「VT750S」は2010年3月にホンダから発売された大型二輪のロードスポーツモデルである。モデル名の最初に付されている「VT」という2文字のアルファベットは、搭載されているエンジン構造のV Twinに由来する。このネーミング由来は、1980年代に登場し「VT250F」シリーズを連想させるであろう。搭載するエンジンがV型2気筒であるという点は共通だが、バイクとしてのカテゴリは全く異なる。「VT250F」はレーサーマシンの技術を市販車ににフィードバックして開発された本格的スポーツバイクであったが、「VT750S」はアメリカンバイクのようなクルーザールックで、ハーレーダビッドソンの「スポーツスター」の様な雰囲気すら感じさせるデザインになっていた。ただ、「VT750S」はロードスポーツバイクにカテゴライズされる。
デビュー年となった2010年の10月には弟分モデルとなる400㏄の「VT400S」も発売された。ホンダのバイクシリーズの中では既に販売されていたクルーザー「シャドウ」シリーズの兄弟モデルという位置づけだ。
フレームはダブルクレードルタイプを採用しているので750ccバイクの割にはコンパクトな印象を受ける。アップライトなハンドルに750mmという低めのシート高とすることでゆったりとクルージングを楽しめるようなライディングポジション。車両重量は235kgあるが、足つきも良く扱いやすい仕上がりになっていた。
パワートレインは、「シャドウ750」にも搭載されている水冷4ストロークV型2気筒の745ccエンジンを採用。5,500回転で42PSというスペック。
エンジンのシリンダーやクランクケースはマットブラック仕上げ、シリンダーヘッドカバーやマフラーなどをメッキ仕上げにすることでサイズの割にスタイリッシュで都会的な外観だった。マフラーはデュアルタイプでそれぞれに触媒を装備、燃料供給はフューエルインジェクション仕様と環境対策規制への対応もされていた。
ボディカラーは「ヘビーグレーメタリック」と「パールフェイドレスホワイト」の2パターン展開だったが、翌年の2011年モデルでHonda伝統のトリコロールカラー「パールヘロンブルー」が追加された。翌年の2012年モデルでもカラーチェンジが行われたが、メカニカル面の変更やモデルチェンジは実施されず販売終了となった。

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解説記事更新日：2021年08月04日

「カジュアルロードスター」というコンセプトのもとに誕生したロードスポーツマシン「VT750S」のデビューモデルは、2010年3月に発売された。
カラーリングは、「ヘビーグレーメタリック」と「パールフェイドレスホワイト」の2バリエーションを設定。価格は71.4万円(税抜)に設定された。
パワーユニットは「シャドウ」譲りのOHC3バルブ水冷Vツインを搭載。最高出力は5,500回転で42馬力を発揮。足回りは、フロントに19インチホイールとリヤには16インチホイールを装着。排気量こそ小ぶりになるが車両のサイジングは、ハーレーのスポーツスターを意識しているようなスペックだ。実のところタイヤサイズに関してはスポーツスターファミリー「XL883」シリーズと同じである。重量は本モデルが232kgと約30kg軽い。
国内の道路事情にもマッチしておりちょうど良いサイズのマシンと言えるだろう。
デザイン面では、エンジン本体はブラックをベースとするがヘッドカバーやエアクリーナーカバー、マフラーといった随所にメッキパーツを採用することで質感を高めている。
デュアル出しのマフラーにはキャタライザーを内蔵することで環境性能にも配慮した設計となっている。

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解説記事更新日：2022年01月29日

「シャドウ」譲りの水冷Vツインエンジンを搭載しチェーン駆動で駆けるロードスポーツ「VT750S」は、2011年モデルでカラーチェンジを実施した。
前年のデビューモデルで設定された「ヘビーグレーメタリック」は継続され、「パールフェイドレスホワイト」は廃止となった。価格は71.4万円(税抜)で据え置きとなった。
そして、ニューカラーとしてホンダ伝統のトリコロールカラー「パールヘロンブルー」が設定された。フロントとリアのフェンダーはブルーに染められ、フューエルタンクはホワイトベースにブルーとレッドのラインをレイアウト。ホンダのウィングマークは健在だ。価格は73.3万円(税抜)で通常カラーより1.9万円高となる。
一見するとアメリカンクルーザーの様なオーラを発しており、ハーレーのスポーツスターをコンパクトにした様なスタイリングだ。ただ、ホンダのカテゴライズでは、あくまでもロードスポーツマシンという位置づけになる。おもに大型バイクのビギナーライダーをターゲットにしたモデルで、750mmの低めのシート高で足つきが良くアップライトなハンドルレイアウトも快適なライディングポジションの実現に一役買っている。女性や小柄なライダーにもおススメできる国産ナナハンマシンと言えるだろう。
ちなみに本モデルの車体をベースに「シャドウ400」のエンジンを搭載した「VT400S」が、今回のカラーチェンジの2ヵ月前にデビューしている。カラーリングには同じ「パールヘロンブルー」も設定され、2011年モデルは750㏄と400㏄の2タイプ展開となった。

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解説記事更新日：2022年01月30日

ヘッドライト上部にマウントされたスピードメーター、テーパード形状のデュアルマフラー、フロント19インチにリアは16インチというディテールは、ハーレーのスポーツスターファミリー「XL883」シリーズを意識していることが一目瞭然な「VT750S」。2010年のデビュー以降、毎年カラーチェンジを実施してきたが、2012年モデルも同じくカラーリング変更のみを実施。
前年モデルで新設定されたトリコロールカラー「パールヘロンブルー」は継続。価格も73.3万円(税抜)で据え置かれた。そして、デビュー時から展開されてきた「ヘビーグレーメタリック」は廃止となり街中で映える鮮やかな「キャンディタヒチアンブルー」を新たに設定。価格は71.4万円(税抜)で変更はない。因みにだがスポーツスターの中で最も安価なモデルより約3割安い設定である。
「カジュアルロードスター」をスタイリングコンセプトに掲げ、42馬力を発揮する745㏄水冷Vツインエンジンはブラックに染められながらもヘッドカバーやエアクリーナーカバーはクローム処理を施すことでシンプルながらも高い質感を実現。
ベースになっているのは、「シャドウ750」だが、駆動方式がシャフトではなくチェーンになっており、重量は約25kgも軽い。それでナナハンクラスで取り回し易く、気軽にクルージングを楽しみたいのであれば本モデルを選択肢に含めてみるのもいいだろう。
なお「VT750S」は、2012年モデルが最終仕様となり2014年に生産終了に至った。

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解説記事更新日：2022年01月30日