GSX-R400Rは《GK76A》型として1991年に発売されました。同じ車名は90年に使われていましたが、91年のフルモデルチェンジからがGK76Aモデルで、GSX-R400Rの最終型です。前モデルの《GK73A》から、エンジンを含めてフルモデルチェンジ。国産4メーカー中、最も過激な400ccレプリカマシンだったと言えます
。93年のマイナーチェンジで59馬力から53馬力にパワーダウンされましたが、中低速域の扱いやすさは増しています。他の変更は、カラーリングにとどまっています。
ただし、時代は大型二輪免許の解禁前夜。バイク人気の中心は96年の免許制度改正によってリッタークラスに完全に移行します。GSX-R400Rは、そんなパラダイムシフト、と言うと大袈裟ですが、バイク人気が中型から大型に移行する変革期に生まれた、最後のレプリカモデルです。レース出場を前提とした派生モデル【SP】【SPⅡ】も販売されていました。
当時の最先端の技術を尽くしたメカ、毎年のように繰り返されたモデルチェンジ、ダブルクレードルにこだわったアルミフレームなど、これらは、もはや二度と来ない時代の証でもあります。
90年代を迎えてレプリカブームは静まっていきますが、95年まで製造されたGK76AのGSX-R400Rは、最も熱かったレプリカブームの名残を残しています。
「もはや、こんなバイクは発売されない」
そう思うファンが多いのも事実。スズキのエンジニアがGSX-R400Rに込めた情熱は今でも伝わってきます。今では旧車のカテゴリに属しつつありますが、根強いファンも数多くいます。
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解説記事更新日：2021年06月07日

1989年モデルのGSX-R400Rは、「400」から「400R」にモデルチェンジされた初期型です。形式も同じGK73Aで、変更はわずかで外観はほとんど一緒。わずかにスイングアーム上部にサブアームがついているのが識別点です。
さらにはSP（スポーツプロダクション）に加えてSPⅡもラインナップされています。
ちなみにSPはサーキット走行を前提としたクロスミッションや強化クラッチ等を採用、SPⅡはノーマルレシオミッション採用という違いがあります。
改めてGSX-R400Rのボディを眺めてみると、ヘッドライト下のエアインテーク、穴あきのトリプルディスク、肘で押さえの効くタンク形状、ステアリングヘッドより低いハンドルポスト、いかにも軽そうな4-1マフラー、そして付け足したかのようなウインカーなど、今のSS（スーパースポーツ）モデルの原型がこの時代にあることがよく分かります。
ライバルもまたフルカウル+ニューメカニズムで対抗し、ホンダVFR400R、カワサキZXR400、ヤマハFZR400Rなど、いずれも甲乙つけがたい性能を発揮していました。ただし、最も過激だったのはGSX-R400Rであることに疑いはなく、翌1990年に再びフルモデルチェンジし、まさに「ロードゴーイングレーサー」と化していくのです。
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解説記事更新日：2021年06月02日

1990年、GSX-R400Rはフルモデルチェンジを受け、全てを一新しました。もちろんエンジンも新設計です。
このモデルチェンジでスズキが最もこだわったのが、アルミフレームの形状です。各メーカーがこぞって使ったツインスパーでなく、あえてダブルクレドールフレームとしたことで、高剛性一辺倒でない、“しなり”を利用して曲がる特性としているのです。
さらにメカニズムを見てみると、丸目2灯のヘッドライトはスラントしたノーズの中のレンズ内に格納、フロントサス倒立式フォーク、異形4ポットキャリパー、水冷式オイルクーラーなど。中でも飾りのような極薄のタンデムシートに至っては、爽快ですらあります。
最も凄いのは、GK76型で7センチ下がったステアリング位置で、もはや完全なレーシングポジションと言っても過言ではありません。
400ccレプリカを先頭に立って引っ張ってきたGSXが、さらに過激に進化した【GSX-R400R】。このボディを眺めていると、スズキ技術陣の熱気と革新性が伝わってくるようです。
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解説記事更新日：2021年06月02日

1991年、GSX-R400Rはマイナーチェンジを受けました。
・グラフィック変更
・倒立フロントフォークのアウターチューブをゴールド塗装
改めて見てみると、アルミの材質を誇示するかのようなフレームと、その上に乗った薄い三角形のタンク、えぐられたようなシート形状、おまけのようなタンデムシート、そしてステアリングヘッドより低い位置にあるセパレートハンドルなど、走りに徹した哲学が透けて見えてくるようです。事実、400Rになってからはサスセッティングも高速寄りとなり、中速域の速度レンジや軽い体重移動では「曲がらない」とまで言われました。
超高速域で本領を発揮するサスペンションは、腰を入れて「えいや！」と気合いを入れないと上手に曲がらなかったのは確かです。公道よりもサーキット寄りのセッティングです。
しかしバイクとは、それもレプリカマシンとは、いわば尖った乗り物です。過激であればあるほどファンは熱狂しました。
GSX-R400RはGK76Aを最後にカラーリング変更のみが行われたため、実質的に最終型であり、レプリカブームの頂点に位置したモデルだったとも言えます。
なお仕様を変更した【SP】【SPⅡ】も引き続き販売されています。
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解説記事更新日：2021年06月04日

1992年、GSX-R400Rはグラフィックの変更を受けています。白をベースに赤が主体となっていますが、一見してスズキのバイクと分かるあたりは、やはりGSXらしいスタイリングをしているからでしょう。エンジンスペックには変更はありません。ノーマルミッションを搭載したSPⅡは廃止されました。
さて1992年、10年近く続いてきたレプリカブームもいよいよ陰りが出てきます。理由のひとつは、1989年にゼファー400が、92年にCB400SFが発売され、バイクはレプリカばかりではないこと、ネイキッドの魅力に多くのライダーが気づき始めたこと、レプリカの過激さに辟易してきたこと等でしょう。
ただし別の視点から見れば、GK76Aこそレプリカマシンの頂点であり完成した姿だということもできます。GK76A 型のGSX-R400Rが1991年からカラーリング変更だけにとどまったのはこうした理由からかもしれません。翌93年には馬力の自主規制で59馬力から53馬力に下げられました。
遠くて低いハンドル、高速域に振ったサスセッティング、リア荷重でトラクションをかける乗り方が必要など、あまり初心者向けのバイクではありませんが、それが400Rらしさでもあります。
GSX-R400の完成形＝1992年型モデルの売却をお考えなら、買取査定は絶版レーサーの価値に精通しているバイクパッションにお任せください。

解説記事更新日：2021年06月04日

1993年、GSX-R400Rはマイナーチェンジを受けました。
・59馬力あった最高出力が厳しくなった自主規制に合わせ53馬力に変更
・ヘッドライトを常時点灯に変更
最大の変更は馬力で、6馬力＝約10％の馬力ダウンは大きいようですが、中低速寄りのセッティングとされているため、体感上の変化はごくわずかです。むしろ初心者にとっては乗りやすくなる場合もあり、言われずに乗った場合、ほとんど違いは感じられないでしょう。
またこの頃、「日本で大型バイクが売れないのは免許制度のせいだ」というH社やB社からの外圧が高まり、大型二輪免許もいよいよ教習所で取得可能かという世論が高まっていました。そのせいもあってか、400ccレプリカブームは徐々に熱を失っていきました。
栄枯盛衰。
諸行無常。
あれほど栄華を誇ったレプリカマシン市場も、衰退を始めたのです。
400ccクラスではこれ以上ないというエンジンメカニズム、バリバリに固めた足回り、過激なポジション。そんな、時代の変革期に生きた93年式のGSX-R400R。もはや、こんなバイクは製造されないでしょう。今では旧車のカテゴリに属しつつありますが、その熱い雰囲気を求めて、根強いファンもいます。
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解説記事更新日：2021年06月07日

1995年式のGSX-R400Rは、最終型です。
前回93年のマイナーチェンジで59馬力あった最高出力が53馬力となったこと、ヘッドライト常時点灯以外は、90年の登場以来変更点はカラーリング程度にとどまっています。それだけ発売当初から1台のバイクとして完成されていたと言えます。
また1995年と言えば、大型二輪免許の合格基準がやや緩和され、それまで2％と言われていた合格率が5％まで上がっています。翌96年にはついに教習所での取得が可能となり、その影響を受けてバイク人気の中心は400ccを中心とした中型からリッタークラスの大型にシフトしていきます。
GSX-R400Rの95年モデルは、そのちょうど境目に発売されました。80年代から始まったレプリカブームの一つの集大成として、またその最終型として記念すべきモデルでもあります。今のSS（スーパースポーツ）と比べても、性能は決してひけをとりません。
「もはや、こんなバイクは発売されない」
そんな目で見ると、スズキのエンジニアがGSX-R400Rに込めた情熱がひしと伝わってくるようです。今では旧車のカテゴリに属しつつありますが、根強いファンも数多くいます。
1995年型モデルの売却をお考えなら、買取査定はその価値に精通しているバイクパッションにお任せください。

解説記事更新日：2021年06月07日