スズキRE-5は、497ccのロータリーエンジンを搭載したバイクです。
極めて珍しいエンジンレイアウトですが、世界で唯一というわけではなく、他にドイツ：ハーキュレスの【W2000】、イギリス：クライトンの【CR700W】などにも例があります。
ホンダ、ヤマハ、カワサキも試作車を作っていますが、国産で市販までこぎつけたのはスズキだけです。
RE-5は一見したところ【GT750】に似たスタイリングですが、イタリアの名デザイナー「ジウジアーロ」によるものです。
しかし日本において、ロータリーエンジンの構造上、排気量に1.5をかける「排気量換算」があります。そうするとRE-5は750cc未満ですから形式認可が下りそうなものですが残念ながら認可されませんでした。結果、輸出専用車となりました。。
さてエンジンは、ローターハウジングを水冷、ローター内を油冷とした複雑なもので、吸気は2ポートのペリフェラルポートシステム、大型ラジエター、二重構造エキパイなど独特のものです。フロントフォーク、ブレーキは【GT750】と共通です。
外観で特徴的なのは「茶筒」と言われたメーターパネルで、円筒形を横向きにした形となっています。メインキーオンで透明はプラスチックカバーが開き、中には発光ダイオードを使用したギアポジションインジケーターもありました。75年に一般的なメーターに変更されています。
随所に意欲的な作りが見られますが、オイルショックもあって輸出台数は2年間で6千台という結果となりました。
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解説記事更新日：2021年12月08日

1974年に発売されたRE-5の前期型。
日本でただ一台のロータリー式エンジンを導入したモデルとして知られており、スズキの中でも創意に満ち溢れた名機（珍車）として名高いB-KINGと同様モーターサイクル史にも記憶にも残った本車。
日本向けに生産したもののいざ開発されたロータリーエンジンの排気量を計測すると当時の日本国内市販車の排気量の自主規制値である750ccを超えていたために日本国内においては販売できず、そのまま輸出向けモデルになった不遇の名車である。また、僅かながら日本国外から逆輸入されたRE-5はどんな魔法を使ったかは不明であるが車両登録時には497ccと記載されていたという。
カラーバリエーションにはレッド、ブルーの2色を設定。
デザイナーはバック・トゥ・ザ・フューチャーのデロリアンDMC12をデザインしたイタリアのビッグネームであるジウジアーロ氏で、モトグッツィの350イモラや500モンツァなどをデザインしているが、初めて手掛けた2輪車がこのスズキ RE-5だった。
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解説記事更新日：2021年11月20日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された1975年モデルの後期型 RE-5。
前期型で特徴的だった茶筒と呼ばれるメーターケースが取り払われ2連メーターに変更。
カラーバリエーションはブラック、ブルー、レッドの計3色を設定した。
当時、レシプロエンジンに代わる夢のエンジンと称されていたロータリーエンジンは、当時の西ドイツのNSU社とスズキがライセンス契約を結び足かけ3年余りをかけて開発された代物であるが、NSU社と契約を結んでいたのは何もスズキだけでは無かった。実はホンダ、ヤマハ、カワサキも時を変わらずしてロータリーエンジンに目をつけており、ヤマハは1972年にRZ201 CONCEPT を、カワサキは1974年年にX99 PROTOTYPEを、そしてホンダはA16/24を1975年にそれぞれプロトタイプとして開発していたが、結局どれも市販に至ることはなく、スズキのRE-5が唯一国内生産で市販(輸出)されたロータリーエンジンモデルとなった。
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解説記事更新日：2021年11月15日