CVOソフテイルデラックス FLSTNSE買取査定事例【2015年モデルのノーマル】

2014年にCVOファミリーからリリースされたFLSTNSE。
同2014年のベースモデルFLSTN（TwinCam98）のメーカー希望小売価格が234万円～であったのに対し、FLSTNSEは1.5倍以上の366万円でした。
ベースモデルより132万円高いCVOの特徴は
ベースモデルFLSTNのツインカムエンジンにスクリーミンイーグルのボアアップキットを組込み110ci＝1801cc化されたエンジン。FLSTNSEとはFLSTN＋SE（Screemin Eagle）の組み合わせで、ベースモデル＋SEというCVOファミリー特有の名称構成になっています。

さらにクロームキャストホイール、凝ったグラフィックペイントが施されたタンク・タンクバッジ、フロント側マフラーのショート化、バックレスト・サイドバッグ・スクリーンの標準装備、 メッキ処理が施されたグリップ・スイッチハウジング、排気量を示す110が刻印されたエアクリ・エンジンカバーなどCVOファミリーからのラインナップに相応しいメーカーカスタムが施されています。

最終となった2015年モデル（FLSTNSE2）では、カラー変更が実施されましたがメーカー希望小売価格は据え置きのまま短いモデルライフを終えています。

ベースモデルは相場急上昇もCVOは・・・

ざっと駆け足でCVOソフテイルデラックスの特徴と歴史を振り返りましたが、最近の中古相場の動向を見ると・・・

ツインカム時代にソフテイルファミリーの旗艦モデルとして、ヘリテイジクラシックやファットボーイと並び絶大な人気を誇ったベースモデルのFLSTNは、2020年から中古相場が急上昇しています。 特にツインカム88（2005～06年）とツインカム96（2007～15年）は直近1年で約50％もの上昇を魅せています。
相場上昇の背景には、コロナ禍で新車供給が細り中古需要が高まったこがあり、ハーレー全体の中古相場が挙がっているのですが、特に人気車種の値上り幅が大きくなっている傾向があります。

対してCVO FLSTNSEの相場は直近1年では、8％の上昇に留まっています。
今回の相場急上昇局面では、流通数が少なく富裕層向けのイメージもあるCVOファミリーは総じて（CVOブレイクアウトなど一部を除くと）上昇波に乗れていない傾向が見えます。
新車時にベースモデルより130万円以上高かったCVOですが、2021年現在では相場上昇局面で明暗を分けた結果、ベースモデルと近似した金額で取引されています。
以下、FLSTNSEにフォーカスして買取相場を見てみましょう。

走行距離が物を言うCVOソフテイルデラックス

買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データを見ると。

直近1年間で5台の実働車が取引されているFLSTNSE。取引の最高額は143万円、最低額は93万円、120万円が平均となっています。
14年と15年モデルで仕様的な変更もメーカー価格もないことから、イヤーモデルによる買取相場に差は見当たりません。
カスタム余地が少ないCVOの特性から5台全てがノーマルまたはマフラーやエアクリ・灯火類・ハンドル・リアショックに社外品が入ったライトカスタムとなっています。
Zバーやエイプハンガーで高さを出すハンドルやマフラーの社外品化でシルエットをキリッと魅せるカスタムはソフテイルデラックス全般で価格が伸びる傾向にあります。

本質的に取引額を左右する最大の要素は走行距離。状態が良く距離が1万キロ程度以下であれば上位の取引額が見込めます。
走行が3万キロを超えてくると状態が良くても中位の取引額に、そして距離が多いまたは状態に難があると100万円を切る取引額が想定されます。
以上の買取相場を踏まえて、低走行の良好車であったFLSTNSEの査定内容と買取額についてご紹介させて頂きます。 （※上記の取引額は、買取業者の転売額＝販売業者の仕入れ額に相当するため、査定現場での買取額は95％相当となります）

2015年モデルのCVOソフテイルデラックス（FLSTNSE）。 走行距離は5,372kmと浅く、目立った劣化や外傷はありません。

「ブラッククリスタル」の外装、CVOならではのペイントが施されたタンクも色艶は良好です。
車検非対応の社外品に変えられやすいマフラーも純正のフルノーマル車両。
エンジンやサスペンションからのオイル漏れや、バッテリーの劣化なども無く、ScreaminEagle仕様のツインカム110エンジンやフレームにサスペンションといった基幹機能にも目立った減点が入る余地はありません。
ソフテイルデラックスの特徴であるホワイトリボンのタイヤも溝は残っており、軽整備で販売用車両として店頭に並ばせることが出来る状態です。

状態は文句なしに上位であるため、焦点は査定額に絞られます。
上段で触れた、買取業者の転売先である業者間市場において過去1年で取引された5台のうち、最上位143万円で取引された個体より走行距離が浅く状態も良いことから、市場での取引額は強気で160万円想定です。
転売額に相当する160万円から買取業者の経費（運送費や出品手数料）と儲けを差し引くと、155万円が競争力のある買取額となります。

はたして弊社バイクパッションが提示いたしました査定額は170万円。
「やっぱり今回もダントツに高いね」とオーナー様のご回答で買取成約となりました。

相場的には大赤字の査定額で買取できた理由は、日本で一番中古ハーレーを売っている系列販売店の存在。
軽整備で商品化できる点、フルノーマルで販売がスムーズに進む点、売れ筋のソフテイルデラックスであり、更に販売相場的に割安感が出ているCVOである点。 を鑑みて、相場よりも15万円高い査定額での買取となりました。 日本で1・2を争うハーレーの買取実績に裏打ちされた査定力、そして日本で一番中古ハーレーを売っている系列販売店の存在が成せる査定額と言えます。

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