ホンダの400㏄クラスアメリカンクルーザーと言えば、1980年代終盤から2000年初頭まで販売されたロングセラーモデル「スティード」のイメージが根強いだろう。カスタムベースにも多くの支持を集めたシリーズだが、ホンダはテイストが異なったクルーザーも展開していた。それが、1997年3月に発売された「シャドウ400」である。兄弟モデルとして「シャドウ750」も同時デビューしている。
スタイリングの特徴は、ロング&ローのアメリカンスタイルを踏襲しながら水平レイアウトのティアドロップ型タンクにボリューミーなディープフェンダーをフロント・リアに採用することでクラシカルな雰囲気を演出している点だ。
車体はダブルクレードル型フレームにOHC3バルブの水冷4サイクルV型2気筒エンジンをマウント。「スティード」に採用されていたユニットをベースにしているが、吸排気系のセッティングを変更しワイドレシオのギアミッション仕様とすることで出力特性や走行フィーリングは異なる。デビューモデルの最高出力は、7,500回転で33馬力を発揮。最大トルクは、5,500回転で3.5kgmというスペックだ。トランスミッションは5速リターン式で、乾燥重量は225kgだった。
ライバルモデルとしては、既に1996年から販売されていたカワサキの「バルカン400 クラシック」が比較対象になるだろう。234kgの車体に本モデルと同じ33馬力仕様のOHC4バルブ水冷Vツインエンジンをしていた。シート高は705mmで本モデルより10mm高い。パワー面や足つき性の良さは「シャドウ400」が優れていた。ただ、ホイールベースは「バルカン400クラシック」が1,605mmに対して本モデルは1,625mmと長かった。
デビュー以降の、「シャドウ400」はデザイン面や装備面での小変更は施されたが大きな仕様変更は実施されずカラーチェンジを繰り返しながら2008年モデルまで展開されて生産終了となった。

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解説記事更新日：2022年03月27日

1997年登場モデルの特徴は以下の通り。
・水平基調にレイアウトされたティアドロップ型燃料タンクやシートを装備した「ロング＆ロー」スタイル
・「スティード400」にも採用されていた水冷4ストロークV型2気筒エンジンをベースに、吸排気系を変更して出力向上しワイドレシオの5段ギアミッションを採用
・「2 in 1」イメージの特徴的なマフラーは、エキゾーストパイプの等長化により低中速～高速域までフラット且つトルクフルな出力特性を実現
・ヘッドライトケースを始め、各部にクロームメッキを施し重厚感のあるクラシックなスタイルを表現している
・カラーは「パールソノマグリーン×パールアイボリークリーム」、「マグナレッド×ブラック」の2色ラインナップ

解説記事更新日：2021年10月04日

1998年モデルの変更点は以下の通り。
・カラーを追加
・新色であるブラック×ブラウンのツートンカラーを追加し、「パールソノマグリーン×パールアイボリークリーム」、「マグナレッド×ブラック」との3色ラインナップになる
・価格は変更なし

解説記事更新日：2021年10月04日

1999年モデルの変更点は以下の通り。
・通常モデルのカラーチェンジ、特別モデルの発売
・全て新色で「パールグレートブルー×パールアイボリークリーム」、「ブラック Z」、「マットビュレットシルバー」の3色ラインナップ
・「ブラック Z」は従来のブラックと比較して色調と彩度をさらに向上させた高品質なブラック塗装
・「マットビュレットシルバー」は艶消しイメージのカラーリング
・価格は変更なし
・また、特別モデル「シャドウ400 special」を発売
・カラーは「インディーグレーメタリック」の1色ラインナップ
・「シャドウ400」をベースに新形状のシートを採用し、シート高を(695mm → 685mm)、着座位置を後方へ52mm変更
・さらにハンドルをプルバックタイプへと変更しライダー側に59mm近づけ、全体的によりゆとりのあるライディングポジションを実現している
・その他にも前後フェンダーの形状変更、 ヘッドライトの小径化、 燃料タンクに専用のエンブレムを採用するなど特別感のあるモデルとなっている
・価格は通常モデルと同じ62.9万円

解説記事更新日：2021年10月04日

2001年モデルの変更点は以下の通り。
・マイナーチェンジを行う (型式BC-NC34に変更)
・排ガス規制に対応するため、排ガス浄化システムにエアインジェクションシステム(二次空気導入装置)を採用
・また、新形状のシートを採用し、シート高を従来の695mm → 675mmへと20mm低く設定している
・その他、盗難抑止装置であるイモビアラーム用の配線を装備している
・カラーは「インディグレーメタリック×パールクリスタルホワイト」、「ブラック」の2色ラインナップ
・価格は65.9万円

解説記事更新日：2021年10月04日

2003年モデルの変更点は以下の通り。
・カラーチェンジを行う
・カラーは新色「ブーンシルバーメタリック」、新色「パールコロナドブルー」、継続カラー「ブラック」の3色ラインナップ
・「ブーンシルバーメタリック」はブラックのセンターストライプを採用
・価格は変更なし

解説記事更新日：2021年10月04日

2004年モデルの変更点は以下の通り。
・マイナーチェンジを行う
・新たにステップボードの採用、シーソー式チェンジペダルへの変更、Honda独自の盗難抑止機構H・I・S・S（Honda Ignition Security System）の標準装備により、ゆとりのあるライディングポジションや盗難抑止効果を向上させている
・また新たにキャブレタースロットルセンサーを採用し、全回転域での迅速なスロットルレスポンスが可能となっている
・カラーは「ブラック」、「インディグレーメタリック」、「パールクリスタルホワイト」の3色ラインナップ
・燃料タンクや前後フェンダーにはピンストライプが採用されている
・価格は67.9万円

解説記事更新日：2021年10月04日

2005年モデルの変更点は以下の通り。
・カラーチェンジを行う
・カラーは「ブラック」、「パールクリスタルホワイト」、「デジタルシルバーメタリック」の3色ラインナップ
・燃料タンクには新たに「SPIRIT OF THE PHOENIX」の立体エンブレムを採用している
・価格は71.4万円

解説記事更新日：2021年10月04日

2006年モデルの変更点は以下の通り。
・カラーチェンジを行う
・カラーは「グラファイトブラック」、「クラシカルホワイト」、「リーガルグリーンメタリック」の全て新色となる3色ラインナップ
・また、各カラー燃料タンクにはグラデーショングラフィックが採用されている
・価格は変更なし

解説記事更新日：2021年10月04日

2007年モデルの変更点は以下の通り。
・カラーチェンジを行う
・カラーは「シャスタホワイト」、「キャンディーワインベリーレッド」、「グラファイトブラック」の3色ラインナップ
・各カラー、グラデーショングラフィックも継続して採用されている
・価格は変更なし

解説記事更新日：2021年10月04日

2008年モデルの変更点は以下の通り。
・通常モデルのカラーチェンジ、最終モデルとなる受注期間限定(500台限定)の特別仕様車を発売
・通常モデルは「パールコスミックブラック」、「パールサンビームホワイト」、「パールヘロンブルー」の3色ラインナップ
・各カラー燃料タンクには「Shadow」の立体エンブレムとストライプ、メーターパネルにはフェニックスマーク (開発指針である「SPIRIT OF THE PHOENIX」に由来) が施されている
・通常モデル価格は72.4万円
・また、最終モデルとなる受注期間限定(500台限定)の「スペシャルエディション」も発売
・カラーは「グラファイトブラック」の1色ラインナップ
・燃料タンクや前後フェンダーなどにゴールド＆ブラックのグラフィックパターンが施され、さらに重厚で高級感溢れるモデルとなっている
・スペシャルエディションの価格は75.6万円
・このスペシャルエディションを最後に「シャドウクラシック400」へとモデルチェンジされていった。

解説記事更新日：2021年10月04日