KTM傘下となり、同社のデューク390搭載の水冷4ストローク単気筒エンジンを搭載し、2018年にリリースが始まったのがVITPILEN 401（ヴィットピレン401）。
60年以上前のシルバーピレンを現代的にアレンジし、シングルスポーツの新たな境地を切り拓いた意欲作です。
親会社であるKTMのお膝元であるオーストリア・キスカデザイン社による斬新なスタイリングが最大の特徴で、その独創的なデザインはまさしく唯一無二の個性。
大きく開いたセパハンと思い切った後方位置のバックステップにより、前傾度合いはかなり深め。835mmと高めのシート高もあり、全身を使って乗るという味付けとなっており、一般的なロードスポーツとは一線を画すライポジ。加えてKTMデューク390がベースのエンジンは非常に元気がよくパワフル。タイトなライポジとあいまってかなりのジャジャ馬マシンですが、後方よりに着座すると乾燥重量15kgという軽さを活かしてクイックなコーナーリングが楽しめます。弾けるようなスロットルレスポンス、極端に短いシートと狭いライポジにより、守備範囲と好みがクッキリと分かれるマシンではあるものの、慣れてしまえば攻める走りの楽しさは格別のものがあります。現在、「普通二輪免許で乗れるスクランブラー」としてスヴァルトピレン401、デューク690ベースのエンジン搭載モデルのヴィットピレン701が兄弟車リリースされており、どちらもKTMらしい過敏なまでのレスポンス自慢として認知されております。
良くも悪く非常に尖った性格のためか、中古バイク市場では走行距離浅めの美車が多く、平均相場はかなり高め水準に。販売開始から3年目を迎え、最近では外車のセオリー通り平均相場価格は下がりつつあるものの、事故車・不動車でもまだ高値がつきやすい状況にあります。買取査定において高額買取が期待できるのはやはり走行距離5000km未満の美車。純正オプションのサイドバッグやシート装着車は上積みも見込め、販売開始からさほど月日が経っていない今が売り時の車種と言えます。

解説記事更新日：2020年10月14日

1955年に誕生したシルバーピレンをモチーフとし、近代カフェレーサーというコンセプトを掲げ、ミラノショーでお披露目となったハスクバーナ・VITPILEN401（ヴィットピレン401）。
2018年にはコンセプトモデルそのままの形でリリースされ、世界中のバイクファンをあっと驚かせることに成功しました。
最大の特徴はその短く切り詰めた独特のスタイリングで、セパハンによる深い前傾とコンパクトな作りが見る者全てに強烈なインパクトを与えてきます。ルックス的には同じ2018年5月デビューのホンダ・CB250Rに近いものの、ショートホイールベース+373ccシングルエンジンの組み合わせは他にはない強烈な個性。KTMの傘下入り後のモデルということで、エンジンはKTMミドルクラスの稼ぎ頭である390デュークのパワーユニットがベース。最高出力は2PSダウンした42PS/9,000rpmとなっていますが、中速域での鋭いパンチ力は本家に勝るとも劣らない実力者。しっかりと身体を車体に沈めた上で、背筋を使うように意識すると実に軽快なコントロール性を発揮し、ヒラヒラと小気味良い操縦性が楽しめるのが美点だと言えるでしょう。さすがに独創的過ぎるほどのスタイリングや、「ハスクバーナ」という外車ブランドの影響が強いためか、中古バイク市場における状況は厳しく、傾向的には年を追うごとに下落気味。年間で約20万台の中古バイクが取引される日本国内最大のマーケットである業者間オークションの取引データでは、2018年モデルのヴットピレン401は実動車の取引台数は全23台。総合評価6点のフルノーマル車が46万4000円で成約となるものの、総合評価4点の車両で24万円の最低取引価格を記録するなど、平均取引価格は40万円台を割っているのが実情。昨今のコロナ禍により、交通手段として中古バイク全体が再評価された追い風を受けてなお、対前年比-17%・対3前年比-32%と厳しく、売ることを意識したら即座のアクションが吉だと言えるでしょう。傾向的にはやはりフルノーマルの個体への需要が高く、低走行であればさらにヨシ。カスタムに関しては純正オプションのアクラポビッチ管が強く、その他ではアロー製チタニウム管やレオビンチ製LV-10あたりが高評価の対象。ただし、純正オプション以外はノーマルマフラーの有無でプラス幅が大きく変わるため、ちゃんとお手元にあることを確認した上での事前相談をされることをおすすめいたします。高額買取を狙うには、390デュークのエンジンがベースだけに、KTM車に関する専門知識を有する買取業者に依頼するのが重要で、できるだけ外車の買取実績が高いとさらに良い結果が出やすいと言えます。
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解説記事更新日：2022年03月22日

コンセプトモデルそのままの仕様でデビューを果たしたヴィットピレン401は2019年も販売を継続。諸元上の変更はなく、事実上のキャリーオーバーモデルという形となります。カラーリングも前2018年モデルのものがそっくりそのまま継承され、ホワイト・ブラック・ガンメタリックの3色設定。2018年モデルの登場から10ヶ月が経過し、ハスクバーナジャパンは次なる営業戦略の一環として、2019年7月よりヴィットピレン401を始めとする5車種を対象に免許取得サポートキャンペーンを実施。2017年4月から2019年9月末までに普通二輪免許以上を取得した購入者を対象に、先着100名に7万円をキャッシュバックするという内容でした。同時期は国内4メーカーが同じく免許取得キャンペーンを打ち出していましたが、それに負けじと海外メーカーが普通二輪免許をも対象にキャンペーンを打ち出したのは珍しく、親会社のKTMの意向なども含めかなり思い切ったキャンペーンであったと言えます。こうした力の入れ具合も功を奏してか、2019年モデルは中古バイク市場でも評価が高く、業者間オークションにおける直近12ヶ月内での平均取引価格は42万1937円と、前2018年比では4万円近く上昇。取引台数が全16台と一定数あることを踏まえると、スペック的には据え置きではあるものの、間違いなく車両評価は上であることがご理解いただけるでしょう。最高取引価格も54万円と高く、新車販売価格が税込み77万7000円であったことを考慮するとリセールバリューもまずまずあり、兄貴分にあたるヴィットピレン701やスヴァルトピレンシリーズへの乗り換えを検討中のオーナー様にとって、2022年モデルリリース前の今は売り時だと言えます。やはり2018年モデル同様、フルノーマルの需要は高めである一方、2019年モデルでは社外パーツのラインナップが充実したことにより、オリジナルの外観を損なわないライトカスタム車の需要が若干高く、純正パーツありの場合は数万円のプラスが見込めるようになりました。尖ったデザインが特徴のモデルだけに、その原型を損ねるようなカスタム内容はかなりのマイナスとなってしまう恐れが高く、高額買取を狙うのであれば確かな専門知識と買取実績を持つ買取業者に任せることが非常に重要だと言えるでしょう。
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解説記事更新日：2022年03月22日

デビュー3年目を迎えた2020年モデルでは、マイナーチェンジでリニューアルを図ったヴィットピレン401。
エンジンは最高出力発生回転数はそのままに、2PSアップの44PSにまで向上。高回転域でのパンチ力を強化すると同時に、不自然さを感じさせない程度で全回転域での加速力に磨きがかけられました。また、ショートホイールベースではありつつも、サブフレームのシート部を40mm延長することにより、タンデム性を高める工夫がされた点も見所となっており、荷重時の安定感が大幅にアップ。加えてラジエターサイドなどのグラフィックパターンを変更し、マッシブで硬派なイメージにまとめました。それによって車重も若干増加したものの、半乾燥値で151kgと最低限の増加に留められているあたりはさすがで、クイックな操縦性は些かも損なわれていないのがポイントとなっております。また、新車販売価格も改定となり、税込み価格69万円とかなり思い切ったプライスタグに。従来モデル比で9万7000円の値引きとなり、ユーザーの購買意欲を高める経営努力の賜物だと言えるでしょう。
2022年現時点での中古バイク市場における評価はかなり良く、直近12ヶ月内における2020年モデルの総取引台数は5台と少なめながら、平均取引価格は50万円に迫る48万2800円にまで上昇。新古車が出回った2021年暮れに比べるとやや下落しましたが、それでも最高取引価格55万円、最低取引価格43万2000円は粒が揃っており、リセールバリューに関してはかなり上がったと言えるでしょう。傾向的にはやはり従来モデルと同様にフルノーマルの個体が好まれ、なおかつ低走行車両の割合の高さが車両価格の上で大きなチェックポイントとなっており、高額買取を狙うには基本的なケアをしっかりと行っていることが大前提で、高年式車だけにリアスプロケットやチェーン周り、前後足回りにはかなり厳しいチェックが入りやすいため、できるだけヴィットピレンシリーズに関する専門知識と外車全般に関する買取実績の高い業者に任せることが重要だと言えるでしょう。
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解説記事更新日：2022年03月22日

前2020年モデルでのアップデートにより、尖ったキャラクター性に利便性を加味したヴィットピレン401、2021年モデルは完全なキャリーオーバーでの形で継続販売。
ただし世界情勢に伴う資材供給面での影響を強く受け、2021年2月時点で新車販売価格は前年比2万円アップの70万円に改定。姉妹車であるスヴァルトピレン401の新車販売価格が税込み77万7000円であったことと比較すると割安ではあるものの、2021年6月には73万9,000円にまで値上がり。さらに貿易コストの世界的上昇が拍車をかけ、2021年末時点では75万9000円にまで高騰することに。これは金属やプラスチック原料等の相場が世界的に上昇したことにもよりますが、一番の原因は新型コロナウイルス流行に伴うインド工場での生産コストが増加したことも大いに関係しております。前年でロングテール化し、積載性やタンデム性の向上を果たした直後でしたが、こうした生産・流通コストの上昇による影響は塗装などにも及び、日光による樹脂製パーツの色褪せなどの症状が出やすいという声が寄せられています。
現在の中古バイク市場においてはさすがにデリバリー開始からようやく1年を迎える時期だけに、日本最大の中古バイク市場である業者間オークションであっても、直近12ヶ月内での出品データはありません。、年式的には2020年モデルより高年式となるものの、外装類の色褪せや塗装に関する耐久性の面での不安があり、基本車両評価自体は高いものの現車状態がよりシビアに判定されるものと推測されます。高年式車であるため、WP製前後サスにバイブレ製ブレーキシステムなど、耐用期間の余裕というアドバンテージは確かにありますが、手放す時は高値で売りたいとお考えの現オーナー様は注意が必要。もちろん、塗装に関しては個体差である可能性も否定できませんが、こうした不具合箇所について事前相談時に内容説明があった場合と現車査定時になってから判明した場合とで大きな差が生じてしまいがち。土壇場になって双方不快な思いをすることなく、高額買取を実現するには従前に現車状態をありのままに説明することが非常に重要で、外車に関する確かな専門知識と買取実績を持つ業者であれば必要以上のマイナス判定とはなりにくく、一考の価値は十分にございます。
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解説記事更新日：2022年03月24日

2021年モデルでは事実上のキャリーオーバーにて販売されたヴィットピレン401でしたが、翌2022年モデルでは兄貴分のヴィットピレン701らと同様、足回りに関するアップデートを実施。
自慢のWP製前後サスペンションのストローク量が前後とも120mmで統一されることに。従来モデルはリアサスペンションのストローク量が150mmであったことを考慮すると、かなり思い切った見直しだと言えます。一般的なスポーツモデルの場合、速度域が高ければ高いほどサスが大きく動くため、サスペンションのストローク量は走りの速さに直結する重要なファクターのひとつです。それだけに、出荷販売の時点で前後ストローク量120mmという数値は非常に攻めたもので、従来モデルよりもシャープな俊敏性であることは間違いないでしょう。これはシート高が810mm、最低地上高が120mmへ変更されていることからも明らかで、今後はシングルスポーツレースなどで一層の活躍が期待できます。前年は数度の価格改定を経て値上がりを続けた新車販売価格は税込み76万7000円に落ち着き、今後の巻き返しが大いに期待される注目外車のひとつです。従来モデルではマッドホワイトのラインカラーは明るいイエローでしたが、今回はブルー系のものに置き換えられ、やや落ち着いた印象を与えるようになったのも日本市場では好まれやすい変更だと言えるでしょう。
現在の中古バイク市場においては、2022年3月現時点で2021年モデルの流通すらないため、一概には言えない部分の方が多くあります。過去の取引データを分析した上で今後の見通しと傾向を予測するのであれば、やはり原材料問題の生じた2021年モデルより各個体の完成度は高いと考えるのが自然。それに年式と走行距離で算出されるのが常の現行スポーツモデルだけに、2021年以前のモデルはかなりの下落となることが予想されます。特に今回はヴィットピレン701という兄貴分と姉妹車にあたるスヴァルトピレンシリーズも同時にマイナーチェンジとなっており、基本性能の向上を果たしていることは必至。過去の傾向から推測すると、2022年モデルのヴィットピレン401も流通し始めれば最高60万円台前半、平均では50万円台前半あたりに落ち着くものと思われます。もし2022年モデルへの乗り換え、あるいは従来モデルの売却を考えておられるのであれば、本機2022年モデルが中古バイク市場へ流通し始める前に手放すのが賢い選択だと言えるでしょう。
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解説記事更新日：2022年03月24日