Ducati 999ビポスト 【2003～06年式】毎週更新の買取査定相場

名車・916シリーズの正統後継モデルとして誕生し、ピエール・テルブランチによる斬新なデザインで賛否両論を巻き起こしたのが、2003年から2006年まで生産販売されたドゥカティ・999。
「スーパーバイク」を意味するSSと冠されている通り、まさしくスーパーバイク世界選手権を勝つために生まれただけのことはあり、先代998から継承したテスタストレッタLツインは最高出力138PSとハイパワー。デビューイヤーの2003年から翌2004年、2006年と都合3回スーパーバイク世界選手権を制した実力者ですが、最大の特徴は何と言ってもそのスタイリング。シート下を伝って後方へ突き出されたセンターアップマフラーもさることながら、998の横2眼からうって変わった縦2眼ライトのカウルデザンが世界中で話題に。はっきりと好き嫌いが分かれることになり、デザイン的な問題でセールス面では伸び悩みました。しかし、当時の世界最強らしく実力は本物で、英国・MCNからは「地球上で最高のVツイン」と呼ばれ、後継モデル1098が登場するまで無双の強さで君臨し続けました。
レースレギュレーションを睨んだモデルでありながら、低回転域から豊かなトルクと高出力を発揮でき、従来のドゥカティ車の気難しさを解消。維持費と操縦性の面でシビアな課題であったクラッチの使用要求を著しく減少させ、街乗りできるドゥカティのイメージを最初に作り上げた功労者と言えるでしょう。ライディングポジションに関してもよく考えられており、程よく上体が起こせるように余裕が設けられ、ロングライドもこなせるようになったのは大きな評価ポイントです。2005年モデルではカウル形状が変更となり、標準仕様車はタンデム可能なビポストと、シングルシート仕様のモノポストが存在しており、日本で現存するのは前者の方が多数派。その他、前後オーリンズ製チタンコートサスとスタビライザーを装着し、最高出力141PSを発揮する上位グレードの999S、受注生産で最高出力145PSのホモロゲーションモデル・999Rが存在します。当時のライバルにあたるのは、SBKの舞台で鎬を削り合ったホンダ・VTR1000SPと、2005年のタイトルを許したスズキ・GSX-R1000が筆頭格。
現在の中古バイク市場ではあまり支持を得られなかったモデルであることや、電装系トラブルという大きな弱点を抱えていることもあって平均相場価格は年式相応といったところ。それでも再販売が可能な美車は一定数以上の引きがあるため、状態次第では思わぬ高額買取も可能となっております。特にアップデートされた2005年以降のモデル、テルミニョーニ製マフラーとレースECUがセットになったレーシングキット付の999Sは期待大。999シリーズを始め、ドゥカティの売却をご検討中のオーナー様は、細やかな違いが分かる弊社パッションへお任せください。

解説記事更新日：2020年10月17日