海外ではスタンダードなバイクとして長い間ロングセラーを誇った名車GPZ500S、通称NINJA500Sの後継として2006年に誕生したNINJA650R。地域によってはER-6ｆの名称で販売されており、NINJA650Rの名称で販売されていたのは北米仕様である。
この当時は国内仕様は存在せず、輸入車扱いになっていたが2017年モデルからは国内仕様として正式にラインナップされた。

フルカウルスポーツという立ち位置ではあったが、GPZ500Sから引き継がれた扱いやすさと使い切れるフレンドリーさと並列2気筒エンジンは必要十分なスペックを誇り、ワインディングでも使い切れる楽しさを兼ね揃えたスポーツツアラーである。決してスーパースポーツのような過激さはないがどのようなシチュエーションでも十分対応できる柔軟性はNINJA650Rでも健在で、ついついロングツーリングに行きたくなってしまう気軽さも多くのライダーに受け入れられた。

車体に関しては前作GPZ500S からの変更点は車体斜めにマウントされるオフセットレイダウンサスペンションとフレームとカウル形状の変更でウインドプロテクションが向上した。特に目を引くサスペンションは現代のホリゾンタル・バックリンクサスペンションにも似た構造だがNINJA650Rに採用されるオフセットレイダウンサスペンションは主に乗り心地など実用性に長けた構造であり、この構造によってツーリングや普段使いで使用する際にさらに快適にこなすことができるようになった。

海外でライバルとして挙げられる車種はこちらも海外仕様のバイクのヤマハ・XJ600ディバージョン、その後、2009年登場の後継車種のFZ6Rが挙げられる。どちらもスポーツツアラーとしての性格を持ち合わせいるが、最大の違いはエンジンだろう。ＸJ600ディバージョンは空冷4気筒エンジン、FZ６Rは水冷4気筒エンジンを採用している。エンジンスペックを見ると明らかな差はあるがこの2台をスポーツツアラーとして見るとそれぞれに個性と思想がある。4気筒エンジン搭載したXJ600ディバージョンとFZ6Rはパワーを武器にロングツーリングや高速ツーリングを得意にしているが、一方で並列2気筒エンジン搭載のNINJA650Rは確かに4気筒エンジンに比べると非力だが、パワー不足を感じるほどではなく寧ろ回しきれる楽しさ、車両重量の軽さをあり扱いやすく多くのライダーにはＮＩＮＪＡ650Ｒの特性のほうがフレンドリーに感じれるだろう。

現在も国内、海外で展開されるNINJA650だが、このカワサキが長く大事に改良を重ねてきた並列2気筒エンジン搭載のツアラーモデルは歴史が長くそれは1987年登場のGPZ500Sから始まる。GPZ1000RXのエンジンを半分にしたエンジンからハーフニンジャと比喩されるが87年登場から2006年登場のNINJA650Rまでラインナップされており約19年に渡って販売される長寿モデルになった。軽くて乗りやすく扱いやすいコストパフォーマンスに優れており、海外ではスタンダードなエントリーモデルとして長く愛されるバイクになった。
進化を重ねる現在でもそのコンセプトは継承され、装備が充実されるためその分値段は高くはなっているが装備に対してコストパフォーマンスは高く、熟成を図られた車体はツーリングは勿論ワインディングでもその軽さと非力ではない、扱いきれるエンジンを武器にコーナーでは速く走ることができ、スポーツライディングへの対応力も高いため様々なライダーのニーズに応えることのできるバイクである。

2017年までは輸入車扱いになるため台数は少ないがそれでも中古車、買取の価格は安定したモデルである。もしもNINJA650Rの売却を考えている方は輸入車であまりデータがないから不安を感じる方は一度、経験豊富なスタッフが正確で納得のいく査定をいたしますので買取はパッションで！

解説記事更新日：2024年01月22日

2006年に発売されたNinja650Rの初期モデル。
エンジンには水冷 4ストロークDOHCパラレルツイン4バルブを搭載。最高出力は72PS、車重は174kg。特徴的なオフセットレイダウンリアサスペンションが目を惹く1台だ。
カラーバリエーションにはギャラクシーシルバー、メタリックグレイストーン、エボニー×ギャラクシーシルバーの3色を設定。
新車販売価格はUS＄6,299だった。
よくNinja650Rは2009年からの登場だと思われがちだがそれは間違いで実際にはこの2006年モデルが初期型。ちなみに欧州向けモデルはER-6fとなっており、車名ロゴと数点のカラーリングを変更し、北米仕様として発売されたのがこのNinja650Rだった。
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解説記事更新日：2021年07月24日

カラーチェンジを受けて発売された2007年モデルのNinja650R。
カラーバリエーションにはキャンディプラズマブルー、パッションレッドの2色を設定。
新車販売価格は先代モデルから$100高の＄6,399となった。
同年にはライバル車としてスズキからSV650が発売された。最高出力は72.1PS、乾燥重量は168kgとなっており、パワーウェイトレシオで比較するとSV650は2.33kg/PS、対するNinja650rは2.48kg/PSとなり、僅差でSV650に軍配が上がっている。SV650の新車販売価格は$6,499で価格帯も同じだった。
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解説記事更新日：2021年07月24日

カラーチェンジを受けて発売された2008年モデルのNinja650R。
カラーバリエーションにはライムグリーン、サンビームレッド、メタリックディアブロブラックの3色を設定。
新車販売価格は先代モデルから100＄高の$6,499となっていた。
スズキのライバル車にはSV650が挙げられるが、同社のアドベンチャーモデルであるVストローム650もまた比較の対象と言えるだろう。最高出力は66.6PS、乾燥重量は197kgとなっており、パワーウェイトレシオで比較するとVストロームは2.95kg/PS、対するNinja650Rは2.48kg/PSとなり、走行性ではNinja650Rに軍配が上がり、新車販売価格でもVストローム650の＄6,699と比べてNinja650Rは$200安となっていた。
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解説記事更新日：2021年07月24日

生産拠点をKMT(タイカワサキ)に移し、フルモデルチェンジを受けて発売された2009年モデルのNinja650R。
外観をZX-6R同様にシャープで尖ったデザインに一新、エンジンは最高出力は変わらないまま設定を変更され中低域の加速がスムーズになっていた。また、フルデジタルのマルチインフォメーションメーターを採用している。
カラーバリエーションにはライムグリーン、パッションレッド、メタリックディアブロブラックの3色を設定。
新車販売価格は先代モデルから$300高のUS$6,799となった。
ライバル車としては同年にフルモデルチェンジを受けて登場したヤマハのXJ6 ディバージョンが挙げられる。最高出力は77.5PS、装備重量は211kg、パワーウェイトレシオで2台を比較するとXJ6 ディバージョンは2.72kg/PS、対するNinja650Rは2.83kg/PSとなっており僅差ながらXJ6 ディバージョンがリードしていた。
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解説記事更新日：2021年07月24日

カラーチェンジを受けて発売された2011年モデルの Ninja650R。
カラーバリエーションにはツートーンカラーのキャンディバーントオレンジ×フラットスーパーブラック、メタリックスパークブラック×フラットスーパーブラックの2色を設定。
新車販売価格は先代モデルから$400高の$7,199となっていた。
2006年の北米モデルから投入されたNinja650Rはこの2011年モデルが最終型となり翌2012年には車名からRを取り除き、個性的なダブルパイプペリメターフレームを搭載し、タコメーターをアナログにもどした Ninja650が後継モデルとして登場している。
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解説記事更新日：2021年07月24日