ハーレー・ダビッドソン創業メンバーの家計に属するウィリーGによってプロデュースされて1977年に登場した「ローライダー」は、時代の流れに沿って進化を続けてきたロングセラーモデルである。2018年モデルからは、リヤにツインショックをセットする「ダイナ」フレームから「ソフテイル」フレームに変更され世代交代が行われている。
この「ローライダー」シリーズの中でもハイスペックなマシンとして過去に登場した1台が、2016~17年に展開された「FXDLS ローライダーS」だろう。剥き出し型エアクリーナーをセットするスクリーミンイーグル製のTwin Cam 110エンジンを搭載して登場したスパルタンなマシンだった。
その「ローライダーS」が、2020年モデルで復活。シングルカム8バルブ構造の新世代エンジンMilwaukee Eightを搭載して新たなデビューを飾ったのだ。それから3年の歳月が経過すること2022年モデルで大きなアップデートを実施。以下の内容で仕様変更が行われた。

・Milwaukee Eight 117エンジン搭載
・メーター仕様変更
・カラーチェンジ

車体はシンプルなリヤ周りの造形が美しいソフテイルフレームを採用し、心臓部にはボア・ストロークが103.5mm×114.3mmの1,923cc空冷Milwaukee Eight 117エンジンへアップグレード。従来の1,868ccユニットから排気量アップでモアパワーを手に入れている。最大トルクは、従来の3,000回転155Nmというスペックから3,500回転168Nmまで向上。重量は308kgから変わっていないので、従来からの暴力的な加速性能はさらに進化している。
足回りは、フロントにシングルカートリッジ構造の43mmの倒立フォークをセット。そこにダークブロンズ仕上げの19インチアルミキャストホイールを組合せる。リヤはリジットスタイルを演出するモノショックを装着して16インチアルミを履く。
ブレーキはフロントに固定式4ピストンキャリパーとリヤはフローティング仕様の2ピストンタイプをセットする。
全体的なフォルムはフロントにスピードスクリーンを装着してソロ仕様のガンファイターシートを採用するスポーティなスタイルを継承する。ただ、大きな変更ポイントは従来モデルでタンクコンソールにインストールされていたメーターは、4インチサイズのアナログタイプをハンドルバー部分に移設された。この変更によりタンク周りがスッキリとしてシャープなボディラインが形成された。
比較対象モデルとしては、時を同じくしてデビューした「FXLRST ローライダーST」が台頭する。パワーユニットは、同じくMilwaukee Eight 117を搭載するが、フレームマウントのフェアリングとサドルバッグを純正装備するツーリング時の快適性を兼ね備えたマシンだ。1980年代後半の「FXRT」を彷彿とさせるネオレトロな「ローライダー」である。
なおエンジンリニューアルで次世代へとアップデートされた「FXLRS ローライダーS」の2022年式は、「ビビッドブラック」が281万8,200円(税込)で登場。翌2023年式では、カラーチェンジが行われてラインアップを継続している。

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解説記事更新日：2023年06月16日

スピードスクリーンにガンファイターシートを組み合わせてクラブスタイルの「ローライダー S」は、ソフテイルフレームを与えられてから3年目となる2022年モデルでパワートレインのリニューアルを受けた。
これまでの1,868cc空冷Milwaukee Eight 114エンジンから排気量を1,923ccまで拡大したMilwaukee Eight 117ユニットを与えられたのだ。ちなみに2022年モデルで1,923ccビッグツインを与えられたマシンは、本モデルの他にニューモデルの「FXLRST ローライダーST」と「ツーリング」シリーズの「FLHXST ストリートグライドST」、「FLTRXST ロードグライドST」の3マシン。いずれのモデルも主要部分をブラックアウトした車体にソロシート、フロントフェアリングという走りを重視するスタイリングを採用する。
あらたに採用された本モデルの心臓部、Milwaukee Eight 117エンジンは3,500回転で168Nmの最大トルクに達する。重量は308kgで、2022年式の1,923㏄モデルの中で最も軽い。
装備面では、従来までタンクコンソールにセットされていたメーターがハンドルバーに移設。スピードメーターはデジタル仕様で回転計はアナログという組みあわせ。視認性も良く少ない目線移動でマシンのコンディションが確認可能となった。
新たなエンジンで世代交代となったスパルタンな2022年式「FXLRS ロードグライドS」は、「ビビッドブラック」が281万8,200円(税込)。先代モデルから32万2,300円の値上げとなる。ニューカラーの「ガンシップグレー」は、286万3,300円(税込)。こちらは32万4,500円の値上げが行われた。

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解説記事更新日：2023年06月16日

2023年の「ソフテイル」シリーズには、「ローライダー」系にとって同エンジンを搭載する強力なライバルが現れた。それが、2021年モデル以降は姿を消していた「FXBR ブレイクアウト」である。フロント21インチの大径ホイールにリアに18インチホイールと240mmのファットタイヤをセットする迫力のドラッグレーサースタイルだ。そしてマシン各部にはクロームパーツを散りばめることで本モデルとは対照的な煌びやかなオーラを放つ。
重量は310kgで本モデルより2kg重いだけだが、ホイールベースは1,695mmで80mmもロングな車体。走行シーンやスタイルの好みによって、どちらがマッチするかはライダー次第だ。
なお2023年式の「FXLRS ローライダーS」は、カラーチェンジを受けて継続となる。スタンダードカラーの「ビビッドブラック」は、290万1,800円(税込)。前年比で8万3,600円の値上がり。ニューカラーの「ホワイトサンドパール」は295万6,800円(税込)で、9万3,500円アップとなった。
パワートレインには、ボア・ストロークが103.5mm×114.3mmの1,923cc空冷Milwaukee Eight 117 を搭載。最大トルクは、3,500回転で168Nmというスペック。最高出力は5,020回転105馬力という仕様。前年にデビューしたサドルバッグとフロントフェアリングを装着する「FXLRST ローライダーST」も同スペックエンジンを搭載。計器類は本モデルとは異なりハンドルライザー部分に2.14インチのコンパクトな液晶ディスプレイで表示するというスタイル。「ビビッドブラック」は307万7,800円で約17万円の価格差があるが、ツーリングや高速道路移動が多いのであれば「FXLRST」も有力候補になるだろう。

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解説記事更新日：2023年06月16日

「ソフテイル」シリーズの中で、ハイスペックスポーティクルーザーとしてのポジションを確立しつつある「FXLRS ローライダー S」。2024年ラインアップでは、ツーリング装備をセットして快適性を重視した兄弟モデル「FXLRST ローライダーST」に「エンスージアストコレクション」が設定された。特別カラー「タバコフェード」を採用する限定マシンで、日本向けは172台が割り当てられていた。
なお本モデルに関しては、カラーチェンジを受けてラインアップを継続となる。展開されたカラーバリエーションと国内向け価格は以下の通り。

・「ビビッドブラック」　298万8,700円(税込)
・新色「ビリヤードグレー」　294万5,800円(税込)
・新色「レッドロック」　300万300円(税込)
・新色「シャークスキンブルー」　300万9,600円(税込)

タンクサイドに配される「Harley Davidson」グラフィックは従来通りのデザイン。またボディカラーに関わらず、フロント19インチ・リヤ16インチのアルミキャストホイールはダークブロンズカラーを採用する。ちなみに2023年式のカラーラインアップは2タイプのみだったので、2024年式はバリエーションが倍増したことになる。価格はベーシックカラーの「ビビッドブラック」が、前年比で8万6,900円の値上がりとなった。
カラーリング変更の他に目立ったアップデートは実施されておらず、日本仕様の主要諸元は変わっていない。
ヘビーブリーザーエアクリーナーを装着するブラックアウトされた心臓部は、1,923ccの「Milwaukee Eight 117」ユニット。最高出力は5,020回転で105馬力を発生する。最大トルクは、3,500回転168Nmというスペック。デュアルエキゾーストパイプもブラックアウトしてダークな印象だ。
操舵系統はライザーにセットされたモトハンドルバーやソロシートがアグレッシブなマシンキャラクターを表現している。

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解説記事更新日：2024年03月16日