「PROJECT RUSH MORE」による成果がマシンラインアップにも明確に現れてきた2014年モデル。正規モデルとして国内マーケットに初導入となるマシンが登場。それが、3輪トライクモデル「FLHTCU TG トライグライド ウルトラ」である。レイトモデルとして2014年2月に国内で販売が開始された本機だが、US本国では2009年モデルからFLHTCU TG トライグライドウルトラクラシックとしてラインナップされており5年遅れて日本に導入されたことになる、ちなみに09年モデルの売価はUS$29,999であった。
普通自動車MT免許を持っていれば大型自動2輪免許が無くても運転できるということで、新たなハーレーユーザーの開拓に一石を投じるマシンとなったことに間違いはないだろう。
ベースになっているのは、ツーリングファミリーの「FLHTCU TC ウルトラ クラシック」だ。
パワートレインには、ツインクールドシステム(空水冷機構)を新採用したHigh Output Twin Cam 103エンジンを搭載。ラジエターはロアフェアリング内に設置することで外観上のデザインを損なうことなく空冷ビッグツインの造形を美しく保っている。エンジン本体は、ブラックパウダーコート仕上げでカバー類をクローム仕様とすることで煌びやかで高い質感を演出。デビューモデルとなった2014年式のスペックは、3,750回転132Nmというスペックだった。
トランスミッションは6速リターン式を搭載するが、専用装備として電動のバックシステムを採用している。左手のハンドコントロール部に専用スイッチが用意されており、ボタン操作で起動が可能。マシンに跨った状態で足つきを気にすることなく後退することができるので、駐車もストレスフリーだ。
足回りは、フロントに49mmの大径インナーチューブを採用したテレスコピックフォークを装備して16インチのアルミキャストホイールを組み合わせる。ブレーキはダブルディスクに6ポットキャリパーをセット。リアは15インチの2輪仕様でディスクブレーキにシングルピストンキャリパー仕様となる。
なお、新採用されたブレーキシステムとして、リアブレーキを操作すると制動力がフロントにも配分される連動型リンクドブレーキが搭載されている。フロントに関しては独立しているので、右手レバー操作で作動するのはフロントのみとなりリアへ制動力の配分は行われない。
操舵系統には、オーリンズ製のステアリングダンバーがフレームネック付近に装着されている。トライクはリア2輪という構造のため、コーナーリング時に車体をバンクさせることができない。通常のバイクとはマシンの挙動が異なるため、専用装備として採用されている。
デザイン面では、フロントのバットウィングフェアリングにはデイメーカー製のLEDライトをインストール。ハロゲンランプと比較して視認性に優れるとともにファッション性にも優れている。なお、本国モデルではヘッドライト左右にフォグランプを装着されているのだが、国内向けモデルには採用されなかった。
その大型フェアリングの内側には、5.25インチのスピーカーと6.5インチフルカラー液晶のタッチパネル式インフォテイメントシステムがインストールされている。
国内初デビューとなったハーレーのトライク「FLHTCU TG トライグライド ウルトラ」2014年式は、ベーシックカラーの「ビビッドブラック」が419万円(税込)で登場。
以降は、カラーチェンジを実施しながら2016年式でプライマリーハウジングとダービーカバーの形状変更を実施。この2016年モデルが、Twin Cam 103世代の最終仕様となって翌年からはMilwaukee Eight 107エンジンを搭載して世代交代となった。
ちなみに2016年式の「ビビッドブラック」は、425万円(税込)で、登場時から6万円の値上がりとなっていた。

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解説記事更新日：2022年08月03日

既に本国ではラインアップされていたトライク「FLHTCU TG トライグライド ウルトラ」が、2014年モデルで遂に国内にも導入された。
「PROJECT RUSH MORE」による成果も反映されたモデルで、日本国内ユーザーにとっては全くのニューマシンだが本国の従来モデルと比較しても数多くのアップデートが加えられている。

・Twin Cooledシステム
・フロントフェアリングベンチレーション追加
・前後連動型ブレーキ
・ブレーキディスク大径化
・フット操作仕様のパーキングブレーキ
・LEDヘッドライト
・砲弾型フロントウィンカー
・ニューインフォテイメントシステム
・ワンタッチ開閉可能な収納スペース
・人間工学に基づいたハンドコントロールスイッチ
・49mm大径フロントフォーク
・カラーチェンジなど

特徴的なディテールとしては、パワートレインに追加された水冷機構であろう。ツーリングファミリーのウルトラシリーズにも採用されたが、ロアフェアリング内にラジエターを設置することでシリンダーヘッド部分を水冷方式で冷却するというシステムである。
エンジンはHigh Output Twin Cam 103で、3,750回転132Nmというスペック。ボア・ストロークが98.4mm×111.1mmの1,689ccユニットである。従来のTwin Cam 103ユニットとは、エアクリーナーのデザインが異なる。
トランスミッションは6速リターン式に電動リバースシステムを組合せる。手元の左手スイッチボタンで起動することができ、車庫入れも快適だ。
足回りは、フロントに49mm大径フォークと16インチホイールを装着。ブレーキはダブルディスクに6ポットキャリパーをセット。リアは15インチの2輪構造でディスクブレーキを装備。フロントブレーキは独立しているので、右手レバー操作でフロントのみブレーキングが可能。そして、リアは前後連動型のリンクド仕様となっておりフット操作で制動力がリアだけでなく適切な配分でフロントにも伝達される仕組みとなる。
デザイン面では、フロントフェアリングにベンチレーションが追加されたことで風防効果がアップ。ヘッドライトはデイメーカーのLEDタイプをインストール。本国仕様はフォグランプも搭載されるが、国内モデルには装着されていない。
なお、「FLHTCU TG トライグライド ウルトラ」のデビューモデルとなった2014年式は、4カラーバリエーションが用意された。
「ビビッドブラック」と「ブラッケンドカイエンサングロ」が、419万円(税込)。ツートーン仕様の「ミステリアスレッドサングロ×ブラッケンドカイエンサングロ」、「ビッグブルーパール×ビビッドブラック」は、425万3,000円(税込)に設定された。

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解説記事更新日：2022年07月11日

大型自動二輪の免許を持っていなくても普通自動車免許があればハーレーに乗れる。そんなマシンが前年モデルで国内展開された。それが、本モデル「FLHTCU TG トライグライド ウルトラ」だ。ベースがツーリングファミリーの「FLHTCU TC ウルトラ クラシック」ということもあり、快適性はお墨付きとなる。
なお、2014年のレイトモデルとして登場したことで、2015年式はデビュー後間もないタイミングとなり、僅かなディメンジョンの変更とカラーチェンジのみの実施となっている。
パワートレインは、ツインクールド仕様のHight Output 103エンジンを搭載。1,689ccのビッグツインは3,750回転で132Nmを発揮する。前年モデルと同スペックだ。
トランスミッションは6速リターン式に電動リバースシステムでバックも可能。駐車時の心配も無用である。
リア2輪という車両構造からコーナーで車体をバンクさせることはできない。ハイスピードでカーブに進入すると大きな遠心力で身体が外側に投げ出されるような力が働くので注意が必要だ。ただ、マシンは停車時でも直立するので、サイドスタンドは非搭載。その代わりにフット操作のパキングブレーキが採用されている。
シート高は前年モデルで715mmだったところ、2015年式は720mmとなった。ちなみにツーリングファミリーのベースマシン「FLHTCU TC ウルトラ クラシック」は、35mm低い685mmだった。ただ、本モデルは3輪マシンで停車時の足つき性は特に意識する必要ないので、シート高は大きな問題とはならないだろう。
なおデビュー2年目となる2015年式「FLHTCU TG トライグライド ウルトラ」は、前年同様にモノトーン2カラー、ツートーン2カラーの4バリエーションで展開。
「ビビッドブラック」は、前年比で6万円高の425万円(税込)。
「ステリアスレッドサングロ」は、9万9,500円の値上げとなり428万9,500円(税込)。
ツートーンカラーは、「ホワイトホットパール×ブルーホットパール」と「ミステリアスレッドサングロ×ブラッケンドカイエンサングロ」は、432.9万円(税込)に設定された。値上げ幅は7.6万円となった。

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解説記事更新日：2022年07月11日

クルマの様な安定感と風を切りながらマシンを操作するバイクのフィーリングを楽しめるハーレーのトライク「FLHTCU TG トライグライド ウルトラ」は、2016年モデルでデザイン面のアップデートが加えられている。

・プライマリーハウジング&ダービーカバー形状変更
・カラーチェンジ

パワートレインには、「PROJECT RUSHMORE」により開発されたツインクールドシステムを採用したHigh Output Twin Cam 103エンジンを搭載。最大トルクは、3,750回転で132Nmを発揮。スペックは2015年式から変わっていない。
エンジン本体はブラックパウダーコート仕上げにクロームカバーを装着しているが、今年度モデルではプライマリーハウジングとダービーカバーの幅がリサイズされている。
トライモデルということで、ベースのツーリングファミリー「FLHTCU TC ウルトラ クラシック」に装着されているようなサイドのサドルバッグは付属しない。その代わりと言っては何だが、リア両タイヤ間のスペースを利用して「トランク・アンド・キング・ツアーパック・ストレージ」が用意されている。ヘルメットを2つ収納できるほどのスペースでツーリングや旅行に重宝するディテールだ。容量は約125Lで最大積載量は約23kgとなる。
そのトランクルームの下部からはデュアルマフラーがレイアウトされている。
デビュー3年目となった「FLHTCU TG トライグライド ウルトラ」の2016年式は、カラーバリエーションを増強して5パターンで展開。
「ビビッドブラック」は、425万円(税込)。「ビレットシルバー」は、428万9,500円(税込)。
ツートーンカラーは、「ビレットシルバー×ビビッドブラック」、「ミステリアスレッドサングロ×ベロシティレッドサングロ」、「ディープジェイドパール×ビビッドブラック」は、432.9万円(税込)で展開。いずれのカラーリングも据え置き価格となっている。
なお、国内導入モデル第1世代となるTwin Cam 103エンジンの「FLHTCU TG トライグライド ウルトラ」は、今回の2016年式が最終仕様となった。
翌年には、ニューエンジンMilwaukee Eight 107を与えられて新たな世代へと進化した。

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解説記事更新日：2022年07月11日