"黒い矢"を意味するネーミングと、斬新なスタイリングで話題を浚った『ヴィットピレン&スヴァルピレン』姉妹車シリーズ。その弟分（小排気量）という位置付けで、2020年よりラインナップに加わったスヴァルトピレン250。
親会社であるKTMのヒット車種『250DUKE』ベースの249ccエンジンゆえ、兄貴分たちと比べると非力な印象を受けますが、実は高回転型の特性を活かした元気な走りが持ち味となっており、8000回転以上での爽快感は兄貴分以上。意外に確かな低速トルクで粘り強さがあり、レブリミッターがかかるまでは全域で十分なパワーと手応えが感じられる軽排気量車ならではの魅力が詰まったモデルだと言えるでしょう。前後WP製サスペンションとバイブレ製ブレーキシステムは兄貴分と同様であり、エンジンよりも車体性能が勝った仕様であるため、初心者でも無理なく操れてしまうのは大きな魅力のひとつ。しかも車検不要の250ccクラスであり、新車販売価格も値上がり後の2022年現時点で66万7000円と手頃な価格帯であることから、今後の日本におけるハスクバーナの主力モデルのひとつとして将来有望であることは間違いなし。姉妹車であるヴィットピレン250とは異なり、ラゲッジラックが設けられた樹脂製タンクカバーによる積載性のサポート、17インチフロントタイヤによる軽快な押し引き感もよく、メインの一台として自慢できるモデルだと言えるでしょう。最近ではベテラン層のセカンドマシンとしても支持を伸ばしており、普通二輪免許で乗れる外車としては比較的中古バイク市場への流通がある車種となっております。
日本国内最大の中古バイクマーケットである業者間オークションにおいては、直近12ヶ月内におけるスヴァルトピレン250の取引台数は実動車8台に不動車1台の計9台が記録されており、2020年秋のシーズンオフと同時期より出品が確認されております。相場的には前年比で-4%と若干の下落傾向にあるものの、最高取引価格の52万円という数値は値崩れの早い現行モデルの外車としてはまずまず高いもので、平均取引価格も48万1250円と粒が揃っている印象。ただし、これは出品記録のある全台が走行距離5000km未満となっていることに起因するもので、より使用感が強まった車両の増加が予測される今後はかなり厳しい状況となる公算が高いと言えるでしょう。オリジナルの個性が強いモデルだけに、凝ったカスタムを施されるケース自体が極めて稀ですが、傾向的にはフルノーマルが好まれるため、純正パーツ欠品のカスタム車両は早めの決断が結果を大きく左右することになります。
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解説記事更新日：2022年04月08日

ハスクバーナは2020年のストリートカテゴリにニューモデルを展開。それが本機「スヴァルトピレン 250」だった。当初、インドマーケットに投入されたが、同年4月には日本にも59.9万円(税込)で正式導入された。

上位排気量の既存モデルとなる「スヴァルトピレン 401/701」に準じたスタイルを採用しいて、コンパクトなスクランブラーマシンに仕上がっている。
トレリスフレームにマウントされるパワーユニットは、DOHC4バルブヘッドの250cc水冷単気筒エンジンとなる。最高出力は9,000回転31馬力で、最大トルクは7,250回転24Nmというスペック。トランスミッションは6速仕様。
足回りには、フロントに高剛性WP製の倒立フォークをセットしてレスポンスの良いハンドリングを実現している。

実用装備面では、ヘッドライトとテールランプはLEDタイプを採用。安全面ではボッシュ製のABSユニットが標準装備。足元は、前後17インチで上位モデルと同径だが、「スヴァルトピレン 401」がワイヤースポークホイールを履いているのに対して、本機はキャストタイプで、どちらかというとオンロード寄りの設計だった。

燃料タンク容量は9.5Lのコンパクトタイプとなる。ちなみ親会社KTMから同系エンジンを搭載して展開されている「250 DUKE」は13.4Lの大容量タンクを装備していた。

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解説記事更新日：2024年05月31日

2021年のハスクバーナ「ストリート」シリーズは、スモールサイズの「スヴァルトピレン125」が展開された。日本国内では原付2種クラスに該当するということで気軽に乗れるコンパクトなスクランブラーモデルの登場となった。スモールサイズとは言え、前後17インチタイヤにディスクブレーキ、フロントフォークは倒立式と豪華で本格的な仕様だった。前年には本機「スヴァルトピレン 250」がデビューしたが、さらなるニューモデルが投入されたことで、シリーズの拡大が急ピッチで進んでいる。

なおデビュー2年目となった2021年式の本機は、目立った仕様変更を受けることなくラインアップを継続。
コンパクトなトレリスフレームに搭載される250㏄の水冷DOHC4バルブシングルは、9,000回転で31馬力を発生する。最大トルクは7,250回転24Nmというスペック。前後17インチのキャストホイールにセミブロックパターンタイヤをセットすることで、オン・オフ共に優れた走行性能を発揮するコンパクトなデュアルパーパスマシンに仕上がっている。

マシン全体のスタイルは、スウェーデン語で「黒い矢」を意味する「スヴァルトピレン」というモデル名が付されていることに相応しく、各部をブラックアウトしてダークで無骨なデザインを採用している。2021年式のカラーリングやグラフィックは前年通りで変わってないが、価格は前年比で1.6万円アップの61.5万円(税込)に設定された。

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解説記事更新日：2024年05月31日

前年にシリーズとしてのエントリーモデルとなる125㏄マシンが展開されたことで、トータル3クラスの排気量でラインアップされる「スヴァルトピレン」だが、その中で唯一キャストタイプのホイールを装着するマシンが本機「スヴァルトピレン 250」となる。デビュー3年目を迎える2022年式だが、目立ったアップデートポイントは無く引き続き従来通りの仕様でラインアップ継続となった。

マシンの大部分をブラックアウトしながらもエンジンカバー、シートカウルにブロンズカラーを取り入れることで洗練された印象さえ受けるデザインを採用する。
トレリスフレームにマウントされる心臓部は、DOHC4バルブの水冷シングルユニットとなる。250㏄のエンジンは、最高出力が9,000回転31馬力・最大トルクは7,250回転で24Nmを発生する。マシン重量は153kg。
ちなみに上位クラスの「スヴァルトピレン 401」は、共用するシャシーに373㏄で44馬力・37Nmのパワーユニットを搭載しながらも重量は152kgで本機より軽い。スペック最優先で「スヴァルトピレン」を選ぶなら「401」が最もポテンシャルが高いということになる。
車体の基本設計は共通なので、ホイールベースも1,357mmで同じ、シート高も835mmで両マシンとも変わらない。

なお2022年式の「スヴァルトピレン 250」は、デビュー時から変わらないカラーリングで続投となったが、価格に関しては前年より5.2万円アップの66.7万円(税込)で同年3月に発売された。

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解説記事更新日：2024年06月06日

2023年の「スヴァルトピレン」シリーズは、従来通りの「125」、「250」、「401」の3クラス構成で継続ラインアップ。いずれもコンパクトサイズのトレリスフレームに水冷シングルユニットを搭載するというマシン設計は共通だ。その中でも中間クラスで日本の道路事情にもマッチするサイズ感が人気の2023年式「スヴァルトピレン 250」は、同年2月に68.5万円(税込)で発売された。価格は前年比で1.7万円アップとなっていた。

メカニカル面も2020年のデビュー時から変わっていない。
エンジンはハスクバーナの親会社となるKTMから展開される「250 DUKE」に採用されていた250㏄のショートストロークDOHC4バルブ水冷シングルユニットをコンパクトなトレリスフレームにマウントする。最高出力は、9,000回転31馬力というスペック。最大トルクは7,250回転で24Nmを発生する。

足回りは、フロントにWP製の倒立フォークとByBre製ブレーキを標準装備する豪華な仕様。リヤサスペンションもWP製モノショックをセットする。安全面ではボッシュ製のデュアルチャネルABSを装備。ホイールは前後17インチのキャストホイールにセミブロックパターンタイヤを履く。
ちなみに上位クラスの「401」やエントリークラスの「125」は、ワイヤースポークホイールを採用してオフロードテイストが濃いスタイルとなっている。この辺りはライダーの好みが分かれるディテールとなるだろう。

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解説記事更新日：2024年06月06日

2020年にデビューした本機「スヴァルトピレン 250」だが、2024年式で最初のフルモデルチェンジが行われた。なおこの世代交代は親会社となるKTMから展開されていて、基本構造を共用する「250 DUKE」がフルモデルチェンジとなって、それに準じた内容となる。
従来モデルからの変更点として主なポイントは以下の通り。

・新設計フレーム
・SOHC新型エンジン
・メーター変更
・ニューデザインホイール
・カラーチェンジなど

従来モデルとの大きな違いは、エンジンが従来のDOHC4バルブヘッドからSOHC4バルブへ変更されたことだ。先代モデルに搭載されていたパワーユニットは、ボア・ストロークが72mm×61.1mmのDOHC4バルブ水冷シングルだったが、2024年式のニューモデルは、72mm×61.2mmのSOHC4バルブ仕様となった。スペックに関しては、9,500回転31馬力・7、500回転25Nmで、従来の31馬力・24Nmから僅かにトルクアップした。
エンジン変更に伴って、フレームも軽量仕上げの新型へアップデートされた。
足元は、前後17インチのキャストホイール仕様で変更は無いが、スポークデザインはリニューアル。シャシーの変更に伴って、シート高は従来の835mmから15mmダウンの820mmとなったことで、足つきが良くなった。

機能装備面では、メーターパネルが5インチサイズのLCDディスプレイを採用。ちなみに上位クラスの「401」は、TFT液晶パネルの豪華仕様だった。

マシンの骨格から心臓部に至るまで大幅リニューアルされた2024年式の新型「スヴァルトピレン 250」国内向けは、同年3月に77万円(税込)で発売された。

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解説記事更新日：2024年06月06日