国内の道路事情にマッチするということやカスタム性の高さで、本国とは対照的に人気シリーズとなる「スポーツスター」ファミリーだが、2004年モデルで従来のリジットマウントからエンジンをラバーマウントへ変更。
エンジンを剛性メンバーとしても利用するという従来の構造ではなくなったので、フレーム単体で剛性を確保するためにコンパクトスリムな車体は失われている。メインチューブは、リジット仕様の41.3mmから54mmへ大径化。その結果、従来より26%も強度がアップした。
この大きな転換期となった2004年のラインナップに1,200㏄のニューモデルが登場。それが、本モデル「XL1200R ロードスター」である。
パワートレインには、ボア・ストロークが88.8mm×96.8mmでキャブレター仕様の空冷Evolutionを搭載。エンジン本体は、シルバーパウダーコート仕上げで、シリンダーとヘッドはブラックパウダーコート。オーソドックスなカラーリングながらもコントラストがハッキリしておりシルバーのエアクリーナーカバーに配された「1200」の数字と筆記体の「Roadster」の文字が存在感をアピールしている。
最大トルクは、2,700回転で89Nmを発揮する。トランスミッションは5速リターン式を採用。
足回りは、フロントにインナーチューブが39mm径のスリムなテレスコピックフォークを装備して13本スポークの19インチアルミキャストホイールをセット。ブレーキは292mmのダブルディスク仕様で制動性能を重視した設計。ちなみに同じファミリーメンバーの「XL1200C カスタム」は、重量が本モデルより10kg重い270kgだが、ブレーキはシングルディスクだった。
リアは、スチール製スイングアームにツインショックを組合せ、16インチホイールと150mmタイヤを装着する。
装備面では、ヘッドライト上部にクロームミニバイザーをセット。燃料タンクは3.3ガロンのスリムコンパクトタイプを装着。ポリッシュ仕上げのワイドハンドルセンターにはスピード&タコの2連メーターが鎮座する。
デビューモデルとなった2004年式は、モノトーンカラー4パターンが設定され137万250円(税込)で登場。
その後は、翌年にリアのアスクルシャフトが大径化されてリア周りの剛性がアップ。
2006年モデルでは、エンジンがブラックアウトされ、トランスミッションにも改良が入りメカニカル機構が進化。
そして2007年には、ハーレーの全モデルがフューエルインジェクション化されたことで環境性能や実用性が高まり、マシンとしての信頼性がアップ。
その後は、2008年モデルで燃料タンク容量が4.5ガロンに拡大してタンクグラフィックもリニューアル。本国では、この2008年式が最終仕様となるが、日本国内向けは2009年式まで展開されてラインアップから姿を消した。
ちなみに国内最終の2009年モデルの価格は128.3万円(税込)で、デビュー時より8万7,250円の値下がりとなっていた。

買替や売る際の買取査定は、2004~09年式 XL1200R ロードスターの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月31日

エンジンのマウント方法を従来のリジットからラバーに変更した「スポーツスター」ファミリー。大きな変化となる2004年ラインアップに登場したのが、本モデル「XL1200 ロードスター」である。
今年度の1200㏄モデルは、本機と「XL1200C カスタム」の2マシンで展開。
シルバーパウダーコートで仕上げられたエンジン本体にシリンダー&ヘッドはブラックパウダーコートでコーディネイト。エアクリーナーなどのカバー類もシルバーパウダーコートとなる。
ボア・ストロークが88.8mm×96.8mmの1,202㏄空冷Evolutionをフレームにラバーマウント。最大トルクは、圧縮比9.7で2,700回転9.12kgm(89Nm)というスペック。
ちなみにリジットマウントの前年モデル「XL1200S」は圧縮比10.0で96Nmを発揮していた。「XL1200C」は9.0の圧縮比で87Nmというスペックだった。
今年度は、本モデルも「XL1200C」も同じ圧縮比で同じ出力特性となっている。
「XL1200R ロードスター」の足回りは、フロントに39mmのフロントフォークと13本スポークの19インチシルバーキャストホイールをセット。ブレーキはダブルディスクでスポーティなスペック。リアはツインショックに16インチホイールとシングルブレーキ仕様。
燃料タンクは12.91Lのスリムコンパクトタイプでワイドハンドルバーの中央にはスピード&タコの2連メーターがレイアウトされる。
デビューモデルとなった2004年式は、モノトーン8カラーで展開。
「ビビッドブラック」、「ラバレッドサングロ」、「レーシングオレンジ」、「ブリリアントシルバー」、「リアルレッド」、「インパクトブルー」、「ラグジュアリーティール」、「スモーキーゴールド」で、価格は137万250円(税込)に設定された。

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解説記事更新日：2022年07月31日

エンジンをラバーマウントへ変更したことでライディング時の振動が軽減され快適性が増した「スポーツスター」シリーズ。2005年モデルは、ロースタイルの「XL883L」がデビュー。1,200㏄モデルは「XL1200C カスタム」と本モデル「XL1200R ロードスター」の2車種で継続となる。
2005年式「XL1200R ロードスター」は、足回りの強化を含むアップデートを受けている。

・リアアスクルシャフト大径化
・出力特性変更
・ディメンジョン変更
・カラーチェンジ

パワートレインには、1,202㏄の空冷Evolutionをフレームにラバーマウント。最大トルクは、89Nmというスペックから変更はないが、ピークトルクに達するタイミングは前年の2,700回転から2,900回転に変わっている。
また、カタログ上で最低地上高が前年より21mm高くなり141mmとなった。シート高は1mmのみ上昇して714mm。
そして、リアセクションのアスクルシャフトは新たに1インチに大径化し、スイングアームも剛性アップ。足回りの強化を受け、フロントのダブルディスクブレーキとも相まってスポーティーで信頼性の高い走行性能を実現する。
ちなみに同クラスの「XL1200C カスタム」は、本モデルより10kg重い270㎏の車体でフロントブレーキはシングルディスク仕様だった。
デビュー2年目となる2005年式「XL1200R ロードスター」は、8カラーバリエーションで展開。
「ビビッドブラック」、「ブラックパール」、「ラバレッドサングロ」、「ブラックチェリーパール」、「レーシングオレンジ」、「イエローパール」、「ブリリアントシルバーパール」、「チョッパーブルーパール」で、価格は135.2万円(税込)に設定された。前年から18,250円の値下げとなる。

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解説記事更新日：2022年07月31日

2006年モデルのスポーツスターファミリーには、エンジンがラバーマウントとなった2004年モデルから姿を消していた「XL883R」が復活。チェッカーフラッグをタンクグラフィックに採用してフロントにダブルディスクブレーキを装備するスポーティテイスト溢れるマシンだ。
本モデル「XL1200R ロードスター」は、以下のアップデートが実施されている。

・エンジンブラックパウダーコート
・ミッション&クラッチ仕様変更
・サイドスタンドデザインリニューアル
・カラーチェンジ

パワートレインには、キャブレター仕様の1,202㏄空冷Evolutionを搭載。最大トルクは、2,900回転で89Nmを発揮。スペックこそ前年から変わっていないが、仕上げがシルバーのパウダーコートからブラックへ変更されており、よりクールな印象にイメージチェンジしている。エアクリーナーカバーやエキゾーストパイプがクローム部分でコントラストも美しいパワーユニットである。
さらに駆動系にもアップデートが加えられ、クラッチ操作が軽くなりトランスミッションの作動音が軽減され静粛性が向上。サイドスタンドにも改良が入り操作性が良くなった。
カラーラインアップは前年と同じく8バリエーションが用意されている。
「ビビッドブラック」、「ブラックパール」、「ブラックチェリー」、「イエローパール」、「ブリリアントシルバー」、「ファイアーレッドパール」、「チョッパーブルー」、「ミラージュオレンジ」で、価格は9.2万円の大幅値下げとなる126万円(税込)に設定された。
なお、2007年ラインアップよりハーレーは全モデルでフューエルインジェクションを採用したため、キャブレター仕様の「XL1200R ロードスター」は今回の2006年式が最終仕様となった。

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解説記事更新日：2022年07月31日

「スポーツスター」ファミリーにとって登場から50周年という節目となる2007年モデルは、アニバーサリーモデルが登場。1,200㏄のEvolutionエンジンを搭載した専用カラーの「XL50 50thアニバーサリーエディション」だ。さらに本国では前年から展開されていた「XL1200L ロー」も国内向けが導入されている。
また、今年度はハーレーの全ファミリーにフューエルインジェクションが採用された。
大きな変化の年となる2007年式「XL1200R」は、いくつかの仕様変更を実施している。

・フューエルインジェクションEvolutionエンジン
・出力特性変更
・メーターデザインリニューアル
・カラーチェンジ

マシンの心臓部には1,202㏄の空冷Evolutionエンジンで続投するが、燃料供給方式には新たにフューエルインジェクションが採用された。環境性能が高められたことはもちろん、シーズン問わず安定した始動性を得ることで実用性も向上。ただ、チューニングを考えているユーザーにとっては従来通りとはいかなくなるので注意が必要だ。
2007年モデルの最大トルクは2,900回転で90Nmを発揮。前年モデルの89Nmから僅かに向上している。
また、1,200㏄モデルで唯一タコメーターを装備する本モデルだが、メーターデザインが変更されており2つのトリップメーターや時計、燃料警告灯など多数の情報を表示可能で実用性に優れた仕様となっている。
燃料供給方式や各部のアップデートで、マシンの環境性能や信頼性が高められた2007年式「XL1200R ロードスター」は、カラーバリエーションを前年の8パターンから7パターンへ縮小。
「ビビッドブラック」、「ブラックパール」、「ブラックチェリーパール」、「イエローパール」、「ピューターパール」、「ファイアーレッドパール」、「パシフィックブルーパール」で、価格は据え置きの126万円(税込)となった。

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解説記事更新日：2022年07月31日

昨年の「XL1200L ロー」の登場に引き続き、今回の2008年ラインアップにはニューカマー「XL1200N ナイトスター」が国内ラインアップに加わった。各部をブラックアウトしてフォークブーツとソロシートを組み合わせたボバースタイルだ。
さらに今年度は、ハーレーの創業から105周年を迎える年ということもありアニバーサリーモデルが各ファミリーに設定されている。「スポーツスター」では、「XL1200L ロー」と「XL1200C カスタム」の2モデルに設定されている。
フロントにダブルディスクブレーキを装備してタコメーターを装着してスポーティーなテイストを強調する「XL1200R ロードスター」は、いくつかの仕様変更を受けている。

・燃料タンク容量拡大
・タンクグラフィック変更
・カラーチェンジ

ブラックパウダーコートで仕上げたフューエルインジェクション仕様の空冷Evolutionは、2,900回転で90Nmを発揮。スペックは前年モデルから変わっていない。
今年度は、従来までのクラシック3.3ガロンタンクから新たに4.5ガロンの燃料タンクを採用。キャパシティは向上しているが、タンク形状も変化していることから好みが分かれるポイントでもあるだろう。
タンクサイドのグラフィックもデザインがリニューアルされイメージチェンジが図られている。
2008年モデルのカラーバリエーションは、前年の7カラーから4カラーまで縮小。
「ビビッドブラック」、「ブラックパール」、「クリムゾンレッドサングロ」、「パシフィックブルーパール」で、価格は128.3万円(税込)。2.3万円の値上げとなった。

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解説記事更新日：2022年07月31日

2009年の「スポーツスター」ファミリーには、個性的なニューカマーが登場。1970年代のダートトラックレーサーを彷彿とさせるスタイルの「XR1200」だ。ちなみに本国では展開されておらずヨーロッパのみで販売されていたが、今年度モデルで日本向けも導入されたという特殊なマシン。
本モデル同様にフロントはダブルディスクブレーキで、計器類はタコメーターも装備する。
フロントサスペンションは倒立フォーク仕様という走行性能を強く意識した設計だ。このニューモデルを含めて、「スポーツスター」ファミリーは、1,200㏄と883㏄それぞれ5車種でトータル10モデルをラインアップ。
「XL1200R ロードスター」は、以下のアップデートを受けている。

・フロントフェンダーロープロファイル化
・出力特性変更
・カラーチェンジ

スタイリング面では、フロントフェンダーとタイヤのクリアランスが狭くなっている。僅かな変化だがスタイリッシュさが増している。
パワートレインは、ブラックパウダーコートの1,202㏄空冷Evolutionを搭載。最大トルクは、3,500回転88Nmというスペック。2008年式の2,900回転90Nmという仕様からパワーダウンということになる。
ボディカラーは、「ビビッドブラック」、「ブラックパール」、「レッドホットサングロ」、「フレイムブルーパール」、「ミラージュオレンジパール」の5カラーバリエーションが用意された。価格は据え置きの128.3万円(税込)。
なお、2004年にエンジンがラバーマウントへ変更されたタイミングから継続ラインアップしてきた「XL1200R ロードスター」だが、今回の2009年式が最終仕様となった(本国では2008年が最終)。
「ロードスター」の名称を採用した1,200㏄のスポーツスターとしては、2017~20年にカフェレーサースタイル「XL1200CX ロードスター」が展開された。

買替や売る際の買取査定は、2009年式 XL1200R ロードスターの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月31日