チャレンジャー ダークホース【2020～現行】毎週更新の買取査定相場

2011年に米国企業・ポラリス傘下となって以降、高性能エンジンを基軸に素晴らしいモーターサイクルを輩出し。見事に業績を回復させたインディアン。2020年にはその躍進を支えたThunderStroke(サンダーストローク)をより高性能化した新型Vツインエンジン搭載の「Challenger(チャレンジャー)」シリーズをラインナップに追加し、ハーレーダビッドソンの『Milwaukee-Eight(ミルウォーキーエイト)』への真っ向勝負をしかけることに。そのチャレンジャーシリーズにおいて、インディアンがシリーズを代表する主役として位置付けているのが本機・Challenger Dark Horse(チャレンジャー ダークホース)で、堂々たる体格に大型フェアリングとハードタイプの左右サドルバッグを備えた攻撃的なスタイリングのバガーマシンです。

大ぶりのLEDヘッドライトをフェアリング中央部に置き、その両側にポジションランプとウインカーを配した独特な「モノアイスタイル」というのがチャレンジャーシリーズの基本となるディテールですが、車両全体をブラックアウトするダークホース仕様によってその雰囲気を大胆にアレンジしているのが最大の特徴（ハーレーTouringFamilyのUltraやStreetGlideが装着するバットウィングフェアリングやRoadGlideのシャークノーズフェアリングとは一見して異なるシルエット）。チャレンジャーリミテッドのきらびやかさ、スタンダードモデルのチャレンジャーのシックさとはまた異なるマッシヴかつ重厚な雰囲気の「黒馬」へと昇華されているのがその他シリーズとの大きな違いだと言えるでしょう。デビューイヤーの2020年モデルに用意されたのは、サンダーブラックスモークを始め、サンドストーンスモークにホワイトスモークと、全てが艶を抑えたマットな質感のスモークカラー。このスタイリングに加え、ブラック仕上げエンジンのプライマリーカバーにはインディアンの象徴であるウォーボンネットが刻まれており、まるでビンテージ物のシルバージュエリーのような風格すら漂わせる見事な演出。乾燥重量350kgを超える巨体を意外なスリムさでまとめあげているのは近年のインディアンモーターサイクルのデザイン力の高まり具合を示す如実なものであり、同じバガースタイルのH-D・FLHT エレクトラグライド スタンダード、FLSB スポーツグライド、FLTRKSE-CVO ロードグライドリミテッドといった強力なライバル勢にはないスタイリッシュさが感じられるものです。

搭載されるのは前述の通り、ボア108×ストローク96.5mmからなる新型水冷Vツイン『PowerPlus(パワープラス)』。総排気量1,767cc(108キュービックインチ)という大排気量から想像できるように図太いトルクを発揮することは誰もが予想できるものの、構成パーツを吟味したこの完全新設計エンジンは排気量以上の高出力化を実現しており、最高出力にして122PS、最大トルク178Nm/3,800rpmと、Vツインエンジンの設計としては世界最高峰のハイパフォーマンスぶりを発揮するもの。一般向け量販車としては世界最大排気量のタイトルホルダーであるトライアンフ・ロケット3シリーズが総排気量2,458ccで221Nmという事実を踏まえると、その70%程度の排気量でトルク比率が上回るというのは驚嘆に値するもので、ポラリス傘下入り後のインディアンが培ってきた技術力の結晶と言っても過言ではありません。スペック上は優秀すぎる一方、乗りこなすにはそれこそ悍馬を調教するような技術が求められるような印象を受けてしまいますが、ボッシュ製6軸IMUなどを採用した3タイプのライドモードとドラッグコントロールにトラクションコントロールといった数々の電子制御、程よい介入度のコーナリングABSなどが乗り手に違和感を覚えさせないナチュラルさでアシストしてくれるのが素晴らしく、ビッグパワーを思いのままに操る快感を心ゆくまで味わえます。

Vツインとしては世界最高峰のエンジンを活かすための車体も素晴らしく、各部強度と全体の剛性度を見直した新設計フレームを土台とし、43mm径の倒立式フロントフォークとトラベル量114mmの油圧プリロード調整式Fox製シングルショックとをチョイス。この足回りに前130/60B19・後180/60R16のホイールとメッツラー製クルーズテックを標準タイヤを組み合わせ、従来のクルーザーモデルとしては類を見ないほどスポーツ色の強い仕様。それでいながら、肉厚で座り心地に優れたガンファイターシートを672mmの高さで配しつつ、強いコシの中に程よい優しさのあるサスセッティングと適度な自由度を残したハンドル位置とで快適に調整しているのがチャレンジャーシリーズの真骨頂。大排気量クルーザーらしく鷹揚に乗れるのに、その気になれば巨体をしっかり倒しこんで豪快にワインディングを楽しめるという二面性を持ち、フロントには4ピストンラジアルキャリパーとセミフローティングタイプの320mm径ディスク、リアには2ピストンキャリパーとフローティングタイプの298mm径シングルディスクというブレンボ製の高性能ブレーキシステムとの組み合わせによる絶妙なバランスが光る異色のスポーツクルーザー。これほど高い次元でスポーツが楽しめるクルーザーは異例中の異例であり、スタンダードモデルであるチャレンジャーが2020年のデビューイヤーでロードレース選手権『King of Baggers(キング・オブ・バガーズ)』の表彰台のトップに立ったのも納得のいく出来栄えだと言えるでしょう。

バガースタイルマシンの特徴である34リットルの容量を誇るハードタイプの左右サドルバッグをはじめ、2輪車用としては最大サイズと言える7インチサイズのタッチパネル式TFT液晶モニター、6.5インチ/100Wのミッドレンジと高音担当のツイーターという2系統を採用したスピーカー&オーディオシステムにセキュリティ性の高いスマートキーイグニッション、快適な走行を補助する無段階調整式の電動スクリーンといった装備の数々もみどころで、これらは過去のインディアンの全モデルと比べても間違いなく最上位の豪華なもの。2022年モデルでは液晶モニタへの情報表示システム『ライドコマンド』のアップデートでBluetoothデバイスの互換性拡大と起動時のローディング時間などが改良されると同時に、チャレンジャーシリーズ専用のアクセサリーオプションとしてハードロワフェアリングを新発売。パワーバンドオーディオや収納スペースを追加可能にした作りなど、オーナーの好みでカスタマイズしやすい新装備をオプションとして選択できるようにしたのは過去の業績を顧みての戦略で、ユーザーへ寄り添うと同時に無理な販売拡大はしないという堅実さとしたたかさを備えた新生インディアンらしい展開を見せるようになりました。特記すべき変更点はその位ですが、基本諸元に変更を加えずともカラーリングは毎年刷新されているのがもうひとつのみどころで、2024年秋時点でのモデルイヤー毎カラーリングは以下の通り非常に多彩。

2020年モデル…サンダーブラックスモーク・サンドストーンスモーク・ホワイトスモーク
2021年モデル…サンダーブラックスモーク・ホワイトスモーク・ブロンズスモーク
2022年モデル…ブラックスモーク・ブロンズスモーク・ライオットオレンジスモーク・インディレッド×ブラックメタリック・ステルスグレーアズールクリスタル・・ストームブルー×ブラックメタリック
2023年モデル…ブラックスモーク・チタニウムスモーク・セイジブラッシュスモーク・ライオットオレンジスモーク・インディレッドブラックメタリック・ストームブルーブラックメタリック
2024年モデル…ブラックスモーク・サンセットレッドスモーク・スピリットブルースモーク

2022年モデルには米・テネシー州で製造され、アメリカを代表するウイスキーのひとつであるJACK DANIEL'S(ジャックダニエルズ)とのコラボで実現したジャックダニエルズ リミテッドエディションが存在し、こちらは世界限定107台というごく少数のみが作られ、落ち着いたゴールドとガンメタリックを基調としつつ、フレークをふんだんに散りばめるという大胆なアレンジが施された特別なカラーリングとジャックダニエルズのパッケージをアレンジした特別パーツが配され目を惹く仕様。一説では日本市場への割り当ては1台のみであったと言われているほどで、マニアならずとも一度はお目にかかりたい逸品だと言えるでしょう。また、同年からは大型トップケースなどが追加されたキングパッケージ仕様のグランドツアラーモデル・Pursuit Dark Horse(パースート ダークホース)が正規ラインナップに加わると同時に、世界限定200台の特別仕様車・CHALLENGER ELITE(チャレンジャー エリート)を設定し、さらにユーザーからの訴求力を高めることに。ユーザーから評価されている部分には手をつけず、最小限のお色直しで対応しつつ要望にはカスタム志向のモデルで対応するというのはEvolution(エボリューション)以降のH-Dの経営戦略にも通じるものだけに、今後はさらなる充実化が図られていくことが大いに期待されるところ。

2020年モデルとしてのデビューから、2024年秋時点で5年近くの歳月が流れたことになるものの、年間20万台ものバイクが取引され名実ともに中古バイク業界最大のマーケットである「業者間オークション」でも実動車の取引記録がないほど流通台数が少ないものの、これは不人気というわけではなくオーナー満足度が極めて高いことの現れだと感が寝ていいでしょう。それは2022年秋に出品された高速道路での事故で大破した事故車両が153万円台で落札されていることからも十分察せられ、特に大きな問題点のない実動車はもとより、外観状態や機関好調あるいは低走行といったプラス要素のある車両ならばかなりの評価額となる期待大。毎年のように新カラーリングが追加されているチャレンジャーダークホースだけに、買い替え・乗り換えを検討中のオーナー様は買取査定だけでも受けてみる価値大だと言えるでしょう。

水冷エンジンのメリットであるハイパワーを活かし、意欲的なスポーツクルーザーとして市場導入されたインディアン・チャレンジャーシリーズで高額買取を狙うには業者選びが非常に重要で、H-Dのビッグツイン群との違いや独自の魅力を正しく理解した上で適切に車両状態を評価できる目利き力を大前提とした上で、業者間オークションなどへの転売だけではなく自社店舗による直販体制などを駆使した様々な販路によって利益が出せる業者であることがもっとも肝要だとされており、販売力の差が買取価格に直結するもっとも大きなファクターとまで言われております。弊社バイクパッションはそのどちらをも満たしており、特にH-D製ビッグツインを含む海外メーカー製バイクに関しても単一店舗としては日本最多の販売台数実績を誇る直営店舗を持つ強みを活かし、再販売を前提とした「販売仕入れ価格」を適用した上で相場を大きく上回る超高額買取にも期待できます。

インディアン・チャレンジャーシリーズの買替、高額売却をお考えでしたら、買取査定は海外モデルの価値にも精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年09月17日