W175SE【2018～現行】毎週更新の買取査定相場

インドネシアで新たなキャリアをスタートさせたエストレアの弟分として、フィリピンで展開されていたトライシクル(サイドカー連結などで3輪化した2輪タクシー。いわゆるバイタク)向けモデルのBarako2(バラコ2)をベースにクラシックスタイルで2018年よりデビューを果たしたW175。そのバリエーションモデルとして、ブラックリムに専用シートとパッドなどでさらにレトロ感を強調した上位グレードとも言うべき存在が、車名にSEの文字が付与された本機・W175SEです。

日本市場を去ったエストレアが活躍の場をインドネシアに移し、W800の弟分として『W250』へと名を変えたことにより、新たな展開を見せることとなったカワサキ製クラシックバイク。日本国内では図太いトルクと雰囲気満点のルックスが人気を博しているW800とそのバリエーションモデルの支持率が大多数を占めておりますが、インドネシア市場では排気量250ccまでのバイクが市場の中心。そんなインドネシアのマーケット情勢を考慮した上で、より親しみやすい価格での提供と乗りやすくフレンドリーなキャラクター性との両立を図ったのが2018年より展開されることとなったW175シリーズの大まかな背景。世界一交通渋滞が激しいと言われる首都・ジャカルタでの運用を想定し、バイクとしての基本性能の高さと見栄えのよいクラシカルな装いで勝負をかけたのがベースモデルとの最大の相違点だと言えるでしょう。

車体は前述したバラコ2のシングルクレードルフレームをマットブラック仕上げでクラシックテイストを演出し、フォークブーツを履かせたテレスコピックとツインリアショックで和製クラシックらしいオーソドックスな作りへと変更。ベースとなったバラコ2は3輪タクシーを想定して設計されたモデルであったため、日本では類を見ないリア4本ショック採用でヘビーユースへの対応化を行った
仕様でしたが、我々日本人ライダーにとっては実に馴染み深いスタイルへとリニューアルされることに。この基本骨格に細身の前後17インチワイヤースポークホイールを採用することでバランスに優れたコントロール性、並びにタックロール入り専用シートでカフェレーサーとしての雰囲気を整え、フロントには片押し式2ピストンキャリパーとシングルブレーキディスクとで制動力十分の手堅い仕様にまとめ上げられました。排気量175ccというエンジンの構造を活かし、装備重量で126kgという軽さも操縦性の良さに大いに貢献しており、エンジンを停止した状態での押し引きや渋滞時の取り回しに関しても申し分なし。全長1,930×全幅765×全高1,030mmとコンパクトではあるものの、雰囲気抜群のスタイルはシリーズ長兄であるW800譲りのもので、一目見れば誰もがダブハチの弟分だと分かる姿こそが本機W175カフェ最大の魅力となっております。

搭載されるエンジンもやはりバラコ2の空冷4ストローク単気筒エンジンですが、本機W175カフェはインジェクションではなくミクニ製VM24キャブを採用しており、冬場にはチョークを引いてエンジンを目覚めさせるというオールドバイクファンにはおなじみの燃料噴射方式。バラコ2はキックスタート方式でしたが、W175シリーズに関してはキックを廃止してセルスターター専用へと変化しているのが相違点。最高出力13PS/7,500rpmとパワーこそ控えめながら、排気量換算ではエストレアと同等であり中速域からしっかりとしたトルクと加速力を発揮する出力特性の持ち主。高速道路を利用しての100km/hは厳しいと言わざるを得ませんが、原付2種クラスよりも有利な排気量により信号待ちからのゼロスタート加速は交通の流れを自力で作り出すに十分なだけのものは持っており、普段使いから下道を利用してのゆったりとしたツーリングまでは過不足なく楽しめるキャラクター性だと言えます。インドネシアなど海外メディアによる実測テストでの最高速度は110km/hと馬力並みなのはむしろご愛嬌というもので、リジットマウント方式と1軸バランサーで程よく調和されたエンジンからの振動とキャブトンタイプマフラーが奏でるエキゾーストを楽しみながらの街乗りは飽きのこない魅力があり、乗り味のよさと素直で軽快な操縦性とが好印象なマシンです。

カラーバリエーションの多さも標準グレードのW175との相違点で、専用パーツを装着しクラシックバイク感を高めた本機W175カフェにはシルバー/ブラック/ブルーの3色設定。このうちシルバーはゼッケンプレート風デザインを施した専用サイドカバー採用となっており、マン島TTなどの伝統的なレースファンにとっては好ましい装いだと言えるでしょう。日本市場ではカワサキ公式による正規導入は行われていないものの、一部法人によって並行輸入車として販売されており、実売価格はおおよそ31万円前後といったところ。標準グレードのW175と比べると1万円前後のアップとなりますが、専用アクセサリキット装着車と考えればかなりお買い得感があり、総じてオーナー満足度の高い一台だと言えます。ちなみに本国インドネシアでは2020年モデルにてマイナーチェンジを果たし、メーターバイザー装着と「175」のロゴをよりポップにアレンジした新型サイドカバーにレッドなどの新色追加でさらにドレッシーな装いへと様変わり。同時に専用アップフェンダーとナロータイプのガソリンタンクなどでオフロードテイストを高めた『W175TR』もラインナップに加わり、東南アジア市場でのさらなる活躍に期待がかかる注目株のひとつとなっております。

現在の中古バイク市場においては、惜しまれつつも日本国内から姿を消してしまったエストレアの後継者的な触れ込みで一部法人によって並行輸入車として販売されたことで日本の土を踏むことに。普及が始まった当初はメーカーによって正式導入されなかった海外モデルとして故障時のサポートなどを懸念する声が囁かれましたが、ハードに酷使されることが多い3輪タクシーのベースモデルであったバラコ2由来の頑強なボディとタフなシングルエンジンの信頼性の高さが知られるにつれ、着々と固定ファンを獲得し中古バイク市場に流通する機会も年を追う毎に増えました。年間で20万台にもおよぶ中古バイクが取引され、名実ともに中古バイク業界最大のマーケットである「業者間オークション」のデータを見てみますと、2020年に起こった新型コロナウイルスの世界的流行によって全世界のバイクメーカーの新車供給体制が著しく悪化した「コロナショック」を機に同オークションへ出品されるようになり、この時期はすぐに乗れる中古バイク自体の需要が極めて高かったことなどもあり、消費税を抜いた新車販売価格に近い落札価格となることもしばしばありましたが、コロナショックが終息を迎えた2021年暮れ以降は走行距離を始めとする車両状態によって相応の取引価格へと落ち着き、今日現在では一般的な現行モデルと同水準の健全な相場を形成しております。前述のコロナショックが終息した2022年から2024年末までを対象に同オークションでの出品記録を抽出してみると、この期間内で最高値をつけたのは並行輸入車として販売していた一部法人の在庫放出と思われる2台の車両で、どちらもメーター読みでの走行距離は一桁台という新車状態であることで評価を伸ばし、それぞれ28万円台・27万円台という落札価格にて成約に至りました。それなりに乗り込まれた状態の車両では、走行距離が573kmと浅いものの屋外保管で外装類に使用感が出始めているブルーの車両が25万円に迫る価格で成約に至っており、以下程度状態に応じて12万円から20万円までで相場を形成。これらを集計した現時点の平均取引価格は15万円前後といったところで、万人受けしやすいフルノーマル車や走行距離が浅く使用感の少ない車両ほど高値がつきやすい傾向。専用パーツとカラーリングでカフェスタイルを演出したモデルだけに、オリジナルの雰囲気を損なうような尖ったカスタム車はかなりのマイナスを覚悟する必要があるものの、サドルバッグや雰囲気に合った社外マフラー程度のライトカスタム車は買取価格の上積みにも期待でき、その他のバイクへの乗り換え・買い替え、あるいは高額での売却を希望されるオーナー様は買取査定に出してみるだけの価値は十分あると考えていいでしょう。

惜しまれつつも日本市場から去っていったエストレアの弟分であり、新生Wシリーズの末弟であるカワサキ・W175シリーズで高額買取を狙うには業者選びが非常に重要で、メーカーによって正式導入がなされていない並行輸入車の泣き所である車両全般に関しての正しい知識と理解を始め、中古バイクとしての車両各部の状態を的確に見抜いて評価できる目利き力、各バリエーションモデルによってそれぞれ微妙に異なる各部の仕様なども踏まえた上で高額買取を実現できる再販化によって利益が出せる販売力の高さなど、様々な要素を満たす業者であることが肝要だと言われております。弊社バイクパッションはそうした重要な要素の数々を非常に高いレベルで満たしていることはもちろん、数々の絶版車・レア車を取り扱ってきた高い実績と最新相場を反映してのさらに高値がつけられる業界最高峰の買取価格を提示することが可能な販売力に加え、中古バイク業界最高水準とお褒めを頂いている顧客満足度の高さにより、再販売を前提とした「販売仕入れ価格」を適用した上で相場を大きく上回る超高額買取にも期待できます。

カワサキ・W175シリーズの買替、高額売却をお考えでしたら、買取査定は海外からの並行輸入車にも精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2025年01月09日