国産50ccレジャーバイクと言えば、ホンダ「モンキー」の名が挙がるだろう。そのルーツは1960年代まで遡ることになる。もともと東京でホンダが運営していた遊園地「多摩テック」内のキッズ向け遊具として採用されていたマシン(Z100)が初代モデルに当たる。
スーパーカブ譲りの50ccエンジンに前後リジットサスと5インチホイールを組み合わせたコンパクトなマシンだった。そして、世間の要望にこたえる形で公道モデルを開発。まずは海外仕様が展開され、その後、1967年3月に国内向けモデルZ50Mが6.3万円で発売されたのだ。
デビュー時のメカニカル機構は、C50型「スーパーカブ」に搭載されていた4ストロークOHCエンジンをベースに自動遠心クラッチ仕様の3段ミッションという構造。ちなみに最高出力は2.5馬力だった。レジャーバイクというキャラクターにマッチした6インチの小径ホイールを前後に装着し、ハンドルは折り畳み式で車に積み込んで目的地で降ろして乗るという使い方が可能だった。コンパクト設計により僅か47kgという乾燥重量を実現。
以降は、1969年に最初のフルモデルチェンジを実施しZ50A型がデビュー。タイヤサイズは8インチへ大径化され最高出力も2.6馬力へアップ。また足回りは、フロントにテレスコピックフォークを装備するという本格的スペックへと進化した。
そして翌年には、このZ50A型をベースにフロント足回りとボディ部分を簡単操作で分離させられるZ50Z型が登場。ホンダとしては、セパレートタイプのモンキーということで展開した。専用レバーを持ち上げフロント部分を回転させるとフォーク部分が脱着できる仕組みになっており従来モデルよりもコンパクト化できるので、Z50A型を積み込めなかったような小型自動車にも積載可能という点がアピールポイントとなっていた。
なお、従来モデルのZ50Aも併売されていたので、1970年代初頭の「モンキー」は2タイプ構成という展開だった。
その後は、1974年にZ50J型へフルモデルチェンジを実施。リアサスペンションは従来までのリジット構造からスイングアームにツインショックという組みわせにアップデートされ、乗り心地が飛躍的に向上。燃料タンクも2.5Lから4Lへ拡大。レジャーバイクというカテゴリの枠を超えて日常ユースにも十分使えるマシンへと成長していた。
以降は、大型燃料タンクを装備した兄弟モデル「ゴリラ」の展開や限定モデルの設定、排ガス規制への対応など仕様変更を繰り返しなが国民的ロングセラーモデルへと成長。
その歴史の中で他メーカーからライバルモデルも登場していた。ヤマハからは1980年に2ストエンジンを搭載したレジャーバイク「ポッケ」が登場。52kgの車体に3馬力エンジンを搭載し前後6インチタイヤを履いていた。対する本モデルは63kgの車体に2.6馬力エンジンで8インチタイヤを履いていた。スペック的には劣るが、カスタムパーツの多さや親しみやすいデザインのウケが良く人気争いではリードしていた。
なお、「モンキー」は2009年に当時の排ガス規制に適合するためにフルモデルチェンジを行い燃料供給方式をフューエルインジェクションへ変更。さらにエキマニ内に三元触媒も内蔵した。AB27型へと進化した「モンキー」は限定モデルの設定やカラーチェンジを繰り返しながら2017年に50thアニバーサリーモデルを発売。これが最終仕様となり半世紀に及ぶ長いモデルライフに終止符が打たれた。

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解説記事更新日：2022年05月20日

1969年7月に発売された国内モンキーとしては2代目となるZ50A型。
海外販売モデルであるオフロード仕様モンキーZ50A K1をベースに、オンロード仕様に変更を施し発売された本車。ちなみに海外モデルはブロックパターンタイヤにツートーンカラーの燃料タンクを装備しているので外観にはっきりと違いがあった。
特徴的なのはやはり折りたたみ式のハンドルとステップだった。駐車スペースを気にすることなく、車に積載可能なレジャーバイクとして売り出されつつ、同時に会社や工場内の素早い業務連絡用としても宣伝されており、携帯電話が普及していなかった時代ならではの極めて実用性を求めたバイクだったとも言えるだろう。翌’70年には車体にセパレート式を採用したZ50Z型にモデルチェンジを行なっている。
新車販売価格は6.3万円だった。
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解説記事更新日：2021年05月31日

1970年4月に先代モデルのZ50A型からモデルチェンジを行い発売された’70年モデルのMonkey Z50Z（フレーム型式は69年モデルと同じくZ50Aである）。
バイクをセパレートするというメカニックのような行程を「メカにうるさい奴ほど好む」というキャッチコピーで表して登場し、先代モデルから折り畳みが可能でコンパクトが売りだったモンキーだが、本モデルではフロント部分を同ホンダのDAXと共有。ボディを別離可能としたセパレートタイプに変更し、車への積載がさらに簡単になった。
併売された兄弟車である1969年モデル Z50Aと共にヴィンテージモンキーと呼ばれており、状態が良い車両は高価買取も期待できます！売却をお考えなら買取査定は1970年モデルZ50Z Monkey の価値に精通しているバイクパッションまで！

解説記事更新日：2021年05月31日

1974年2月に先代のZ50Z型からフルモデルチェンジを行い発売された’74年モデル Monkey Z50J。
通称「4Lモンキー」と呼ばれ、シリーズでは3代目と呼ばれる本車。台形の4L燃料タンク(愛称はおむすびタンク)を搭載、フレームは従来のリジッドからSHOWAのスイングアーム式に変更された。また、ブロックパターンタイヤとリヤキャリアを標準装備、当時国内では高度経済成長期を迎え、趣味としてレジャーを楽しむユーザーが激増したことから人気も急上昇した。
新車販売価格は7.9万円で先代のZ50Z型から1.6万円高となった。
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解説記事更新日：2021年05月31日

1975年5月にマイナーモデルチェンジを行い発売された’75年モデルのMonkey Z50J。
新たにキャブレターの設定を変更、また、靴の甲が傷つくというユーザーの意見からチェンジペダルをシーソー式に変更。外観ではボディカラーの他、エキゾーストプロテクターをブラックに変更した。
元々北米で大ヒットしたトレールモデルのZ50A（北米向け輸出モデル：ミニトレール）をベースとしている本車。子供から大人まで「モンキー史上最も中毒者を生み出したモデル」と称され、後継モデルのZ50Jはまさに鳴り物入りの登場。それ故に国内でも早く、そして広く認知されたモデルとなった。
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解説記事更新日：2021年05月31日

1978年8月にマイナーモデルチェンジを受けて発売された’78年モデル Monkey Z50J。
従来までのトレイル風から、アメリカン風に外観を一新。燃料タンクは4L→5Lへ大容量化、その形も先代の台形おむすびタンクから特徴的なティアドロップ型に変更された。また、シートやリアキャリア、マフラーガードに加えウインカーにヘッドライトなど全体的に変更した。
新車販売価格は先代から約2万円高の10万円となった。
このモンキーまでは電装が6Vだったことから通称「6Vモンキー」と呼ばれた本車。同時に兄弟車としてゴリラが発売、後に類人猿シリーズと呼ばれる3台(モンキー、ゴリラ、エイプ)の内、2台がラインアップされた。
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解説記事更新日：2021年05月31日

1979年1月にモンキーシリーズ初のスペシャルモデルとして発売されたMonkey Limited Edition。
燃料タンク、サイドカバー、前後フェンダー、ミラーにライトケース、フロントフォークアウター、マフラー、さらにはフレームやスイングアーム、チェーンケース、ホーンまで、ここぞとばかりにメッキ加工を施して発売された眩しく光る本車。スタンダードモデルと同様にフットペダルのみでギアを操作する自動遠心3速と通常のマニュアルクラッチ4速のどちらかを選択可能となっておりそれぞれタンクのグラフィック、およびシートのカラーが異なっていた。
高級感あふれるリミテッドエディション専用のロゴを採用し、新車販売価格はスタンダードモデルから3万円高の13万円となったが、発売されるや否や瞬く間に完売したモデルである。
その希少価値はもはやプレミアで状態が良ければ40万円以上の値がつくことも！売却をお考えなら1979年モデル Monkey Limited Editionの価値に精通したバイクパッションへ！

解説記事更新日：2021年05月31日

1981年3月にカラーチェンジを行い発売された’81年スペシャルモデルのMonkey Z50JB。
通称「ブラックモンキー」と呼ばれモンキーシリーズでは初めてボディカラーをブラックに設定。スタンダードモデルのホイールにはシルバーが設定されていたが、+9,000円でオプションとしてゴールドホイールを選択することも可能だった。
新車販売価格は先代から据え置きの10万円だった。
スペシャルカラーモデルとしては他にホワイトやメッキ、さらには金メッキ仕様など派手目なカラーリンが目立つMonkey。その中では硬派なブラックモデルも比較的大人しめに見えてしまうのだった。
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解説記事更新日：2021年05月31日

1984年10月にスペシャルカラーモデルとして発売された’84年モデルのMonkey ゴールドメッキ仕様。
ガソリンタンク、フェンダー、マフラープロテクター、フロントフォーク、ライト及びウインカーケースにハンドルまで金メッキを施し、見る者を圧倒するゴージャス感を出した本車。
これまで首都圏限定で販売されていたモンキーのスペシャルカラーモデルだったが、本ゴールドメッキ仕様は初めて日本全国で発売で発売された(それでも首都圏以外は2ヶ月遅れの12月発売) 。あまりの煌びやかさに「一体誰が乗るのか」という意見もあったが発売されるなり限定5,000台が瞬く間に完売。それもそのはず1984年といえばまさにバブル前夜ゴールドはまさに高度経済成長期の日本にピッタリのカラーリング。また、外観だけでなく新型エンジンを搭載し最高出力を2.6PS→3.1PSに、燃費は65km/L→90km/Lに向上。それに加えてクラッチは手動式に変更、変速機構は4段リターン式を新採用するなど目を惹く色物というだけではなく性能も向上した本気のモデルチェンジだったのだ。
新車販売価格は13.9万円だった。
翌年にはゴールドメッキ仕様で新採用したエンジンをスタンダードモデルにも搭載した’85年モデルを発売。カラーリングはブラックのボディにイエロー、オレンジ、レッドのストライプを配したニューカラーを採用。
新車販売価格は11.9万円だった。
因みに本稿で84～85年モデルとしているのは、この期間はフレーム番号が入り組んでおり序列化出来ないためである。
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解説記事更新日：2021年05月31日

1988年2月にカラーチェンジを行い発売された’88年モデルのMonkey Z50J。
カラーバリエーションには新たにツートーンカラーのキャンディレッド/アイボリーを新色として追加。
新車販売価格は12.2万円だった。
また、同時にスペシャルカラーモデルとしてボディ全体にパールミルキーホワイトを配したモンキー ホワイトスペシャルを発売。フェンダーやライトケースなど各所にメッキ加工を施し、専用シートを採用。
新車販売価格は12.5万円でスタンダードモデルから3千円高となっていた。
売却をお考えなら買取査定は1988年モデル モンキーの価値に精通しているバイクパッションまで！

解説記事更新日：2021年05月31日