専用設計のトリプルツリーにロングフォークをセットして21インチのスリムタイヤを装着。リアはボブテールフェンダーに16インチタイヤを収める。そんなロングホイールベースのカスタムチョッパーモデルが、「ダイナグライド」ファミリーの「FXDWG ワイドグライド」だ。ルーツは1970年代初めに登場した「FXWG ワイドグライド」まで遡ることになる。デビュー以降は進化を遂げながらファクトリーカスタムモデルとして存在感を保ってきたわけだが、ハーレーが次世代ビッグツインを開発した1999年にパワートレインのリニューアルを受けて、マシンのポテンシャルがさらに高められた。
従来のパワートレインは、シングルカム構造の1,340cc空冷Evolutionだった。ボア・ストロークが88.0mm×108.0mmで、最高出力は5,000回転57馬力というスペックだった。対するニューエンジンは、ツインカム構造にアップグレードされておりボア・ストロークは95.3mm×101.6mmの新設計ユニット。排気量は88キュービックインチ(1,450cc)まで拡大し、最高出力は5,500回転68馬力までパワーアップした。新型エンジンとなる空冷Twin Cam 88ユニットは、ダイナグライドフレームにラバーマウントされる。本体の仕上げはブラックのパウダーコートにクロームカバーを装着した煌びやかなユニット。
足回りは、フロントに41.3mmのワイドフォークを32度のレイク角でセット。そこに21インチのレースホイールに90mmのスリムなタイヤを装着する。リアはボブテールフェンダー左右にスプリングプリロード調整が可能なツインショックをセット。そこに16インチホイールと150mmタイヤを組合せる。ブレーキは292mmディスクを前後にシングルで装備し4ピストンキャリパーという仕様。ホイールベースは1,679mmある。
ちなみに39mmのスリムフォークを28度のレイク角でセットする「ダイナ」のスタンダードマシン「FXD スーパーグライド」は1,588mmという構造だった。
スタイリング面では、純正でエイプハンガーハンドルを採用し、シートは段付き仕様。パッセンジャー用のバックレストも用意されているので後部シートは快適。ただ、ライダーは両手を持ち上げ、足元は前方に投げ出すフォアードコントロールなのでライディングポジションは快適とは言えないだろう。ただ、乗りやすさだけでは語れないルックスの魅力があるのも事実だ。
デビュー以降は2001年モデルでシートデザインのリニューアルを受けるなど、仕様変更やカラーチェンジを繰り返しながらブラッシュアップが施されていった。そして2003年式では以下のアップデートを受けた。

・100周年アニバーサリー仕様展開
・ブレーキキャリパー変更

創業から100周年という記念すべき年ということで専用デザインの立体エンブレムを装着して特別仕様のツートーンカラーを採用。ブレーキキャリパーは従来の4ピストンから2ピストンへ変更された。日本国内向けは2,900回転106Nmというスペックで、価格は211万円(税込)で販売された。
その後は、2004年モデルで本国仕様の全ファミリーメンバーが従来のキャブレター仕様のみからインジェクション仕様との2グレードへラインアップの充実化を実施。日本向けは引き続きキャブレター仕様のみで継続されていたが、2006年モデルのタイミングで「ダイナ」の全モデルがインジェクション仕様へ切り替えられた。
つまり国内向けキャブレター仕様の「FXDWG ワイドグライド」は2005年式が最終仕様ということになる。この2005年モデルは、3,100回転110Nmというスペックまでパワーアップしており価格はモノトーンタイプが225.7万円(税込)だった。
以降は、2007年式で排気量を1,584ccまで拡大したTwin Cam 96エンジンの採用とトランスミッションの6速化を受けて次世代へ進化を遂げた。

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解説記事更新日：2023年01月12日

パワートレインの刷新を受けて従来のEvolution世代よりもさらにゆとりのあるスポーティな走行が可能になった「ダイナグライド」ファミリー。2000年ラインアップでは、前年では導入が見送られた「ソフテイル」ファミリーにも次世代エンジンTwin Cam 88Bが採用された。
ただ、フレームへのマウント方式は「ダイナグライド」や「ツーリング」のラバーマウントとは異なるリジットマウント仕様。それでビッグツインの振動を打ち消すためのバランサーを内蔵。その証として「ソフテイル」ファミリーのエンジンネーミング末尾には「B」の文字が付されている。
なお、「ダイナグライド」ファミリーの中でもチョッパーライクなスタイルのカスタムモデル「FXDWG ワイドグライド」は、大きな仕様変更は受けることなく今回の2000年式も継続ラインアップとなった。
パワートレインには、1,450ccのTwin Cam 88エンジンをダイナグライドフレームに搭載。ボア・ストロークは95.3mm×101.6mmの空冷45度OHVロングストロークユニット。
最高出力は、5,500回転で68馬力を発揮。最大トルクは2,900回転106Nmというスペックとなる。Evolution世代の5,000回転57馬力、2,350回転97Nmから大幅なパワーアップを実現している。
「FXDWG ワイドグライド」の特徴と言えば、32度のレイク角で寝かしたフロントフォークに21インチのワイヤーレースホイールを組み合わせるフロント周りだろう。ホイールベースは1,678mmある。ちなみに「ダイナグライド」ファミリーのエントリーモデル「FXD スーパーグライド」は、レイク角28度でホイールベースは1,586mmだった。
本モデルは扱いやすさよりもルックスを重視して乗るマシンである。

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解説記事更新日：2023年01月12日

人類にとって新たなミレニアムの始まりとなる2001年。ハーレーにとっては創業から98年を迎える年となる。前年モデルで「ソフテイル」ファミリーにも新型エンジンが与えられたことで、ビッグツインを搭載するファミリーは全てツインカムエンジンへアップデートされたことになる。
「ダイナグライド」ファミリーの中でも、エイプハンガーハンドルにフォアードコントロールと寝かしたフロントフォークでカスタム色の濃い存在感を主張する「FXDWG ワイドグライド」は、今回の2001年式で以下のアップデートを受けた。

・出力特性変更
・シートデザイン変更
・カラーチェンジ

マシンの心臓部は、ブラック&クロームで煌びやかに仕上げられた1,450㏄の空冷Twin Cam 88エンジン。最大トルクは3,000回転106Nmという仕様。前年モデルの2,900回転106Nmというスペックからやや高回転型へと変化している。
今年度は段付きシートのデザインがリニューアルされている。シート高は680mmで足つきの良さは変わらない。パッセンジャー用のクロームシーシーバーとバックレストも用意されている。ライダーの足元は、フォアードコントロールでハンドルはエイプハンガータイプなので足つき性は良くともライディングポジションやコントロール性は少々キツイのが実情だ。それでも伝統的なチョッパースタイルを取り入れたカスタムスタイルは他の「ダイナグライド」マシンには見られない魅力となっている。
ボディカラーは、モノトーンタイプが「ビビッドブラック」、「ダイヤモンドアイスパール」、「ラグジュアリーリッチレッドパール」、「コンコードパープルパール」、「クロームイエローパール」、「ブロンズパール」の6パターン。
ツートーンタイプは、「ラグジュアリーリッチレッド×ブラック」、「ビビッドブラック×クロームイエロー」、「ラグジュアリーブルー×ダイヤモンドアイス」、「リアルティール×ビーチホワイト」の4パターンが用意された。

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解説記事更新日：2023年01月12日

2002年式の「ダイナグライド」ファミリーは、トータル5マシンでラインアップ。前年モデルでラインアップされた「FXDXT スーパーグライド Tスポーツ」も健在だ。スリムデザインでスポーティさを重視するファミリー内にあって、リアサイドにサドルバッグとフロントにミニカウルを装着するツーリング仕様の異色モデルである。
なお、フロントに21インチレースホイールを装着してリアはボブフェンダーに16インチホイールを収めるファクトリーカスタムチョッパー「FXDWG ワイドグライド」は、2002年モデルでカラーチェンジを受けている。
前年モデルでは10カラーが用意されていたが、今年度は8カラーまで縮小した。
モノトーンの「ビビッドブラック」は、212万円(税込)。「コンコードパープル」、「ダイヤモンドアイス」、「ラグジュアリーリッチレッド」、「リアルレッド」、「インパクトブルー」の5カラーは215万円(税込)。
ツートーンは、「ラグジュアリーリッチレッド×ブラック」、「ラグジュアリーブルー×ダイヤモンドアイス」の2タイプ。価格は218万円(税込)となった。エントリーモデルとなる「FXD スーパーグライド」は、「ビビッドブラック」が164.5万円(税込)で販売されており約45万円の価格差があった。
メカニカル機構に仕様変更は無く、「ダイナグライド」フレームにラバーマウントされるビッグツイン、Twin Cam 88エンジンは3,000回転で106Nmを発揮する。なお、ハーレーの出力特性は仕向け地ごとに異なることがある。ちなみに2002年モデルの日本国内向けは、2,900回転で106Nmというスペック。ピークトルクは本国と同じだが、最大値に達するタイミングは国内向けが低回転型となっていた。

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解説記事更新日：2023年01月12日

ハーレー・ダビッドソンは、2003年に創業から100周年という記念すべき節目の年を迎える。それに伴って今年度のフルラインアップには各ファミリーから専用デザインを採用したアニバーサリーモデルを展開している。「ダイナグライド」ファミリーはトータル5マシンが全てアニバーサリー仕様を採用。本モデル「FXDWG ワイドグライド」は、以下の仕様変更も受けている。

・100周年記念タンクバッジ&カラー採用
・ブレーキキャリパー仕様変更
・カラーチェンジ

アニバーサリー仕様の専用ディテールとして、燃料タンクにはバー&シールドとウィングマークを組み合わせた立体エンブレムを装着。そこには「100」という記念のナンバーも配される。さらにボディカラーは、特別なツートーン仕様「スターリングシルバー×ビビッドブラック」を設定。価格は211万円(税込)で展開された。ちなみに通常カラーの「ビビッドブラック」は、201万円(税込)。「ホワイトパール」、「ラグジュアリーリッチレッド」、「ラグジュアリーブルー」が203万円(税込)。ニューカラーの「ガンメタパール」は205万円(税込)で登場した。
エンジンスペックは、国内モデルが2,900回転106Nmで前年モデルから変更はない。本国モデルは3,000回転115Nmの高トルク仕様だった。今回は足回りにアップデートが施されている。ホイールサイズはフロント21インチ・リア16インチで292mmのディスクブレーキという組み合わせで続投だが、キャリパーが従来の4ピストンタイプから2ピストンタイプへ変更。構造がシンプル化されることでメンテナンス性の向上が図られた。

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解説記事更新日：2023年01月12日

従来までビッグツインを搭載する「ツーリング」や「ソフテイル」とは異なりキャブレターマシンのみで展開してきた「ダイナグライド」ファミリーだが、この2004年式で全4マシンがキャブレターとインジェクションの2グレード構成で展開されることになった。そして、このタイミングでサドルバッグとミニカウルを装着したブラックエンジンの「FXDXT　スーパーグライド スポーツT」はカタログ落ちとなっている。
ファミリー内で唯一、足元にフォアードコントロールを採用する本モデル「FXDWG ワイドグライド」は、2004年式で以下のアップデートを受けた。

・出力特性変更
・カラーチェンジ

パワーユニットにはブラックパウダーコートにクロームカバーを組み合わせた1,450ccの空冷Twin Cam 88エンジンをフレームにラバーマウントで搭載。国内向けの最大トルクは3,100回転106Nmというスペック。前年の2,900回転106Nmから高回転型へ変化。
ちなみにインジェクション仕様は日本向けに導入はされていないが、本国仕様を見るとキャブレタータイプとインジェクションタイプでは、どちらも3,000回転115Nmで変わりはない。
国内向けは「FXDL ローライダー」で、インクション仕様の「FXDLI」が展開された。価格はモノトーンカラーで、インジェクションモデルがキャブレターモデルより2.3万円高に設定されていた。
なお、本モデル「FXDWG ワイドグライド」の2004年式は10カラーバリエーションが用意されている。
モノトーンタイプは、「ビビッドブラック」、「ラグジュアリーティール」、「ブリリアントシルバー」、「リアルレッド」、「インパクトブルー」、「グレイシャーホワイト」、「ラバレッドサングロ」の7パターンで
225,7万円(税込)。
ツートーンタイプは、「ラグジュアリーブルー×インパクトブルー」、「シエラレッド×ブリリアントシルバー」、「ラグジュアリーティール×ブリリアントシルバー」の3パターン。価格は228.9万円(税込)に設定された。

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解説記事更新日：2023年01月12日

2005年の「ダイナグライド」ファミリーは、ニューカマーが登場。シルバーとクロームのコンビネーションで仕上げられた心臓部とボディカラーマッチのタンクコンソールを装着する「FXDC スーパーグライド カスタム」である。他モデルと同様に本国ではキャブレターモデルとインジェクションモデルの2グレードでデビューしたが、日本国内向けはキャブレターモデルが導入されている。
「FXDWG ワイドグライド」の2005年式はキャブレターモデルで以下のアップデートを受けた。

・出力特性変更
・カラーチェンジ

本モデルのエンジンは、ブラックとクロームのコンビネーションでギラツキ感が存在感を主張するTwin Cam 88ユニット。最大トルクは3,100回転で110Nmを発揮する。前年モデルの106Nmから大きくパワーアップを実現した。
今回登場したニューモデル「FXDC スーパーグライド カスタム」も同スペックエンジンを搭載するが、重量は300kgで「FXDWG ワイドグライド」より10kg軽い。そしてフロントフォークはレイク角28でセットされているので、ホイールベースは1,595mmで70mmショート。取り回し性を重視するなら「FXDC カスタム」が有利だろう。
2005年式の本モデルは、モノトーンとツートーンのトータル10カラーを設定。
「ビビッドブラック」、「ブラックパール」、「ラバレッドサングロ」、「ブラックチェリーパール」、「ブリリアントシルバーパール」、「チョッパーブルーパール」、「グレイシャーホワイトパール」は、225.7万円(税込)で据え置き。
「ブラックチェリーパール×ブラックパール」、「シエラレッドパール×ブリリアントシルバーパール」、「リッチサングロブルー×チョッパーブルーパール」の3タイプは228.8万円(税込)。こちらも据え置き価格となった。
なお「ダイナグライド」ファミリーの国内モデルは、今回の2005年式がキャブレター仕様の最終イヤーとなっている。それで「FXDWG ワイドグライド」も2006年はインジェクション仕様の「FXDWGI」のみで展開。そして2007年には次世代エンジンTwin Cam 96と6速ミッションを与えられて世代交代となった。

買替や売る際の買取査定は、2005年式 FXDWG ワイドグライドの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2023年01月12日