1980年代オートバイブームの最中、ホンダはゼロハンスポーツカテゴリに当時のメーカー自主規制値いっぱいの7.2馬力を発揮する「MBX50F」を投入していた。
そして、1987年2月には各部を改良した実質的な後継マシン「NS50F エアロ」を発売。
車体はセミダブルクレードル型フレームを採用しており、8,000回転で7.2馬力を発揮する水冷2サイクル単気筒エンジンAC08E型を搭載。ボア・ストロークは39.0mm×41.4mmのロングストロークユニットである。
トランスミッションは6速リターン仕様で、エンジン始動方式はキックペダルのみの軽量化を優先した仕様。乾燥重量は79kgに仕上がっており、「MBX50F」の82kgからより軽いマシンへと進化している。
足回りは、フロントにテレスコピック正立フォークを装備して17インチアルミキャストホイールとシングルディスクブレーキを組合せる。リアは、プロリンク式スイングアームにモノショック仕様でホイールは17インチ、ブレーキはドラム仕様となった。
従来モデルの前後18インチからホイールを小径化することで、クイックなコーナリング特性に変化しており、タイトコーナーが連続するようなワインディングロードなどでは操作性能向上を実感できるだろう。
実用性装備面ではシートカウルに小物入れを内蔵しており、利便性にも配慮した設計だ。
ライバルモデルとしては、ヤマハの「YSR50」が比較対象になるだろう。フルカウルスポーツでありながら乾燥重量は本モデルより軽い75kgに仕上げられている。ダイヤモンド型フレームに搭載するエンジンは7馬力仕様だが、パワーウェイトレシオに換算しても軽量な「YSR50」が有利なスペックとなる。
なお、「ゴエフ」の愛称でも親しまれた本モデル「NS50F エアロ」は、デビュー翌年に最初のマイナーチェンジを実施。燃焼効率を向上させる各部のアップデートが施された。
その翌年1989年モデルでは、レンズ一体式のデュアルヘッドライトを採用し、正式モデル名が「NS50F」へシンプル化された。以降は、1990年のカラーチェンジモデルを最終仕様として生産終了に至った。
後継モデルは、1991年に登場した「NS-1」である。

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解説記事更新日：2022年06月27日

「MBX50」の進化形となる2ストゼロハンスポーツ「NS50F」は、1987年2月に20.9万円で発売された。
デビューモデルのカラーラインアップは、「レッド×ホワイト」と「ブルー×ホワイト」の2バリエーションが用意されていた。ちなみ当初は「NS50F エアロ」のモデル名称で登場していた。
車体はセミダブルクレードルフレームに水冷2ストローク単気筒のAC08E型エンジンをマウント。最高出力は8,000回転で7.2馬力を発揮する。トランスミッションは6速リターン式を採用。先代モデルの「MBX50」は、5.6馬力エンジンの5速ミッション仕様だったが、自主規制値いっぱいのスペックに返り咲いた格好だ。
なお、ライバルモデルとして台頭していたヤマハ「RZ50」は、1985年にマイナーチェンジを実施してカウルレスのネイキッドスタイルからハーフカウル仕様に変化していた。同じく7.2馬力エンジンに6速ミッションを組合せるが、乾燥重量は76kgで「NS50F」より3kg軽く高いポテンシャルを秘めたゼロハンマシンだった。
本モデルの足回りはテレスコピック正立フォークに17インチのアルミキャストホイールを装着。ブレーキは油圧式シングルディスク仕様。リアはプロリンク式サスペンションにフロントと同径の17インチホイールを履いていた。

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解説記事更新日：2022年02月24日

「ゴエフ」の愛称でも親しまれていたホンダの80年代ゼロハンスポーツ「NF50F」は、デビュー2年目となる1988年モデルで最初のマイナーチェンジを実施。
カラーラインアップは前年モデルと同じく2バリーションが用意され、「ダークブルーメタリック」とHRCレーサーをイメージした「レッド×ホワイト」を設定。価格は、21.5万円で0.6万円の値上げとなった。
今回の仕様変更は、チャンバー形状や排気タイミングの最適化を施すことで全回転域においての出力特性の向上を追求している。エンジンは水冷2ストローク単気筒のAC08E型で、一軸バランサーを搭載することで高回転域の振動を低減しロングツーリングでの快適性も向上している。最高出力は自主規制いっぱいの7.2馬力から変更は無いが、発揮するタイミングは8,000回転から10,000回転とより高回転側にシフトしている。
ライバルモデルとしては、フルカウルスタイルで86年にデビューしたヤマハの「YSR50」が比較対象になるだろう。ピストンリードバルブの空冷2ストロークエンジンは7馬力と僅かに非力だが、乾燥重量は76kgで本モデルより3kg軽かった。

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解説記事更新日：2022年02月24日

フルサイズゼロワンスポーツ「NS50F」は、1989年モデルで限定カラーモデルを発表。当時のホンダチームスポンサーとなっていたロスマンズ仕様の「ブルー×ホワイト」を展開。価格は22.5万円で従来モデルから1万円の値上げが実施された。その翌月には、通常モデルのカラーチェンジバージョンが登場。前年モデルにも設定されたHRCレーサーモデルをイメージした「レッド×ホワイト」は継続。そして、新たにシードレーシングチームカラーの「ダークブルーメタリック」が登場した。価格は限定カラー同様に22.5万円だった。
1989年モデルはカラーチェンジに加えて仕様変更も実施。夜間走行での視認性向上にも有効なデュアルヘッドライトを装備した。デュアル仕様と言っても独立型ヘッドライトを2つ並べるレイアウトではなくレンズ一体型だ。それで、スタイリング面ではスッキリしたデザインを継続している。淡黄色のクリプトンバルブ18W/18Wを2灯装着する。
メカニカル機構に変更は無く、乾燥重量79kgの車体に7.2馬力の水冷2ストエンジンを搭載。
なお同じく7.2馬力の水冷エンジンを搭載したライバルモデル、スズキ「RG50ガンマ」はフルカウルモデルでありながら乾燥重量71kgという軽量ボディで高いスペックを誇っていた。

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解説記事更新日：2022年02月24日

ヤマハ「YSR50」、スズキ「RG50ガンマ」、そしてカワサキ「AR50」とゼロハンスポーツが賑わっていた80年代後半、人気モデルとなっていたのが「NS50F」だった。
デビューから4年目となる1990年モデルでは、最後のカラーチェンジを実施した。
従来モデルから引き続き2バリエーションカラーで展開。「ブラック」と「ロスホワイト」の2カラーで、ホイールは両カラーともにホワイト。そして、フロントのブレーキキャリパーはゴールドカラーを採用している。価格は22.5万円(税抜)で据え置かれた。
前後同径の17インチアルミキャストホイールは軽量なだけでなく高剛性のS字断面スポーク仕様だ。
車体はセミダブルクレードル型フレームでエンジンは水冷2ストローク7.2馬力仕様のAC08E型を搭載。ちなみに本モデルとスズキの「RG50ガンマ」が水冷エンジンで、ヤマハ「YSR50」とカワサキ「AR50」は空冷仕様だった。「YSR50」は7馬力だったが、他3モデルは全て自主規制値MAXの7.2馬力仕様。スペックのみで語れば、フルカウルながら乾燥重量が71kgの「RG50ガンマ」が最も優れていたが、人気争いでは「NS50F」が優位だった。
なお、1987年に登場した本モデルは今回の1990年式が最終仕様となり生産終了となった。後継モデルは「NS-1」だ。

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解説記事更新日：2022年02月24日