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GT380買取査定事例|1978年型の難有車両

買取させて頂きましたのは1978年モデルのGT380。
74年型カラーにオールペンされた外装の仕上がりは綺麗でしたが、再塗装されていない素の部分は劣化が進行していたほか、エンジンやサスペンションなどに要修理判定や要オーバーホール判定が付いた難有車両です。
2023年現在の相場に照らすと60万円台後半がギリギリの査定額となるところ、市価より安価に修理できる自社工場の強みを生かし78万円で買取致しました事例です。

GT380買取価格実例

事故不動
新車
  • 3

総合評点:3点

エンジン 2 車体フレーム 3 外装 3 電装保安部品 3フロント周り 3 リア周り 3

【評価点の目安】
8点以上:新車 7点:超極上車 6点:極上車
5点:良好車 4点:多少の使用感 3点:難有 2点:劣悪
1点:事故不動
  • バイク名
  • GT380
  • 買取価格
  • 780,000円
  • 年式
  • 1978年モデル
  • 走行距離
  • 12,053Mile(減算履歴あり)
  • 車台番号
  • GT380-925
  • カラー
  • 74年型カラーにオールペン
  • エンジンの状態
  • オイル漏れ・異音有ります
  • 外観の状態
  • 再塗装部分は綺麗ですが、素の部分は劣化が目立ちます
  • 損傷や事故転倒歴
  • ハンドル曲がり・各所に小凹みや小傷が散見されます
  • カスタムや改造
  • マフラー・リアサス・ハンドル・ウィンカー・ミラーなど社外品
  • 買取年月
  • 2023年10月8日
  • ジャンル
  • プレミアム旧車 絶版車

要修理や交換個所が目立ったGT380の査定内容

「購入したショップの提示額より高ければ売ろうと思うのですが」とのご依頼を受けて査定させて頂くことになったのはGT380。
現場で拝見させて頂いた車検証の車台番号から最終1978年型の海外向けであることが確認出来ました。外装は74年型のカラーリングとなっていますのでオールペンが施されているようです。
「80万円に近ければ売る予定です」と売却ラインを教えて下さったオーナー様。
状態に難が無ければ、現在の相場水準では簡単にクリアできる金額だと踏んだ査定員。ところで現在の相場水準とはどうなっているのでしょうか? 先ずは直近で激しく動いてきた、GT380の買取相場からご紹介させてください。

GT380の買取相場

GT380の買取相場について先ず触れておきたいのが、2021年2月に718万円の値を付けて業者間オークションで取引された事例です。
2021年の前半は、コロナ禍で新車供給が細ったことを受けて中古バイク全体の相場が高騰したコロナバブルの絶頂期でしたが、その2021年間を通じても
・1位 NR750の1019万円
・2位 スーパーレッジェーラV4の962万円
・3位 Z2の816万円
に次いで4番目に高い落札額を記録しました。(2021年の高額取引ベスト5

718万円の値が付いたサンパチは、1973年モデル(B2型)で走行2kmのほぼ未使用車。
落札したのは海外の貿易業者で、最終の顧客はアラブの王族関係者です。

SUZUKI 2スト・トリプルは国内はもとより海外でも人気が高くプレミアムが付いている機種です。
というもの、日本より海外でセールス的に成功した1968年のT500が前身となっていることに加えて、元祖GTであるGT750のレース仕様車TR750が1973年シーズンのデイトナ200を制するなど欧米のレースシーンを彩った事で、海外でより強い印象を形成していたからです。
かといって、全てのGTトリプルが高額で取引されるわけではなく、未使用に近い状態であったことがコレクターの関心を焚きつけて超の付く高額取引に繋がったと言えます。

類似するケースでは
・529万円で落札された、走行距離0kmの1996年型NSR250R SE(2022年10月)
・183万円で落札された、走行距離0kmの1999年型NSR50(2021年3月)
などが挙げられます。
いずれも未使用という稀少性が平均取引額の5倍以上となる破格の取引に繋がっています。
海外でもプレミアム化している機種において、未使用の個体をお持ちのオーナー様がおれらましたら、想像を超えた値段で売れる可能性がございます。その際は海外の貿易業者に通じている弊社パッションにお声がけください。

718万円で落札された個体は例外として、国内でも確かなプレミアムが付いているGS380。
1970年代のSUZUKI車として最もプレミアムが付いているのがGTシリーズです。
高額取引されるGT750/550/380のアイコンに挙げられるのが2スト・トリプルですが、ライバル機であるKawasakiの2スト・トリプルと比べると、どちらが高く売れるのでしょうか?
買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データを使用して比較してみましょう。

【2スト・トリプル】最も買取率が高いのは?
参考買取率 平均落札額 取引台数 新車価格
500SS 372% 111万円 11台 29.8万円
750SS 458% 167万円 11台 36.5万円
400SS 350% 105万円 9台 30万円
350SS 469% 107万円 4台 22.8万円
250SS 330% 72万円 5台 21.8万円
KH500 - - 0台 39.5万円
KH400 377% 113万円 8台 30万円
KH250 389% 105万円 10台 27万円
GT750 255% 98万円 7台 38.5万円
GT380 433% 106万円 27台 24.5万円
GT550 269% 90万円 5台 33.5万円
業者間オークションの取引履歴を2023年10月時点で12ヵ月間遡った数字
業者間オークションとは、買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される会員業者間の市場
新車価格は、登場イヤーモデル
上記は2スト・トリプル機種の参考買取率を比較した表です。
参考買取率とは『業者間での平均取引額÷当時の新車価格』で算出した数字で、100%であれば当時と同じ値段で、200%であれば当時の2倍の値段で業者間にて取引されていることを示します。
※尚、業者間の取引額は、買取業者にとっては転売額(販売業者にとっては仕入れ額)に相当しますので、査定現場での買取額で換算すると3~6%ほど率が下がります。

最も参考買取率が高いのは、350SSの469%、次いで750SSの458%、そしてGT380の433%が3位となっています。
最も低いGT750でも255%と2スト・トリプルのプレミアム価値を見せつけています。

余談ながら、2スト・トリプルの先駆となったのは1969年の500SS(H1)60馬力。1969年は量産市販車初の4気筒CB750FOUR(67馬力)が登場した年でもあり、Triumph初の3気筒 トライデントT150(BSAのロケット3)58馬力と、 3つ巴で最高時速200kmを誇る機種がリリースされ、日本メーカーにとっては、はじめて世界最速機を誕生させたエポックメイキングな年でした。
1972年には、DOHC4気筒のZ1(82馬力)が市販バイク世界最速を更新する時速210kmを叩き出し、世間のニーズは4気筒機への系統を強めていくのですが。
そんな時代において、Kawasakiマッハーシリーズは多様な排気量を展開し、後継機KHの最終型となる1980年まで2スト・トリプルを生産。
SUZUKIは、1971年に国産で初めて水冷の2stを搭載した3気筒GT750を、72年にはラムエアシステムを搭載した空冷2スト3気筒のGT380とGT550を発売。後継となるGSシリーズに移行していく1978年まで生産していました。

トライアンフは2023年現在も当時の名を冠したトライデントやロケット3をはじめストリートトリプルなど多様な3気筒機をラインナップさせています。またCB750FOURやZ1もメーカーの象徴となり遺伝子を受け継ぐ機種が途切れることなくリリーされています。
しかしKawasakiもSuzukiも当時のトリプルをオマージュする機種を輩出していません。

Z1やCBルーツの超プレミアム機と比べると、プレミアム度では若干色褪せるものの。リッター換算で当時最高馬力を誇った「じゃじゃ馬」ことマッハ、 重厚なルックスとトルクフルな仕様が際立つ「グランツーリズモ」のGT、70年代を彩った2スト・トリプルの存在感はその高い買取率が証明していると言えるでしょう。

相場は右肩上がり

続いて、本稿本題であるGT30に焦点を当てていきましょう。
右欄下段一番上のグラフは、2016年~23年現在まで業者間の取引額がどう推移してきたかを示しています。
2016年時点では60万円平均で取引されていたGT380ですが、ジワジワと値を上げ2019年には70万円平均に。そしてコロナバブルが始まった2020年には100万円、バブル最盛期の2021年には700万円超を付けた未使用車の取引も手伝って170万円平均に。
そしてバブルの崩壊が始まった2022年には130万円、2023年には105万円強へと反落しています。
しかしながら、過去8年間の水準で見ると未だ高値圏内であることから、売り時であることは間違いがありません。
バブル期に異常高騰したZ系やCB系の多くのプレミアム機は、2023年現在では2019年以前の水準にまで揺り戻していることからも、GT380は売り時であることが指摘できます。

直近数年で大きく相場が動いているGT380。現在の相場動向を反映するために直近1年の取引に絞って掘り下げてみましょう。
登場72年型から最終の78年のB7まで途切れることなくラインナップされたため7つのイヤーモデルが存在するGT380。 イヤーモデルによって買取相場は異なるのでしょうか?

GT380【年式別】業者間での落札額
平均落札額 最高額 最低額 台数
72年型 119万円 145万円 75万円 4台
73年型 96万円 115万円 76万円 5台
74年型 110万円 110万円 110万円 1台
75年型 100万円 131万円 70万円 2台
76年型 - - - 0台
77年型 105万円 135万円 90万円 4台
78年型 107万円 162万円 89万円 6台
イタリア向け
41馬力
102万円 125万円 81万円 4台
業者間オークションの取引履歴を2023年10月時点で12ヵ月間遡った数字
上記は、直近1年間に業者間で取引されたGT380の実働車27台について、イヤーモデル別に取引額を比較した表です。

イヤーモデルに分類すると各年度の取引台数が少ないため傾向としては弱いのですが。登場72型が若干高い他は、際立った傾向は認められません。 尚、72年型には生産台数が少ないドラムブレーキ採用の最初期型(GT380-10番台)が存在します。最初期型の取引履歴は確認できませんが、その稀少性から落差額が大きく跳ねる可能性がありそうです。

サンパチは大掛かりなマイナーチェンジが入った74年モデル以降を後期型として区分されることもありますが、前期・後期で分けても有意な相場差は見られません。

変わり種では、イタリア向け41馬力仕様(75~78年型)が存在しますが、こちらも特に相場が高い傾向は認められません。
因みにイタリア向け41馬力仕様のフレーム型式はNGT380-、国内向け38馬力仕様はGT380B-(最初期型はGT380-10番台)、海外向け38馬力仕様はGT380-となっておりフレーム番号前半部分から仕向け地の識別が可能なのですが。取引された27台のうち国内仕様は1台だけで26台は海外からの逆輸入車です。

イヤーモデルの比較では際立った傾向が見られなかったサンパチ。続いては評価点別の比較を見ていきましょう。

GT380【評価点別】業者間での落札額
平均落札額 最高額 最低額 台数
4点 118万円 160万円 81万円 14台
3点 94万円 131万円 70万円 2台
1点 63万円 144万円 30万円 12台
業者間オークションの取引履歴を2023年10月時点で12ヵ月間遡った数字
5点:ルーティンの整備で再販に回せる良好車
4点:軽い追加補修や整備が必要となる劣化または軽い難がある
3点:追加整備が必要な難がある車両
1点:事故車又は不動車
上記は、直近1年間に業者間で取引されたGT380 の実働車27台(+12台の事故 不動車)について、評価点別に落札額を比較した表です。

平均落札額に着目すると、評価点が高い(コンディションの良い)ほど落札額が高い順当な結果となっています。
しかしながら、同じ評価点でも最高額と最低額には大きな開きがあります。
なぜでしょうか?

その理由の1つに、総合評価点の仕組みが挙げられます。
総合評価点は、エンジン・フレーム・外装・前足・後足・電装と保安部品の6項目を評価した総合評価となります。
そのため整数では3.5~4.4までが4点評価となる事。そして重整備が必要となるエンジンの3点評価と、軽整備で賄える保安部品の3点評価では、再販に向けて必要となる工賃が大きく異なる点が影響しています。

特に嫌気される不具合には、要修理判定となるような腰下からのオイル漏れやエンジンからの異音が挙げられます。また要オーバーホール判定となるサスペンションのオイル漏れや、キャブレターからのガソリン漏れ、動作しないメーター、 タンク内の酷い錆、エンジンフィンの削れなども嫌気されます。

もう1つの理由に、カスタムが挙げられます。
例えば、個性的なオールペンや塗り斑のある自家塗装などは評価を下げる一方で、価値のある社外品を装着しているカスタムは評価が高まる事がございます。

取引額が伸びるカスタムであっても、評価点上は純正品の欠品扱いで減点対象となることから、評価点だけでは見えてこない部分に当たります。

定番のカスタムには、集合管やチャンバー・キャストホイール・アップハンドル・段付きシート・サイドカバーの社外化が挙げられます。特に価値が上がり易いのは、 当時物のBEET製・セブンスター・メルバのキャストホイール、FIGAROLIチャンバー・スガヤ3本チャンバー・城北ムラカミ集合管・BEETチャンバー等で、純正品付きで確実なプラス査定が見込めます。

右欄下段一番上の表は、直近1年間に取引された27台のGT380実働車について、取引額の高い順に上位20台の状態を記しています。
傾向としては、やはり評価点が高い個体の落札額が高くなっております。しかし、評価点だけでは説明が付かないケースも散見されますので、特定の不具合やカスタム内容も加味すると以下の様な傾向が見えてきます。
  • ▼GT380 業者間の取引額傾向
  • 162万円の最高落札額
    純正度が高く外装が非常に綺麗で目立った不具合なし
  • 130~140万円台の4台
    目立った不具合が無く使用感が少な目のノーマル車や、使用感ありつつ価値ある社外品で纏めたカスタム車
  • 110~120万円台の8台
    使用感は少な目ながら加修が必要な不具合がある個体
  • 90~100万円台の8台
    使用感が出ており加修が必要な不具合があるノーマルまたはカスタム車
  • 70~80万円台の6台
    使用感が出ており要重整備の不具合があるノーマルまたはカスタム車
以上の買取相場を踏まえて、ライトカスタムが施された1978年モデルGT380の査定内容と買取額についてご紹介させて頂きます。 (尚、上記の業者間市場における落札額は、買取業者の転売額=販売業者の仕入れ額に相当するため、実際の買取額は94~97%相当となります)

【GT380】相場の推移

【GT380】相場の推移

【年式別】GT380業者間の平均取引額

【年式別】GT380業者間の平均取引額

【GT380】業者間の取引価格帯

【GT380】業者間の取引価格帯

【GT380】評価点別の取引価格帯

【GT380】評価点別の取引価格帯

【GT380】業者間の取引額の詳細

【GT380】業者間の取引額の詳細
買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データ
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74年型カラーに再塗装している外装、タンク内の錆びがマイナス査定に

オーナー様の愛車はフレーム番号から最終1978年型であることが識別できますが、外装は74年モデルのカラーリングとグラフィックに再塗装されています。
各イヤーモデルのカラーリングには特徴があり、純正塗装であればタンクのグラフィックからも識別が可能ですが、発売から50年超が経過したGT380。現存する個体の多くはオールペンが施されています。

買取価値が最も高いのは、綺麗な色艶を保持した当時のメーカー塗装ですが、次点はメーカー塗装を再現した仕上がりの綺麗なオールペンです。
その点では、オーナー様のオールペンは綺麗に仕上げられており高評価です。

しかしながらお化粧が入っていない素の状態であるタンク内は、錆び錆びです。錆カスがキャブを詰まらせなかったのが不思議なほどの劣化具合で、再販に向けては入念な錆び取りとコーティングが必須ですが、 ここまでサビが進行するとコーティング効果も限定的であるため、大きなマイナス査定となってしまいました。
また右サイドカバーの「GT380」エンブレムは欠品となっており残念ながら減点対象に。

メッキ仕上げとなっている前後フェンダーやエアクリカバーには傷が散見されるものの、目立つ錆びや塗装剥離は認められません。メッキ塗装部分が綺麗な個体比率が非常に高いサンパチ、当時の丁寧な仕上げ力が伝わってまいります。
オールペン外装を含め目に付く表部分は比較的綺麗であったオーナー様の愛車。しかしながらタンク内やフェンダーの裏側にシート裏など手が入り難い素の部分では激しい劣化が進行している一面も。
見た目の印象は良かっただけに、大きな減点対象となったタンク内の錆びが惜しまれました。
GT380エンブレムが欠品している右サイドカバー
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オイル漏れと異音が大きなマイナス査定に

シリンダーヘッド部分にRAM AIR SYSTEMと打たれたエアダクトが設置されているサンパチ。最大38馬力を発揮する空冷3発2ストロークのエンジン機構は本機のアイコンでもあり肝要な査定項目となります。
先ずは見た目の使用感ですが、再塗装された外装との対比で使用感を醸し出しています。
具体的には、全体的な色褪せ、エアダクトフィン・空冷フィン・キャブレターに浮いている錆びや腐食、そして腰下クランクケースやエアダクトカバーの塗装剥離や腐食が使用感の正体となっています。

エンジンを下から覗き込むと、サイドスタンドやダウンチューブ部分にベットリとミッションオイルが付着しています。
漏れが発生している箇所を辿っていくとクラッチカバー部分のパッキンが劣化して、そこから漏れているようです。
やはりオイル減りが早いのか、オーナー様の愛車にはオウル缶ホルダーが取付けられミッションオイルが常備されています。
再販に当たってはクラッチケースを取り外してのパッキン打ち直しが必要となります。
伴い大きなマイナス査定に繋がってしまいました。

続いてエンジン状態を見ていきます。
キックを降ろしてエンジンは一発始動。始動性は良好です。アイドリングも比較的安定しておりエンジン本体から異質なメカノイズも聞こえて来ません。
ギア抜けが無いかクラッチを握りシフトチェンジをしようとしたところ、ガラガラという異音が。。
再度確認しますがやはり異音が発生します。念のためにクラッチを繋いで車体を動かそうとすると、クラッチ板が滑っているのか発進に違和感があります。
コチラも再販に当たっては要修理判定。修理にはクラッチハウジング、若しくはクラッチプレートやリフレクションプレートの交換が必要となる可能性が高く、伴い大きなマイナス査定に。。 不幸中の幸いであったのは、オイル漏れによってクラッチケースを取り外すため、作業工程が被り工賃が少し浮く点です。

非常に残念ながら、要修理判定となった腰下オイル漏れと、クラッチからの異音によってエンジン評価は2点判定に。
サイドスタンドやダウンチューブ部分にベットリとミッションオイルが付着
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塗り斑のある再塗装が所々剥がれていたフレーム

引き続いてはエンジンと双璧を成す査定項目、フレーム回りを見て参ります。
プレミアムな価値を形成する旧車ですので先ず確認したいのが、年式や車種判定に使われる唯一の識別符であるフレーム番号。
不鮮明であったり、職権打刻で打ち直しされていると、来歴の不透明さが嫌気されて大きく買取価値を落としてしまいます。
幸いオーナー様のフレーム番号はメーカーで刻印された番号をハッキリと認識することが出来ました。

続いて確認したいのは、修正痕の有無。価値のある旧車では事故車起こしやフレーム流用も珍しくないことから殊更入念に検分する必要があります。
特に怪しい兆候としては、ハンドルストッパーの修正、フレームの再塗装プラス接合部の不自然な溶接痕です。 いずれも衝撃痕を誤魔化すための処置ですが、オーナー様の愛車には、ハンドルストッパーに曲りこそありましたが、メインフレームには剛性を損なうような衝撃痕もそれを隠す修正痕も見当たりませんでした。

ただし減点対象となる箇所も散見されました。例えば下記のような箇所です。
外装のオールペンとは異なる時期(より前)に再塗装されたのか、フレームの再塗装には塗り斑が出ている他、所々に塗装の剥離が見られ錆びも浮いています。
また、エンジン下を走っているダウンチューブには目立つ擦過傷があります。周辺接合部であるステップには曲がりが見られます。
フレーム部に散見された塗装はげ
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要オーバーホール判定となった前後サスペンション

続いては足回りの査定です。
先ずは、前後のタイヤを直線状に並べて車体がストレートのラインで揃うか、ハンドルの切れ角が左右で対象となるかをチェックします。
前輪 後輪のラインはストレートに揃わず軽く歪みが出ていますが、45年前の1978年型としては平均的な状態であり、減点もマイルドです。
ハンドルの切れ角は左右で拳1つほど異なります。ハンドルストッパーに歪みもありましたが、ハンドルが曲がっています。こちらは減点対象になってしまいました。。

続いて足回りでは基幹部品となる前後サスペンションの状態を見ていきます。
フロントフォークのインナーチューブはメッキ塗装が剥がれて錆で覆われていますが、深刻であったのが機能不良です。オイルが漏れており、インナーチューブが深く潜ります。
再販に向けては漏れの原因となっているオイルシールの交換と、インナーチューブの錆び除去ならびにメッキ再塗装を伴うオーバーホールが必須です。
リアショックもオイルが漏れておりますが、リアショックは抜けており縮んだ後にポヨンと伸び戻してきます。前後のサスペンションとも要オーバーホール判定です。

ホイール回りは一見綺麗ですが、スポーク部は全体的に傷が入りサビが浮いています。キャリパーは塗装が剥がれ、スプロケやアウターチューブやアクスルシャフト周辺も錆びや腐食の使用感が出ています。
ステムやスイングアームにも塗装剥離が見られ、錆びが浮いていますが、消耗品であるチェーンやタイヤはまだ十分に使える状態であったのはプラス判定です。

見た目的には45年前の個体としては年式並みの使用感でしたが、曲がっているハンドルや要オーバーホール判定となった前後サスペンションが価値を落とす結果となってしまいました。
メッキが剥がれ錆で覆われているインナーチューブ
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不良個所が散見された電装保安部品

最後の査定項目は電装系と保安部品です。
まずはスイッチボックスを操作して動作確認を行います。スイッチボックスは変色しており使用感を感じさせますが、ウィンカーやランプなど灯火類は正常に動作します。しかしホーンは作動せず要修理判定に。 またバッテリーの電圧も弱くこちらは要交換判定に。
ウィンカーは社外化されていますが、配線が加工されていない点は好ましいポイントです。

基幹部品である2連メーターは、シフトインジケーターを含めて一通り正常に動作します。ただし内部のパネルやメーターカップが変色しており使用感は出ています。
社外化されているマフラーは比較的新しい代物で、45年前のエンジンと対比すると使用感が控えめではありますが、エキパイ部には塗装剥離や小さな凹みが見られます。
減算履歴のあるメーターには変色が見られます
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安価な社外品を多用したカスタムは裏目に

ライトカスタムが施されたオーナー様の愛車GT380。
社外化されたパーツを列記いたしますと、マフラー・リアショック・ハンドル・グリップ・ミラー・ウィンカー・サイドスタンドです。
オプションでは、オイル缶ホルダー・フラッグポール・グリップカバーを装着。
その他、シートのあんこ抜きが施されています。

大勢に影響を与えない細々した部位のカスタムが多いのですが、査定額に影響を与えたのがマフラーとリアショックです。
装着していたマフラーは当時物ではない現行品の集合管です。3万円弱で出回っている品物とあって、純正品の欠品を補う程のアドバンテージは無く残念ながら若干のマイナス査定に。
リアショックもマイナーメーカの1万円強の品物とあって同様に純正品の欠品を補うには至らず同様の判定に。。
安価なマフラーやリヤショックに交換されているカスタム
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総合評価と買取額

ポジティブな査定項目
  • 仕上がりの良い外装のオールペン
  • 使用感控えめの外装メッキパーツ
ネガティブな査定項目
  • 要修理判定となったオイル漏れとミッションからの異音
  • 要オーバーホール判定となった前後サスペンション
  • 要修理判定となったタンク内で進行した錆び
  • 要交換判定のバッテリー、修理判定のホーン
  • 純正品が無く安価な社外品を多用したカスタム
以上のように査定させて頂きましたオーナー様の1978年モデル GT380。
査定の評価点は2.8点。重整備項目が多く、再販できる状態にする整備+部品コストは少なく見積もって市価で30万円。ミッションの状態によってはそれ以上に掛かる可能性もございます。

上段で触れた業者間オークションに出品した場合、想定される落札額は弱気予想で70万円、強気予想で80万円です。
70~80万円は、買取業者にとっては転売額(販売業者にとっては仕入れ値)に相当しますので、出品手数料や陸送費などの経費を差し引くと67万円が何とか確実に利益が見込めるギリギリの査定額となります。

弊社バイクパッションが提示させて頂きました査定額は78万円。
「購入したショップの提示額よりも気持ち高いし、現金払いだからね。それで売ります」とのオーナー様のご返答を受けて買取の成約となりました。

78万円は、相場的には赤字必死の査定額です。
相場を超える値段を提示できた理由は、修理単体での儲けを必要としない弊社の自社工場で市価よりも安価に修理が可能な点、そしてGT380に精通した整備士が迅速に仕上げられる点です。
さらに日本で一番バイクを売っている店舗、弊社横飯店での再販も視野に入れてのことです。
今回はGT380のご売却を誠にありがとうございました。

「状態に難があるから、値段はそんなにつかないんじゃないかな~?」といったお悩みも先ずは弊社バイクパッションにご相談ください。誠心誠意丁寧に査定させて頂き、当社の強みをフル活用し限界の金額をご提示致しております。
要修理・要オーバーホール・要交換判定箇所が散見されたGT380
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GT380の買取相場

【1972~78年モデル】

【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ

  • 取引台数: 27台
  • 平均価格: 1,062,667円
  • 最高価格: 1,620,000円
  • 最低価格: 705,000円

【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ

  • 取引台数: 12台
  • 平均価格: 639,250円
  • 最高価格: 1,44,000円
  • 最低価格: 300,000円

相場情報:2023年10月8日時点

最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。


上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。

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    買取査定価格

    600,000円
    1972年式 走行 7,198km
    比較的状態の良いノーマル車
    事故不動
    新車
    4
    2016年10月 買取
  • 400SS マッハ2

    買取査定価格

    450,000円
    1974年式 走行 35,454km
    フレーム修復歴有り旧車会仕様
    事故不動
    新車
    3
    2014年11月 買取
  • GT250

    買取査定価格

    250,000円
    1976年式 走行 24,938km
    要エンジン修理
    事故不動
    新車
    3
    2017年12月 買取
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