FXE1200ショベル買取査定事例｜10年以上放置の不動車

買取させて頂きましたのは、1976年モデルのFXE1200スーパーグライド。
個人色が強く好みの割れるカスタム内容や、10年以上放置されエンジンが不動化していた点などがマイナスとなりましたが、 自社工場で市価よりも安価に実働化できる利点を生かし、不動車の相場に照らすと赤字必死となる査定額71.5万円で買取させて頂きました事例です。

FXE1200スーパーグライド (ショベル)｜1976年モデル｜不動車 の買取事例

• 1買取事例データ
• 2査定内容
• 2-11200ccショベルの買取相場
2-1-1【1200ccショベル】業者間での取引平均額と台数
2-1-2FL系
2-1-3FX系
• 2-2査定のハイライト
• 2-3好みの割れるカスタム内容はマイナスに
• 2-4始動しないショベルエンジンの評価
• 2-510年以上放置されていたた車体の機能と劣化
• 2-6総合評価と買取額
• 3当時の買取相場
• 4関連する買取事例

FXE1200スーパーグライド (ショベル)買取価格実例

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事故不動

新車

• 1

総合評点：1点

エンジン -　車体フレーム -　外装 -　電装保安部品 -　フロント周り -　リア周り -

【評価点の目安】
8点以上：新車　7点：超極上車　6点：極上車
5点：良好車　4点：多少の使用感　3点：難有　2点：劣悪
1点：事故不動

• バイク名
• FXE1200スーパーグライド (ショベル)
• 買取価格
• 715,000円
• 年式
• 1976年モデル
• 走行距離
• 8,484km
• 車台番号
• 9D31822H6
• カラー
• マルーン(FLH1200タンク)
• エンジンの状態
• 不動の為、異音や白煙吹きの有無は不明ですが、ヘッドからとドレンからオイル漏れあり
• エンジンの種類
• コーンショベル
• 外観の状態
• フレームオールペン、各所に錆び腐食や塗装剥げ。10年放置車両としては比較的良い色艶
• 損傷や事故転倒歴
• 軽人によるダメージや不具合が各所に認められます
• カスタムや改造
• 社外品・他車種の転用品多数のカスタム改造車
• 買取年月
• 2022年5月1日
• 買取エリア
• 蕨市塚越の買取事例
• ジャンル
• プレミアム旧車 絶版車 ｜ ハーレー ショベル

• 最新の買取相場
• FXE1200スーパーグライド【ショベル 1974～78年】

【1976年型の不動車】FXE1200スーパーグライドの買取査定内容

『近所のバイク屋が50万円で買うって言ってくれたんだけど、300万円を超える値段で売られているショベルも見たんで、もっと高く売れるんじゃないかと。』と仰るオーナー様。
売値で300万円を超えてくるショベルは、2022年時点では初期アーリーショベルを搭載したFL1200でスタイルの決まったカスタム車か純正品完備のノーマル車に限定されます。
同じショベルエンジンを搭載していても、機種・状態・年式によって中古相場は大きく異なります。
先ずは1200ccショベルの買取相場からご紹介させて頂きます。

1200ccショベルの買取相場

ご存知の方も多いと思いますが、買取させて頂きましたFXE1200の誕生経緯をサラッと。
FL系とFX系に大別できるビッグツインのハーレー。
FX系の起源は1971年に誕生したFXスーパーグライド。
1200ccショベルを搭載したFLの車体にスポーツスターの足回りを組み合わせたFXスーパーグライドは、ウィリアム G ダビッドソン氏(創業者の孫)が手がけたファクトリーカスタムの第1弾であり、 1974年には第2弾となるFXEスーパーグライドを、1977年には爆発的ヒットとなったFXSローライダーが投入されました。

機種・排気量・年式で買取相場が異なるショベルヘッド

FLに搭載されていた当時のビッグツイン(1200cc)がパンヘッドからショベルヘッドに刷新されたのが1966年。以降エボリューションエンジンが登場した翌85年モデルにも一部機種に搭載されていたショベルヘッド。搭載期間中には以下の変更が実施されています。

・1340cc(80ci)化
当初1200cc(74ci)であったショベルヘッドは、78年のFLHを皮切りに81年までに1340cc(80ci)化されています。

・オイルネーター(12V)化
6Vのジェネレーターであった発電系は、70年モデルからオイルネーターに変更し12V化(Vツイン下部のクランクケースの形状もコンパクトな丸型から横長化)されています。
そのため69年までのアーリーショベル、70～85年までのコーンショベルに分けられます。

機能性は、フレームの強化、ディスクブレーキ化、ケイヒン製キャブの採用などでアップデートされた76年以降のコーンショベルに軍配が上がりますが、 稀少性と買取価値が高いのはアーリーショベルを搭載した1969年以前のFL系です。

以下、1966～80年モデルが該当する1200ccショベル搭載機種の買取相場を見てみましょう。

【1200ccショベル】業者間での取引平均額と台数
	実働車	事故・不動車
FL系
FLエレクトラグライド (ショベル 1A型) 1966～	- (0台)	- (0台)
FLHエレクトラグライド 1966～79年	137万円 (9台)	- (0台)
FX系
FXスーパーグライド 1971～78年	140万円 (1台)	72万円 (1台)
FXEスーパーグライド 1974～78年	96万円 (4台)	- (0台)
FXSローライダー 1977～80年	143万円 (5台)	(0台)
FXEFファットボブ 1979年	111万円 (1台)	- (0台)

上記は買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データを2022年5月時点で1年間遡った数字

直近1年間では21台の取引履歴が残っている1200ccショベル。
21台全て後期のコーンショベルで、フレーム番号が2桁の数字(年式を示す)から始まるアーリーショベルの取引履歴はありません。

ノーマル度・綺麗さ・エンジンが買取額の3要件となる1200ccショベル

買取業者の転売先である業者間市場での落札額が高いのは元祖FXのFXロードグライド、爆発的ヒット車種FXSローライダー、元祖ビッグツイン(1200cc)FL系のFLHエレクトラグライド。
それぞれヒストリーや人気に基づいてプレミアム価値が乗っている機種であり、中古でも比較的タマ数の多いFLHとFXSの相場は上昇傾向です。
残念ながらFXE1200は上記機種に比べると相場は一段低く推移しています(詳しくは後述いたしますが)。

上位の金額で落札された1200ccショベルには『見た目が綺麗でノーマル度が高い』という共通点が見られます。
逆に落札額が低い個体には『パット見て強い使用感があり、改造や純正品の欠品が目立つ』という特徴があります。

1960～70年代に製造された年代物のショベルヘッドエンジン。オイル漏れや異音に白煙吹きといった不調が無い個体の方が珍しくエンジン状態が良い個体は買取において大きなアドバンテージを発揮します。

買取上限は120万円弱で推移しているFXE1200

中古のタマ数が少ないFXEスーパーグライド。業者間市場における直近1年間の取引台数は僅か4台。
過去5年間に遡っても取引台数は9台に留まりますが、下は70万円台、上は120万円前後、90万円台平均で相場はここ5年間推移しています。
状態の良い綺麗な個体は市場の落札額が120万円まで伸び、実働車でも強い使用感が難がある個体は70万円台に留まるのがFXE1200の相場です。

カスタム内容によって査定額は上下

ショベル搭載機種の中でもカスタム比率が特に高いFXE1200スーパーグライド。
純正品が入手でき適合社外品も多数ラインナップされているツインカム以降のハーレーとは異なり、カスタムは自作・ショップビルド・他車種の部品流用など改造に近い個体が多く見受けられます。
ノーマルの綺麗な個体が高額査定の基本線ではありますが、スタイルが決まっているショップビルドのカスタム車はそれ以上の価格となることも少なくありません。
対して自作や他車種の部品転用など個性の強いカスタムは市場での落札額は伸びず査定額が付きにくいカスタムと言えます。

以上の買取相場を踏まえて、10年以上放置されていた不動車のFXE1200の査定内容と買取額についてご紹介させて頂きます。 （※業者間市場の取引額は、買取業者の転売額＝販売業者の仕入れ額に相当するため、実際の買取相場は90～95％相当となります）

【FXE1200】相場の推移

【FXE1200】業者間の取引価格帯

【FXE1200】評価点別の取引価格帯

買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データ

査定のハイライト

目視での車種判定が困難であったFXE1200スーパーグライド。
買取額に大きな影響を及ぼしたのは下記2点です。
１）好みの割れるカスタム内容
２）始動しないショベルエンジン
３）10年以上放置されていたた車体の機能と劣化

好みの割れるカスタム内容はマイナスに

社外品(や他車種の流用品)はエアクリ・シート・ハンドル・マフラー・灯火類など多岐に及びますが。
FL系回帰の前後16インチのビンテージタイヤを履き、フロントフェンダーレス等でスッキリ感を出しているスタイルにはボバー系の方向性が垣間見えます。
しかしながら純正より重厚なタンクやフロントフォークにフットボードはFLH1200の転用であり、ライト感が売りのFXに重厚感が特徴のFL系を組み合わせつつ、自作のリアフェンダーカット等は個人色が強く好みが割れます。

FXE1200で価格が伸びやすいカスタムは、ショップビルドのロングフォークチョッパーや、小型タンクでショベルヘッドエンジンを剥き出しにし、サドルシートやフラットフェンダーやショップでのシートレール切断など軽量感と迫力を醸し出すスタイルです。
社外品ではSU製のキャブ＆エアクリが若干のプラスに寄与しましたが、全体としては自作のリアフェンダーカットや他車種の部品流用など好みの分かれるカスタム内容はノーマル車に比べて若干査定額を下げる結果に。

始動しないショベルエンジンの評価

10年間放置されていたために、バッテリが上がっていたFXE1200。
ジャンプスタートで始動を試みますがエンジンは始動しません。
原因を探るべくタンクキャップを開けガソリンの状態を確認すると、強い悪臭を放っています。
タンク内のガソリンの様子からキャブレーターに溜まっていたガソリンも粘性を帯びたり一部固着しエンジンへの通路を詰まらせているためにエンジンが始動しない様子です。

始動が確認できないため、異音や白煙吹きといった始動後の不調の有無は確認できませんでしたが、目視によってオイル漏れの有無は確認できます。
見た目の使用感は年式並みといったところですが、ヘッドとドレン付近からオイル漏れの痕跡が確認できます。
ただしダダ洩れという状況ではなく、ショベルエンジンとしては平均的な軽度な漏れ具合でした。

始動が確認できない不動エンジンにおいて買取額に最も影響するのがクランキング時の圧縮の有無。
恐る恐るキックペダルを踏み込むと圧縮の手応えはあり、重篤な故障は抱えていないことが確認できました。

整備によって実働化は見込めますが、バッテリー＆プラグ交換、キャブ2発のオーバーホール、タンク内の錆び除去とコーティングは実働化に最低限必要な工程です。
重篤な内部の故障が無ければ市価で5万円程度の整備内容となりますので、ともない査定額の減額に。

10年以上放置されていたた車体の機能と劣化

車検証に記載された有効期間は10年以上前の日付となっていたFXE1200スーパーグライド。
10年以上触られずに放置されていましたが、ガレージで保管されていたことが功を奏して、野晒しで放置されていた車両特有の荒廃した雰囲気は見られません。
見た目の印象は1976年モデルとしてはフレームが再塗装されていることもあり先ず先ずの色艶を保持しています。各所に錆び腐食に塗装は剥げ等が見受けられますが、平均的な劣化度合いと言って良いでしょう。

ただし一部劣化しているゴムパーツなどは要交換判定となった他、オイルシールの劣化でオイル漏れが確認できたフロントフォークも要交換判定に。

総合評価と買取額

ネガティブな査定ポイント

• 個人色が強く好みの割れるカスタム内容
• 10年放置で始動が確認できない不動エンジン
• 要交換判定となった消耗品や要OH判定となったフロントフォーク

ポジティブな査定ポイント

• 70年代ショベルとしては先ず先ずの色艶と見た目

以上が査定要素の纏めになります。
上段で触れた買取相場に照らすと、業者間オークションでの落札額はエンジン実働車と仮定して80万円台(販売業者の仕入れ額＝買取業者の転売額に相当)の想定です。
不動車として現状出品した場合は70万円弱想定です。
上記の想定転売額70万円から諸経費や儲けを差し引くと、相場的には65万円が競争力の高い買取額になります。
弊社修理工場で市価よりも安価に実働化できる利点を生かし、実働化後の落札額を見込んで提示いたしました弊社の査定額は71.5万円。
『近所のバイク屋とは雲泥の金額だね。やっぱり知人が薦めてくれただけのことはあるね！』と嬉しいご回答を受けて買取の成約となりました。

業務の一環として廃車手続きを無償サポートさせて頂き、廃車証のコピーをご郵送差し上げて買取完了となりました。
儲けぎりぎりの査定額でしたがオーナー様にお喜びいただいてお譲りして頂けました。FXE1200スーパーグライドのご売却を誠にありがとうございました。

FXE1200スーパーグライドの買取相場

【1974～78年モデル】

【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ

• 取引台数：　4台
• 平均価格：　959,500円
• 最高価格：　1,210,000円
• 最低価格：　778,000円

【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ

• 取引台数：　0台
• 平均価格：　No Data
• 最高価格：　No Data
• 最低価格：　No Data

相場情報：2022年5月1日時点

最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。

上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約９割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売（落札）金額から買取業者の儲けと経費（運送料や出品手数料など）を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5～10％を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。

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FXE1200は売ろうと考え時が一番高く売れます