ベスパ LX50 2T【2006～現行】毎週更新の買取査定相場

世界各国で高まる各種環境規制の影響により、1999年を以ってほぼ途絶えてしまった2ストロークエンジンでしたが、1946年に量販車第1号をリリースし今日現在までブランド名を残し続けているVespa(ベスパ)は母体であるピアジオグループの技術を結集し、21世紀以降も空冷2ストエンジン搭載モデルの販売を継続。そのラインナップにおいて、もっともポピュラーかつメジャーな存在と言えるのが、2006年モデルとしてリリースされた本機『Vespa LX50(ベスパ LX50またはベスパ LX50 2T)』です。

ベスパ製スクーターの生誕50周年にあたる1996年モデルとして生まれた「ベスパ 50ET2」を理念を基に、ベスパの伝統であるプレススチール製モノコックボディをやや角ばった形状にしつつ、ベスパ全モデルの範となったプロトモデル・MP6由来の美しい曲線などはしっかりと継承したボディを主体に丸型ヘッドライトとミラーで大衆向けモデルであることを強調したスタイリングで、本国イタリアでは若い女性を中心にした若年層向けモデルという位置付けでデビューを果たしました。

最大の特徴は搭載されるエンジンで、「モペッド」の区分に入る排気量49ccという制限の中で排ガス規制「ユーロ2」への適合化を果たすため、ベスパ50ET2の圧縮比11:1から10.1:1へと変更し、2ウェイキャタライザーを用いることで厳しい規制を見事にクリアした『Hi-PER2(ハイーパー2)』を搭載。2ストロークエンジンの大きな魅力である弾けるような加速力を保つべく、最高出力は実測値で3.6kW(4.9PS相当)/8,750rpmというパワーを発揮し、4ストロークエンジン『Hi-PER4(ハイーパー4)』を搭載しての同時デビューを果たした『ベスパ LX50 4V4T』の3.2kW(4.4PS相当)/8,250rpmを上回る瞬発力が自慢だと言えるでしょう。本国イタリアを含む欧州圏では、モペットの区分であるため安全面での配慮として最高速度は45km/h程度に抑えられてはいるものの、リミッターカットなどいくつかの条件を満たせば65km/h以上の速度を出すことも可能で、10年以上の実用に耐え得るレベルのコンディションで手に入る2スト50ccスクーターとしては屈指のスペックの持ち主に仕上げられております。

前11/後10インチのアルミ製ダイキャストホイールと150/125ccの兄貴分たちと同じ車体、そして車体の中心部に配置されたエンジンによるマスパランスの良さにより、50ccスクーターとしては無類の安定性を備えているのも本機ベスパ LX50 2Tの特徴で、乾燥重量96kgと軽めのボディとの相乗効果で驚くほどコーナリングが楽しいのも魅力のひとつ。リアブレーキはその他50ccスクーター並みのドラムですが、200mm径ディスクを配したフロントブレーキはタッチ・制動力ともに十分なものがあり、車体のコントロール性に関しても申し分なし。さすがにハイスペックSSのオンザレール感とまではいかないものの、CVTによって格段に優しくなった操縦性と2ストロークエンジンならではの瞬発力を活かせるショートコーナーは実力が遺憾なく発揮できる舞台となり、80年代から90年代にかけて盛り上がった「ゼロハンスポーツ」の楽しさが今日現在でも味わえる稀有なマシンだと言えるでしょう。シート下の収納スペースはハーフヘルメットが入る程度しか容量がないというのが弱点ですが、フロント内側の開閉式ポケットがそれを補助しており、座り心地の良いダブルシートとフルサイズボディの長所である広々とした居住性の高さとがそれを見事にカバー。誰が見ても一目でベスパとわかる流麗なシルエットと合わせ、30万円を超える新車販売価格に十分見合ったオーナー満足度の高さにも納得の一台だと言えます。

4ストエンジン搭載のベスパLX50 4V4Tを始めとするその他LXシリーズ同様、2009年6月からは2009年よりベトナム・ヴィンフック工場での生産がスタートし、日本市場へは主にこのベトナム製造モデルが正規輸入車として土を踏むことになり、今日現在購入可能なのはこのベトナム製造モデルが正規販売車両として大多数を占めています。シリーズの中核を担うLX150/125の兄貴分たちは2012年6月より3バルブ化した次世代エンジンを搭載しモデルチェンジとなりましたが、本機ベスパ LX50 2Tは空冷2ストローク単気筒のハイーパー2搭載モデルとしてその後も生産を継続。2013年から2014年のごく短期にかけ、一時的にカタログ落ちの空白期こそあったものの、LXシリーズが『Primavera(プリマベーラ)』となって50ccモデルが復活した際に復活を果たすことに。強化された排ガス規制「ユーロ4」等の影響で玉数は少なめながら、今日現在でも探せば新車に近い状態で購入可能な2ストゼロハンマシンの数少ない選択肢のひとつに挙げられるマシンとしてその名を残しております。

4スト仕様のLX50 4V4Tほどではなかったものの、若年層の購買意欲を刺激するために多彩なカラーバリエーションが設定されたのも本機の特徴のひとつで、2スト仕様車のベスパLX50 2Tにはデビュー初年度の2006年モデルでミッドナイトブルー/ネログラフィット/コルティナ/カプリ/ロッソドラゴンといったポップなカラーリングが用意されました。後に登場する角目ヘッドライトと角ミラーが特徴の『ベスパ S50 2T』はプラットフォームを共有する完全な姉妹者にあたり、本機のカラーリングを土台に様々なカラーを加えた豊富なバリエーションでイタリアを中心とした若者たちの心をがっちりと掴み、好調なセールスを記録しました。

現在の中古バイク市場においては、前述の「探せば新車に近い状態で購入可能な2ストゼロハンマシン」という特質性で50ccクラスとしては高めのリセールバリューを誇り、プリマベーラ・スプリントシリーズなどへの世代交代直前のイヤーモデルはかなりの高額で落札となることもしばしば。年間で20万台にもおよぶ中古バイクが取引され、名実ともに中古バイク業界最大のマーケットである「業者間オークション」の取引記録を見てみますと、2019年から2024年までの5年間(60ヶ月)を対象とした集計では実動車12台のデータが確認でき、2023年に出品された走行距離100km台の車両が20万円を超える価格で落札に至るなど、コンディションによっては非常に期待値が高いことがわかる記録あり。また、2ストエンジン搭載モデルそのものが稀少となっているため、そこまで程度状態が良くない車両でも4スト仕様のベスパ LX50 4V4Tより高めの値段がつきやすい傾向が強く、走行距離3万～4万km台の車両でも6万円以上の落札価格で成約しており、車両状態に自信のあるオーナー様にとっては大いに高額買取の期待が持てることは確かです。強いて難点をあげるとするならば、プレススチール製モノコックボディというサビ・キズに代表される経年劣化に弱い点ですが、2ストエンジン搭載モデルの希少性を鑑みると不動状態であってもそれなりの値段がつく公算は十分にあるため、状態不問で買取査定に出してみるだけの価値があるモデルだと言えるでしょう。

強化され続ける排ガス規制の荒波に揉まれつつも、今日現在まで生き残り続けているベスパ50ccクラスの存続を担った功労者のひとりであるベスパ・LX50 2Tシリーズで高額買取を狙うには業者選びが非常に重要で、ベスパならではの独自構造に関する正しい知識はもとより、現行モデルのベスパ プリマベーラ50らへと受け継がれた汎用性の高い車体構成や仕様に関する知識とコンディションを正確に見抜ける目利き力、細々とした変更が実施された年式毎の違いに関する理解、コレクターの多い海外市場を含む中古バイクとしての販売網を駆使して利益を出せるだけの販売力を兼ね備えた業者であることがもっとも肝要だとされており、販売力の差が買取価格に直結するもっとも大きなファクターとまで言われております。弊社バイクパッションはそのいずれも満たしており、特にH-D製ビッグツインを含む海外メーカー製バイクに関しても単一店舗としては日本最多の販売台数実績を誇る直営店舗を持つ強みを活かし、再販売を前提とした「販売仕入れ価格」を適用した上で相場を大きく上回る超高額買取にも期待できます。海外メーカー製バイクに精通する弊社バイクパッションならではの顧客満足度の高さを以って、オーナー様のご期待に全力でお応えさせていただくことをお約束いたします。

ベスパ・LX50 2Tシリーズの買替、高額売却をお考えでしたら、買取査定は海外モデルの価値にも精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年11月27日