2018年モデルでダイナファミリーがソフテイルファミリーに吸収されることになったタイミングで、いくつかのモデルは1,745㏄と1,868ccエンジンの2グレード構成でラインアップされた。「FXFB/S ファットボブ」、「FLFB/S ファットボーイ」、「FXBR/S ブレイクアウト」、「FLHC/S ヘリテイジ クラシック」といった展開の仕方である。通常タイプと「S」タイプの違いは排気量やカラーラインアップなどで、基本的なディテールはほとんど同じだった。
しかし2020年モデルでは、その流れと全く異なる仕方でニューカマーが登場。
それが、本モデル「FXLRS ローライダーSである。2018年にソフテイルフレームを採用したローライダーは、1,745ccの「FXLR」のみで展開されてきたが、このタイミングで1,868ccエンジンを与えられた「S」タイプが加えられた。
「ローライダーS」と言えば、かつて2016~17年モデルで展開された「Sシリーズ」が記憶に新しい。車体の大部分をブラックアウトしたダークカスタムのボディにスクリーミンイーグル製エンジンと剥き出し型エアクリーナー、スピードスクリーンにソロシートと攻撃的なスタイルのハイスペックマシン。ベースモデルのローライダーとは似ても似つかないスタイリングだった。
今回デビューした新生「ローライダーS」もそのコンセプトを踏襲する形で登場している。通常モデルの「FXLR ローライダー」との違いは、排気量のみならず足回り構造やカラーリングなど多岐にわたり異なっている。
車体はカーボンスチール製のソフテイルフレームで、パワートレインはMilwaukee Eight 114を搭載。2020年モデルは3,000回転155Nmというスペックで登場。
Milwaukee Eight 107の「FXLR ローライダー」は、145Nmという仕様なのでパワー差は歴然だ。
そのハイパワービッグツインをコントロールする足回りは、通常モデルがフロントに49mmのSHOWA製デュアルベンディングバルブフォークを装備するのに対して、本モデルは43mmの倒立フォークをセット。レイク角は30度で「FXLR ローライダー」より2度起こした設定。軽快なハンドリングと優れた路面追従性を実現している。
ホイールはダークブロンズの19インチアルミキャストタイプを装着。そして、ブレーキはデュアルディスク仕様にアップグレード。
リアは、シート下に調整機構付きのモノショックをセットしてリジットスタイルのリア周りを演出。ブロック型テールライトのレンズはスモーク仕様でダークな印象に仕上げられている。ABSは標準装備だ。
スタイリング面では、LEDヘッドライトにスピードスクリーンを組合せ、4インチライザーに1インチのハンドルバーをセット。プルバックハンドルを採用する通常モデルと異なりアグレッシブなライディングポジションを創り上げる。
外観デザインは、エンジン本体やエキゾーストパイプ、フロントフォーク、ミラーといった細部に至るまでブラックアウトし、ダークなイメージを強調。
タンクコンソールもブラックの専用デザインとなり、スピード&タコの2連メーターを縦型にレイアウト。
ソフテイルファミリーの中でもひと際、走行スペックを重視した創り込みで登場した「FXLRS ローライダーS」の2020年モデルは、「ビビッドブラック」が244万900円(税込)で展開。
翌年には出力特性の変更とカラーチェンジが行われ、価格は5.5万円値上がりし249万5,900円に設定。この2021年式がMilwaukee Eight 114世代の最終仕様となって、2022年にはMilwaukee Eight 117を与えられて世代交代となった。

買替や売る際の買取査定は、2020~21年式 FXLRS ローライダーSの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月09日

2016~17年に展開された「Sシリーズ」のメンバーだった「ローライダーS」の名が2020年モデルに登場。
既にデビューしているソフテイルファミリーの新生ローライダー「FXLR」の上級グレードというポジションだが、エンジンが異なるだけでなく足回りを含め各部が走行性能を追求した仕様へアップグレードされている。
パワーユニットには、1,868ccのMilwaukee Eight 114を搭載。最大トルクは3,000回転155Nmというスペック。ちなみに先代モデルと言える2017年式「FXDLS ローライダーS」は、1,801㏄のスクリーミンイーグル製Twin Cam 110エンジンで、3,502回転143Nmを発揮していた。
3年ぶりに新型フレームとニューエンジンを与えられて帰ってきた「ローライダーS」は、より低回転側で強烈なトルクを発揮するモンスターマシンへと進化している。
足回りは、フロントに倒立フォークをセットしてレイク角をスタンダードモデルより2度起こした28度に設定。ホイールは9本スポークデザインの19インチで、サイズは「FXLR ローライダー」と同じ。ただ、ブレーキはダブルディスクに強化されている。
リアは17インチホイールにシングルディスクと2ピストンキャリパーという構成。
手元は、4インチライザーに1インチのモトクロススタイルハンドルバーをセット。ヘッドライトにはバイザーではなくスピードスクリーンを装着する。
スタイリング面ではエンジンやマフラー、フロントフォークといった各部はブラックアウトされたダークカスタム仕様。
ボディカラーは先代モデルでブラックのみだったところ、2020年式の新生ローライダーS「FXLRS」は、2カラーバリエーションで展開。
「ビビッドブラック」が244万990円(税込)で、「バラクーダシルバー」は248万3,800円(税込)で発売された。

買替や売る際の買取査定は、2020年式 FXLRS ローライダーSの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月09日

前年モデルから異なる排気量の2グレード構成でラインアップとなった「ローライダー」だが、2021年モデルでは「FXLR ローライダー」の姿は無く、上位グレードに位置する本モデル「FXLRS ローライダーS」のみで展開。以下のアップデートが施されている。

・出力特性変更
・カラーチェンジ

パワートレインには、1,868ccのMilwaukee Eight 114ユニットを搭載。最大トルクは3,250回転で155Nmを発揮。前年モデルもピークトルクは155Nmと同スペックだったが、発生するタイミングは3,000回転と、今年度よりも低回転側だった。
なお、2021年モデルのソフテイルファミリーでMilwaukee Eight 114を採用するのは、全10車種のうち6モデルとなる。その中で最も軽量なマシンが、今年度のニューカマー「FXBB ストリートボブ 114」の297kgだ。対する本モデルは308kgある。
ただ、走行性能を単純に重量だけで比較することはできない。「FXLR ローライダーS」は、300mmダブルディスクブレーキをフロントに装備することで、一歩リードしたスペックを誇っているわけだ。
ちなみにフロントフォークは43mmの倒立タイプとなるが、「FXBS ファットボブ114」も倒立仕様。そして、Milwaukee Eight 107モデルでは「FLSB スポーツグライド」も倒立フォークを装備している。
デビュー2年目となった2021年モデルは、ニューカラーの「ミッドナイトクリムゾン」を253万8,800円(税込)で展開。「ビビッドブラック」は、249万5,900円(税込)。いずれのカラーも前年から5.5万円(税込)の値上げとなった。
なおMilwaukee Eight 114を搭載する「FXLRS ローライダーS」は、この2021年モデルが最終仕様となり、2022年からはさらに排気量を拡大した1,923ccのMilwaukee Eight 117を与えられ次世代へと進化した。

買替や売る際の買取査定は、2021年式 FXLRS ローライダーSの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月09日