スポーティーなメットインスクーター「Dio」シリーズには、ディスクブレーキを装備した上級グレードとして「Dio SR」がバリエーションモデルとして設定されていた。
しかし、第2世代の「スーパーDio」には、さらなるスポーティグレードが登場。それが通称「ゼックス」とも呼ばれていた「Dio ZX」である。
デビューモデルとなるAF28型は、ベースモデルの登場から2年目となる1992年2月に発売された。
パワーユニットには、空冷2ストローク単気筒エンジンAF18E型を搭載。キャブレターからシリンダー、そして排気系統も新設計とすることで最高出力は7,000回転で7馬力を発揮。ベースモデルの6.8馬力よりハイパワーな仕様だ。
Vマチックの変速比もワイドレシオ化することで中～高回転域まで力強く伸びのある走りを可能にしている。
デザイン面ではリアスポイラーを装着してLEDハイマウントストップランプをインストール。後続車へ存在感をアピールするとともにファッション性にも優れている。
またフロントフェイスは、ウィンカー一体式のイエローレンズを採用したヘッドライトが存在感をアピール。チューブレスタイヤをセットする前後のホイールはボディの内装色と同色ペイントで仕上げて一体感のあるスタイリングに仕上げられている。
ブレーキはフロントのみ油圧式ディスクブレーキを採用。
利便性装備面では、フルフェイスヘルメットも収容可能なシート下トランクスペースを確保している。
ライバルモデルとしては、スズキの「セピアZZ」と比較できるだろう。72kgの車体に搭載するピストンリードバルブの2ストユニットは7,000回転で7馬力を発揮した。
対する本モデルは71kgで、僅かに軽い。スペック争いでは本モデルが有利。人気争いでも優位なポジションだった。
デビュー以降の「Dio ZX」は、カラーチェンジを実施しながら1994年に第2世代のAF35型「Live Dio ZX」へフルモデルチェンジ。クローム仕様の専用立体エンブレムやシルキータッチ素材を採用したシートなどで質感が高められた。
その後は、燃料タンク容量の拡大や排ガス規制への対応といった仕様変更とカラーチェンジを繰り返しながら2001年モデルまで展開されて販売終了となった。
後継モデルは4ストロークエンジンを搭載した「Dio Z4」である。

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解説記事更新日：2022年07月23日

1992年2月に兄弟車であるSuper Dio(A-AF27型)のスポーツタイプとして発売されたDio ZX。

解説記事更新日：2021年10月11日

1993年モデルでの変更点はカラーチェンジでピュアブラック×カサノバオレンジ、ピュアブラック×ブラック、レディッシュグレーメタリック x ブラックの3色を新たにカラーバリエーションとして設定、ZXのロゴも新装し、幅広バックミラーや、ハイマウント・ストップランプのクリアレンズを採用している。
新車販売価格は15.9万円で先代モデルから据え置きだった。

解説記事更新日：2021年10月06日

1994年、先代モデルのA-AF28型 Super Dio ZXの後継モデルとして、ベースとなったDioと共にフルモデルチェンジを敢行し発売されたA-AF35型Live Dio ZX。
爆発的に売れたLive Dio ZXのエンブレムはバイクに興味のない人でも一度は見たことがあるであろうシルバーの立体エンブレムを採用し、ベースとなったDioの上位スポーツタイプとして登場した。
エンジンには空冷2サイクル単気筒49cc(AF34E)を搭載。縦エンジンから横エンジンへと変わり、車体に生まれた空間の恩恵で燃料タンク（５．０L→５．３L）とエンジンオイルタンク（１．２L→１．３L）に大容量化、最高出力は従来の7psから0.2ps上がり7.2psになった。
防犯面ではメットイン内にあったロックレバーを上げることでセンタースタンドをロックし、セキュリティ性を高めたロックイン機構を採用。
デザインはフロントカバーからボディカバーに至るラインをエッジのあるくさび形に、さらにリアを上げたことで、スポーティな印象を強めている。尚、マルチリフレクター式のツインフォーカス・ヘッドライトをスクーターとして初めて採用した車種でもあった。
ZXは上記の標準装備に加え、前輪の油圧式ディスクブレーキ、ハイマウント・ストップランプ内蔵のリアスポイラー、カラード・ホイールと９０／９０－１０ワイド偏平タイヤなどの専用装備があった。
新車販売価格は16.7万円で標準モデルと比べて約2万円高かった。

解説記事更新日：2021年10月06日

1995年モデルのマイナーチェンジでは油圧式サスペンションを、マフラーに鏡面処理を施したステンレス・カバードタイプを新採用した。
カラーバリエーションには、ピュアフランドルイエローとパールコーラルリーフブルーを新色として設定。既存のブラックとあわせ、計3色の設定となった。
新車販売価格は16.9万円で先代モデルからほぼ据え置きだ。

解説記事更新日：2021年10月06日

1996年モデル変更点はカラーチェンジで、マグナレッド、キャンディエクストリームブルー、マットアクシスグレイメタリック、ピュアブラックの計4色を設定。
新車販売価格は16.9万円で先代モデルから据え置きだ。

解説記事更新日：2021年10月06日

1999年の排ガス規制を目前にした規制前後期、1997年モデルのマイナーチェンジでは燃料タンクを5.3Ｌから6Lに大容量化するとともに、ヘッドライトの光量をアップした。
外観ではヘッドライトとウィンカーを一体型クリアアウターレンズに変更、また、フロントフォークには、ツーピースタイプのボトムケースを採用。
カラーバリエーションはブーンシルバーメタリックとキャンディマーベラスオレンジの2色を新色として追加。既存のピュアブラックとマットアクシスグレイメタリックを合わせ、計4色を設定した。
新車販売価格は16.9万円で先代モデルから据え置きだ。

解説記事更新日：2021年10月06日

1998年モデル変更点はカラーチェンジで、メタルブラウンメタリック、メイイエローメタリック、エスセテシズムシルバーメタリック色の3色を新たにカラーバリエーションとして設定。
新車販売価格は16.9万円で先代モデルから据え置きだ。
尚、同年6月にはホンダの創業50周年を記念した特別仕様モデルがDio ZX 50thアニバーサリースペシャルとして5000台限定で発売されている。

解説記事更新日：2021年10月06日

1999年モデルでの変更点はカラーチェンジで、新たにパールシーシェルホワイト、ブーンシルバーメタリックの2色を新色として設定。既存のピュアブラックと合わせて計3色のカラーバリエーションとなった。
新車販売価格は16.9万円で先代モデルから据え置きだ。

解説記事更新日：2021年10月06日

2000年モデルではキャブレターの設定を変更すると共にマフラー内にキャタライザーを内蔵し、99年排ガス規制に対応。新形状のマフラープロテクターを搭載するとともに、ZXのみの変更点としてスケルトンタイプのリアスポイラーの採用。
新車販売価格は17.9万円で先代モデルから1万円値上がりがあった。

解説記事更新日：2021年10月06日