SW-1【1992年式】毎週更新の買取査定相場

　記憶に刻まれているバイク。思い出に残っているバイク、誰もが認める名車。そんなバイクが皆さんにもあると思います。では、謎すぎるバイク、珍妙なバイク、誰もが認める迷車。そんなバイクは皆さんにあるでしょうか？そのデザインや装備に至るまで奇天烈なバイク、「SW-１」について、紹介したいと思います。
　このバイクは、1989年に開催された第28回東京モーターショーにてスズキが出展したコンセプトモデルを市販化した物になっています。このコンセプトモデル時と市販車時では外観のデザイン以外はガラッと変わっており、具体的なポイントとしてコンセプト版はエンジンが水冷V型２気筒エンジンを搭載しており、リアサイドのトランクスペースにはハーフヘルメットが収納できるほどの容量を持ち、メーター一体型のヘッドライト、ホワイトリボンタイヤ履いている事が挙げられます。さらに、シート前席の下部は工具入れになっておりKTC製のミラーツールが収納されていたのも特徴ですね。しかし、市販車版では、エンジンが空冷単気筒に変わっており、ハーフヘルメットが収納できるほどだったトランクスペースも使い勝手が悪くお世辞にも広いとは言えない謎スペースになっています。メーターもヘッドライトの上に、まるで鏡餅か何かのように野暮ったく搭載され、オシャレ感を醸し出していたホワイトリボンタイヤはノーマルで履いていないなど、ファッション性に溢れレトロフューチャーな印象を与えたコンセプト版とは打って変わって、オシャレなイタリアンなバイクを勘違いしたレトロ風のバイクみたいになっちゃいました。
　しかしながら、実用性の向上という面でちょこちょこ見受けられる部分がありまして、チェンジペダルがカブなどでよく使われるシーソー型の物になっていたり、チェーン駆動と比べると、静粛性に優れ、ほぼメンテフリーと言ってもいいベルト駆動になっています。最近に至っては特殊なコンセプトや独創的なデザイン、当時は不人気であまり台数が売れず短期間で生産が終了してしまっている事による希少性で一定の層で人気はあるようです。その人気ぶりから後に、再販とまでは行かずとも「ST250E Type Sカスタマイズ」と言う「ST250」を「ＳＷ-１」使用にカスタマイズされた車両が公式に発売される程です。
「ＳＷ-１」オーナーの多くは転んだり、外装に傷を付けてしまうと、交換パーツがまず容易に出て来ないため細心の注意を払って乗っているのだとか、その動力性能にもオーナー達は苦言を呈しており、249㏄空冷単気筒エンジンと言う非力なエンジンで　総重量約180㎏の巨体を動かしているので無理もありませんね。
　買取市場では販売台数が少なく希少なバイクではあるので、錆が少なく、全体的に傷もない、なおかつ走行距離が少ない車体ですと高値で買い取らせていただいています。
　
　

解説記事更新日：2020年11月15日