XG750ストリート買取査定事例｜ライトカスタムの2016年モデル

国産アメリカンよりも安い85万円(税抜78.2万円)～で買えるハーレーとして2015年にデビューしたXG750ストリート。
同2015年モデルではYAMAHAのXV950Aが103万円、941ccのBOLTが89.9万円～、DSC4が82.3万円。そしてKAWASAKIから翌16年モデルでリリースされた649ccのバルカンSが77万円となっており、 ハーレー最安値であった883Rや883Lよりも20万円近い廉価な設定でした。

しかしながら2017年モデルで、ABS標準化やトルクアップの変更を受けて12.5万円の値上げが実施されました。そのため買取相場は2017年のマイナーチェンジを境にして異なります。

【年式別】XG750 買取相場比較
	平均落札額	最高額	台数
15年モデル	38万円	52万円	20台
16年モデル	41万円	55万円	18台
17年モデル	45万円	57万円	6台
18年モデル	47万円	51万円	3台
19年モデル	-	-	0台
20年モデル	-	-	0台

2017年モデルから最終2020年モデルまでの取引台数が極端に少なくなっているのは、大幅な値上げに加えて上位グレードとなるXG750A ストリートロッドが同年から発売開始されたことも影響しているかもしれません。

15年から16年モデルの変更点は価格据え置きのカラー追加に留まっていますが若干相場に違いが出ていますので、買取させて頂きました2016年モデルに焦点を当てて詳しく見てみましょう。

相場の上昇が小幅に留まっているCG750

過去5年間の取引データを集計すると150台の取引が記録されている2016年モデルXF750。 コロナ禍以降、新車供給が細った事を受けて中古バイク全体の相場が上がっています。数字にすると2022年は対前年比で18％、対3年前比で50％上昇。ハーレー全体では対前年比で3％、対3年前比で51％上昇しています。 対して2016年モデルXF750は、対前年比で3％、対3年前比で26％と全体と比較すると上昇幅はやや控えめと言えます。

3年前比で26％上昇している直近1年間で、16台の実働車が業者間オークション市場で取引された2016年モデルXF750。
落札の最高額は55万円、最低額は24万円、41.6万円が平均の落札額となっています。 上から下まで31万円の値幅が存在しますが、車両の評価点別には下記の様な取引結果となっています。

【状態別】16年モデル XG750 買取相場
	平均落札額	最高額	最低額	台数
5点 良好車	45.8万円	55万円	39.9万円	10台
4点 軽い難や使用感	35.3万円	46.2万円	24万円	8台

走行距離と状態が査定額の2台要件

評価点5点（良好車）の平均落札額が45.8万円であるのに対し、評価点4点（軽い難又は使用感）のそれは35.3万円となっており、状態によって大きく平均落札額が異なることが見て取れます。
同じ評価点ながら落札額に開きがあるのは、状態や走行距離そしてカスタム内容などによる差です。

全年式（15～20年モデル）を通じても年間に50台弱の取引台数となっているXG750ストリート。月間に均すと4台平均です。そのためカラー指定などでバックオーダー（お客様からの購入注文）を受けた販売店同士で入札がヒートアップ すると落札額が異常に高くなる個体も出現しますが、高額落札（高額査定）に繋がる2大要件は浅い走行距離と高い評価点（状態の良さ）で、具体的には以下の様になっています。

• ▼落札額の傾向
• 45～55万円
  評価点が5点の中でも状態が良く走行距離が数千キロの個体が大半となっています。
• 40万円台前半
  評価点4で走行距離が数千キロの個体、または評価点5点で走行距離が1万キロを超えてくる個体
• 20～30万円台
  評価点4点の個体で占められ、全て走行距離が1万キロ超え。最安値24万円の個体は走行距離が7万キロ台

カスタムによる査定額の伸びしろ

直近1年間で取引が記録された16台の2016年モデルXG750はいずれも数点の社外品が入ったライトカスタムとなっています。
カスタム車の傾向としては、社外品が多数入りカフェレーサーなどスタイルが纏まったフルカスタムなどは大きく査定額が撥ねる可能性があります。
エアクリ・マフラー・ミラー・ハンドル・フットペグなどが定番の入門的カスタムですが、大半の車両が何れかに社外品が入っていますのでライトカスタムであれば大きな査定額の上乗せは期待できませんが、 純正品付きで確実なプラスが見込めます。またオプション品については脱着可能なアイテムなのでこちらも中古の流通価値に応じたプラス査定が見込めます。

以上の買取相場を踏まえて、ライトカスタムが施された16年モデルXG750ストリートの査定内容と買取額についてご紹介させて頂きます。 （尚、上記の業者間市場における落札額は、買取業者の転売額＝販売業者の仕入れ額に相当するため、実際の買取額は9掛け相当となります）

社外品に変更されているのは左右のミラーとプラグコード、そしてVANCEのスリップオンとエアクリーナー。
新品価格で総額10万円程度となる社外品ですが、エアクリーナーは表面のカバーが直ぐに取れてしまう状態で、マフラーにも使用感が見て取れますので中古の流通価値は末端価格で数万円といったところ。
エアクリーナーと社外マフラーは純正品が有りプラス査定に寄与いたしました。

VanceのHI-OUTPUTスリップオンに限らず殆どのハーレーの社外マフラーは車検非対応です。純正品が付属していることで次のオーナー様が車検時に純正品を購入する手間と費用を浮かすことが出来るメリットから 再販売時のアドバンテージとして作用するため買取価値は確実に上がり易くなります。

オプションとして装着さてているのが、バックレストとサドルバッグです。
どちらも比較的安価な社外品で新品価格で総額3万円程度で中古パーツの流通価値高くはありませんが、簡単に脱着できるオプション品ですので、純粋にプラス査定に寄与いたしました。

XG750に搭載されたSOHC4バルブの水冷4ストローク60度V型2気筒のレボリューションXエンジンは最大53馬力と推定されている取り回し易い仕様です。
走行距離は2,309km。業者間オークションで直近1年間で取引された16台を材料にすると、最上位に匹敵する浅さで買取において大きなアドバンテージとなりました。

エアクリのカバーがしっかりと嵌らず、マフラーに傷や色褪せが散見されるためエンジン周辺の見た目に使用感を憶えますが、クランクケースの小傷や使用感を除けばレボリューションXエンジン腰上は比較的綺麗です。
始動は1発、上がりやすいハーレーのバッテリーですが交換の必要も無さそうです。始動後のアイドルリングは安定し白煙吹きもありません。 アクセルを開けて回転数を上げて行きますが、腰上や腰下からも異音は無く機能は良好です。
見た目の使用感で軽く評価を下げてしまいましたが、機能自体は良好で5点判定となりました。

登場15年モデルからの継続であるビビッドブラックのカラーリングを纏ったXG750。
2022年現在では6年落ちとなりますが、外装の色艶は若干のくすみがあるため極上には至りませんが充分に綺麗です。 他のハーレーとは異なりバッテリーカバーは樹脂製であることから傷など使用感が出やすい部位なのですが、傷も入っておらず前オーナー様が日頃からケアされて乗られていたことが伝わってきます。
大きな傷や色褪せなども無く、弊社工場で磨いて更に光るポテンシャルが有りました。
カバーで覆われていないエキパイ部はサビで覆われている等、目立たない箇所で小さく買取価値を落としていましたが、 買取査定の評価はエンジンい引き続き5点をを付けすることが出来ました。

走行距離が浅く目立つ外傷もないことから、フレームの剛性や状態は良好であることが予想できましたが正にその通り。ハンドルの切れ角やネック部分の皺寄り、ハンドルストッパーの曲がりなど衝撃を受けた痕跡は皆無です。 塗装剥げや錆なども見られず高い評価点となりました。
フットペグやスタンドなどフレーム接合部の周辺にサビが浮ていた点が細かく減点となりましたが、目立たない箇所であり見外で除去できる錆びとあって買取額への影響は軽微にとどまっています。

フロント17インチ・リア15インチと小径ホイールを履いているXG750ストリートですが、特にキャリパー周辺など足回りは歪曲が多く手が入りにくいため劣化が出やすい箇所です。 しかしながら、キャリパーの裏側に錆び、キャストホイールに若干確認できる塗装はげがある程度で綺麗です。足回りにも前オーナー様の日頃のケアが垣間見え高い査定評価に繋がりました。

ハンドル・レバー・スイッチハウジング・グリップ・ミラーにメーターまでフルブラックで統一されたコックピット回りには小傷が散見されますが使用感は少なく綺麗です。
フォークブーツをはいた正立フロントフォークには磨き傷が散見されますがオイル漏れはなく綺麗です。モノショックのリアサスペンションには軽い錆びが出ていますがコチラも機能は良好です。
足回りやフレームなどいずれも軽い使用感は出ていましたが、再販に際しては軽整備で済む状態の良さを確認できました。

走行距離が浅く、各部位の評価もストレートで5点（良好）判定となったオーナー様のXG750ストリート。
上段で触れた業者間オークションにおける16年モデルの直近1年間の取引履歴に照らすと、距離も浅く外装の評価で7点が入り最高55万円の落札額となった個体には及びませんが上位5台に比肩する評価となりました。
踏まえると業者間オークションに出品した場合50万円前後の落札額が想定されます。
50万円は買取業者にとって転売額（販売業者にとっては仕入れ額）に相当しますので、経費（出品手数料や運送費など）と儲けを差し引くと46万円が非常に競争力のある査定額となります。

弊社横浜店は日本で一番バイクを売っている店舗ですが、弊社の系列店には日本で一番中古ハーレーを売っている販売店もございます。
軽整備で販売に回せる点、フルノーマル戻しが可能で社外パーツが付いている点、磨いてさらに光るポテンシャルを評価し、販売店仕入れ価格として51万円の査定額で買取させて頂きました。