GT80は、GT50の兄弟車です。両車とも「ミニトレ」で親しまれ、50ccは単に「ミニトレ」、80ccは「ミニトレ80」と言われることが多かったようです。
80ccですからタンデムシート仕様になっており、2人乗車可能です。しかしホイールベースがGT50と同じのため、大人がタンデムするのはなかなか困難です。
原付二種のため、制限速度は60km/hです。なお、1992年までの道路交通法改正まで、原付二種は「中速車」という区分で、一般道の制限速度は50km/hでした。
1972年発売の初期型では、最大出力7.2馬力です。
77年にマイナーチェンジ、マフラー形状が変更されました。
そして79年にフルモデルチェンジ、タコメーターが装備され、サスペンション・燃料タンク・シート形状などのデザイン一新とボディの大型化がされました。最大出力は6,3馬力です。
原付免許では乗れないことから、ミニトレ（GT50）ほどの人気は出ませんでした。カテゴリーとしてはスクランブラーです。
前後ブレーキはドラムで、80ccでタンデム可ながら実に小さくてかわいいバイクです。原付二種のオフ車をこのサイズにまとめたバイクは、他にないでしょう。ただし発売されて50年近く経ちますから、現存する車両は少ないです。マフラーやフレームの腐食もあるため、程度がいい車両にはまずお目にかかれません。それだけ、程度がよければ高額の査定も期待できます。
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解説記事更新日：2022年08月10日

1972～78年のGT80は、374型と呼ばれる前期型です。
「GT」の車名には相場がプレミアム化しているGT380の存在もあってスズキのシリーズが先に連想されがちですが、【GT80】【GT50】はヤマハが製造していたトレールモデルです。原付であるGT50（通称ミニトレ）のほうがより親しまれていたことから、GT80は「ミニトレ80」の名があります。原付二種のためタンデムシート+タンデムステップが装着されていますが、車格が小さいことから実際のタンデムはちょっと困難です。
特徴は、
・エンジンは空冷2スト単気筒の79cc、最大出力6.3馬力/7,000回転
・前後ドラムブレーキ
・マフラーは車体右側のアップタイプ
・リア2本サスペンション
・4速ミッション
などです。77年にマイナーチェンジを受けてマフラー形状が変更され、耐久性と信頼性が向上しています。
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解説記事更新日：2022年03月27日

1979年、GT80はマイナーチェンジを受け、3M8型となっています。
変更点は、
・リアサスをモノ（1本）サスへ変更
・マフラーエンド延長
・タコメーターを装備
・ガソリンタンク、シート形状などのデザインを変更
・ホイールベースを200mm延長、車体を大型化
このマイナーチェンジによってGT80はやや豪華になり、スズキの【ミニクロ75】に対してアドバンテージができたと言えます。
しかし70年代後半、2ストエンジンの排気煙は嫌われてしまい、2ストエンジン搭載車は年々減少する一方だったのも事実。3M8型のGT80は70年代の2スト文化を伝える1台として、今も貴重な存在ではあります。
部品点数が少ない＝加工が容易＝省エネ、軽量、ハイパワーという2ストエンジンは、実は省エネタイプのエンジンなのかもしれません。ディーゼルエンジンが黒煙を克服して見直されたように、2ストエンジンもちょっとした発想や技術の転換で、脚光を浴びる日がくるのかもしれません。
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解説記事更新日：2022年03月27日