通勤通学からちょっとしたツーリングまで気軽に使える日常の移動手段として需要の高い125ccクラス。このカテゴリにスズキは国内向け2023年モデルで続々とニューマシンを投入した。その内の1台が本モデル「アヴェニス125」である。スズキが「アヴェニス 125」を発売するのは、これが初めてのことではない。
初代は1998年12月に登場したCF43A型まで歴史を遡ることになる。
前後12インチホイールを装着して、ゆったりとした車体に124㏄の水冷4ストローク単気筒エンジンを搭載。キャブレター仕様のパワートレインは9,500回転で14馬力を発揮した。フロントにショートスクリーンをセットしてスポーティなカウルデザインがスタイリッシュなオーラを演出するマシンだった。シート下には24L容量のトランクが確保されていたが、フルフェイルヘルメットが何とか収まるサイズにとどまっていた。また足元はステップスルー構造ではないので、積載性が良いというわけではなく実用性よりもスタイル重視で乗るコンパクトなビッグスクーターの様な存在だった。
この初代モデルは、2000年モデルが最終仕様という短いモデルライフとなってカタログラインアップから姿を消した。
そして、20年以上の歳月が経過した2022年1月に2代目「アヴェニス125」がインドで生産を始め、現地で販売が開始された。同年10月にスズキはドイツで開かれたインターモトでこの「アヴェニス125」を出展して欧州でも販売を開始。日本国内向けも同月にEA12J型としてデビューした。
アンダーボーン型フレームに搭載するマシンの心臓部は、ボア・ストロークが52.5mm×57.4mmのロングストローク空冷OHC2バルブ124㏄単気筒エンジン。最高出力は6,750回転8.7馬力というスペック。最大トルクは5,500回転で10Nmに達する。エンジン性能だけを初代モデルと比較すると見劣りするが、そこは20年の時代の流れと共にアップデートされた様々なテクノロジーが投入されているニューマシンというだけありスペックダウンを感じることは無いだろう。むしろ全くデザインの異なるモデルとして再デビューしているので単純に新旧モデルとしての比較は大きな意味を持たない。
足回りは、フロントにテレスコピックフォークを装備して12インチホイールと190mmディスクブレーキという構造。リヤはユニットスイング式に10インチの小径ホイールを組み合わせて120mmのドラムブレーキを採用する。リヤブレーキレバーを握ると制動力がフロント側にも適度に配分される前後連動型ブレーキを装備することで安全性を高めている。
ライバルモデルとしては、前年にひと足早くデビューしたヤマハの「シグナス グリファス」が比較対象になるだろう。125kgの車体に搭載するOHC4バルブ水冷エンジンは8,000回転で12馬力を発揮。足元は前後12インチでリアブレーキもディスク仕様。ルックスだけでなく走行性能もスポーティさを追求するなら「シグナス グリファス」がリードとなる。
なお「アヴェニス 125」の装備面では、ヘッドライトとテールライトはLED仕様、メーターにはオイルチェンジインジケーターやエコドライブインジケーターを搭載するフル液晶タイプを採用。シート下には約21.5L容量のトランクを確保して、フロントにはインナーラックとインナーボックスまで用意されており収納力は良い。足元もステップスルーで乗り降りも快適だ。
新生「アヴェニス125」のデビューモデルとなった2023年式は、3カラーバリエーションで展開。価格は28万4,900円(税込)に設定された。

買替や売る際の買取査定は、アヴェニス 125の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2023年04月22日

今でこそホンダの「PCX」、ヤマハ「NMAX125」といった原付2種クラスのスポーツスクーターは一般的で、国内バイクシーンの中でも大きなマーケットへと成長しているが、それほどではなかった1990年代後半にスズキは既にこのカテゴリに当てはまるマシンを展開していた。それが、1998年12月に38.4万円(税抜)で発売された「アヴェニス125」である。また、兄貴分モデルとなる「アヴェニス150」も同時に展開されていた。そして、「アヴェニス125/150」は国内のみならず海外向けに「Epicuro」のモデル名で輸出もされていた。
車体はアンダーボーン型フレームを採用しており、パワートレインは新設計のSOHC水冷4ストローク単気筒エンジンF433 型を搭載。ボア・ストロークが57mm×48.8mmの124ccユニットで、最高出力は9,500回転で14馬力を発揮。トランスミッションはVベルトの無段変速仕様なので、加速フィーリングはスムーズで滑らかだ。
ちなみにスズキからは当時、125ccスクーターとして「ヴェクスター125」が販売されていた。こちらは6,500回転12馬力というスペックで、やや非力なマシンだった。
「アヴェニス125」の足回りは、フロントにテレスコピックフォークを装備し12インチホイールにシングルディスクブレーキを組合せる。リアはユニットスイング式サスペンションにフロントと同径の12インチホイールとドラムブレーキというスペックだった。
車両デザインは、フロントショートスクリーンやスポーティーなボディラインが特徴だ。実用装備面では、大柄ボディの割にシート下の収納スペースは24Lと大きくは無く、フルフェイスヘルメット1つがギリギリといったサイズになる。また、足元がフラットフロアではないので通常のスクーターのように足元に荷物を置くことは難しい。それで、通勤通学ユースなら問題ないであろうが、買い物ユースには厳しいかもしれない。
なお、デビュー以降の「アヴェニス125」は目立った仕様変更を受けることなく2000年モデルが最終仕様となりカタログ落ちとなった。

買替や売る際の買取査定は、アヴェニス125の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年05月16日

使い勝手の良いパーソナルコミューターとして開発されたニューモデルEA12J型「アヴェニス 125 」が2022年10月に登場。ちなみにモデル名は、「アベニュー」と「ストリート」を掛け合わせた造語である。
1999年代後半から2000年代初期に販売されていたCF43A型とは、まったく異なる新たなマシンとしてデビュー。インド生産の車体には、OHC2バルブの空冷単気筒エンジンを搭載する。ボア・ストロークが、52.5mm×57.4mmの124ccユニットで、最高出力は、6,750回転8.7馬力という仕様。最大トルクは、5,500回転で10Nmを発揮する。
足元は、フロント12インチ・リア10インチという組み合わせで、ブレーキはフロントがディスクでリアはドラム。
ライバルモデルとしては、1ヶ月遅れでヤマハが展開した「JOG 125」が比較対象になるだろう。前後10インチホイールを装着するコンパクトな原付2種スクーターで、重量は本モデルより12kgも軽い95kgとなる。エンジンは、8.3馬力のOHC2バルブ124cc空冷ユニットを搭載。パワーウェイトレシオでは重量が軽い分「JOG125」が有利。
ただ、スクーターに関してはスペックよりも実用性を気にするライダーが多いだろう。本モデルは、5.2L容量の燃料タンクにシート下は21.8Lのトランクスペースを確保する。対する「JOG125」は、4Lタンクに21.3Lトランクという仕様。日常の移動手段としての利便性という面では、「アヴェニス125」が一歩リードといったところだ。
なお約20年以上ぶりにモデル名が復活した「アヴェニス125」EA12J型は、令和2年の国内排ガス規制にも対応済。デビューモデルの2023年式では、3カラーバリエーションが展開された。

買替や売る際の買取査定は、EA12J型 アヴェニス125の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2023年05月28日