国内におけるアメリカンクルーザー人気が過熱していた1990年代半ばごろ、ホンダの水冷Vツイン400㏄マシン「スティード」が多くのファンを魅了していた。チョッパースタイルが特徴的だった「スティード」に対して、ホンダはクラシカルなデザインを強調した「シャドウ400」も展開。そして2000年代に突入すると、さらにバリエーションモデルを追加。それが、2000年2月に登場した「シャドウスラッシャー」である。
スタイリングは、ロー＆ロングのアメリカンカスタムクルーザーを意識した迫力ある外観に仕上げられており、既に販売されていた「シャドウ400」とはコンセプトが異なることは一目瞭然だった。
車体は、ダブルクレードル型フレームにSOHC3バブルの水冷52度V型2気筒エンジンをマウント。兄弟モデルの「シャドウ400」と同系のユニットだが点火タイミング等のセッティング変更が加えられており、より鼓動感を強調したフィーリングに味付けされている。デビューモデルの最高出力は7,500回転で35馬力というスペックだった。トランスミッションは5速リターン式を採用。
ライバルモデルとしては、ヤマハの「ドラッグスター400」が対抗馬になる。SOHC2バルブの空冷Vツインを搭載するカスタムテイスト溢れるクルーザーだが、最高出力は32馬力と控えめなスペック。ただ、メンテナンス性に優れたシャフトドライブを採用していた点が特徴的なマシンだった。車両重量は225kgで本モデルより7kg軽い。シート高は660mmで「シャドウスラッシャー」が15mm低かった。
本モデルは、当時の環境規制に対応するためにエアインジェクションシステムやデュアル出しマフラーの科角パイプに筒状触媒を内蔵することで国内排ガス規制に対応していた。
足回りは、フロントにテレスコピックフォークを装備し19インチホイールと油圧式シングルディスクブレーキを装備。リアはスイングアームにツインショックを組合せ、15インチホイールとドラムブレーキという仕様だ。
デビュー後は、カラーチェンジやプルバックハンドル仕様を展開しながら2008年モデルまで展開しカタログ落ちとなった。

買替や売る際の買取査定は、シャドウスラッシャーの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年04月26日

2000年登場モデルの特徴は以下の通り。
・「シャドウ400」をベースに、645mmの低シート高や先端部分をカットした前後フェンダー、迫力ある2本出しマフラーなどを装備しさらに「ロー&ロング」デザインを強調したスタイル
・シャドウ400同様の水冷4ストロークV型2気筒エンジンながら、点火タイミングを変更しインポート径を絞ることで低中回転域のトルク感を向上
・排ガス浄化システムは、二次空気導入装置「エアインジェクションシステム」とマフラーには筒状触媒「HECS」(Honda Evolutional Catalyzing System)を採用
・その他ガンファイタータイプのシート、タンクオンメーターを採用した燃料タンクなどを装備している
・カラーは「キャバレーパープルメタリック×パールマゼンタ」、「パールクリスタルホワイト×キャンディブレイジングレッド」、「ブラック」の3色ラインナップ

解説記事更新日：2021年10月04日

2001年モデルの変化点は以下の通り。
・新たにプルバックハンドル仕様車がタイプ追加
・より余裕のあるライディングポジションが可能になっている
・カラーは「グレイスフルブルーメタリック」、「キャバレーパープルメタリック」、「ブラック」の3色ラインナップ (3色全て両タイプ共通)
・スタンダード、プルバック両タイプ共に、盗難抑止装置イモビアラーム用の配線を設けている
・価格は64.9万円

解説記事更新日：2021年10月04日

2004年モデルの変化点は以下の通り。
・マイナーチェンジを行う
・燃料タンクのストライプとロゴ、プルバックハンドルの形状などを変更
・新たにショートタイプの葉巻型マフラーを採用し、さらに個性的なスタイリングを実現
・また、ホンダ 独自の盗難抑止機構「H・I・S・S (Honda Ignition Security System)」が標準装備となり、盗難抑止効果を向上させている
・カラーは「ブラック」、「パールクリスタルホワイト」の2色ラインナップ
・価格は65.9万円

解説記事更新日：2021年10月04日

2005年モデルの変化点は以下の通り。
・カラーチェンジを行う
・カラーは「キャンディブレイズオレンジ」、「ブラック」の2色ラインナップ
・燃料タンクに「SPIRIT OF THE PHOENIX」の立体エンブレムを採用
・また、燃料タンクに施されているストライプがグラデーション仕様に変更されている
・価格は69.3万円

解説記事更新日：2021年10月04日

2006年モデルの変化点は以下の通り。
・カラーチェンジを行う
・これまでラインナップされていた従来のブラック系からさらに重厚感を持たせた、新色「グラファイトブラック」を採用 (1色ラインナップ)
・タンクにはフレアパターンのグラフィックを採用
・前年モデルでタンクに採用されていた「SPIRIT OF THE PHOENIX」の立体エンブレムを、2006年モデルではサイドカバーに採用している
・価格は変更なし

解説記事更新日：2021年10月04日

2007年モデルの変化点は以下の通り。
・カラーチェンジを行う
・カラーは新色「パールコスミックブラック」のみの1色ラインナップ
・また、従来の角形ミラーから丸形ミラーに変更されている
・価格は変更なし

解説記事更新日：2021年10月04日

2008年モデルの変化点は以下の通り。
・通常モデルのカラーチェンジ、最終モデルとなる「シャドウスラッシャー デラックス」をタイプ追加
・通常モデルは「キャンディータヒチアンブルー」、「デジタルシルバーメタリック」の2色ラインナップ
・燃料タンクには「Shadow」の立体エンブレム、メーターカバーに「Slasher」ロゴが採用されている
・最終モデルとなるデラックスは、「グラファイトブラック」の車体カラーに燃料タンクに躍動感あるド派手なフレアパターンを採用した個性的なモデル
・グラフィックなどは通常モデルと同じように、燃料タンクに「Shadow」の立体エンブレム、メーターカバーに「Slasher」ロゴが施されている
・このデラックスを最後に、シャドウカスタム400へと生まれ変わることになった
・価格は通常モデルが70.3万円、デラックスが73.5万円で発売

解説記事更新日：2021年10月04日