見る者に強烈なインパクトを与えるフロント2輪の3輪バイク「NIKEN」にグランドツーリング仕様が設定された。それが2019年3月に受注販売を開始した「NIKEN GT」である。
ちなみに「NIKEN」とは「2つの剣」を意味する造語で、特徴的なフロント2輪デザインとその動きを二刀流になぞらえて生まれた名称だ。
2018年11月にイタリアで開催されたEICMA(ミラノショー)で発表され国内にも展開されたという経緯になっている。
車体構成は、ダイヤモンド型フレームに「MT-09」に搭載されている水冷パラレルトリプルの845㏄エンジンをベースにしたN714E型を採用。最高出力は10,000回転で116馬力を発揮する。トランスミッションは6速リターン仕様。
足回りは、「NIKEN」同様にフロント両輪それぞれに倒立フォークが2本装着されており15インチホールを履いている。リアはスイングアームに17インチホイールを装着。ABSは3輪全てにセンサーと制御装置が装備されている。
ヤマハのLMWシリーズ、フロント2輪バイクと言えば「トリシティ」が第1弾モデルだが、「トリシティ」のフロントはフォークやブレーキディスクがホイールの内側にレイアウトされているが、「NIKEN GT」は外側だ。この構造により本モデルは45度のバンク角を確保することができ、コーナリング時などで、より自然な操作感でマシンを操ることができる。
通常モデルと「GT」モデルの違いは、本モデルが大型のハイスクリーンや専用の肉厚シートにグラブバー、グリップフォーマー、センタースタンドとシート下のDCソケットを追加で装備している。
2019年11月にはカラーチェンジを実施した2020年モデルが発表され、引き続き受注生産で販売されている。

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解説記事更新日：2021年11月15日

2018年にヤマハがグローバルマーケットに展開したフロント2輪の大型ハイスペックスポーツ「ナイケン」は、デビュー2年目となる2019年モデルで、グランド・ツアラータイプを追加。それが本機「ナイケン GT」だった。
日本国内デビューモデルとなった2019年式RN58J型は、同年3月に198万円(税込)で発売された。販売は受注生産扱いで、全国の「ナイケン」取扱店舗でオーダーすることができた。

なお本機はグランド・ツアラーモデルというということで無印グレードとは異なる以下の専用装備が与えられていた。

・大型ハイスクリーン
・グリップウォーマー
・専用デザインシート
・専用デザイングラブバー
・シート下DC電源ソケット
・センタースタンド

追加装備しとして採用されていたアイテムの多くは、長距離移動時の利便性や快適性を向上させるためのパーツとなる。専用デザインのグラブバーにはパニアケースの設置が可能なタイプとなっていて、カスタムや収納スペースの拡張がしやすい設計。さらにDC電源ソケットは、既存モデルでもメーター横に設置されているが、本機はシート下にも増設されていてトータル2か所から電源を確保できる。

シャシーやエンジンに関しては、ベーシックモデルと変わらない。
ダイヤモンド型フレームにマウントされるパワーユニットは、ストリートファイターネイキッド「MT-09」にも搭載されるDOHC4バルブの845cc水冷直列3気筒エンジン。最高出力は、10,000回転で116馬力を発生する。最大トルクは8,500回転87Nmというスペックでデビュー。
足元は、フロントに15インチタイヤを2本セットして、リヤは17インチ仕様。ABSセンサーは3輪全てに装着されていた。

なおデビュー以降の「ナイケン GT」は、2020年モデルでカラーチェンジを実施。その後は、2023年モデルで新設計フレームや令和2年の排ガス規制に適合するニューエンジンを搭載するRN84J型へ移行されるまで販売された。

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解説記事更新日：2024年06月17日

ヤマハオリジナルの「リーニング・マルチ・ホイール(LMW)」技術を採用する高性能ツアラー「ナイケン GT」は、2023年モデルでデビュー以降、初となるモデルチェンジを実施。
型式は従来のRN58J型からRN84J型へと移行した。
型式変更を伴うモデルチェンジで実施された変更ポイントは以下の通り。

・新設計フレーム採用
・エンジン排気量アップ
・令和2年排ガス規制適合
・サスペンションセッティング変更
・シート形状リニューアル
・シフトダウン対応クイックシフター採用
・新型カラー液晶メーター
・カラーチェンジ

車体は、スチールパーツとアルミパーツを組合せるハイブリッド構造のダイヤモンド型フレームで継続だが、各部のパイプ径や取り回しなど設計の見直しでリニューアルされた。
そしてエンジンは、「MT-09」が2021年式から採用している888㏄のDOHC4バルブ水冷直列3気筒ユニットへ排気量アップ。同時に国内の令和2年排ガス規制に適合することでモデルライフの延長となった。
最高出力は、11,000回転116馬力で従来モデルから変わっていない。最大トルクに関しては、7,000回転91Nmとなって先代の8,500回転87Nmからスペックアップとなった。
また駆動系統には、従来モデルでシフトアップのみ対応だったクイックシフターが、シフトダウンにも対応する双方向仕様へアップグレードされ実用性と快適性アップを実現。
足回りのサスペンションセッティングやシート形状も見直されて、コントロール性や乗り心地も良くなっている。各部の仕様変更でシート高は10mmダウンの825mmとなって、足つき性も向上していた。

なおマシンの主要部分がリニューアル設計された新型RN84J型「ナイケン GT」は、引き続き受注生産扱いで展開。2023年式のカラーリングは従来の2バリエーションから1タイプに縮小して「ヤマハ ブラック」のみが用意された。

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解説記事更新日：2024年06月17日