「最近乗らなくなったR15を売りたい」と買取査定のご相談を頂いたのは第2世代に位置する2012年モデルのYZF-R15。 全体的には綺麗で良好な状態でしたが、ピンポイントでの転倒傷や劣化がやや多く散見されたため、総合的な評価は極上車未満となりました。
実は国内で流通しているYZF-R15の大多数を占める第2世代(2012~2016年モデル)は、2017年のフルモデルチェンジによって型落ちとなり買取相場が下落しています。
未使用のほぼ新車ですら買取額は10万円台後半で、平均的な買取額は10万円程度となっています。
極上車未満の評価となると、相場的には10万円台前半が査定額の限界となるところですが、弊社販売店仕入れとなる幸運もあり、買取専門店では赤字必死の15万円の査定価格で買取させていただきました。
初代~Version2.0~新型までモデルチェンジを境としたバージョン別の買取相場をはじめ、様々な切り口でYZF-R15の適正な売却額をご紹介いたしております。
査定させていただきましたのは2013年モデル・ビビッドレッドカクテルのYZF-R15。
2011年に実施された最初のモデルチェンジ後の第二世代(VERSION2.0)に相当します。
全体的には綺麗ですが、ポイントで損傷が散見されるなど極上車とまでの評価には至らなかった1台です。
以下に査定内容をの詳細をご紹介させていただきます。
外装
赤/白の配色となっているビビッドレッドカクテルのカラーバリエーションのYZF-R15。
査定現場に到着して遠目には太陽光を反射して非常にきれいに見えました。
各部を細かくチェックしていくと、ポイントで損傷が散見されたほか、タンクパッドを剥がした後に残った接着剤などがマイナスの査定となりました。
損傷個所は、左側センターカウルの2か所に3cm程度の削れ傷、同じく左側のシートカウルに直径1cm程度丸い削れ傷があります。遠目には目立たないものの跨ろうとした際や購入前提で車体を見る際には目に留まる傷として買取価値を損ねていました。
再販にあたっては目立たなくするケアは必要になりそうです。
タンクパッドの剥離痕についてはオーナー様がタンクにこびりついた接着剤を剥がそうとした際についたと思われる磨き傷がマイナス査定となりました。
接着剤については簡単に除去できますので殆ど清掃代程度の細かいマイナスで済んでいます。
Rシリーズを象徴する2眼ヘッドライトの上に嵌っているスクリーンにやや強い多数の傷がある点もマイナスに。
以上が主に減点対象となった個所ですが、全体の発色や艶は良く、損傷がなければより高い点数が付いていただけに残念です。
エンジン
2008年モデルで新開発された150ccの水冷4ストロークSOHC単気筒4バルブFIエンジンは、2017年モデルから155cc化されてクラス最強のパワーとなりますが、2012年モデルは2008年モデルと同じエンジンを搭載しています。
まずはエンジン状態の1つの目安となる走行距離をチェックすると、1,638kmと低走行。好材料でエンジン状態にも期待が持てます。
セルボタンをプッシュしてエンジンを始動させます。小気味よいセル音に続いて軽快にエンジン始動。アイドリングから吹け上がりまで問題ありません。
6段変速のギアも抜けや鳴きはなくスムーズに繋がります。
羅ラジエーターやエンジンなどに細かい錆がやや多く見受けられ外観の点で軽いマイナス査定が入りましたが、エンジン機能は良好で高い査定評価となりました。
足回り
走行距離が少なく、使用感の少ない足回りは全体的にはまずまずの評価となりました。
細かいところで、立ちごけにより左側バーエンドの傷、リアショックやブレーキディスク・キャリパー・ホイールなどに細かい錆び、 ステムやブレーキフルードリザーバータンクなどにやや色濃い使用感が浮いている点がマイナス査定となっています。
フレーム回り
ここまでの査定で外装やバーエンドに削れ傷が確認できたYZF-R15でしたが、幸いデルタボックスフレームには剛性を損なうような損傷はなく、メインフレーム自体には錆なども少なく良い状態であることが確認できました。
ただし、ダウンチューブ、スタンドやペダル・ステップ・ステーといった周辺パーツとの接合部にやや色濃い錆が見られ周辺部の劣化がマイナス査定となって若干買取価値を損ねていました。
このあたりも綺麗であるか否かが極上車と極上車未満の車両の差となります。
電装系・保安部品
電装系はバッテリーの電圧も十分、配線加工もなく減点となるような要素は見当たりませんでした。
保安部品の評価については、価値的に両横綱となるメーターとマフラーの寄与度がお高くなります。
デジタルとアナログを併用した第二世代のメーターは、内部の変色や表面の傷や劣化もほとんどなく良好な状態。マフラーについてはR15がデザインされた金属プレートに削れ傷がある点が細かいマイナス査定となっています。
VERSION2.0でLED化されたテールランプの他、ウィンカーや2眼ヘッドライト、ミラーなどにも目立ったマイナスはなく総じて良好な査定評価点となりました。<
総合評価と買取価格
以上のように、ピンポイントでの転倒傷や劣化が散見されたため総合的には極上車未満の評価に留まった2013年モデル。
国内で流通しているYZF-R15の大多数を占める第2世代(2012~2016年モデル)は、2017年のフルモデルチェンジによって型落ちとなり買取相場が下落しています。
未使用のほぼ新車ですら買取額は10万円台後半で、平均的な買取額は10万円程度となっています。
相場的には10万円台前半が査定額の限界となるところですが、エンジン状態を最大限評価させていただき、弊社販売店仕入れとなる幸運もあり、買取専門店では赤字必死の15万円の査定価格で買取させていただきました。
以上、2013年モデルの買取事例についてご案内させていただきました。
以下からは、YZF-R15はいくらで売れるのか?
市場データを駆使して買取相場をご紹介いたします。
YZF-R15はいくらで売れるのか?適正相場
海外生産のYZF-R15。国内での流通は第二世代のVESION2.0に偏っているため、過去2回実施されたモデルチェンジによって現行型は155ccの新型YZF-R15となっていることは意外と知られていません。
実はモデルチェンジによって大幅に買取相場が異なります。
買取業者の査定価格の指標であり、販売業者の仕入れ値であり、つまり日本の中古バイクの相場を決定している業者間オークション市場の取引データを使用して、以下の切り口でYZF-R15の適切な買取相場をご案内差し上げます。
モデルチェンジの変遷|第一世代~新型
2008年に小型バイクの巨大市場であるインドで生産・販売が開始されたYZF-R15。
2011年のモデルチェンジによってバージョン2.0へと進化、
2017年には155ccの新エンジン搭載するモデルチェンジによって型式変更を伴う新型YZF-R15(バージョン3.0)へと進化、
2018年現在ではインドネシアとタイで現行2018年モデルが製造販売されていますが、主な仕向け地は、アジア・中南米・オセアニアと小型バイクの需要が旺盛な商圏となっています。
日本で流通しているYZF-R15の大多数は、YSPが取扱いした2012年と2013年モデルの輸入車となっています。
大きなモデルチェンジの歴史を纏めると下記のようになります。
モデルチェンジの変遷|YZF-R15 |
年式 |
通称 |
新車価格 |
2008年~ |
Ver1.0 |
|
2012年~ |
Version 2.0 |
2,800万ルピア (約23.2万円) |
2017年~ |
新型Version 3.0 YZFR155 |
3,450万ルピア (約25.8万円円) |
(年式はモデルイヤー)
(新車価格は現地の希望小売価格に右記のレートで換算した数字。1ルピア=0.0075円)
因みにYSPが国内で設定した希望小売価格は、2012年モデルが36.9万円、2013年モデルが38.8万円となっています。
さらに因みにインド産の2012年モデルの希望小売価格は107,000インドルピー(約17.1万円/1ルピー1.6円換算)とインドネシア産よりもさらに廉価に設定されていました。
さて、このページの主題は、YZF-R15がいくらで売れるかを相場データを駆使してご説明していくことにありますので、そろそろ買取相場の本題に立ち返ります。
下段でご紹介いたします、バージョン別の買取相場に先立ちまして、
お客様が保有されているYZF-R15が何年式のバージョンなのか?バージョン別の特徴を下記にまとめてみました。
初代Version1.0の特徴
- 2008年モデル~
- タンデムと一体型のシート
- 横長の大きなテールライト
- フレーム番号の10桁目が『8』『9』『A』『B』の可能性が高い
2代目Version2.0の特徴
- 2012年モデル~
- フレーム番号の10桁目が『C』『D』『E』『F』『G』の可能性が高い
- 逆三角形のLEDテールライト
- 分離したタンデムソート
新型R155(3代目Version3.0)の特徴
- 2017年モデル~
- 倒立フロントフォーク
- フレーム番号RG47の可能性が高い
2017年のフルモデルルチェンジで買取相場は激変
上段で見てきました、2度のモデルチェンジを境にYZF-R15の買取相場は異なるのか検証してみましょう。
バージョン別の取引相場|YZF-R15 |
相場/ 年式モデル |
平均落札額 |
最高額 |
取引台数 |
初代Ver1.0 2008年~ |
9.0万円 |
9.4万円 |
2台 |
2代目Ver2.0 2012年~ |
12.1万円 |
21.6万円 |
99台 |
新型YZFR15 2017年~ |
28.4万円 |
32.0万円 |
3台 |
(2018年6月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
2017年のフルモデルルチェンジで買取相場は激変
注目したい点は多数ありますが、 まずは何といっても、モデルチェンジを境に取引価格が大きく変わる点でしょう。
Version3.0の新型YZF-R15については2017年以降の高年式モデルということが影響して、取引された3台は全て走行距離0kmの未使用車であるため実走行のある車両の取引価値は大幅に割り引く必要がありますが、 Vesion2.0の走行2kmや3kmのほぼ未使用車が17~21万円で取引されていることを考えると、新型YZF-R15の相場は10万円弱高いことが分かります。
やはり、新型155ccエンジンによってクラス最高となったトルクや馬力に対する評価が影響していると思われます。
次に着目したいのが、2代目であるバージョン2.0の取引台数の多さ。
2012~2016年モデルがバージョン2.0に相当しますが、取引されたバージョン2の大多数は2012~2013年モデル。
直近1年間でのYZR-R15全体の取引台数が104台で、そのうち99台がバージョン2.0であり、そのうち97台が実に2012~2013年モデルとなっています。
実に全体の93%に相当する97台が2012~2013年モデルとなっている理由は、YSPが2012~2013年モデルを販売していたことが大きいと思われます。
以上、モデルチェンジによって買取相場の前提指標である業者間市場での取引相場が異なることが分かりました。
お客様がお持ちのバージョンによって、売却する際の相場が異なるということです。
上記の金額はいずれも業者間市場での取引金額であり、査定現場での買取額とは若干異なります。そのことは後述いたします。
続いては、今回買取させていただきましたR15と同じバージョンで、国内流通の圧倒的多数を占めるバージョン2.0の買取相場についてより詳しくご案内差し上げます。
第2世代 Version2|状態別の買取相場
- ▼状態を表す評価点の目安|YZF-R15
- 評価点8 ほぼ新車
- 評価点7 超極上
- 評価点6 極上車
- 評価点5 良好車
- 評価点4 年式並み若しくは若干の難あり
- 評価点3 難あり
- 評価点1 事故車や不動車
Version2.0(2012~2016年 YZFR15)|評価点別の取引相場 |
状態/ 落札価格帯 |
評価点 8以上 |
評価点 6~7 |
評価点 5 |
評価点 3~4 |
評価点 1 |
20~24万円 |
1台 |
0台 |
0台 |
0台 |
0台 |
15~19万円 |
3台 |
2台 |
12台 |
1台 |
0台 |
10~14万円 |
0台 |
0台 |
23台 |
32台 |
0台 |
5~9万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
25台 |
5台 |
0~4万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
0台 |
4台 |
(2018年6月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
10万円台が買取のボリュームゾーン
2012~2016年モデルに相当する第二世代(ヴァージョン2.0)のYZF-R15は、直近1年間で99台が取引されました。
取引額の最高は21.6万円、最低が7万円、平均は12.1万円となっています。
上記表で、評価点別に取引台数が多い升目をマークアップしていますが、右肩下がりで鮮明に傾向が出ています。
評価点別に取引金額のボリュームゾーンを列記すると
ほぼ新車(評価点8以上)は、5台の取引があり、走行距離2kmと3kmのほぼ新車が17~21.6万円で取引されています。未使用同然の状態ですので第2世代のYZF-R15の取引金額の上限としてベンチマークになります。
極上車(評価点6~7)は10万円台後半に、良好車は10万円台に、難あり車両は5~14万円台に取引が集中しています。
上記はいずれも業者間市場での取引金額です。査定現場委の買取額とは若干異なります。
査定現場での実際の買取額は、業者間市場での想定取引額から買取業者の経費(出品手数料や運送費など)と儲けを差し引いた額となります。
買取業者の経費と儲けの合計額は?
150ccクラスの小型バイクの場合は2.5万円程度が適正額となります。市場での想定売却額が15万円のYZF-R15の査定額が12.5万円であれば適正で非常に競争力のある買取額だと言えます。
下記が正味の買取相場となります。
- ▼買取相場|第二世代YZF-R15
- ほぼ新車:15.5~19万円
- 極上車:12.5~17.5万円
- 良好車:7.5~17.5万円
- 難あり車:4.5~12.5万円
上記が状態別の買取額のボリュームゾーンとなっています。
事故車は修理の可能性によって買取額が変化
評価点1(事故車や不動車)の第二世代(ヴァージョン2.0)のYZF-R15は、直近1年間で9台が取引されました。
取引額の最高は9.9万円、最低が2.5万円、平均は6万円となっています。
最低の2~4万円台で取引された個体は、アッパーカウルが大破してフロントフォークが歪んでいる事故車。
6万円以上で落札された個体は外観に目立つ損傷はありませんが、微妙にフロントフォークが歪んでると思われる事故車。
9台中9台が事故車となっています。
上記を踏まえて買取額を算出すると、
- フォーク歪み事故車:0.1~6.5万円
- 全損事故車:再利用可能パーツの価値
実働車の平均的な買取額が10万円弱となっている第二世代(ヴァージョン2.0)のYZF-R15。
事故車の場合は、商業的に修理が可能な事故車であれば数万円程度の買取額は付きそうです。
商業的に修理コスト割れとなる事故車は再使用可能なパーツ価値に応じて数千円~の買取額となりそうです。
走行距離別の買取相場|バージョン2.0
走行距離別の買取相場|YFR-R15 バージョン2.0実働車 |
状態/ 落札価格帯 |
~5km |
~0.3万km |
~1万km |
~2万km |
2万km超 |
20~24万円 |
1台 |
0台 |
0台 |
0台 |
0台 |
15~19万円 |
4台 |
9台 |
3台 |
2台 |
0台 |
10~14万円 |
1台 |
9台 |
16台 |
18台 |
11台 |
5~9万円 |
0台 |
0台 |
7台 |
8台 |
10台 |
(2018年6月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)<
走行距離については、評価点(状態)ほど鮮明な傾向が出ませんでした。
強いて傾向を挙げるとすれば、
走行距離が3千キロを超えると15万円以上で取引される可能性が低くなるといったところでしょうか。
以上、様々な切り口で買取相場をご案内差し上げました。
モデルチェンジに伴うバージョン別の買取相場では、2017年モデル以降の新型YZF-R15が10万円以上高い相場を形成していること、国内で流通している9割以上は第二世代の2012~2013年モデルであることが浮き彫りになりました。
第二世代(バージョン2.0)のYZF-R15は状態によって買取相場が鮮明にわかける傾向があり状態に応じて4.5~19万円の買取となることが分かりました。
弊社バイクパッションの直営販売店では小型のYZF-R15は売れ筋で仕入れ需要の高い車種となっています。
弊社販売店での仕入れ価格での買取となると、業者間市場を経由する必要がないため2万円程度高い価格で買取できる可能性もございます。
最新の相場情報をお電話ですぐにご案内いたしております。
YZF-R15の買取は、丁寧で誠実な査定が評判のパッションにお任せくださいませ。
YZF-R15
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 104台
- 平均価格: 114,470円
- 最高価格: 320,000円
- 最低価格: 70,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 11台
- 平均価格: 55,909円
- 最高価格: 99,000円
- 最低価格: 22,000円
相場情報:2018年6月8日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。