KTMは2011年の「トラベル・アドベンチャー」カテゴリに個性的なデザインの特別仕様車を展開した。それが本機「990 アドベンチャー ダカール」だった。日本国内仕様は同年1月に導入された。
ベースになっているのは既存モデルの「990 アドベンチャー」だが、いくつかの専用ディテールを採用している。主な内容は以下の通り。

・115馬力エンジン
・クラッシュバー標準装備
・ブロックタイヤD908RR標準装備(本国仕様)
・専用カラー

パウダーコート仕上げのクロモリ鋼管製メインフレームとアルミ製サブフレームを組み合わせるシャシーに搭載するエンジンは、ボア・ストロークが101㎜×62.4㎜の水冷DOHC75度V型2気筒ユニットとなる。最高出力は8,750回転115馬力仕様で、最大トルクは6,750回転で100Nmを発生する。ちなみにエントリーモデルの無印グレードは106馬力で、従来の上位グレード「R」タイプが本機と同じく115馬力となっていた。

足回りはオフロードパーツで信頼と実績のあるWP製の48㎜大径倒立フォークをフロントに装備。リアも同じくWP製のモノショックが採用されていた。サスペンションストロークは前後ともに210㎜を確保している。ブレーキはフロントが300㎜ダブルディスクでリアは240㎜仕様でトリプルディスク。キャリパーは前後ともにブレンボ製で、ボッシュ製のABSも標準装備だった。ちなみに本国モデルア前後タイヤがブロックタイプの「D908RR」を履いていてオフロード感がより一層強調されていた。

スタイリング面ではブルーの専用カラーを採用し、マシンのリヤサイドには「30th EDITION DAKAR」のロゴが配され特別なマシンであることが明白なデザインとなっていた。またナックルガードやエンジンガードはビビットなメーカーイメージカラーのオレンジとすることでレーシーかつアグレッシブな印象に仕上がりだ。

比較対象としてはBMWモトラッドが展開するフラッグシップアドベンチャー「R1200GS」が台頭していた。格上排気量クラスとなる1,169ccの空油冷ボクサーツインは、110馬力・120Nmというスペック。オリジナルサスペンションで快適な乗り心地と優れた悪路走破性を誇るマシン。ただ、シート高は870㎜で本機より10mm高い。いずれにしても両モデルとも足つき性に関しては実機にまたがって確認することをおすすめしたい。

なお、発売以降の「990 アドベンチャー ダカール」は目立ったアップデートを受けることなくデビューモデルが最終仕様となって生産終了に至った。

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解説記事更新日：2025年01月22日

ハイパフォーマンス水冷Vツインを搭載するKTMの「990 アドベンチャー」は、2011年モデルで新たなフラッグシップを展開した。それが本機「990 アドベンチャー ダカール」だ。日本仕様は2011年1月に以下のカラーリングと価格で導入された。

・「ブルー」　193.2万円(税込)

ひと目で判別できる既存グレードと違いとしては、ビビットなオレンジのクラッシュガードが標準装備となっていることだろう。また本国仕様に限っての話となるが、前後のタイヤはブロックパターンのD908RRが装着されていてオフロード感を一層アピールするスタイルに仕上がっている。
エンジンスペックは従来の上級グレード「990 アドベンチャーR」と同様だ。
999ccの水冷DOHC4バルブ75度Vツインエンジンは、8,750回転で115馬力を発生する。最大トルクは6,750回転100Nmというスペックだった。乾燥重量は209.5kgに収まっている。

足回りは210㎜のロングストローク量を確保したWP製のサスペンションキットを装備する。フロントは大径48㎜の倒立フォークで優れた強度と路面追従性を誇る信頼性の高い構造だ。ブレーキはトリプルディスクにブレンボキャリパーを組み合わせる。
シート高は860㎜あるので、ライダーの体格によっては足つきに気を遣うだろう。
ちなみにミドルクラスアドベンチャーとしては、トライアンフが時期を同じくして「タイガー 800 XC」を発売した。95馬力・79Nm仕様の800㏄の水冷トリプルエンジンで格下排気量となるが、シート高は845mmと低く足つきはそれほど悪くはない。

スペックや足つき、マシンデザインなど何を重視するかでマシンの選択は変わってくることだろう。

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解説記事更新日：2025年01月22日

990 ADVENTURE DAKARは、2011年に950 ADVENTUREの最新モデルとして新登場しました。
2012年式990 ADVENTURE DAKARに大きな変更はありませんが、2011年式では通常モデルと上級モデルのダカールモデルの二つが用意されていたのに対し、2012年モデルでは標準モデルがダカールモデルに変更され一本化されています。
エンジンには115馬力のV型二気筒エンジンを採用し、2009年から採用されたロングストロークサスと長距離でも疲れないシート形状や、標準でABSを装備するなど装備の面でも一切の妥協がない仕様となっています。
売る際のリセールバリューですが、日本では流通の少ないものの買取ではオフロードやエンデューロマシンの最高峰に君臨するKTMのブランド力が効いた査定額となります。

解説記事更新日：2020年12月08日