「急遽転勤になってしまい....まだ納車して4ヶ月しか経っていないのにバイクを持っていけないので....」と売却理由をお聞きして高額買取でお応えしたいと意を強くした査定員。
「カスタム途中だったので売るにあたって急遽仕上げて...」とはオーナー様のお言葉。今回査定のポイントになったのがマフラーの改造でした。
査定内容に先立ちまして、先ずは買取相場からご紹介させて頂きます。
CB125Rの買取相場
HONDAの旗艦機CBシリーズの現行最小排気量として2018年にデビューしたCB125R。
同年のストリートファイター系の販売価格が、GSX-S125(32.8万円>以下いずれも税抜)、グロム(35万円)、Z125PRO(32万円)、125DUKE(47.2万円)となっていた中、 高機能を売りに41.5万円(税抜)と高価格帯で登場しました。
セールスはCBシリーズとしてはやや物足りないものの2020年度の年間販売台数は125cc部門で上記のライバル車と近似する20位前後に位置しています。
登場18年に次いでのリリースとなった2021年モデル(21年4月発売)では早々にモデルチェンジが入りJC79型からJC91型へと型式が変更されています。
21年モデルでDOHC化されたエンジンは2馬力アップし(GSX-S125に追い付く)最高15馬力になる等、大掛かりな仕様変更が入りましたがメーカー希望小売価格は41.5万円で据え置かれました。
以上、駆け足で発売からの歩みを振り返りました。
以下、本題である買取相場についてご紹介いたします。
買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データを見ると。
直近1年間で58台の取引があったCB125Rの実働車。
最高額は39.2万円、最低額は20.6万円、30.2万円が平均取引額となっています。
最高額と最低額の幅は19万円ですが、着目したいのは以下の3点です。
・30~35万円に取引が集中(全体の6割に当たる36台がこのゾーンで落札)
・2022年モデルは39.2万円で落札された走行0kmの未使用車のみ(他57台は2018年モデル)
・走行1km以下の未使用車が5台、22.6~39.2万円で落札されている
走行0kmの未使用車が下位の取引額で落札されている点が不可解ではありますが、オークションの性格上、需給によって起こるイレギュラーと捉えるとCB125Rの中古相場には下記のような傾向があります。
・DOHC化された22年モデルは高い
・18年モデルは、未使用車も含め距離浅の極上車だと27~35万円での取引が想定される
・18年モデルは、使用感や難があったり、状態が良くても走行距離が1万キロを超えてくると20万円台前半での取引が想定される
以上の買取相場を踏まえて、他車種のマフラーが溶接されていた2021年モデルCB125Rの査定内容と買取額についてご紹介させて頂きます。 (※上記の取引額は、買取業者の転売額=販売業者の仕入れ額に相当するため、買取相場は9掛け相当となります)
相場の推移
業者間の取引価格帯
業者間の取引価格帯
買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データ
250cc向けマフラーの溶接がポイントとなったCB125Rの買取査定額
2021年モデルのCB125R。買取査定に当たってのトピックは2つございます。
1)走行距離1,884kmの準極上車
2)CBR250RRの純正マフラーが溶接されている
1)走行距離1,884kmの準極上車
納車されてから4カ月の車両とあって、外装の色艶も良く車体は非常に綺麗です。
見た目は極上そのものですが、前後ホイールやチェーンケース、ステップ周りに小傷がある点、ラジエーターやブレーキディスク、ステムなど手の入りにくい部分に錆びの出始めが、細かく減点となり 見た目の評価は準極上判定に。とはいえ、軽整備の研磨作業で錆びは簡単に落とせるので査定の減額も小幅です。
フロントフォーク、フレーム回り、ブレーキ系など機能部品も目立つ減点が入ることはなく、総じて2021年モデルの準極上車と言えます。
2)CBR250RRの純正マフラーが溶接されている
車検を取得する必要が無い125ccであるため、公道走行自体には問題ありませんが、CBR250RRの2本出しマフラーに取り換えられています。
構造的に取付が難しいことから、溶接で無理矢理取り付けられています。
排気量が異なる車両の純正マフラーを取り付けていますが、2018年排ガス規制対応以降のマフラーと車体の組み合わせのためか、Fi警告灯は点灯していません。
最も気になるのは排気漏れですが、エンジンを吹き上げて高回転で様子を見ましたが、特に不調を感じることもありません。
2気筒250cc向けマフラーを125cc単気筒に無理やり溶接して取り付けているレアな改造ケースなので、インジェクターの空燃比を最適化するコンピューターが正しく処理してくれるか否かが気がかりです。
こればかりは実際に走行を繰り返してみないと判断が出来ません。
例えばハーレーの場合は車種適合であっても社外マフラーを入れた場合はインジェクションチューニング(コンピューターの書換)は必須です。 仮にチューニングせずに乗り続ければ異常過熱によって最悪焼付いて壊れてしまいます。
気筒当たりの排気量が限界にきている空冷エンジンゆえの特殊例ですが、 仮にCB125Rで不具合が出た際には、溶接を解除して適合マフラーに付け替えるか、インジェクションマッピングの書換え、またはサブコンを取付る必要が生じます。いずれも安くない費用が発生します。
純正マフラーがあれば純正戻しが可能ですので、2021年モデルの準極上車として、買取業者の転売先である業者間市場では33~35万円の取引額想定です。
しかしながら純正マフラーが無いため保障販売を前提とすると販売店の入札は慎重になり30万円を下回る取引額が想定されます。
転売額に相当する30万円弱の取引額から買取業者の経費(出品手数両や運送費)に儲けを差し引くと、買取額は27万円程度がギリギリとなります。
踏まえて弊社バイクパッションが提示した査定額は29万円。
日本で一番中古バイクを売っている直営販売店の仕入れ額として、買取専門店としては赤字覚悟の査定額で買取させて頂きました。
CB125Rの買取相場
【2018~21年モデル】
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 58台
- 平均価格: 302,638円
- 最高価格: 392,000円
- 最低価格: 206,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 12台
- 平均価格: 164,917円
- 最高価格: 200,000円
- 最低価格: 88,000円
相場情報:2021年12月7日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。
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CB125Rは売ろうと考え時が一番高く売れます