ご売却のご相談を頂いたのはレストアベース車として購入したまま放置して劣化や風化が進行した不動車のZ750D1。大きなレストアコストが必要になりそうなZ750D1の買取査定金額は幾らに?
「もともとレストアベース車としてネットオークションで今回の買取よりも安い金額で落とした車両です。それがオークションで競り落とした金額以上で売れるなら文句ありません。大満足です。」とは ご売却頂いたオーナー様のお言葉です。
業者間市場の相場的には赤字の査定額での買取が実現できる秘密は、旧車の買取に強く、旧車の整備修理に明るく、自社販売店を含めた多数の販路を有しているから!旧車の買取は是非お任せ下さい。
Z2シリーズを売りたい方必見!Z750RS(Z2)~Z750FOUR(A4/A5/D1)のモデル別の買取相場もページ下段でご案内しています。
子供の頃に憧れていたZ2レストアをするつもりで購入したのですが、忙しくてなかなか手を入れられないまま寝かせておりました」との相談で、出張査定に伺わせていただくこととなったZ750D。
生産から40年強の年数が経過したモデルであり、車体各部に劣化が目立つ車両状態でした。
以下、今回査定させて頂いたZ750Dの車両詳細となります。

足回り
Fフォークはサビ・オイル漏れなどもなく、このモデルとしては比較的綺麗な外観をキープ。
リアショックもメッキ仕上げのサビが発生しやすいモデルの割には綺麗な状態を維持しており、良好な部類に入ります。
ただし、Fフォークは減衰のチェックで要フォークオイル交換の判定に。
またディスクローターにもサビ・キズが浮き出ており、総合的な査定評価は年式相応といった形に落ち着きました。

外装
外装に関してですが、こちらはレストアに手をつける前の段階であり、いたるところにサビ・キズ・曇り・焼け・塗装剥離あり。
タンクについては内部の錆び除去・防腐加工に加えて、再塗装が最低限必要な劣化具合。
Z750Dのエンブレムが入っている両サイドカバーが欠品状態となっており、シートの一部に破れとくたびれ感も目立ちます。
旧車を購入されるお客様は見た目を重要視する方が多いです。またオールペンや再塗装よりもオリジナル塗装の方が貴重で高価となるのも旧車です。
全体的に大掛かりなサビ落しが必要な状態で、綺麗に魅せるには高価な再塗装が必要となる状態でした。
見た目の印象を決定づける外装については査定の評価としては厳しい内容で2点となってしまいました。

エンジン周り
エンジンにはそれなりの曇り・サビなどが散見される状態でしたが、キックによる圧縮は確認OK。
空冷フィンの隙間などに茶色いサビが散見されるものの、外装上部の傷み具合に比べると綺麗めであると言えます。
腹下部分に細かいキズ・腐食がやや目立ちましたが、この年式の旧車としては許容範囲のレベルであり、丁寧なリペアで何とか再生できると判定。
また4in1タイプの社外集合管が装着されており、サビが目立つものの排気漏れはなく、こちらも込みで評価させていただくことに。
年式を考えれば今回のZ750D1のエンジンは比較的綺麗な部類に入り、不動車のエンジンとしては平均よりは高めに査定させて頂きました。

フレーム回り
遠目で見る分にはそれほど傷んだ印象を受けませんでしたが、近寄ると各所に大きめの塗装剥がれがあり、車体の腹下を中心に水滴大の点サビ多数アリ。
レストア前には入念なサビ落としが必要であり、マイナス判定がついてしまいました。
とは言え、生産終了から40年近い経年を考えるとまだ軽微な部類に入り、充分にレストアベース車として活用できる状態であり大きなマイナス査定には至っておりません。

電装/保安部品
バッテリーはかなり消耗してはいたものの、保安部品は全て実動状態にあり、年式相応と判定させて頂くことができました。
若干ヘッドライトの光量が気になりましたが、バッテリーの消耗度合いを考えると十分許容範囲であり、こちらに関してはマイナス評価にはなっておりません。
旧車の場合、電装系自体が壊滅しているケースも多いのですが、逆に実動状態を保っていればそれだけで十分に評価することができます。

その他
車両入手時に一部パーツは交換済みだったそうで、ブレーキ・クラッチワイヤーなどは比較的新しい状態。
その一方でチェーン・スプロケット・タイヤなど要交換箇所はいくつかありますが、現在では希少性の高いモデルだけに、この状態でも十分評価に値します。

総合評価
以上が今回のカワサキ・Z750D1の査定チェックポイントですが、経年によってそれなりに目立つサビ・腐食がキツく、買取査定は少々お時間を要してしまいました。
これは車両本体の状態もさることながら、高価な稀少車ということも大きく、出来るだけ正確な状態を把握しオーナー様へ還元するという弊社パッションの基本姿勢でもございます。
レストアベース車としても比較的マイナスが大きかった以下の項目がありましたが
- サイドカバー欠品で、全体的に大がかりな錆び落としや再塗装が必要となりそうな外装やフレーム回り
- もともとレストアベース車としての購入された車両で修理範囲は未知数のエンジン
- レストアベース車を更に放置して風化が進んだ車両全体の傷み
詳細なチェックの結果、今回のZ750D1はレストア車両として十分な価値があることを確信することができ、レストアベースの不動車としては平均よりも高めの500,000円という買取金額にてご成約とさせていただきました。
お客様の談話と買取後記
「金額は秘密ですが、もともとレストアベース車としてネットオークションで今回の買取よりも安い金額で落とした車両です。ネットで見た画像より状態が悪くて自分には荷が重く殆ど触っていませんでした。
それがオークションで競り落とした金額以上で売れるなら文句ありません。大満足です。」とご快諾頂き、即決でのご成約となりました。
オートバイの画像や動画はメッキの反射などで実物より綺麗に見える傾向がございます。劣化や損傷のある個所を実物用のに撮るのはコツが必要です。まして売り手としては綺麗に魅せたがる傾向があるので、 購入の際には例えレストアベースの不動車であっても実車を見て購入するのがやはり理想です。
旧車の王者として君臨しているZ2の末弟に位置付けられるZ750フォア-D1も相場ブームに乗って中古価格が上がり続けています。
とても良いタイミングでご売却されたと言えるでしょう。
Z750RS~Z750FOURの査定相場の比較
旧車の王者として君臨しているZ2と先述したのは、一定の流通数がある絶版車で最も高値で取引されている車種がZ2であるためです。 Z2は人気漫画などにもよく登場するため、バイク乗りでない人にも知名度がありますが、正式車種名は750RSで、そのフレーム番号がZ2からはじまることが通称の由来です。 最も高価な旧車であるZ2シリーズの変遷を纏めると以下のようになります。
- ▼750RSのモデル
- Z2 1973年 (フレ番 Z2F-036まで ※目安)
- Z2A ~1975年 (フレ番 Z2F-16まで ※目安)
- ▼750FOURのモデル
- Z750 A4 1976年 (フレ番 Z2F-18~ ※目安)
- Z750 A5 1977年 (フレ番 Z2F-19~ ※目安)
- Z750 D1 1978年 (フレ番 KZ750D)
上記がZ2シリーズの変遷ですが、お気づきのようにZ750 D1(750フォア)だけは、フレーム番号(以下、フレ番)がZ2で始まりません。
故にZ750 D1についてはZ2ではないというのが共通した認識です。
Z750A4とA5についてはフレーム番号はZ2ではじまりますが、通称Z2は750RSだけであり、Z750A4とA5はZ2ではないという認識もあります。
ここではZ2からZ750D1までZ2シリーズを売りたい方必見の相場情報をご案内いたします!
Z750RS~Z750FOURの年式モデル別の買取相場を以下表でご覧いただけます。
年式別のZ750 D1の査定相場の比較 |
モデル/ 相場情報 |
750RS Z2 / Z2A |
750FOUR A4 / A5 |
750FOUR D1 |
平均落札額 |
229.8万円 |
102.9万円 |
91.5万円 |
300万円~ |
3台 |
0台 |
5台 |
250~299万円 |
2台 |
0台 |
0台 |
200~249万円 |
9台 |
0台 |
0台 |
150~199万円 |
3台 |
0台 |
0台 |
100~149万円 |
1台 |
2台 |
2台 |
50~99万円 |
0台 |
1台 |
3台 |
総落札台数 |
18台 |
3台 |
5台 |
(2017年11月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
750RSのZ2が群を抜いて高値で取引をされていることが分かります。 1973年モデルのZ2(フレ番 Z2F-036まで ※目安)に限定すると平均落札額は249万円。Z2Aに限定すると232万円で、Z2とZ2Aでは大差はありません。
Z750A4とZ750A5になるとぐっとちて、68~111万円のレンジで取引されています。買取価格としては90万円台がベースとなって状態によって査定価格が上下するそうなとなっています。
Z750D1はA4とA5と似通った相場で、60~102万円のレンジで取引されています。買取価格としては90万円台がベースとなって状態によって査定価格が上下するそうなとなっています。
Z750FOURのA4とA5とD1については実働車(日常走行可能な状態)でも状態に難があると60万円付近で取引されています。
今回のレストアベースの不動車が50万円の買取価格であることは、業者間市場での流通相場を見ると赤字覚悟の買取額であることがお分かり頂けると存じます。
弊社は旧車の買取に強く、自社販売店を筆頭に多数の販路を有しています。業者間市場に依存せず、自社で修理整備してレストア後の販売価格をベースに査定金額をお出しできる場合もございます。 旧車の買取は極上車から事故車や不動車のレストアベース車まで弊社パッションにお任せください。
以下はZ750FOUR-D1の査定相場の詳細です。
- ▼旧車の評価点の目安
- 評価点4 年式より良い
- 評価点3 年式並みに難有り
- 評価点2 劣悪
- 評価点1 事故車や不動車
Z750FOUR-D1の査定相場 |
評価点/ 落札価格帯 |
評価点 4 |
評価点 3 |
評価点 1 |
100~109万円 |
1台 |
1台 |
0台 |
90~99万円 |
1台 |
1台 |
0台 |
60~69万円 |
0台 |
1台 |
0台 |
40~49万円 |
0台 |
0台 |
1台 |
(2017年11月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)

過去12か月間で全5台と取引台数は少なめですが、この台数の少なさからも稀少価値の高さが伺え、現在の市場人気の高さが計り知れると言えます。
このZ750Dのような絶版車の場合、当時のオリジナルパーツが残っていることの方が珍しく、査定評価点はオリジナルパーツの有無で評価されることに。
その結果、中古バイクの標準とされている評価3の車両が最高値の102万円という金額で取引され、現状が良ければ想像外の高値も十分期待できると言えるでしょう。
その一方、最安値は評価点3の60.4万円でしたが、こちらはフレームへの腐食もかなり進んでおり、レストア車両としてはかなりの労力とコストを要する状態にありました。
こうした点から総合的に分析してみると、カワサキ・Z750Dは経年による傷みが進行していないうちに高値で売ってしまうのが賢い選択肢という見方もできます。
ですが一方で旧車ブームが続くと劣化度合いを上回って相場的に高値が付く可能性があり、旧車オーナー様には悩ましいところでもあります。
Z750 D1豆知識
1978年に販売され後輪ディスクブレーキなどを採用し、形式上はニューモデルとしてリリースされたのがこちらのZ750Dです。
このモデルは日本だけではなく、南アフリカなど海外でも販売されていた経緯があり、オリジナルの750RSと比べて比較的入手しやすい傾向にあります。
現在ではネットオークションなどの普及により、少しずつパーツを入手してZ2仕様車として個人でレストアされるケースが増えております。
Z750 D1
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 5台
- 平均価格: 915,200円
- 最高価格: 1,020,000円
- 最低価格: 604,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 1台
- 平均価格: 491,000円
- 最高価格: 491,000円
- 最低価格: 491,000円
相場情報:2017年12月18日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。