ベスパ 50R【1969~83年】毎週更新の買取査定相場
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ベスパ 50R【1969~83年】 の買取査定相場
平均買取額は、対10年前比で210%上昇。対3年前比で38%上昇し、対前年比では22%下落しています。
最も高く売れるカラーリングはオレンジとなっています。
因みに事故車や不動車の買取査定相場は修理工数に応じて3.9~13.6万円です。
ベスパ 50R【1969~83年】 買取査定に役立つ車両解説
Vespa 50 Rは、ピアジオが1969年から1983年まで15年間にわたって生産した、Vespa「Small Frame」(スモールフレーム)系の象徴的モデルである。形式名V5A1T、生産台数238,762台。「R」はイタリア語の "Renovata"(リノヴァータ=刷新版) の頭文字で、その名の通り1963年デビューのVespa 50 N/50 Lの伝統を引き継ぎつつ刷新した、Vespa 50系譜の正統な進化形である。
時代背景は重要だ。1968年、イタリアでは50ccモペッドが14歳から乗れる法律改正が施行され、ティーンエイジャーが自由を獲得する手段として50ccスクーター需要が爆発的に拡大した。ピアジオがこの市場に対して投入したのが、廉価版の50 Rと、より高性能な50 Special(V5B1T)の二本立て体制である。Specialが角型ヘッドライトと4速ミッションでスポーティな上位機を担ったのに対し、50 Rは伝統的な丸型ヘッドライト・3速ミッション・9インチオープンリムという「Vespa古典様式」を継承する廉価機として位置づけられた。
50 Rは「14歳の最初の自由」のためのスクーターである。Piaggio公式(Museo Piaggio)の記述にもある通り、「14歳のティーンエイジャーに特に人気で、自由への憧れを満たし、コストパフォーマンスに優れた」モデルだった。ヨーロッパ、特にイタリアでは50 Rに乗ったティーンエイジャーが大人へと成長していく光景がごく普通の風景となり、現代でもイタリアのヴィンテージVespa愛好家にとって「最初の一台」「家族の記憶」を呼び起こす特別な存在である。
外観の特徴は、丸型ヘッドライト、ボディ同色の小さなハンドルカウル(フロント・コーン)、9インチのオープン(露出式)リムホイール、コンパクトなスモールフレーム・ボディ。カラーは生産期間中に多様で、シルバー、ターコイズ、イエロー、ブルー、クロムイエロー、チャイナブルー、オレンジ、アマランス、レーシングレッド、ヴェルサイユベージュ、ネイビーブルー、テキサスイエローなど、年式によって追加・変更されていった。
エンジンは空冷2ストローク単気筒、ピストンバルブ吸気、ボア×ストローク38.4×43mm、排気量49.8cc。圧縮比7.5:1(年式により8.0:1)。最高出力1.9kW(2.6hp)/4500rpm、最大トルク数値非公表。Dell'Orto SHA 14-9または同等の固定ジェット式キャブレターを採用。潤滑はプレミックス(混合ガソリン2%、約50:1)。点火はフライホイール・マグネトー式(1975年以降は内蔵コイルから外置きコイル仕様へ変更)。
トランスミッションは3速、ハンドルバー左グリップ回転式(ツイストグリップ・シフター)。最終駆動は直結式ギア(チェーン・ベルトなし)でリアホイールを直接駆動する、Vespa伝統のユニットスイング・エンジン構造。クラッチは湿式多板。
フレームはモノコック型のプレス成形スチール製で、スポット溶接による「シェル」構造——これはピアジオが1946年の初代Vespa以来、航空機製造技術から流用した独自の構造である。スモールフレーム系はラージフレーム系(PXシリーズなど)より一回り小型・軽量で、エンジンへのアクセスも小さな点検口のみという徹底した一体構造。
フロントサスペンションはシングルアームの片持ち式(リーディングリンク)、リアはエンジン・スイングアーム自体がショックを介してフレームに連結される独特の構造。シリーズ1(1969〜1970年)は非油圧式ショック、それ以降は油圧ダンパー付き。
ブレーキは前後とも機械式ドラム(フロント・リアとも)、ハンドルバー右レバーがフロント、足踏み式ペダルがリア。ホイールは9インチ・スプリットリム(左右二分割式、Vespa伝統のオープン式)。タイヤは2.75-9または3.00-9。
最高速40km/h(制限速度、無制限化キット装着で60km/h強)、燃料タンク容量5.2L、乾燥重量67.5kg、シート高約750mm(公式数値なし、実測値)、全長1655mm前後、ホイールベース1180mm。
兄弟車は同じスモールフレーム系列の Vespa 50 Special(V5B1T)、 Vespa 50 Elestart(V5B2T、電動始動)、 Vespa 50 S(V5SA1T)、 Vespa 50 SS Super Sprint(V5SS1T)、 Vespa 90(V9A1T)、 Vespa 90 SS(V9SS1T)、 Vespa 125 Primavera(VMA2T)、 Vespa 125 Primavera ET3(VMB1T) が併売された。50 Rと50 Specialの違いは前述の通り(3速 vs 4速、丸ヘッドライト vs 角ヘッドライト、9インチオープンリム vs 10インチクローズドリム)。50 Elestartは50 Rに電動始動を追加した派生形で、特に女性ライダー向けに展開された。
ライバル車は、1960〜70年代欧州50ccスクーター市場における主要競合各種。Lambretta 50 Lui(イノチェンティ)、Garelli系50ccモペッド、Peugeot 103(フランス)、Mobylette 51(フランス)、Puch Maxi(オーストリア)、Kreidler Florett(ドイツ)など。ただしVespaのモノコック構造とリーディングリンク式サスは独自で、競合機の多くは自転車的なチューブフレーム+ペダル付き「モペッド」構造を採用していたため、直接比較というよりも「スクーター vs モペッド」というカテゴリー競合に近かった。
イタリア国内では同じピアジオのCiao(ペダル付きモペッド)が下位、Vespa Primavera 125が上位という棲み分けの中で、50 Rは「14歳から乗れる本格スクーター」の最廉価モデルとして独自の位置を占めた。
モデルの変遷
50 Rは15年間にわたり生産されたため、年式ごとに細部変更が積み重なっている。
シリーズ1(1969〜1970年):デビュー初期型。オープン・スプリットリム、非油圧式ショック、ヘッドライト・リングなし、フロントマッドガードに小さなフィン(突起)、ラバー製フロアランナー、筆記体ロゴ、アルミ製燃料コック・カバー、V字型フライホイール・カバー、内蔵式イグニッションコイル。エンジンはVespa 50 Lと同一。
1970年代前半:シルバー、ターコイズ、イエロー、ブルー、クロムイエローなど色拡充。1972年からは小規模なグラフィック・トリム変更。
1975年:イグニッションコイルが内蔵式から外置き式へ移行(整備性向上)。これは50 Rの中期改良の節目で、以降の年式は電装系の信頼性が大幅に向上した。
1970年代後半:1975年からレーシングレッド、ヴェルサイユベージュ。1976年からネイビーブルー、テキサスイエロー追加。アマランス、ブルー、オレンジ、チャイナブルーも順次追加・変更。
1983年:生産終了。後継として1982年デビューのVespa PK 50シリーズへ世代交代。
Vespa 50 Rは、現代の中古市場において ヴィンテージVespa愛好家の中核モデル として強い人気を維持している。特にイタリア、ドイツ、フランス、英国、米国、日本のVespa文化愛好家コミュニティで根強い需要があり、レストア済み個体の価格は近年上昇傾向にある。
中古車として選ぶ際の注意点。まずフレームナンバーから年式・シリーズを正確に同定すること(V5A1T-700001〜V5A1T-938761)。サビ・腐食はモノコック構造の致命傷になるため、特にフロアボード下部・足元・トンネル部の状態を入念に確認する。電装系は1975年以前と以降で大きく異なる(内蔵コイル vs 外置きコイル)。タイヤ・燃料系のラバー部品・ケーブル類は経年劣化が必須で、レストア時には総取り替えになることが多い。
幸い、SIP-Scootershop(ドイツ)、Vespadoc(フランス)など欧州を中心にVespa専門パーツショップが充実しており、現代でも消耗品・補修部品の入手は容易である。日本国内にも複数のVespa専門ショップ(ベスパランド、VeSPa SHOP RJK等)が存在し、整備・レストアの受け入れ体制は整っている。
Vespa 50 Rは、「自由になりたいティーンエイジャーのための、最も率直な乗り物」だった。それは1960年代後半から1980年代前半までのヨーロッパで、何世代もの若者が「最初の自分のバイク」として手にした、文化的遺産そのものである。
メカニズム的に見れば、これはシンプルそのものだ。空冷2スト単気筒49.8cc、わずか2.6hpの動力、3速ミッション、丸ヘッドライト、9インチホイール——どれをとっても、現代のスクーター(11hp前後)と比べれば取るに足らない数値である。最高速も40km/h(無制限化キットなしの場合)と、現代の感覚では「遅い」と言わざるを得ない。
しかし、Vespa 50 Rの価値はそうした数値の世界にはない。その本質は、第二次世界大戦後のイタリアが復興期から経済成長期へと駆け抜けた時代の「夢」を、ピアジオがコッリーノ・ダスカニオの設計思想で具現化したモノコック・スクーターという形式そのものに宿っている。プレス成形シェル構造のボディ、片持ち式リーディングリンクのフロントサス、ハンドルバー回転式のシフター、ユニットスイング・エンジン——これらはすべて、1946年の初代Vespaから引き継がれた「Piaggioの航空機製造技術がスクーターに転用された証拠」であり、現代の合理的なスクーター設計とは全く異なる思想の産物である。
そのVespa哲学が、最も大衆的・最も廉価な形で結晶化したのが50 Rだった。だからこそ、現代でも50 Rに乗ることは「Vespaの最も純粋な姿に触れること」を意味する。レストア済み個体に火を入れ、左ハンドルをひねって1速に入れ、フロアステップに足を載せて街を走り出すとき、ライダーは50 Rが製造された1970年代のイタリアの空気を呼吸する。
中古車として選ぶ意味は、合理性や性能のためではない。それはVespa文化、戦後イタリアのデザイン遺産、そして「ティーンエイジャーが最初の自由を手にした時代の感覚」を、一台の機械として所有することにある。15年間に23万台以上生産されたこのスクーターは、現代もなお世界中で走り続けており、そのこと自体が50 Rの本質的価値を物語っている。
| 車名/型式/年式 | Piaggio Vespa 50 R(V5A1T)/ 1T926型、1T929型、1T923型、1T938型、1T930型 / 1969〜1983年モデル |
|---|---|
| 発売年月 | 1969~1983年 |
| 車両サイズ(mm)・重量(kg) | (長さ)約1655mm (幅) 610mm (高さ) 980mm (重さ)67.5kg(乾燥) |
| シート高・最低地上高(mm) | (シート高)約750mm (最低地上高) -- |
| エンジン機構・最高出力・燃費 | 空冷2スト単気筒・2.6hp/4500rpm |
| エンジン始動・燃料供給装置・タンク容量 | キック・Dell'Orto SHA 14-9キャブレター・5.2L |
| 新車販売価格 | イタリア価格 108,000リラ 約62,208円 (実勢レート0.576円/リラ) |
| ジャンル | スクーター |
【実働車|過去10年間の買取相場の推移】 ベスパ 50R
業者間オークションの取引価格(買取業者の転売額=販売業者の仕入れ額)の推移
2026年6月時点から 10 年 間遡った数字
【平均買取相場の変動】
【2025年間 vs 2026年】
【2023年間 vs 2026年】
【2016年間 vs 2026年】
取引台数
過去10年間の取引台数÷10
※データ更新:2026年06月05日
【状態別の買取相場】 ベスパ 50R
業者間オークションの取引価格(買取業者の転売額=販売業者の仕入れ価格)
2026年6月時点から 5 年 間遡った数字
【状態別買取額の目安】
平均
最低
取引
0.0万円
0.0万円
0台
平均
最低
取引
0.0万円
0.0万円
0台
平均
最低
取引
0.0万円
0.0万円
0台
平均
最低
取引
0.0万円
0.0万円
0台
平均
最低
取引
25.2万円
23.2万円
2台
平均
最低
取引
14.7万円
12.8万円
4台
平均
最低
取引
13.0万円
13.0万円
1台
不動
平均
最低
取引
8.3万円
4.9万円
9台
※データ更新:2026年06月05日
【走行距離別の買取相場】 ベスパ 50R
業者間オークションの取引価格(買取業者の転売額=販売業者の仕入れ価格)
2026年6月時点から 5 年 間遡った数字
【走行距離別買取額の目安】
| 0〜4999km | 最高 | 27.2万円 | 4台 |
| 平均 | 18.3万円 | ||
| 最低 | 13.0万円 | ||
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| 0.5〜1万km | 最高 | 23.2万円 | 1台 |
| 平均 | 23.2万円 | ||
| 最低 | 23.2万円 | ||
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| 1〜2万km | 最高 | 12.8万円 | 1台 |
| 平均 | 12.8万円 | ||
| 最低 | 12.8万円 | ||
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不明 メーター改 |
最高 | 13.0万円 | 1台 |
| 平均 | 13.0万円 | ||
| 最低 | 13.0万円 | ||
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※データ更新:2026年06月05日
【カラー別の買取相場】 ベスパ 50R
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業者間オークションの平均取引価格(買取業者の平均転売額=販売業者の平均仕入れ額)
2026年6月時点から 5 年 間遡った数字
【カラー別 平均買取額の目安】
| ■ | 22.8 万円 | 3台 | ![]() |
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| ■ | 13.0 万円 | 2台 | ![]() |
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| ■ | 14.8 万円 | 1台 | ![]() |
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| ■ | 12.8 万円 | 1台 | ![]() |
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※データ更新:2026年06月05日
【実働車の取引価格帯】 ベスパ 50R
業者間オークションの取引価格帯(買取業者の転売額=販売業者の仕入れ価格帯)
2026年6月時点から 5 年 間遡った数字
【取引価格帯と構成比】
※データ更新:2026年06月05日
買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の(年間 約20万台の)取引データを忠実に反映し、業者の最低限の儲けと経費を差し引いた競争力の高い実際の買取額を表示 しています。
【グラフ領域の金額】は買取業者の転売額です。
転売額とは買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場での落札金額に当たります。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引されています。
実は買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
そのため、業者間市場での取引額(業者の転売額)から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を割引いた金額が査定現場での実際の買取額になります。
業者間での取引額から割引かれる金額は、単価の低い原付バイクで0.6万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正かつ競争力の高い割引額と言えます。
率にすると概ね2%~10%の(高額車両ほど率が低い)割引率なので、業者間での取引額の90~98%が実際の買取額となると憶えておけば、査定額の妥当性や競争力を判断する材料になることでしょう。
ベスパ 50R【1969~83年】 上位20台の取引額 (データ更新:2026年06月05日)
| 落札額 | 評価点 | 車台番号 | 走行距離 | カラー | ||
| 1 | ベスパ 50R【1969~83年】 | 27.4万円 | 3.8点 | 1T938547 | 821km | ■ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | ベスパ 50R【1969~83年】 | 23.4万円 | 3.5点 | 1T930226 | 6,135km | ■ |
| 3 | ベスパ 50R【1969~83年】 | 18.2万円 | 3.3点 | 1T938487 | 138km | ■ |
| 4 | ベスパ 50R【1969~83年】 | 15.0万円 | 3.2点 | 1T923928 | 4,043km | ■ |
| 5 | ベスパ 50R【1969~83年】 | 13.2万円 | 3.0点 | 1T938513 | 4,481km | ■ |
| 6 | ベスパ 50R【1969~83年】 | 13.1万円 | 3.2点 | 1T929729 | 7,043km | ■ |
| 7 | ベスパ 50R【1969~83年】 | 12.9万円 | 3.0点 | 1T926373 | 14,484km | ■ |
【評価点】8点以上:新車 7点:超極上車 6点:極上車 5点:良好車 4点:多少の使用感 3点:難有 2点:劣悪 1点:事故不動
(※3~4点の評価ながら、値段が跳ねているケースの多くは純正品の無いカスタム車です)
【走行距離】単位はkm
上記は買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札金額のデータ
業者間オークション市場では年間に約20万台の中古バイクが取引されています









