「GSX400インパルスS」は、1994年2月に発売された「GSX400インパルス」のバリエーションモデルに当たる。発売は4か月遅れの1994年6月のことだった。型式に関しては、共通のGK79A型になる。ちなみに「インパルス」のネーミングが付されたバイクは、1982年発売の「GSX400FSインパルス」と1986年に登場した「GSX400Xインパルス」に続き、3代目のモデルということになる。
通常モデルとの違いはフロントに装着されたレトロな雰囲気を漂わせるビキニカウルとカラーリングだ。ブルーとホワイトのツートンカラーは、1979年と80年にAMAスーパーバイク選手権でチャンピオンを飾った「GS1000」のカラーリングを思い出させる。そのマシンを操っていたライダーである、ウエス・クーリーに因んで「クーリーカラー」とも呼ばれている。
外観デザイン以外のコンポーネントは通常モデルと共用で、ダブルクレードル型のフレームに水冷4ストロークDOHC直列4気筒399㏄のK715型エンジンを搭載。トランスミッションは6速マニュアルだ。フロントとリアにKYB製のサスペンションを採用している点も共通である。
デビュー翌年の1995年2月には仕様変更を行い、マフラーがメッキタイプからブラック塗装仕上げになり、フロントフォークアウターにKYBのロゴが配置された。さらに1か月後には、通常モデルど同様に、スズキ75周年記念限定モデルを設定。カラーリングは「クーリーカラー」ではなくブラックで展開され、タンク上部には「75th記念」ステッカーが配置された。そして、1996年2月にもマイナーチェンジを実施し、シートとシートカウルを変更することで足つきを良くした。この変更が「GSX400インパルスS」最終仕様となった。

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解説記事更新日：2021年08月19日

1994年にスズキから新登場したGSX400インパルス タイプSの初期モデル。
GSX400インパルスをベースにビキニカウルを搭載した本車。エンジンには空油冷4ストロークDOHC4気筒を搭載。最高出力は53PS/11,000rpmを発揮した。足廻りはベース車同様に前後サスペンションにはKYB製を採用。また、タイプSのみの装備として電装系ではハザードランプ機能を新採用している。
ボディカラーにはパールスティルホワイト×パールスズキミディアムブルーを設定。
新車販売価格は57.9万円だった。
ビキニカウルは1970年代〜80年代にル・マン、鈴鹿8耐などに参戦していたGS1000Sが搭載していたものをモチーフにしており、カラーもブルーとホワイトでスズキのレーシングカラーを採用。発売当初から人気が高くインパルスの名を世に広めたモデルとなった。
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解説記事更新日：2021年10月21日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された1995年モデルのGSX400インパルス タイプS。
スタンダードモデル同様にシート下に4リットルの収納スペースを新設、マフラーの形状変更、プラグキャップはレッドになり燃料タンクとサイドカバーには立体エンブレムを採用し、車重が1kg増加した
タイプSのみの変更としてはゴールドチェーン、ブラックアルマイトのクラッチとブレーキレバー、ブラックアウトしたマフラー、レッドのリアスプリングなど各部のカラー変更に加えてフロントフォークアウターチューブとリアショックのリザーバータンクにKYBロゴの追加、、エンジンケースにはTSCCのロゴが追加された
カラーバリエーションには先代から引き続きパールスティルホワイト×パールスズキミディアムブルーを設定。
新車販売価格は58.9万円だった。
同年3月にはスズキの創業75周年を記念したスペシャルカラーモデルも登場。ボディカラーにはパールノベルティブラックを採用し燃料タンクには記念エンブレムが配された。こちらの新車販売価格も同額の58.9万円。
中古車市場ではその人気から旧車としての付加価値がついており、タマ数が少ないことも相まって状態の良い車両は新車販売価格以上での高価買取も期待できるモデルだ。
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(画像はスズキ創業75周年のスペシャルカラーモデル)

解説記事更新日：2021年10月21日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された1996年モデルのGSX400インパルス タイプS。
シート、サイドカバー、テールカウルの形状を変更、車体をスリムにするとともに足つき性を向上させている。また、ハザードランプのスイッチが形状変更、エアクリーナーカバーはクロームメッキ加工を施され、新たにセンタースタンドが採用された。
カラーバリエーションには先代から引き続きスズキのレーシングカラーであるパールスティルホワイト×パールスズキミディアムブルーを設定。
新車販売価格は59.9万円だった。
GSX400インパルス タイプSはこの1996年モデルを最終型として生産を終了。ベースモデルであるGSX400インパルスは以降も継続して販売されたのち1999年モデルでカタログ落ち。2004年には奇跡的に復活を果たすも、残念ながらビキニカウル仕様のタイプSが復活することはなかった。
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解説記事更新日：2021年10月21日