2000年代半ばの原付2種クラススクーターカテゴリでは、「スペイシー100」や「スペイシー125」を展開していたホンダだが、いずれのマシンも時を追うごとに厳しさを増す環境規制に対応することは無く生産終了に追い込まれることに。
そこで、このカテゴリのニーズを埋め合わせるべくホンダが取った手法が、2006年より中国で展開していたスクーター「SCR110」を国内規制に対応させた形で正規輸入するという策。モデル名を「リード110」として2008年1月から国内展開したのだ。
2001年モデル以降ラインアップから姿を消していた「リード100」以来のモデル名復活となる。
車体はアンダーボーン型フレームにフューエルインジェクション仕様の水冷4ストロークOHC単気筒エンジンを搭載。ボア・ストロークが、50.0mm×55.0mmのロングストローク107ccユニットとなる。インジェクション仕様とすることで環境性を高めるとともにシーズンを問わず安定した始動性能を実現している。さらにキャタライザーをエキゾーストに内蔵することで平成19年の排ガス規制に適合。
最高出力は7,500回転で9馬力というスペック。重量は114kgとなる。
足回りは、フロントにテレスコピックフォークと12インチホイールを組みわせてディスクブレーキを装備する。リアはユニットスイング式に10インチホイールとドラムブレーキというスペック。ちなみにブレーキは前後連動仕様なので安定した制動力を発揮する。
ライバルモデルとしては、ヤマハの「シグナスX」が比較対象になるだろう。122kgの車体に11馬力を発揮する空冷124㏄エンジンを搭載。シート高は785mmで本モデルより45mm高い。ホイールベースは、1,295mmで本モデルより20mmロングとなる。パワー重視なら「シグナスX」で、取り回し性重視なら「リード110」といったところだろう。
「リード110」のユーティリティー面は、シート下に35Lの大容量トランクスペースを確保。B4サイズのバッグも収納可能だ。シート後部にはアルミ製大型キャリアも装備されている。
デビュー後の「リード110」は、翌2009年モデルでカラーチェンジとスペシャルカラーを展開したのを最後に生産終了となった。後継モデルは2010年に登場した「リードEX」でコンビブレーキシステムに新たに3ポットのフロントブレーキキャリパーを採用しサイドスタンドの戻し忘れを検知するインヒビタースイッチを内蔵するなどのアップデートが実施された。
売る際のリセールバリューだが、マーケットの厚い125ccスクーターとあって堅調だ。ただし競争が激しく競合車が次々に投入される市場だけに生産終了から10年近くなってくると国内での再販価値の低下に伴い買取査定額も下がっていく傾向にある。10年を経過しても海外需要がある車種は底値は堅持されるが、もし売却を検討しているのであれば早めに売るのが正解であろう！

解説記事更新日：2022年07月16日

新登場となった2008年モデルのLEAD110
110cc化されたJF19E型の水冷 4ストロークOHC単気筒エンジンの最高出力は7,500回転で9馬力を発揮。
車両重量は114kg。
08年モデルのカラー展開
・キャンディールーシッドレッド
・ボスグレーメタリック
・ブラック
・スマートブルーメタリック
・パールシルキーホワイト
となっており、カラーによる価格差は無く新車販売価格は26万円（税抜）だった。

解説記事更新日：2021年10月05日

2009年モデルでの変更点はカラーチェンジで、新たにブレイシングブルーメタリックとアドバンスドオレンジメタリックを追加、既存のパールシルキーホワイト ・ブラックとボスグレーメタリック に合わせて計4色となった。
さらに同時に車体色をオニキスブルーメタリックに、フロントロアカバーからアンダーカバーにかけてクリーンシルバーメタリックを設定したツートーンスペシャルカラーモデルも発売している。
新車販売価格は標準モデル、スペシャルカラーモデル共に先代モデルから据え置きの26万円だった。

解説記事更新日：2021年10月05日

リード110の最終2010年モデル。先代モデルからの値下げと共に車種名の後ろにEXが付いた。
最終モデルとなった2010年モデルでは値下がりがあったもののスペックは変わらず、コンビブレーキシステムに新たに3ポットのフロントブレーキキャリパーを採用。また、サイドスタンドの戻し忘れを検知するインヒビタースイッチを内蔵した。
カラーバリエーションは新色としてコスミックシルバーメタリック、キャンディーバリュアブルレッド、パールコーンイエローの3色を新たに追加、既存のブラックとパールシルキーホワイトとあわせ計5色となった。また、ホイール、リアキャリアはバーニアグレーメタリックに変更されている。
新車販売価格は先代モデルより2.2万円値下がりした23.8万円だった。

解説記事更新日：2021年10月05日