当時、ハーレーのラインアップで唯一の水冷エンジンを搭載したファミリー「V-ROD」に他のメンバーとは一風異なるオーラを放つマシンが登場した。それが、2007年モデルで展開された「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」である。
既に「VRSCD ナイトロッド」が2006年にデビューしていたが、「スペシャル」のネーミングが与えられている通り特別なディテールが採用されている。
まず一目見て印象的なのは、そのカラーリングであろう。パワートレイン、エキゾースト、ホイールからフォークアウターチューブなど車体のいたるところがブラックアウトされている。ロー&ロングなフォルムと相まってその威圧感は絶大だ。
そしてハーレー史上最もワイドなサイズとなる240mmのリアタイヤを装着している。
そんなインパクトのあるデビューを飾った「ナイトロッド スペシャル」だが、デビュー2年目となる2008年モデルでパワートレインを含む以下の内容で各部リニューアルを実施して新世代へと進化した。

・1,246㏄のRevolutionエンジン
・スリッパークラッチ採用
・ABS標準装備

デビューモデルでは1,131㏄の水冷Revolutionエンジンを搭載していたが、デビュー僅か2年目でボアアップによって排気量を1,246ccまで拡大した新たなRevolutionが与えられたのだ。最大トルクは7,000回転で104Nmを発揮。従来モデルの100Nmからパワーアップしている。
そして、駆動系には5速仕様のトランスミッションにスリッパークラッチが採用され従来よりも20%以上軽い力で左手のレバー操作が可能となった。ストップ&ゴーの多い日本国内の道路事情を考えると嬉しいアップデートである。
足回りは、フロントに49mmの大径テレスコピックフォークを装備して19インチホイールを組みわせる。リアはブラックパウダーコート仕上げのアルミ製スイングアームにツインショックをセットして18インチホイールと240mmのファットタイヤを装着。
ブレーキは従来のブレンボ製トリプルディスクに加えてABSが標準装備となり安全性が大きく向上。ちなみに本国モデルはオプション設定という扱いだった。
メカニカル機構のアップデートでポテンシャルと安全性を高めた2008年モデルは234.1万円(税込)で登場した。
以降は、カラーチェンジやタイヤの変更を実施しながら2012年モデルでスタイリング面の変更を含む以下のアップデートを受けている。

・フロント倒立フォーク
・ハンドルレイアウト&足元コントロールポジション変更
・スピードスクリーン廃止&ミニバイザー装着
・リアフェンダー&シート形状変更
・ホイールデザイン変更
・出力特性変更

フロントサスペンションの強化と軽量ホイールの採用で走行性能は向上し、操舵系統のレイアウトが見直されたことで、快適までとはいかないものの従来よりはコントロールしやすいライディングポジションが可能となった。最大トルクは1Nm向上して105Nm仕様へとパワーアップ。
デザイン面では攻撃的なスタイルでトレードマークにもなっていたスピードスクリーンに代わって、カラーマッチ仕様のミニバイザーに変更された。
その後もカラーチェンジ繰り返しながら2014年モデルで重量が5kg軽くなり302kgとなった。
デビューから11年目となった2017年モデルを最後に「V-ROD」ファミリーが姿を消すこととなりロングセラーモデルとしての役目を終えた。
なお、最終仕様の2017年式は224.5万円(税込)で、排気量アップした2008年当時から9.6万円の値下がりとなっていた。

買替や売る際の買取査定は2008~17年式 VRSCDX ナイトロッドスペシャルの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月28日

全身をブラックに染めて240mmのワイドタイヤでインパクトのあるデビューを飾った「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」だが、登場2年目となる2008年式で心臓部の刷新を含むいくつかのアップデートを受けている。

・水冷1,246ccRevolutionエンジン
・クラッチ仕様変更
・ABS標準装備
・カラーチェンジ

パワートレインは従来の1,131ccユニットからボアアップによって排気量を1,246ccまで拡大したDOHC4バルブの水冷Revolutionを搭載。最大トルクは、前年の7,000回転100Nmから104Nmまで向上している。トランスミッションは5速リターン式で継続。
重量は307kgから変化していないのでトルクアップによる走行性能の差はハッキリしている。
また今回は駆動系の仕様変更も受けており、ハーレーとしては初採用のスリッパークラッチが組み込まれた。シフトダウン時にリアタイヤのロックを防ぎ、左手レバーは従来の20%以上も少ない握力で操作が可能となり実用性が向上している。
さらに足元には、フロント19インチ・リア18インチのディスクデザインブラックホイールを装着するが、前後独立ユニット仕様のABSが標準装備された。スムーズに吹け上がる高トルクの水冷Vツインを安全に操るための信頼性の高い装備だ。ちなみに本国モデルではオプション扱いだった。
エンジンと足回りに熟成が図られた「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」の2008年式は、前年よりカラーバリエーションを1パターン増強して3パターンを用意。
「ブラックデニム×ビビッドブラック」、「ビビッドブラック×ピューターパール」、「ビビッドブラック×ミラージュオレンジパール」で、価格は234.1万円(税込)。12.1万円の値上げが実施された。

買替や売る際の買取査定は2008年式 VRSCDX ナイトロッドスペシャルの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月28日

5ガロン燃料タンクはシート下に設置して、通常のマシンが燃料スペースにするエンジン上部はエアクリーナーやクーラーンとタンクを設置するという独特なスタイルの「V-ROD］ファミリー。
2009年モデルにはニューカマーの「VRSCF V-Rod マッスル」が登場。車体の左右にレイアウトするマフラーや「VRSCR ストリートロッド」以来となる倒立フォークをフロントに装備するなど、「VRSCAW V-Rod」や本モデル「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」とは異なるスタイリングで個性を主張している。ただ、リアタイヤを240mmの極太仕様とするディテールは共通だ。
なお、「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」の2009年式はカラーチェンジを実施している。前年同様にフロントからリアにかけて2本ストライプを大胆にレイアウトしたデザインでホイールリムのオレンジストライプがアクセントカラーとなっている。
ファミリー内で唯一装着しているスピードスクリーンのバイザーはボディ同色で一体感のある仕上がりだ。
「ブラックデニム×ビビッドブラックレーシングストライプ」、「ビビッドブラック×ピューターパールレーシングストライプ」、「ビビッドブラック×ミラージュオレンジレーシングストライプ」の3バリエーションを展開。価格は234.1万円(税込)で据え置かれた。
パワートレインには、1,246ccのDOHC4バルブ水冷Revolutionを搭載。スペックは、7,000回転で104Nmという最大トルク特性で変更はない。

買替や売る際の買取査定は2009年式 VRSCDX ナイトロッドスペシャルの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月28日

ボア・ストロークが105.0mm×72.0mmのDOHC4バルブ水冷VツインユニットRevolutionを搭載する「V-ROD」ファミリーは、2010年ラインアップも前年同様の3モデルで展開。
その中でダークな佇まいが只者ならぬ存在感を放っているのが、「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」だ。
ブラックパウダーコートの本体にシリンダーフィン部分をコントラストシルバーで整え、カバー類もブラックでまとめた1,246cc水冷Revolutionは、7,000回転で104Nmを発揮する。スペックは前年から変わっていない。
漆黒の車体の中にもブラッシュドアルミ仕様のデュアルマフラーやドラッグバースタイルのステンレスハンドルがアクセントカラーとなっている。
水冷エンジンを搭載した大排気量Vツインマシンと言えば、ヤマハの「V-Max」が2009年4月にフルモデルチェンジを実施した。従来の1,200㏄から1,700ccまで排気量を拡大して最高出力は151馬力、最大トルクは148Nmというモンスターマシンへ生まれ変わっていた。それでいて車両重量は311kgと本モデルより4kg重いだけだった。
なお、2010年モデルの「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」は引き続きレーシングストライプをレイアウトしたツートーンタイプを3カラー設定。
「ビビッドブラック×ミラージュオレンジパールレーシングストライプ」、「ビビッドブラック×ブリリアントシルバーパールレーシングストライプ」、「ブラックデニム×ブリリアントシルバーパールレーシングストライプ」で、価格は据え置かれて234.1万円(税込)となった。

買替や売る際の買取査定は2010年式 VRSCDX ナイトロッドスペシャルの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月28日

2008年モデル以降、3車種でラインアップを展開してきた「V-ROD」ファミリーだが、2011年モデルに「VRSCAW V-Rod」の姿は無く「VRSCF V-Rod マッスル」と「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」の個性的な2マシンが残された。
なお、2011年式の本モデルはいくつかの仕様変更を受けている。

・タイヤリニューアル
・カラーチェンジ

足回りには、フロントに49mmの大径フロントフォークと19インチのブラックキャストアルミホイールを組合せる。リアはブラックパウダーコートで仕上げられたワンピース構造のアルミ製スイングアームにディスクデザインの18インチホイールをセット。サスペンションはプリロード調整可能なツインショックとなる。
前後に装着するタイヤは従来までダンロップ製だったが、今回新たにミシュランの「Scorcher"11"」が採用された。サイズに関しては、フロントが120/70ZR19でリアが240/40R18から変更はない。
また、ホイールリムに配されるピンストライプカラーは従来のオレンジからボディカラーにマッチしたカラーに変更されている。
パワートレインは、1,246ccの水冷Revolutionで続投。スペックは7,000回転104Nmで従来から変わっていない。
ボディカラーは前年の3バリエーションから1カラー追加されて4パターンが用意されている。そして、これまでダークなブラックをベースカラーに採用していたが、2011年式ではベースにイエローやオレンジ、シルバーも設定されブラックのフレームやエンジンとのコントラストが映えるスタイルにイメージチェンジが図られている。
「ブラックデニム×HDオレンジレーシングストライプ」、「クロームイエロー×ブラックレーシングストライプ」、「ブリリアントシルバーパール×ブラックレーシングストライプ」、「セドナオレンジ×ブラックレーシングストライプ」の4カラーで、価格は229.8万円(税込)。4.3万円の値下げとなった。
なお「VRSCF V-Rod マッスル」は、209.9万円(税込)の据え置き価格だった。

買替や売る際の買取査定は2011年式 VRSCDX ナイトロッドスペシャルの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月28日

市販モデルのハーレーとしては初となる水冷Vツインエンジンを搭載した「VRSCA」がデビューして10年という節目となる2012年モデルは、「VRSCDX V-Rod 10th アニバーサリー」が設定された。
そして「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」は、マシンの基本コンポーネントの数多くのアップデートが施されている。

・ホイールデザインリニューアル
・リアフェンダー&シートデザイン変更
・ハンドルレイアウト変更
・フットペグポジション変更
・倒立フォーク採用
・フロントバイザーデザイン変更
・ニューデザインナンバーステー
・出力特性変更
・グラフィック&カラーチェンジなど

ラバーマウントで搭載される1,246ccの水冷Revolutionユニットは、7,000回転で105Nmを発揮。従来の104Nmから僅かにパワーアップしている。
そのパワーユニットを支える足回りは、フロントに倒立フォークを採用。高剛性で信頼性の高いサスペンションと組みわせる19インチホイールはニューデザインの5本スポークアルミキャスト仕様へリニューアル。バネ下の軽量化により走行性能は飛躍的にアップしている。
コントロール系統は、ドラッグバースタイルのハンドルレイアウトが変更され快適なライディングポジションを可能にしている。足元もフォアードコントロールに変わりないがペグのポジションを変更することで、操作性と快適性が向上した。
ヘッドライトのスピードスクリーンは廃されてヘッドライト上部にミニバイザーをセット。スッキリしたフロントビューにイメージチェンジした。
また車体をサイドから眺めると、よくわかるがリアフェンダーがテーパード形状に変更されている。シート形状も同時にリニューアル。後部シートはコンパクトになってスタイリッシュさが増した。
数多くのアップデートでスペックからデザイン面まで熟成が図られた「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」の2012年モデルは3カラーを展開。
「セドナオレンジ」、「ビビッドブラック」、「デニムブラック」で、価格は218万円(税込)と前年から11.8万円の大幅な値下げとなった。
ちなみに基本コンポーネントを共用して全体を「ブリリアントシルバーパール」で仕上げた10周年アニバーサリーモデルは、224.1万円(税込)で展開された。

買替や売る際の買取査定は2012年式 VRSCDX ナイトロッドスペシャルの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月28日

フロントに倒立フォークを装備して軽量アルミスポークホイールを与えられた「ナイトロッドスペシャル」は、ハンドルバーとフットコントロールのポジションも見直されたことで操作性と走行性能が大幅にアップ。
2013年モデルでは、各部のリニューアルを受けた直後ということもあってか、大きな仕様変更は無くカラーチェンジを実施している。
カラーバリエーションは引き続き3パターンで展開。「ビビッドブラック」、「ブラックデニム」、「エンバーレッドサングロ」が用意され価格は218万円(税込)に据え置かれている。
ナイトロッドスペシャルの価格だが、直近2年間で大幅な値下げが実施されており、デビュー時2007年モデルの222万円(税込)よりもリーズナブルな設定となっている。
パワートレインには、漆黒に染められた1,246㏄の水冷VツインRevolutionを採用する。最大トルクは7,000回転105Nmというスペックで前年から変更はない。
同じ「V-ROD」ファミリーの「VRSCF V-Rod マッスル」も同スペックエンジンを搭載し、重量も307kgと同じだ。
ただ、全長は本モデルが2,440mmで30mmロング。ホイールベースも5mmだけ長い。
そしてシート高は、本モデルが675mmのところ「VRSCF」は705mmとなる。
両モデルともリアタイヤに240mmの極太サイズを採用している点は共通ディテールとなる。
なお、今回の2013年モデルではソフテイルファミリーにロー&ロングのドラッグレーサースタイルで240mmのワイドタイヤをリアに収める「FXSB ブレイクアウト」が登場した。

買替や売る際の買取査定は2013年式 VRSCDX ナイトロッドスペシャルの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月28日

OHV空冷ロングストローク構造のビッグツインとはフィーリングが全く別物のショートストローク水冷Revolutionを搭載する「V-ROD」ファミリー。2014年モデルも引き続き2車種でラインアップを継続となった。
ダークテイストなドラッグレーサースタイルの「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」の2014年式はカラーバリエーションの増強に加えて、ディメンジョンに変化が見られる。
重量がこれまでの307kgから5kg軽くなり302kgとなっている。
マシンの心臓部はボア・ストロークが105mm×72mmのRevolutionエンジン1,246ccで、スペックは7,000回転105Nmという最大トルク特性で、前年同様となる。
ちなみに「スポーツスター」ファミリーに搭載されている空冷Evolutionは、ボア・ストロークが88.9mm×96.8mmのロングストローク1,201㏄構造で、最大トルクは3,750回転87Nmというスペック。鼓動感を楽しみながら低回転域のトルクフルなフィーリングが特徴的だ。テイストが全く異なる「V-ROD」だが、都会的で洗練されたデザインと暴力的な加速と吹け上がりは一定数のファンを獲得している。
カラーラインアップは、前年の3パターンから4パターンへとバリエーションが増やされている。「ブラックデニム」、「キャンディーオレンジ」、「サンドモカデニム」、「ビビッドブラック」で、価格は215万円(税込)。3万円の値下げとなった。2011年以降、毎年の様に値下げを実施している状況だ。
なお、国内向けは2008年から標準で装備されているABSだが、本国モデルは前年までオプション扱いだった。それが、この2014年モデルから標準装備となっている。

買替や売る際の買取査定は2014年式 VRSCDX ナイトロッドスペシャルの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月28日

2007年のデビュー以降、ラインアップから姿を消すことなく継続している「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」だが、今となっては水冷エンジンがアイデンティティとなる「V-ROD」ファミリーの顔的存在へと成長している。
2014年ラインアップでは「PROJECT RUSHMORE」のもと、ツーリングファミリーのウルトラシリーズに水冷機構を組み合わせたツインクールドシステムが採用された。
そして今回の2015年モデルでは、750ccの水冷エンジンRevolutionXを搭載する「XG750 ストリート」が登場。
ハーレーのラインアップにも水冷システムの存在感が大きくなりつつある。
その中で「VRSCDX ナイトロッドスペシャル」は、2015年モデルでカラーチェンジが行われた。カラーバリエーションは前年と同じく4パターンで展開。
「ビビッドブラック」が215万円(税込)で据え置き価格。「ディープジェイドパール」、「スーペリアブルー」、「ブラックデニム」は、3.5万円の値上げとなり218.5万円(税込)に設定された。
また、足元に履くスプリット5スポークキャストアルミホイールだが、リム部分に配されるストライプラインは、全カラーでオレンジタイプに統一された。
マシンの心臓部は排気量1,246㏄の水冷Revolutionで続投。最大トルクは、7,000回転105Nmというスペックから変更はない。フロント倒立フォークにブレンボ製トリプルディスクブレーキとABSで足回りを固め優れた直進安定性と制動力を備えている。

買替や売る際の買取査定は2015年式 VRSCDX ナイトロッドスペシャルの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月28日