ゼロハンスポーツ初となるメットインスペースを採用したホンダのフルサイズロードスポーツ、それが「NS-1」である。デビューモデルとなるAC12型は1991年2月に発売された。1987年より販売されていた「NS50F」の実質後継モデルというポジションになる。
フルカウルスポーツと言えば収納スペースが少なく、格好はいいが実用性はイマイチというイメージが一般的だったが、「NS-1」は従来の燃料タンクが設置されるポジションを24L容量のセンタートランクとして利用。燃料タンク自体はシート下にレイアウトし、給油口はリアカウルの上部に設置するという工夫を凝らすことで、スポーティなフルカウルデザインと実用性の両立を図っている。
車体は軽量スリム化を図りつつ必要な剛性を確保しやすいツインチューブのダイヤモンド型フレームを採用。そこに搭載するパワートレインは、水冷2ストローク単気筒エンジンAC08E型だ。ボア・ストロークが49.0mm×39.0mmのショートストロークユニットで、デビュー時の最高出力は10,000回転7.2馬力というスペック。
トランスミッションは6速リターン式を採用していた。
足回りは、フロントに31mm径のテレスコピック正立フォークを装備して、17インチ6本スポークホイールを履く。ブレーキは油圧式シングルディスク仕様。
リアは、スイングアームにモノショックをセットして、フロントと同径の17インチホイールとディスクブレーキという組み合わせ。
ライバルモデルとしては、既に販売されていたヤマハの「TZR50」が比較対象になるだろう。95kgの車体に搭載するピストンリードバルブの水冷2ストユニットは、9,000回転7.2馬力というスペック。対する本モデルの重量は101kgと6kg重い。スペックで選ぶなら「TZR50」、実用性も重視したいのなら「NS-1」といったところだろう。
なお、デビュー後の「NS-1」は毎年カラーチェンジを繰り返していく中で、1995年モデルで最初で最後のマイナーチェンジを実施。丸形デュアルヘッドライトの採用や出力特性の変更などのアップデートを受けた。
その後は、1998年モデルまで展開されて生産終了に至った。

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解説記事更新日：2022年06月27日

1991年、NS50Fの後継モデルとして登場したこの1991年モデルNS-1は「エヌワン」の愛称で親しまれ、甲高い排気音が印象的なバイクだ。

解説記事更新日：2021年10月04日

NS-1の1992年モデル。
発売以降、販売台数が良好だったこともあり、1999年までほぼ毎年マイナーチェンジが行われ、こちらの1992年モデルの変更は新たなカラー変更だった。

解説記事更新日：2021年10月04日

NS50Fの後継モデルとして1991年に登場したNS-1の1993年モデル。「エヌワン」の愛称で親しまれ、甲高い排気音が印象的なバイクだ。
当時50ccスポーツタイプとして初めてメットインが付いたバイクでもあり、スポーティなライディングにも、ちょっとした近所の買い出しにもオールマイティに使える原付スポーツとして人気を博した。ライバル車としてはTZM50Rが挙げられる。
発売以降、販売台数が良好だったこともあり、1998年までほぼ毎年マイナーチェンジが行われ、こちらの1993年モデルの変更は新デザインの幅広バックミラーを採用するとともに、マフラーにはステンレス製のカバーを装着、さらに、カラーリングにはNSRシリーズの斬新なイメージのブラッシュ・パターンを採用した。新車販売価格は27.9万円、先代モデルのNSR50からは約5万円の値上げとなった。
NS-1は全年式を通して今でも一部のユーザーに根強い人気がある車種と言って良いだろう。
中古車市場では、販売台数が多かったこともあり堅調な相場を保ちつつも1995年以降デュアルヘッドを装着した後期型の方が高い値段で取引される傾向がある。
また事故車や不動車などどんなに劣悪な状態であっても買取の値段が付けられる点はNS-1の特筆出来る点と言えるだろう。
眠っている車両があれば一度査定に出してみてはいかがだろうか。

解説記事更新日：2020年10月14日

NS-1の1994年モデル。
こちらの1994年モデルでの変更点はカラーチェンジで、先代モデルのNSRシリーズをイメージした軽快でスポーティなカラーリングを採用するとともに、限定販売モデルとして、カウリングなどに“Rothmans”のロゴやエンブレムを配し、レーシングマシンの気分が味わえるスペシャルカラーリングモデルを追加、より若者のみならずレーサー仕様ファンへターゲット層を広めた。

解説記事更新日：2021年10月04日

NS-1の1995年モデル。
こちらの1995年モデルでの変更点はDC-CDI点火方式や当時新設計のパルサーの採用、インテークチャンバーの新設やリードバルブの形状変更があえい、外観にはアッパーカウルと、デュアルヘッドライトを採用、車体色は、ロスホワイトの他にブラックを追加した。

解説記事更新日：2021年10月04日

NS-1の1996年モデル。
1996年モデルの変更はカラーチェンジのみとなり、スーパースポーツをイメージしたスパークリングシルバーメタリックが新色として追加された。

解説記事更新日：2021年10月04日

NS-1の1998年モデル。
1998年モデルの変更はカラーチェンジのみで、現行のスパークリングシルバーメタリックに加え新たにピュアレッドが新色として追加、同時にファイティングレッドはカタログ落ちとなった。

解説記事更新日：2021年10月04日