ヤマハのフロント二輪スクーターと言えば「トリシティ」だが、これまでの125ccと155ccに加え、ゆとりの走りを可能にする300ccモデルが登場した。それが、2020年9月に発売された「トリシティ300」だ。
従来の小排気量モデルはターゲット層が通勤ユースのライダーだったが、「トリシティ300」は排気量アップによりロングツーリングやタンデム移動といった、より幅広いニーズに応えることができるようになった。
パワートレインには水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒の292ccエンジンを搭載。「走りの楽しさ」と「燃費・環境性能」を兼ね備えた「BLUE CORE」エンジンである。ちなみに本モデルに採用されているH344E 型「BLUE CORE」は、ヨーロッパで販売されている「XMAX300」に搭載されているエンジンをベースにセッティング変更を加えたもの。
最高出力は、7,250回転で29馬力を発揮。燃費性能はWMTCモードで31.5km/Lとなっている。ちなみに125ccモデルは43.6km/L、155㏄モデルが41.7km/Lと排気量が小さいほど燃費性能も優れている。
足回りには、フロント2輪の大型マシン「NIKEN」に採用されている「LMWアッカーマン・ジオメトリ」を採用した。コーナーリング時にフロント両輪が最適なポジションに位置するように作動するメカニズムで、スムーズで自然なハンドリングを実現している。なお、「トリシティ」シリーズでこの機構を採用しているのは本モデルのみだ。
また、車両の自立をアシストする「スタンディングアシスト」機能もヤマハの2輪市販モデルとしては初採用した。
安全装備面ではABSに加えて、リアブレーキ操作でフロント側にも適度に制動力が伝達されるUBS(ユニファイド・ブレーキ・システム)を標準装備としている。
実用性面ではシート下の収納スペースは45Lの大容量タイプでフルフェイスヘルメットを2個収容できる。さらにLED照明も付いているので暗い場所での荷物整理も容易だ。スマートキーシステムやDC電源ソケットといった快適装備も充実している。
2021年デビューモデルは3カラー展開で、価格は957,000円(税込)となっている。

買替や売る際の買取査定は、トリシティ300の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2021年11月20日

手ごろなサイズ感で日常ユースに扱いやすい「トリシティ」だが、2020年9月に国内免許制度の中型2輪クラスにカテゴライズされる「トリシティ 300」が加わった。日本向けの正式モデル名称は「トリシティ 300 ABS」となる。
2021年モデルとして展開されたSH15J型の本機は、以下のカラーバリエーションが設定された。

・「ブルーイッシュグレーソリッド4」
・「マットグレーメタリック6」
・「マットダークグレーメタリックA」

いずれのカラーもダークテイストで精悍なイメージに仕上がっている。価格は95.7万円(税込)で、下位クラス「トリシティ 155」の48.4万円(税込)と比較すると2倍近い価格さだ。
それもそのはず、本機のフロントセクションには、ハイスペック大型スポーツ「NIKEN」に採用される「LMW アッカーマンジオメトリ」を専用設計して取り込んでいる。その結果、優れたハンドリングと接地感を実現して、快適かつコントローラブルなマシン挙動となった。

新設計フレームに搭載されるエンジンは、ヨーロッパマーケットで展開されていたスポーツスクーター「XMAX300」の環境型ユニット「BLUE CORE」がベース。セッティングの変更を施すことで、スペックは最高出力が7,250回転29馬力、最大トルクは5,750回転で29Nmを発生する。

安全面では、3輪対応のABSとユニファイドブレーキシステム(UBS)を採用している。さらに自立をサポートする「スタンディングアシスト」機能で、押し歩きや段差の乗り越えといったシーンも扱いやすい。

なおデビューモデルとなったSH15J型「トリシティ 300」は、カラーチェンジや仕様変更を受けることなく、令和2年排ガス規制に適合するSH21J型が登場するまで販売された。


買替や売る際の買取査定は、SH15J型 トリシティ300の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年06月30日

スタンディング・アシスト・システムを搭載して取り回し性能に優れたフロント2輪マシン「トリシティ 300」は、2024年式でデビューから初となるマイナーチェンジを実施。
型式は従来のSH15J型からSH21J型へアップデートされた。今回の仕様変更で適用された内容は以下の通り。

・排ガス規制適合
・カラーチェンジ

このタイミングでマイナーチェンジを受けた主な理由は、環境性能を高めてモデルライフの延長を図ることだった。SH21J型「トリシティ 300」のエンジンは、令和2年排ガス規制に適合。292ccのOHC4バルブ水冷単気筒ユニットは、7,250回転29馬力というスペック。最大トルクは5,750回転で29Nmを発生する。エンジン出力は従来型から変わっていないので、環境性能を高めつつもスペックを維持することに成功したことになる。
カタログ上の燃費性能は、WMTCモード値で従来のリッターあたり31.5kmから32.2kmへ向上した。

「トリシティ」シリーズの国内モデルは、2024年時点で「125」、「155」、そして本モデル「300」の3クラス排気量でラインアップされている。下位排気量の2モデルに関しては、既に2023年モデルで仕様変更を受けて最新の排ガス規制に適合していた。
中間クラスの「155」は、アイドリングストップ機能付きのOHC4バルブ155cc水冷単気筒エンジンを搭載している。最大トルクは6,500回転14Nmというスペック。シート高は770mmで本モデルより25mm低い。パワーは非力だがサイズや車検不要の手軽さで、日常の移動手段としてはちょうど良いと感じるライダーも少なくないだろう。タンデムやツーリングユースも想定するなら断然「トリシティ 300」が快適だ。

なおSH21J型となった2024年式の「トリシティ 300」は、2023年12月に104.5万円(税込)で発売された。カラーバリエーションは、「マットグレーメタリック6」が従来モデルから継続。そしてニューカラーとして「ダークグレーイッシュブルーソリッドB」と「マットイエローイッシュグレーソリッド1」が追加されて、トータル3からバリエーションが用意された。

買替や売る際の買取査定は、SH21J型 2024~現行 トリシティ 300の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年03月07日