新感覚フリーライドプレイバイクを提唱するということで、世に送り込まれた250㏄スポーツが「トリッカー」だ。正式名称は、「tricker XG250」として2004年3月にデビューした。
「BMX感覚のサイズ感」をベースにスリム・軽量・コンパクトの3点をバランスよく融合することを重視して開発されている。車体は、スリムコンパクトなデザインを可能にするセミダブルクレードル型フレームを採用。パワートレインには、SOHC2バルブの空冷4ストローク単気筒エンジンを搭載。ボア・ストロークは、74mm×58mmの249㏄ユニットで、デビューモデルの最高出力は7,500回転で21馬力というスペックだった。トランスミッションは5速リターン式だ。
足回りはインナーチューブ35mm径の正立フォークをフロントに装備。リアはスイングアームにクッション性に優れたボトムリンク式サスを採用。ブレーキはフロントに異径2ポットキャリパーを装備したシングルディスク仕様で、リアもシングルディスクブレーキを採用している。なお、ホイールサイズはフロント19インチ、リア16インチという組み合わせだ。
見るからにコンパクトな車体は取り回し性に優れており、シート高は790mmで足つき性も良い。ただ、デビューモデルの燃料タンク容量は僅か6Lしかなくロングツーリングには厳しい仕様だった。あくまでもストリートユースを想定したファッショナブルなマシンという位置づけだ。
ちなみに2005年にモデルチェンジで登場した「セロー250」は、本モデルがベースになっている。実質兄弟モデルという間柄になる。シート高は830mmで「トリッカー」よりも高いが燃料タンク容量は9.8Lあり、フロント21インチ・リア18インチのタイヤを装着し悪路走破性にも優れていた。基本コンポーネントは共用しているので、都会に映える「トリッカー」か、マウンテントレールとしての走行性能を重視するかは、ユーザーの好み次第ということだろう。
なお、デビュー以降の「トリッカー」は、カラーチェンジや排ガス規制対応に伴うマイナーチェンジなど仕様変更を実施しながら2019年モデルまで展開され生産終了に至った。

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解説記事更新日：2022年03月27日

キャッチコピーは、「フリーライドプレイバイク」。軽量コンパクトで取り回し性に優れた250ccマシンが2004年3月に登場。それが、「トリッカー」だ。
デビューモデルとなった2004年モデルDG10J型は、39.9万円(税抜)で発売。
カラーバリエーションは「シルバー3」、「マットブラック2」、「ダークパープリッシュブルーメタリック2」の3パターンが用意された。
マシンの全体的なスタイリングコンセプトとしては「BMX感覚のサイズ感」を基調としている。ホイールベースは、1,330mmのショート構造で、タイヤはフロント19インチ・リア16インチの小径サイズで専用開発されたタイヤを装着。ブロックパターンでありながらも舗装路でのロードノイズは抑えられておりオンロード・オフロード問わず優れた快適性と走破性を可能にしている。
ホイールベースに関しては、同クラス排気量のデュアルパーパスマシン「セロー XT 225WE」が1,530mmで、本モデルは20mmショートな車体となっていた。
そこに搭載するパワートレインは、SOHC2バルブの空冷4ストローク単気筒エンジン。最高出力は7,500回転で21馬力というスペック。
100mm径の小型ヘッドライトやスリム設計の6L燃料タンクなどを採用することで、ファッション性にも優れた全く新しいスポーツバイクだ。

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解説記事更新日：2022年12月15日

ヤマハのロングセラーマウンテントレール「セロー250」と基本設計を共にするフレーム&車体で「BMX感覚」を楽しめる「トリッカー」。デビュー2年目となる2005年モデルではカラーチェンジを受けている。
「マットブラック2」と「シルバー3」は、継続。そして新たに「X系スポーツ」のイメージをさらに前面に押し出す「トリッカーS」を展開。モデル名末尾に「S」が追加されているが、メカニカル機構の変更は無く、カラーリングが専用デザインとなっているのみ。
「マットブラック2」のボディカラーにオレンジのピンストライプを配した専用ホイールやメタリック塗装のタンクカバーを装着している点が、スタンダードカラーとの違いだ。
価格は通常モデルの「トリッカー」が40.1万円(税抜)で、前年モデルから0.2万円の値上げ。「トリッカーS」は、42.1万円(税抜)で展開された。
主要諸元の変更は無く、ボア・ストロークが74.0mm×58.0mmのSOHC2バルブ空冷4ストローク単気筒エンジンを搭載。最高出力は、7,500回転21馬力というスペック。アルミメッキシリンダーに鍛造ピストンを組み込んで軽量化を重視したパワーユニットだ。
足回りは、フロントにスリムなインナー35mm径のテレスコピックフォークを装備。リアはボトムリンク式モノショックをスイングアームにセット。シート高は790mmとなる。
ちなみに兄弟モデルとも言える「セロー250」のシート高は830mmだった。
なお2005年は「ゼロー」がデビューして20周年という節目の年ということで、アニバーサリーモデルも展開されていた。

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解説記事更新日：2022年12月15日

サーフィンやスノーボード、BMXなどのX系スポーツの雰囲気と日常ユースでの実用性をバランスよく両立するスポーツバイク「トリッカー」は、デビュー3年目となる2006年モデルでカラーチェンジとグラフィック変更を実施。前年モデルで追加設定された「トリッカーS」と合わせて、トータル3カラーバリエーションが用意されている。
スタンダード仕様は、街中に溶け込む「シルバー3」と「ブラックメタリック」の2カラーを展開。スポーティテイストをより強調する「トリッカーS」は、「ビビッドオレンジメタリック2」の1カラーが展開された。なお、「S」タイプは専用デザインとして以下のディテールを採用する。

・水圧転写グラフィック仕様のサイドカバー
・ツートンカラーシート
・オレンジアルマイト仕様のホイールリム

メカニカル機構はいずれのモデルも共通。価格はスタンダードカラーが40.1万円(税込)。「S」タイプが42.1万円(税込)。いずれのタイプも価格は前年から据え置かれた。
主要諸元に変更は加えられておらず、引き続き7,500回転で21馬力を発揮する空冷4ストローク単気筒エンジンをコンパクトスリムな車体に搭載。トランスミッションは5速仕様で、乾燥重量は111kg。
SOHC2バルブエンジンを搭載する250ccクラスのマシンとしては、デザインコンセプトは異なるがカワサキの「250TR」が台頭していた。134kgの車体に19馬力の空冷単気筒エンジンを搭載。スペック面では「トリッカー」が有利となる。ただ、燃料タンク容量に関しては、本モデルが6Lなのに対して「250TR」は、7Lの大容量仕様だった。

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解説記事更新日：2022年12月15日

「フリーライド プレイバイク」というコンセプトのもとに2004年にデビューした「トリッカー」だが、2008年モデルで型式変更を伴う最初のマイナーチェンジを実施。従来のDG10J型からDG16J型へと進化した。
仕様変更の主な目的は、当時の排ガス規制に対応するため。燃料供給方式は従来のキャブレターからフューエルインジェクション仕様へアップデート。吸気ポートの形状変更なども実施されて環境性能のみならずトルク感も向上した。パワー面では最高出力が7,500回転18馬力というスペックで従来モデルの21馬力からパワーダウン。最大トルクは、6,500回転21Nmから19Nmへダウンしている。燃費性能もDG10J型のリッターあたり50kmという仕様から39kmまでダウンとなった。
スペックダウンしている部分はあるものの燃料供給方式がインジェクション化されたことでシーズン問わず安定した始動性能を実現。さらに従来モデルでは6Lという小型設計だった燃料タンクが7.2Lの大容量タイプへアップグレード。実用性は大きく向上した。
またシート形状の見直しやフロントフォークのセッティング変更も行われ走行安定性も良くなっている。これら各部の仕様変更により乾燥重量は111kgから117kgへ増加した。
なおグレード構成は従来モデル通り、スタンダードタイプと専用デザインを採用する上級タイプ「S」の2タイプで展開。
通常モデルのカラーリングは、「マットブルーメタリック3」と「ビビッドオレンジメタリック2」の2バリエーションで、価格は43.6万円(税抜)。「S」タイプは、「マットブラック2」を展開して、価格は45.6万円(税込)。いずれのタイプも従来モデルから3.5万円の値上げが実施された。

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解説記事更新日：2022年12月15日

乗り方スタイルを選ばないフリーライド プレイバイクとして展開された「トリッカー」は、2008年モデルで当時の排ガス規制に対応する形でフューエルインジェクションを採用。足回りのセッティング変更や燃料タンク容量の拡大を実施するなど実用性が向上。その大幅なアップデートから2年が経過した2010年式でカラーチェンジを受けた。
従来モデルでは、通常タイプと「S」タイプの2グレード構成だったが、今回から「S」グレードはカタログ落ちとなるスタンダード仕様のみとなる。
2006年モデルの「S」タイプで設定されて以降人気カラーとなっている「ビビッドオレンジメタリック2」は、継続。加えてニューカラーの「マットブラック2」が登場。こちらはフレームや燃料タンク、フロントフォークのアウターチューブを艶消しブラックで仕上げ、タンクカバーを艶有りブラックをすることでメリハリの効いたトーンが特徴的だ。
価格は据え置きの43.6万円(税込)に設定された。
主要諸元に変更は無くコンパクトスリムなセミダブルクレードル型フレームに18馬力仕様の空冷SOHC2バルブ単気筒エンジンを搭載。車両重量は125kgとなる。
ライバルモデルとしては、ホンダの「FTR」が比較対象になる。キャブレター仕様のまま平成18年の排ガス規制に対応したパワートレインは16馬力のローパワーユニット。車両重量も本モデルより3kg重い128kgでスペック面では「トリッカー」が格上となる。
ただ価格はスタンダードカラーが39万円(税抜)で、リーズナブルな価格が魅力ではあった。

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解説記事更新日：2022年12月15日

「トリッカー」の2011年モデルは、往年の名車に変身させる外装キットが展開された。「TY-S外装キット」として発売されたパーツセットで、ABS樹脂製のタンクカバー、サイドカバー左右、シングルシート、リアフェンダーの4点構成。価格は7.6万円(税抜)で登場。
車両本体は従来モデルからの継続仕様で、価格は43.6万円(税抜)だったので、この外装キットを組合せると51.2万円(税抜)で一味違った純正カスタム仕様の「トリッカー」に仕上げることができる。
今回展開された外装キットは、1973年に発売されたヤマハとしては初のトライアルマシンンとして登場した「TY250J」のデザインを再現したキットとなる。ボルトオンで装着できるパーツセットで、都会のストリートが似合う「トリッカー」を70年代の古き良き時代を感じさせるビンテージテイストのマシンに変身させる。
シートはテールカウルと一体型のシングル仕様で、通常モデルよりも15mm低い設計。サイドカバーは、左右でカラーリングが異なり車体のアクセントとなっている。
装着可能なマシンは、2008年のマイナーチェンジ以降モデルDG10J型が対応している。DG10J型へ進化してからは、マシンスペックの変更は実施されておらず、7,500回転で18馬力を発揮するフューエルインジェクション仕様のSOHC2バルブ空冷単気筒エンジンを搭載。足元は、フロント19インチ・リア16インチの専用設計タイヤを装着。ブレーキは前後ディスク仕様だ。
「TY-S 外装キット」を組み合わせれば、ビンテージルックながらもウィリーやアクセルターンなどトリッキーな走りも可能なフリーライド・プレイバイクが完成だ。

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解説記事更新日：2022年12月15日

2014年モデルの「トリッカー」は、カラーチェンジと価格改定が行われた。
カラーバリエーションは従来モデルと同じく2パターンを設定。いずれのカラーも「ネオ・ストリート」をコンセプトとしたグラフィックとカラーディテールを採用。
「マットブラック2」は、フレームと燃料タンクが艶消しブラック仕上げ。フロントとリアのスポークホイールリムはシルバー仕様とすることでシンプルながらもストリート感を強調したテイスト。ニューカラーの「ディープオレンジメタリック7」は、シルバーのフレームに鮮やかなオレンジの燃料タンクを組合せて、ホワイトのタンクカバーを装着。前後のホイールリムはオレンジカラーとすることでX系スポーツの雰囲気を前面に押し出したカラーリングとなる。車両価格は39.6万円(税抜)。従来モデルから4万円の大幅値下げが実施されている。
主要諸元に変更は無く、インジェクション仕様の空冷4ストローク単気筒249ccエンジンを搭載。SOHC2バルブエンジンということもありスペックは控えめの18馬力仕様。ただ、重量は125kgと軽く、ホイールベースも1,330のショート設計。
同クラスのライバル車両となるカワサキの「250TR」は、146kgの車体に19馬力のSOHCバルブエンジンを搭載。ホイールベースは1,420mmあった。スペック面でも取り回し性能においても本モデル「トリッカー」が優れた仕様と言える。ブレーキも「250TR」はリアがドラム式だったが、本モデルは前後共にディスクブレーキを採用していた。

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解説記事更新日：2022年12月15日

「フリーライド・プレイバイク」というコンセプトで開発された初代「トリッカー」DG10J型は、2004年3月に登場した。
カラーラインアップは、サイドのイエローがアクセントになっている「シルバー3」・「マットブラック」・「ダークパープリッシュブルー2」の3パターン展開で価格は399,000円(税別)とリーズナブルな設定だった。
パワートレインには空冷4ストローク単気筒249ccのG340E型エンジンを採用。最高出力は7,500回転で21馬力を発揮していた。なお、同エンジンは本モデルがデビューした翌年の2005年に発売された「セロー250」DG11J型にも搭載された。エンジンが同じという点では兄弟モデルと位置付けることができるが、コンセプトやスタイルは別物であり発売時期の前後関係からも「トリッカー」が「セロー250」をベースにしているわけでもない。
外観デザインは250ccエンジンを搭載しているとは思えないほどコンパクトに仕上げられている。「セロー250」と比較すると「トリッカー」は、ホイールベースは1330mmで30mm短く、シート高は790mmと40mm低い。乾燥重量も4kg軽くなっている。
プレイバイクというコンセプトやモデル名からもイメージできるように、トリッキーなアクションをキメることも十分可能なサイジングに設計されているのだ。ただ、コンパクトで軽量な車体を実現するために燃料タンクもスマートな小型タイプになっており、容量は6リットルなのでロングツーリングには厳しい仕様(後のモデルチェンジで容量アップされた)。
2005年にはカラーチェンジと価格変更を行うと同時に、専用塗装とデザインを採用した「S」タイプを追加。その後もカラーチェンジを実施しながら2008年に2代目モデルとなるDG16J型へモデルチェンジするまで販売された。

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解説記事更新日：2021年09月21日

コンパクトサイズでウィリーやアクセルターンなど操る楽しさを味わえるプレイバイク「トリッカー」は、2008年1月のモデルチェンジで2代目となるDG16J型へ進化した。
今回のメインとなる変更ポイントは、排ガス規制に対応するために燃料供給方式がキャブレターからフューエルインジェクションに変わったことだ。また、吸気ポートの形状変更も実施されたことでトルク感も向上している。空冷4ストロークOHC単気筒の249ccエンジンG370E型を搭載。最高出力は7,500回転で21馬力と従来モデルから変わっていない。
足回りはフロントサスペンションのセッティングが最適化されたことで操縦安定性が増している。
実用性面においては、コンパクトスリムなサイジングやデザインを追求するゆえに犠牲になっていた燃料タンク容量の拡大が実現した。従来モデルでは6Lだったところが、2割増しの7.2Lとなり航続可能距離が増えた。さらにシート形状を変更し快適性もアップしているので、「トリッカー」の苦手ポイントだったロングツーリングにも使いやすくなっている。
カラー展開は「マットブルーメタリック3」と「ビビッドオレンジメタリック2」の2パターン設定で、価格は436,000円(税別)と従来モデルの401,000円(税別)から25,000円(税別)の値上げとなっていた。
なお、専用カラーとデザインを採用した「S」タイプも従来モデルと同様にラインアップされた。
その後は、カラーチェンジを行いながら2017年まで販売され生産終了となった。

売る際の買取査定は、DG16J型 トリッカー の価値に精通しているパッションに！

解説記事更新日：2021年09月21日

2004年に「フリーライドプレイバイク」として登場し2017年に惜しまれつつ生産終了となっていた「トリッカー」は、DG32J型へフルモデルチェンジを実施して2018年9月に復活した。
今回のモデルチェンジで加えれらた変更は、主に平成28年排ガス規制に適合するための対策となる。
フューエルインジェクションは、より高い環境性能を実現するためにO2フィードバック制御を採用。そして、ガソリンタンクから揮発する燃料が大気に放出されないように、キャニスターと呼ばれる一時的にガソリン蒸気を貯めておく装置を搭載した。キャニスターの装着によって漏れ出る燃料ガスが減ることもあってかエアインダクションシステムは廃止されている。
環境性能に対応しつつも、圧縮比を従来モデルの9.5から9.7に引き上げることで、最高出力はDG16J型の7,500回転18馬力から20馬力にパワーアップ。最大トルクも6,500回転1.9kgf-mから6,000回転で2kgf-mと、より低回転で高トルクを発揮する仕様。
初代モデルよりは未だ僅かに劣っているが、トリッキーなアクションも可能な振り回して遊べるマシンでこのスペックアップは、環境規制が年々厳しくなる時代にあってファンにとっては嬉しいポイントであろう。
外観デザインに関しては大きな変更は加えられなかった。
カラーラインアップは、「ディープオレンジメタリック7」と「マットブラック2」の2パターン展開で、価格は433,000円(税別)だった。
DG32J型「トリッカー」は2020年に生産終了となったが、兄弟モデルともいえる「セロー250」のような生産終了アナウンスや「ファイナルエディション」の設定はされなかった。

売る際の買取査定は、DG32J型 トリッカー の価値に精通しているパッションに！

解説記事更新日：2021年09月21日