1990年代半ばの国内クルーザーカテゴリでは、ホンダ「スティード」やカワサキ「バルカン」、ヤマハ「ビラーゴ」といったフロントに大径ホイールを装着してプルバックハンドルを組みあわせたスタイリングが浸透していた。その中で、ホンダがアメリカで生産し国内に輸入して展開するという形で登場したのが「シャドウ アメリカン クラシック エディション」だ。略して「シャドウ エース(ACE)」と呼ばれることもある。
デビューモデルは1995年3月に発売された。
車体デザインから生産までをアメリカで実施することで、正真正銘の「MADE IN USA」アメリカンとしてデビューした。デザインテーマは「アメリカ人の心の故郷に共感する」というフレーズが掲げられ、1950年代を懐古させるディテールを採用している点が特徴だ。これは、モデル名称の中の「クラシック」というワードともマッチした仕上がりとなっている。
車体はダブルクレードルフレームに水冷4ストロークOHC3バルブの45度Vツイン1,099㏄エンジンを搭載。最高出力は4,500回転で48馬力と控えめなスペック。ただ、最大トルクは2,500回転という低回転で8.7kgmを発揮するので力強い走行フィーリングを楽しめる。ちなみに下位排気量となるが、国内マシンの比較対象としてスズキの「イントルーダー800」を挙げることができるだろう。パワートレインはOHC水冷4ストローク45度Vツインの805㏄エンジンを搭載。最高出力は6,000回転で50馬力と本モデルより高回転型ハイパワー仕様だった。
「シャドウ アメリカン クラシック エディション」の足回りは、フロントにインナー41mm径の正立フォークを装備し120幅18インチのタイヤを履きシングルディスクブレーキを組合せる。リアはスイングアームにツインショックを装着し15インチタイヤにディスクブレーキという仕様だ。
全体的なスタイリングはロング&ワイドなプロポーションとし重厚感と迫力のある佇まいだ。大きめの前後フェンダーにワイドな15L容量のティアドロップ型タンク、そしてクラシカルな立体エンブレムや幅広ハンドルが存在感を高めている。
なお、「シャドウ アメリカン クラシック」はデビュー翌年にカラーチェンジが実施されたのを最後に仕様変更を受けることなく販売終了となった。

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解説記事更新日：2022年03月04日

ホンダ・オブ・アメリカから輸入する形で国内正規ラインアップに加えられたクルーザー「シャドウ アメリカンクラシックエディション」は1995年3月に発売された。
デビューモデルのカラーラインアップは、「パールロイヤルマゼンタ×パールグレイシャーホワイト」のツートンカラー1パターンのみを設定。価格は113万円(税抜)だった。
デザインは1950年代をイメージした立体タンクエンブレムを採用するなど各所にクラシックテイストを散りばめたディテールとなっている。マフラーは水平レイアウトの右側2本出しで形状は葉巻型だ。
パワートレインは、OHC水冷4ストロークV型2気筒のSC32E型を搭載。1,099㏄のユニットで最高出力は4,500回転48馬力というスペック。決してハイパワーマシンではないが、僅か2,000回転で最大トルク8.7kgmを発揮する。狭角Vツインユニットに同軸クランクシャフトを採用することで、鼓動感のあるエンジンフィーリングを味わいながらゆったりとしたライディングを楽しめる出力特性を実現している。
ライバルモデルとしては、後発マシンだがヤマハ「ドラッグスター1100」と比較できるだろう。1999年3月に83万円(税抜)でデビュー。鍛造ピストンを採用したSOHC2バルブ空冷Vツインを搭載し、最大トルクは2,500回転で8.3kgfmというスペックだった。
「ドラッグスター」がスポーティなスタイリングを採用していたのに対し、本モデルはメリハリの利いたツートン仕様のボディカラーとも相まって、アメリカン・トラディショナルの質感が特徴だった。

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解説記事更新日：2022年03月21日

メイド・イン・USAのホンダ製アメリカンクルーザー「シャドウ アメリカンクラシックエディション」は、デビュー翌年の1996年モデルでカラーチェンジを実施した。
前年モデルで展開された「パールロイヤルマゼンタ×パールグレイシャーホワイト」に加えて、ニューカラーとなる「アメリカンレッド×パールグレイシャーホワイト」を新たに追加し2カラーバリエーションでの展開となった。また、燃料タンクのストライプパターンも変更され、引き続きアメリカントラディショナルな雰囲気を強調したスタイリングとなっている。なお、価格に関しては108万円(税抜)で、従来モデルから5万円も値下げが実施された。
メカニカル機構など主要諸元に変更は無く、ダブルクレードルフレームにSOHC3バルブの水冷4ストロークV型2気筒のSC32E型エンジンを搭載。シリンダバンク角45度の1,099㏄で、最高出力は4,500回転で48馬力を発揮。最大トルクは2,500回転8.7kgfmというスペックだ。
ライバルモデルとしては同じく前年に国内デビューを果たしたヤマハの「XV1100 ビラーゴ」が比較対象になるだろう。スタイリングこそ異なるが、SOHC2バルブの空冷Vツイン1,063㏄エンジンを搭載。最高出力は6,000回転60馬力で最大トルクは3,000回転8.3kgfmというスペックだった。乾燥重量は223kgで本モデルの261kgより大幅に軽い。シート高も715mmで「シャドウACE」より15mm低かった。
なお、本モデルは今回のカラーチェンジモデルが最終仕様となりカタログ落ちとなった。

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解説記事更新日：2022年03月24日