「何社かに査定してもらったのですが、納得の買取額が出なくて...」と弊社バイクパッションにお声を掛け下さった理由を明かしてくれたオーナー様。
GSX1100S KATANAは「年式・カスタム内容・エンジン状態・車両状態」によって大きく買取相場が異なる車種です。特にカスタム内容とエンジン状態が重要であり、カスタム内容と車両状態に応じて相場に境目が存在します。
査定内容に先立ちまして、先ずは買取相場からご紹介させて頂きます。
買取相場の上位は状態の良いフルカスタムが集中
KATANAシリーズの始祖として、SUZUKIを世界的メーカーに昇華させた歴史的名機GSX1100S。
1981年モデルで海外向けに発売が開始され、1994年モデルで国内モデルが登場、2000年ファイナルでモデルライフを閉じました。
買取相場は上記区分で異なり、年式が新しくなるほど相場は高く、ファイナルが特に高くなります。
買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データを見ると。
GSX1100Sカタナ全体の買取相場はここ5年で平均値が約20万円上がっており緩やかに上昇傾向です。
年間の取引台数が50台程であるため、フルカスタムによって値段が大きく跳ねる車両が出現すると平均相場も釣られて上昇する傾向があります。
踏まえて過去5年の平均相場は、81~91年の海外専用モデルが40~70万円台、94年モデルが50~70万円台、2000年ファイナルが100~150万円台で概ね推移しています。
輸出専用であった81~91年型の海外専用モデルにフォーカスすると、
直近1年間で30台の実働車が取引されており、最高額は175万円、最低額は44万円で、79万円が平均取引額となっています。
取引幅は130万円超と非常にワイドですが、価格帯によって以下の傾向が存在します。
・90万円以上の状態の良いフルカスタム組
・60~80万円台の状態の良いノーマル~ライトカスタム組
・40~50万円台の不具合や劣化の目立つ車両組
フルカスタムでない場合は、状態に応じて40~80万円台の取引が見込まれ。
90万円以上の取引が見込まれるのは状態の良いフルカスタムと言えます。
フルカスタムの内容は、 キャブ・エアクリ・ラジエーター・オイルクーラー・エンジンヘッド・マフラー・アクセル・クラッチなどの機関系、ホイール・ブレーキ・前後サスペンションに高価な社外品が入った足回り系、 スイングアームのフレーム回り、スプロケ・ケチェーン・灯火類・ミラーなどの汎用系の社外品に分かれます。
高額取引のポイントはセッティングが施された機関系カスタムと高価な社外品の入った足回りのカスタムです。
ただしフルカスタムでも高価な社外品が入っておらず、状態に難があると取引額の下限は40万円台となる事例もあり、GSX1100Sの査定においてエンジン状態は特に重要な要素となります。
また、オールペンでお化粧されている個体も多く、オールペン自体はプラス評価に繋がり易いものの、車体の素の状態の評価も重要になります。
以上の買取相場を踏まえて、カスタムが施された1991年モデルGSX110Sカタナの査定内容と買取額についてご紹介させて頂きます。 (※上記の取引額は、買取業者の転売額=販売業者の仕入れ額に相当するため、買取相場は90~95%掛け相当となります)
【2000年ファイナル】取引相場の推移
【1981~91年型 海外モデル】取引相場の推移
【1981~91年型 海外モデル】業者間の取引価格帯
買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データ
プラス判定のライトカスタム
1991年モデルのGSX1100S KATANA。買取査定に当たってのトピックは2つございます。
1)ライトカスタム
2)エンジン不良と強めの使用感
1)ライトカスタム
シールド、ライト、マフラー、リアサス、マスターシリンダー、グリップ、レバー、キャリパーに社外品が入っており、外装はオールペイントが施されホイールリムテープが貼られています。
機関系は純正を踏襲しておりGSX1100Sのカスタム内容としては一般的なライトカスタムと言えます。
買取でプラスの査定が入ったのは、 ヨシムラのマフラー、オーリンズ製リアサスペンション、brembo製キャリパー。ライトカスタムとして定番の高額パーツではありますが、いずれも使用感が色濃いため大きなプラス査定には至りませんでしたが、 純正品の欠品を補ってもプラス判定です。
逆にマイナスとなったのが、独自色の強いリペイント。
84年型のツートンを彷彿とさせるグラフィックパターンながら、黒×緑×銀とメーカー設定にはない独自の配色にオールペイントされています。
メーカー設定のオリジナルカラーが好まれるGSX1100Sカタナ、個人色の強いリペイントは若干のマイナス査定に。
マイナス判定のエンジン不良
上段の買取相場で、GSX1100S KATANAの特性としてエンジン状態が査定において重要な要素となる点を申し上げましたが。
異音とオイル漏れが発生していたことでエンジンの評価は優れませんでした。
走行距離が7.5万キロを超えていますが、30年以上前のリッターバイクは走行距離が不確かな個体が多く、多走行即ちマイナス判定には繋がりにくいのですが、 再販に当たって要修理レベルの不具合を抱えるエンジン状態にやや大き目のマイナス査定が入りました。
外装はオールペンによって比較的綺麗な色艶を保持しておりますが、タンク内には(走行中のエンストを誘発させる恐れもあるほどの)錆びも見られ、手の入りにくい足回りなどにも色濃い使用感が出ています。
外面の見た目を総じて判定すると年式並みといえます。
他社よりも10%高い査定額で買取
年式並みのライトカスタム車として、海外モデルGSX1100S KATANAの買取相場に照らすと。
買取業者の転売先となる業者間市場では60~80万円台の取引額想定です。
しかしながら要修理判定となったエンジン状態やタンク内の錆びなどの不具合を加味すると60万円台での取引が濃厚です。
踏まえると相場的にはギリギリ頑張って60万円強の査定額が限界となるところですが。
弊社バイクパッションが提示いたしました査定額は67.6万円。
「既に3社で査定済みですがが、50万円台後半が多くて、最高額は62万円でした」とのお客様のお言葉で買取のご成約となりました。
弊社が他社よりも10%以上高い金額で買取できた理由は、自社修理工場で安価に修復できる点、 そして単店舗ベースでは5年連続して日本で一番中古バイクを売っている直営販売店で再販できる可能性があった点です。
【1981~91年型の海外仕様モデル】
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 30台
- 平均価格: 796,500円
- 最高価格: 1,752,000円
- 最低価格: 442,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 8台
- 平均価格: 412,000円
- 最高価格: 633,000円
- 最低価格: 275,000円
相場情報:2021年11月20日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。