「V-ROD」ファミリーの初代モデルとして2003年ラインアップに登場した「VRSCA V-Rod」だが、デビューから2006年式までの4年に渡って展開した後にラインアップから姿を消すこととなった。その後継マシンとして2007年ラインアップに現れたのが、本モデル「VRSCAW V-Rod」となる。
ハーレーオリジナル3次元フレーム製法で形作られた車体に搭載するエンジンは、1,131ccの水冷Revolutionだ。ボア・ストロークが100.0mm×72.0mmで、デビューモデル2007年式のスペックは6,700回転100Nmという仕様だった。
エンジン本体は、シルバーとチャコールのツートーン仕上げでクロームカバーが各部に採用されていることで、「ナイトロッド」や「ストリートロッド」とは一味違った質感の高さを表現している。マフラーはクローム仕上げのスラッシュカット大径デュアル仕様。トランスミッションは5速リターン式を採用している。
足回りには、フロントにインナーチューブ49mm径のテレスコピックフォークを装備して19インチホイールを組合せる。ブレーキは300mm径のダブルディスクにブレンボの4ピストンキャリパーをセット。
リアはキャストアルミ製でワンピース構造のポリッシュ処理を施したスイングアームにツインショックを組合せる。そこにディスクデザインの18インチホイールを履き240mmの超ワイドなタイヤを装着する。240mm幅のタイヤはハーレーの全ラインアップで最も太いサイズとなる。このワイドなサイズは後に2008年モデルで展開された「FXCW/C ロッカー/C」や2013年の「FXSB ブレイクアウト」にも採用されていった。
ちなみに従来モデルの「VRSCA V-Rod」のリアタイヤは180mm幅を装着していた。
インパクトのあるリアビューでデビューした「VRSCAW V-Rod」の2007年式は、モノトーンカラーが219.5万円(税込)で発売。
翌年には、パワートレインの排気量拡大を含む以下のアップデートで大幅に進化。

・1,250㏄水冷Revolution搭載
・スリッパークラッチ採用
・ホイールデザインリニューアル
・ABS標準装備
・105周年アニバーサリー仕様展開

この2008年式で最大トルクは104Nmまで向上した。その後はカラーチェンジを繰り返しながら2010年モデルまで展開され、ラインアップから姿を消した。

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解説記事更新日：2022年07月27日

「V-ROD」ファミリーのデビュー以来ラインアップを継続してきた「VRSCA V-Rod」は2007年モデルでは姿がなく、その代わりにニューモデル「VRSCAW V-Rod」が登場。
特徴的なディテールを含め主な仕様と従来モデルからの変更ポイントは以下の通りだ。

・1,131cc水冷Revolutionエンジン
・5ガロン燃料タンク
・240mm極太リアタイヤ
・イグニッションスイッチレイアウト変更
・クラッチインターロックシステム採用

搭載するパワートレインはファミリー共通の水冷Revolutionとなる。1,131ccのユニットは6,700回転で100Nmの最大トルクを発揮する。前年の「VRSCA V-Rod」は97Nmだったので、パワーアップしたことになる。ただ、ディテールの違いから重量は本モデルが22kg重い307kgとなる。
エンジン本体は、ツートーンシルバーとチャコールのパウダーコート仕上げにクロームカバーを装着して落ち着きのある煌びやかさを放つ。マフラーはスラッシュカットのクロームタイプをレイアウト。
今回新たにファミリー共通のアップデートとして、クラッチインターロックシステムが採用された。マシンの不意な飛び出しを未然に防ぐことで安全性が向上。なお、この仕様変更は「スポーツスター」ファミリーにも適用された。
足回りは、フロントに49mmの大径テレスコピック正立フォークを装備して19インチホイールを装着。ブレーキはブレンボ製のダブルディスク仕様。
リアはスイングアームにプリロード調整機構付きのツインショックを組合せて18インチディスクデザインホイールに240mmの超ワイドタイヤを装着。
2007年の全ラインアップ中、同時デビューした「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」と共に最も太いタイヤとなる。
装備面では前年まで「VRSCR ストリートロッド」のみが採用していた5ガロンタンクが、ファミリー全車種に与えられている。
インパクトのあるスタイリングでデビューした「VRSCAW V-Rod」の2007年式は、モノトーンとツートーンの2パターンを展開。
「ビビッドブラック」、「ブラックアイスパール」、「ブリリアントシルバー」、「レッドホットサングロ」が、219.5万円(税込)で登場。
ツートーンタイプは、「フレイムブルーパール×ブリリアントシルバーパール」の1カラーで、価格は222.6万円(税込)となった。

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解説記事更新日：2022年07月27日

2008年というモデルイヤーは、ハーレーにとって創業から105周年を迎えるという節目の年である。そして、「V-ROD」ファミリーは5年前のハーレー生誕100周年というタイミングでデビューしており、同じく一つの節目とも言える年だ。
各ファミリー内で105周年のアニバーサリー仕様が展開されているが、「V-ROD」では本モデル「VRSCAW V-Rod」に設定された。
他にも今年度はパワートレインのリニューアルを含む以下の通り多数のアップデートが施されている。

・1,250㏄水冷Revolution
・スリッパークラッチ
・ホイールデザイン変更
・ABS採用
・105周年記念モデル設定
・カラーチェンジ

マシンの心臓部には、新たにボア・ストロークが105.0mm×72.0mmで、排気量1,246ccの水冷Revolutionを搭載。従来モデルは1,131㏄で、ボア・ストロークが100.0mm×72.0mmだったので、ボアアップによって排気量を拡大したということである。
最大トルクは、前年の6,700回転100Nmから7,000回転104Nmへパワーアップ。より高回転側で大きなトルクを発揮する出力特性へと変化している。
重量は307kgから変わっていないので、そのパワー差はハッキリと感じ取ることができるだろう。
駆動系には新たにスリッパークラッチを採用。左手レバーが従来仕様より20%以上も軽い力で操作できるようになり疲労感の低減に繋がっている。ちなみにハーレーがスリッパークラッチを採用したのは、この2008年モデルの「V-ROD」ファミリーが初となる。
また足回りでは、フロントホイールのデザインを変更してワイヤースポーク仕様が装着された。そして、前後独立型のABSを搭載。安全性が飛躍的に向上している。本国ではオプション扱いだったので、日本向けが標準装備化されたのは嬉しいポイントだ。
カラーリングは、モノトーンタイプが「ビビッドブラック」、「ブラックパール」、「ダークブルーパール」、「ピューターパール」、「キャンディーレッドサングロ」の5パターンで228.5万円(税込)。
ツートーンタイプは、「パシフィックブルーパール×ビビッドブラック」で231.6万円(税込)。
両タイプともに9万円の値上げが実施されている。
105周年アニバーサリーモデルの「アニバーサリーカッパーパール×ビビッドブラック」は、234.6万円(税込)に設定された。

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解説記事更新日：2022年07月27日

ボアアップで1,250㏄まで排気量アップした水冷Revolutionエンジンを前年に採用した「V-ROD」ファミリーは、2009年モデルでニューカマーが登場。「VRSCD ナイトロッド」が姿を消して、マッチョなスタイルの「VRSCF V-Rod マッスル」がデビュー。
ラインアップ全3車種が240mmのワイドタイヤをリアに装着するという、迫力のファミリーとなった。
登場から3年目となる「VRSCAW V-Rod」は、カラーチェンジを実施している。
前年モデル同様にモノトーンタイプとツートーンタイプの2パターン構成。
「ビビッドブラック」、「ピューターパール」、「レッドホットサングロ」、「フレイムブルーパール」が219万円(税込)。
「ビビッドブラック×ピューターパール」と「フレイムブルーパール×ピューターパール」は、221.1万円(税込)で展開。いずれのカラーも前年モデルから9.5万円の値下げとなる。
ちなみこの価格は、2007年デビュー当時の219.5万円(税込)を下回る設定だ。
パワートレインには、7,000回転で104Nmの最大トルクを発揮する水冷Revolutionを搭載。スペックは2008年モデルから変わっていない。
足回りは、フロントに49mmのテレスコピックフォークを装備して19インチのワイヤースポークアルミホイールを履く。ブレーキはダブルディスクのブレンボ製でABSも標準装備となる。
リアはワンピース構造のアルミ製スイングアームに18インチのディスクデザインホイールを履いて240mmの極太タイヤを装着。ABSは前後独立タイプを採用している。
なお、240mmのワイドリアタイヤを採用するマシンは「V-ROD」ファミリー3車種のみならず、ソフテイルファミリーの「FXCWC/C ロッカー/C」も装着していた。
ホイールベースは、本モデルと「VRSCDX ナイトロッド スペシャル」の1,715mmより遥かにロングな1,758mmという車体だった。

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解説記事更新日：2022年07月27日

空冷ビッグツインとは異なり高回転でピークトルクを発揮する水冷Revolutionを搭載する「V-ROD」ファミリーは、2010年モデルも前年同様3車種でラインアップ。
車体の大部分をブラックアウトしてスピードスクリーンを装着するダークな「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」、倒立フォークとバックステップに近いミッドコントロール仕様の「VRSCF V-Rod マッスル」、そしてクロームパーツとポリッシュ仕上げの絶妙なコンビネーションが美しい「VRSCAW V-Rod」だ。
いずれのモデルも2009年モデルからメカニカル面での目立った変更ポイントは無いが、本モデルはカラーチェンジを実施している。
前年は、モノトーン4パターンとツートーン2パターンのトータル6バリエーションだったが、今年度はツートーンが1パターンのみとなり5バリエーションに絞り込まれている。
「ビビッドブラック」、「ブラックアイスパール」、「ブリリアントシルバー」、「レッドホットサングロ」が219万円(税込)。「フレイムブルーパール×ブリリアントシルバーパール」が222.1万円(税込)で、いずれも据え置き価格で展開。
パワートレインには、1,246㏄Revolutionユニットを搭載する。最大トルクは、7,000回転で104Nmを発揮。スペックは2009年式と同様となる。
ちなみに「スポーツスター」ファミリーに採用されている空冷Evolutionは1,202㏄で、排気量のみで語れば同クラスとなる。ただ、スペックは3,500回転で88Nmと最大トルクも出力特性も大きく異なっている。
「V-ROD」シリーズは、ロー&ロングなスタイルと240mmのワイドタイヤが創り出す迫力のリアビュー、そして都会的なデザインで、ハーレーのイメージを覆すような個性的なオーラを放っている。
なお、2007年にラインアップに加わった本モデル「VRSCAW V-Rod」だが、今回の2010年モデルが最終仕様となってラインアップから姿を消すことになった。

買替や売る際の買取査定は2010年式 VRSCAW V-Rodの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月27日