに強調したバリエーションモデルが登場。それが2002年3月に発売されたAF57型「Dio Z4」である。
先代モデル「Live Dio」に設定されていた上級グレード「Live Dio ZX」の後継モデルというポジションになる。
車体は、アンダーボーン型フレームにSOHC2バルブ水冷4ストローク単気筒エンジンを搭載。ボア・ストロークが38mm×44mmのロングストロークユニットで、最高出力は8,000回転5馬力というスペック。ちなみベースモデルのAF56型「スマート Dio」と同スペックとなる。
先代モデルでは通常グレードが5.6馬力で「ZX」グレードが6.3馬力とパワー面でも差別化が図られていたが、今回は出力特性の差は無かった。従来の2ストロークエンジンから4ストローク化されたこともあり、パワーダウンは余儀なくされて格好だ。
これは、「スマート Dio」シリーズの開発キーワードが、「クリーン・エコノミー・サイレント・タフ」とされていることもあり走行性能よりも環境性能や耐久性を重視して設計されていることが関係している。
足回りは、フロント・リア共に専用デザインの軽量なアルミキャストホイールを装着。ブレーキは引き続きフロントに油圧式ディスクを採用。リアブレーキの操作で制動力を前後に配分するコンビブレーキシステムは、安心感があり扱いやすい作動特性となっている。
デザイン面では、大型のリアスポイラーを装着して赤色LEDのハイマウントストップランプを採用。フロント周りではヘッドライトにマルチリフレクターヘッドライト仕様となるが、レンズは内部をブルーのアルミ蒸着色として高級感とスピード感のあるイメージを演出している。
ライバルモデルとしては、ヤマハの「JOG ZR」となるが引き続きクランクケースリードバルブの2ストエンジンで続投していた。6.5馬力仕様のハイパワー仕様で、スペック重視なら「JOG ZR」ということになる。
デビュー以降の「Dio Z4」は、デビュー翌年の2003年に120台限定で専用カラーの「阪神タイガース スペシャル」を展開。
そして、2004年には早くもフルモデルチェンジを受けてAF63型へ進化。エンジンは4バルブ化されて足回りも強化。よりスポーティーなスペックとなった。
その後はカラーチェンジを実施しながら2006年モデルを最後に生産終了となった。

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解説記事更新日：2022年07月23日

2004年、型式がBA-AF57からBA-AF63になったフルモデルチェンジでは2つの世界初の仕様変更があり、1つ目は50ccとして世界初のPGM-FIの搭載、さらにもう一つはスクーターとして世界初の4バルブの搭載だった。今回の変更によって最高出力が5.0→5.3にアップしている。
足まわりにはフロントに2ピースボトム採用の油圧式テレスコピックサスペンションを装備、リアには複動式オイルダンパーにレッドのリア・サスペンションコイル採用した。
インジェクション車になりながらも、バッテリー完全放電後のキックによる始動が可能でユーザーの使い勝手に配慮されていたといえる。
新車販売価格は19.9万円だった。

解説記事更新日：2021年10月06日

2005年モデルでの変更点はカラーチェンジで、新色としてシールシルバーメタリックを新たに追加、現行のベガブラックメタリックとパールシーシェルホワイトを合わせた3色をカラーバリエーションとして設定。シールシルバーメタリックのみ車体両サイドの「PGM-FI」のステッカーとリアスポイラーの「Z4」のエンブレムにブラックを採用している。
新車販売価格は20万円で先代モデルからほぼ据え置きだ。

解説記事更新日：2021年10月06日

最終型となった2006年モデルでの変更点はカラーチェンジで、新色としてフォースシルバーメタリックを新たに追加。既存のベガブラックメタリック、パールシーシェルホワイトも2色と合わせて計3色のカラーバリエーションを設定した。

本2006年をもってDioの上位スポーツモデルは無くなり、1990年代から若年層の中で一世を風靡したDioZXはその歴史に幕を降ろした。
新車販売価格は20万円で先代モデルから据え置きだ。

解説記事更新日：2021年10月06日

ホンダから2002年にLiveDio ZXの後継モデルとして発売されたDio Z4。
先代モデルと同様にDioシリーズ標準モデルに対しての上位スポーツモデルという立ち位置で、本BA-AF57型Dio Z4はDioシリーズとしては4代目となるBA-AF56型SmartDioをベースに、よりスポーティーな外観に変更されている。
のちのeSPエンジンの基礎になった水冷4ストロークエンジン、更に2ピースのアルミダイキャストフレームを搭載、ヘッドライトはブルーのマルチリフレクタータイプを、そして新たに採用した大型リアスポイラーには赤色LEDを使用したハイマウントストップランプを内蔵。足まわりには軽量アルミキャストホイールを前・後輪に装備した。
カラーバリエーションはクリアシルバーメタリックとクリッパーイエローの2色の設定。
新車販売価格は18.9万円だった。
尚、車名がZXからZ4に変更された理由はなんとなくお分かりだろうが、もちろんそれまでの空冷2ストロークエンジンから新たに水冷 4ストロークエンジンを採用したことからであった。

解説記事更新日：2021年10月06日

「スマート DIO」のスポーティグレードとして2002年に登場した「Z4」は、2004年2月にフルモデルチェンジを実施してAF63型へと進化。
今回の仕様変更は環境性能を高めつつエンジンの高性能化を図ることが主な内容となった。
燃料供給方式は従来までのキャブレターからフューエルインジェクションに変更。ちなみの50ccの4ストロークエンジン用インジェクションシステムは本モデルが世界初ということになっている。
燃料供給方式の変更により季節に左右されにくい安定した始動性能を実現。PGM-FIは電子的なシステムだが、バッテーリー上がりを起こしている場合でもキックペダルで始動が可能なため安心だ。さらに燃費性能はリッターあたり80kmと従来モデルから約7%向上している。
パワーユニットは、新たにOHC4バルブ水冷4ストローク単気筒のAF63E型を採用。最高出力は、8,000回転で5.3馬力を発揮。従来モデルのAF57型から0.3馬力パワーアップしている。最大トルクに至っては、7,500回転0.47kgmから0.49kgmへ向上した。
足回りは、フロントが引き続き油圧式テレスコピックサスペンションを装備するが新たに2ピースボトムを採用。リアはユニットスイング式だがサスペンションコイルをレッドカラーとすることでスポーティテイストを強調。制動系統はリアブレーキ操作をすれば制動力が前方に配分されるコンビブレーキを搭載する。
ライバルモデルは、往年のライバルヤマハ「JOG」シリーズの「ZR」だ。エンジンは2ストローク仕様で6.5馬力のハイパワー仕様。
環境性能を重視して「スマート DIO Z4」をチョイスするか、スペック重視で「JOG ZR」か、もしくはスペック度外視で自分好みのデザインとスタイリングで選択するかユーザーにとっては選び甲斐のあるラインアップだった。
なお、AF63型「スマート DIO Z4」はデビュー以降カラーチェンジを繰り返しながら2006年モデルまで展開され販売終了となった。

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解説記事更新日：2022年03月04日