GPレーサー「NSR500」をミニサイズに仕立てたレプリカモデルとして1987年6月に発売されたのが、「NSR50」だ。当時の国内バイク市場はレーサーレプリカブーム真っ只中ということもあり、スペック重視で開発された本格的な50ccミニスポーツである。
車体は軽量高剛性のツインチューブ・ダイヤモンド型フレームを採用。パワーユニットには水冷2ストローク単気筒のAC08E型エンジンを搭載する。ボア・ストロークが39.0mm×41.4mmで、最高出力は10,000回転7.2馬力というスペック。トランスミッションは6速リターン式という豪華な仕様。始動方式はキックペダルのみで乾燥重量は76kgに仕上げられている。
足回りは、フロントにテレスコピック式フォークとS字断面スポークの12インチアルミキャストホイールを組みわせる。ブレーキは油圧式ディスク仕様。キャリパーには2ポットタイプをセット。
リアはスイングアームにモノショックをセットしてフロントと同径の12インチホイールにディスクブレーキを装着。
ライバルモデルとなるのは、既に販売されていたヤマハの「YSR50」が台頭する。1986年モデルは乾燥重量75kgの軽量ボディに7馬力エンジンを搭載していた。パワーウェイトレシオ換算でも「NSR50」が有利なスペックだ。足回りは、リアブレーキがドラム仕様で、制動系統も本モデルがハイグレードな設計。
デビュー以降は毎年カラーチェンジを実施しながら、1989年モデルで最初のマイナーチェンジが行われた。カウルデザインやスプロケの変更で加速性能が向上。
その後もWGPでホンダのスポンサーとなっていたロスマンズやレプソルのカラーリングを採用するなど、カラーチェンジと仕様変更を繰り返しながら1999年モデルまで展開されて生産終了になった。
なお、時期を同じくしてメットインスペースを装備したフルサイズスポーツ「NS-1」も1991年から販売されていたが、1996年モデルを最終仕様としてひと足早くラインアップから姿を消していた。
る2stレプリカの末弟として買取相場は右肩上がり。買替や売る際の買取査定は、NSR50の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年07月16日

GPマシンであるNSR500をスケールダウンし50ccレプリカとして新登場したNSR50の1987年モデル。
最高出力は1万回転でクラス上限の7.2馬力を発揮。乾燥重量78kgでパワーウェイトレシオも10.8kg/psと50ccのスポーツバイクとしては最高峰の加速力を誇る

解説記事更新日：2021年10月04日

当時のWGPマシン・NSR500の姿をそっくりそのままにサイズダウンし、ミニレーサーレプリカという触れ込みで大人気となったNSR50。1988年の明け早々、特別カラーの限定モデルを発売した後、7月にはマイナーチェンジした88年式をリリースしました。
NS50Fベースのエンジン等、殆どは前87年モデルから継続した形で、違いはカラーリングのみ。新車販売価格も219000円と据え置かれ、購入資金のためにバイトに勤しむ若いゼロハンライダーたちを安堵させました。いわゆるNチビ前期はこの88年モデルまでのことを指し、ダウンチャンバーが装着されているのがポイント。こちらは純正パーツではあったものの、87年当時のGPレーサーの技術を高純度でフィードバックしたもので、下手な社外チャンバーよりもパワーが出るほど高性能。わざわざ探し出した上で後年モデルに装着するマニア層もいたほどで、12インチロードレース界で多くの逸話を残し現在に至ります。
現在の中古バイク市場においては、元々のハイスペックさと稀少な2ストゼロハンレプリカであるという点に加え、昨今のコロナ禍における中古バイク全体の値上がり傾向、絶版車ブームを追い風に車両価格がメキメキと上昇中。直近12ヶ月内においては、なんと走行距離0kmの未登録車が業者間オークションに出品され、744万円という50ccクラスのバイクとしては異例の高額取引となりました。やや傷み具合が進んだ車両であっても、エンジン焼き付きといった重度のトラブル歴がなければ20万円以上での取引が主流となっており、以前として高値安定傾向。ただしカウルなどの外装類は経年劣化しやすいという弱点を抱えているため、出来るだけ外装類の状態が良いうちに売却するのが高額買取を狙う秘訣だと言えます。
弊社バイクパッションにおきましては、50ccゼロハンスポーツで青春時代を謳歌したベテランスタッフが査定を担当。当時最強を誇った前期型NSR50を、丁寧な査定によってその真価を見極めた上で高額買取可能としております。機関好調な実動車はもとより、事故や転倒によってダメージを受けた車両、パーツ取り車も大歓迎いたします。特にリミッターカット車、城北ムラカミ製チャンバーといった当時モノパーツ装着車は大幅なプラス評価もご期待頂けます。今となっては稀少な2ストゼロハンスポーツ、違いが分かる弊社だからこそ可能な高額買取をぜひご体験ください！

解説記事更新日：2021年12月28日

1989年のモデルチェンジでは減速比の変更があり、二次減速比を2.857から3.00に変更、中・低速域での走り易さを向上させた。また、新設計のマフラーを搭載、サイレンサーを上方にレイアウトした。
後継モデルのNS-1シリーズからはタンクの場所がメットインの下になった。
新車販売価格は23万円で先代モデルより約1万円の値上げとなった。

解説記事更新日：2021年10月04日

1990年モデルの変更点はカラーチェンジで当時のワークスマシン・イメージのカラーリングに一新、トリコロールカラーに鮮やかなイエローを配色してレーシーなデザインになっている。発売時の国内生産台数予定が22,000台という数字が当時のNSR50の人気を物語っている。
後継モデルのNS-1シリーズからはタンクの場所がメットインの下になった。
新車販売価格は23万円で先代モデルから据え置きだ。

解説記事更新日：2021年10月04日

1992年モデルの変更点はカラーチェンジで、当時全日本ロードレース選手権250ccクラスで3年連続優勝していたワークスマシンNSR250のスピード感のあるブラッシュデザインを採用したレッド/ホワイトと、精悍なイメージのレッド/ブラックの2色を設定、サーキット感溢れるカラーリングだ。
後継モデルのNS-1シリーズからはタンクの場所がメットインの下になった。
新車販売価格は24.4万円で先代モデルから1万4千円値上がりしている。

解説記事更新日：2021年10月04日

1993年モデルの変更点はU字断面6本スポークホイールを新たに採用するとともに、幅広チューブレスタイヤと制動力に優れた油圧ディスクブレーキを組み合わせた。バックミラーのデザインも変更している。
カラーリングは、ワークスマシンNSR250のブラッシュデザインのロスホワイト/ファイティングレッドと精悍なイメージのブラック/クリアーパープルを新たに追加した。
またウインカースイッチがプッシュキャンセル式になり、手元にクラッチアジャスターを付けるなど使い勝手を向上させた。
後継モデルのNS-1シリーズからはタンクの場所がメットインの下になった。
新車販売価格は25.5万円で先代モデルから約1万円値上がりしている。

解説記事更新日：2021年10月04日

1994年モデルの変更点はカラーチェンジで、ワークスマシンNSR250イメージの鮮やかなロスホワイト/ファイティングレッドと精悍なイメージのブラック/ブリッツグレーメタリックを新たに設定すし、さらに各部に“Rothmans”のロゴやエンブレムが施されたスペシャルカラーリングモデルを限定販売した。
後継モデルのNS-1シリーズからはタンクの場所がメットインの下になった。
新車販売価格は25.8万円で先代モデルから3千円増しのほぼ据え置き、スペシャルカラーリングモデルは標準仕様より1万円高い26.8万円だ。

解説記事更新日：2021年10月04日

1995年のモデルチェンジでは新たにチャンバーを新設、リードバルブガイドの形状見直し、フライホイールの軽量化、また点火方式をCDIバッテリー点火方式に変更しリンク式チェンジペダルも新採用している。
さらにラジエーター容量をアップし冷却効果を向上、クラッチ機構も見直しを図り、クラッチ板を5枚から7枚に増やしている。
足廻りには、軽量アルミ製12インチホイールに優れたグリップ性能を発揮する幅広のタイヤを追加、リアサスペンションには新たに5段階調節できるプリロード・アジャスター採用した。
外観は、NSR500のデザインを受け継ぐスタイリッシュな新形状のリアカウルを採用。ハンドルは二分割になり、アルミ製トップブリッジを採用した。
新たなカラーバリエーションは94年ロードレースWGPチャンピオンカラーをベースにしたファイティングレッドと、精悍なブラックの2色を設定した。
新車販売価格は26.9万円で先代モデルから2万5千円に値上がりがあった。

解説記事更新日：2021年10月04日

1997年モデルでの変更点はカラーチェンジで、サーキットを感じさせるスピーディーなイメージの’９７ＨＲＣワークスカラーを施し、当時最新のワークスマシンデザインを取り入れている。
新車販売価格は26.9万円で先代モデルから据え置きだ。

解説記事更新日：2021年10月04日

1999年最終モデルではロードレースワールドグランプリ500ccクラスにおいて、ホンダNSR500の5年連続チャンピオン記念としてワークスマシンカラーの「レプソルホンダカラー」を採用。燃料タンクにはレースでNSR500に乗ったマイケル・ドゥーハン選手のサインが施された。
記念モデルということから新車販売価格は28.5万円と先代モデルと比べて1万6千円の値上がりがあった。
1987～99年モデルが存在するNSR50は高年式ほど買取相場が高くなる傾向のある車種である。

状態の良い個体の相場が急騰しているNSR50
2020年には最終99年モデルの未使用車が業者仕入れ値で110万円で取引された他、走行3kmの94年モデルが253万円という驚異の値段で落札されている。
アラブの王族が最終的な買い手で仲介の貿易業者が競った結果というのは上記2台の高額取引の裏話である。

解説記事更新日：2021年10月04日